［JAEPO2014］セガの隠し球は，童話の主人公達が戦うMOBA系ストラテジーゲーム。「WONDERLAND WARS」ステージの模様をレポート

　本日（2014年2月14日）より開催されているイベント「ジャパン アミューズメント エキスポ 2014」（JAEPO2014）で，セガが2014年秋の稼働を予定しているアーケードゲーム「WONDERLAND WARS」が発表された。
　セガブースで実施されたステージイベントでは，“アーケード初”のMOBA系ストラテジーゲームを謳う本作のプレゼンテーションが行われ，開発中の実機を使ったデモも披露された。また，3月下旬にはロケテストの実施が予定されていることも明らかにされた。
　本稿では，そのステージの模様をお伝えしていこう。

「WONDERLAND WARS」公式サイト

　ステージに登壇したのは，本作の総合プロデューサーである西山泰弘氏と，総合ディレクターの大原 徹氏の2人だ。
　西山氏はまず，本作のゲーム内容を「一言で言うと戦略アクションゲーム」だと説明。これまで2人が手がけてきた「三国志大戦」シリーズや「戦国大戦」シリーズの制作の経験を生かしたうえで，それらとはまた違ったタイプの戦略ゲームを目指したと，本作のコンセプトを語った。

多数の初出情報とともに，本作にかける意気込みを熱く語った西山泰弘氏（写真左）と大原 徹氏（写真右）

　「WONDERLAND WARS」の特徴として挙げられたのは，「“アーケード初”のMOBA系ストラテジー」「ペンデバイスによる直感的なアクション」の2つ。また，新基板「Nu」の採用により，今まで以上に緻密な表現が可能となっている点もポイントだ。


　念のため説明しておくと，「MOBA」とはMultiplayer Online Battle Arenaの略称。複数のプレイヤーが2チームに分かれ，仲間と協力しながら敵チーム拠点の破壊を目指す，というスタイルのゲームを指す。
　大まかにいうとRTSにRPG要素を取り入れた感じで，試合中にキャラクターが成長していく過程も戦略に含まれる。操作インタフェースはRTSに近いが，プレイヤー1人が操作するのは1キャラクターのみで，試合中の役割ははっきりと分かれている。

MOBA系ゲームの基本システム解説も行われた

　最近は日本でもMOBA系のタイトルが増えてきたが，その主なプラットフォームはPCだ。そのため「WONDERLAND WARS」では，アーケードでプレイしやすいよう，さまざまな改良が施されているとのこと。

　「WONDERLAND WARS」の場合は，4人対4人の2チームで戦うスタイルとなり，敵味方がぶつかる“レーン”は2つとなっている。操作はジョイスティックとペンデバイスで行い，キャラクターの移動はジョイスティックで，攻撃やスキルの発動といった操作はペンデバイスというように使い分ける形だ。

開発中のバージョンを使っての実機プレイの様子。片手でジョイスティックを，もう片方の手でペンデバイスを持って操作するのが基本

　実機デモでは，ペンデバイスで敵をポインティングすることで弱攻撃，線を引くように画面をなぞると軌跡に沿って強攻撃が繰り出されるといった操作が実演された。
　また，仲間同士のコミュニケーションが取れるようチャット機能が用意される。画面のミニマップには書き込みが可能で，戦術面での意思疎通を図りやすくなっている。

ペンデバイスで画面をなぞってたくさんの敵を攻撃できる「ドローショット」。大原氏曰く，この攻撃がゲームのキモになるとのこと

プレイ中，敵を倒すとプレイヤーキャラクターがレベルアップしていく。レベルが上がるとキャラクターが強くなり，さまざまなスキルが使用できるようになる

画面下にあるアイコンをタッチするとスキルが発動。派手なカットインのあと，大ダメージの攻撃や能力アップといった，スキル効果が発動する

仲間同士でのコミュニケーションはチャットで行う。ミニマップに直接書き込みもでき，意思疎通が図りやすくなっている

敵拠点を破壊したチームが勝利となる。1回の対戦時間は5〜10分程度に設定されるそうだ

　本作の世界観は，「本の中で戦っている」設定とのことで，古今東西のさまざまな「物語」がモチーフになっている。イベントで公開された「サンドリヨン」「ピーター・ザ・キッド」「美猴」「リトル・アリス」の4人を見ると，誰もが知っている童話や伝承の登場人物が連想できるのではないだろうか。
　また，たとえば「リトル・アリス」なら巨大化して敵を踏みつぶすというように，キャラクター達のスキルもモチーフを生かしたものになっているそうだ。

会場で上映されたプロモーション映像。ファンタジーな世界観かと思いきや，現実世界とリンクしているかのような描写もあったのが気になるところ

ステージで公開された4人のプレイヤーキャラクターは，前嶋重機さん，真島杏示さん，萩谷 薫さん，輪くすさがさんら，著名イラストレーターがデザインを手がけている。また，CVは井上麻里奈さん，木村良平さん，中村悠一さん，瀬戸麻沙美さんら人気声優陣が担当している

　本ステージでは，声優の磯村知美さんがゲスト出演し，本作の“案内人”である「マメール・ロワ」というキャラクターを演じることが明らかにされた。ゲーマーとしても知られる磯村さんは，ストラテジーゲームというとマニアックなイメージがあるものの，「WONDERLAND WARS」は直感的な操作ができて女性でも楽しめそうだと，本作の印象を語っていた。

磯村さんが演じるマメールは，ミステリアスな雰囲気を持つ女性とのこと

　大原氏は，本作の開発状況は現段階で20％程度だが，3月下旬にはロケテストを実施予定だとコメント。「チーム一同，がんばっているのでご期待ください」と話していた。
　西山氏は，面白いゲームを作るのはメーカーとして当たり前で，どれだけのブームを作れるかが大事だと述べる。「WONDERLAND WARS」では，公認プレイヤーやプロゲーマーを積極的に発掘していくつもりで，今後はプレイヤーがもてはやされるような流れを作っていきたいと抱負を語り，ステージを締めくくった。

「WONDERLAND WARS」公式サイト