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ゲーマーも注目すべきWindows 10の新機能を解説。Xbox Appの標準搭載でXbox OneからのゲームストリーミングやPCゲーム録画が可能に
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印刷2015/01/22 19:50

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ゲーマーも注目すべきWindows 10の新機能を解説。Xbox Appの標準搭載でXbox OneからのゲームストリーミングやPCゲーム録画が可能に

画像集 No.002のサムネイル画像 / ゲーマーも注目すべきWindows 10の新機能を解説。Xbox Appの標準搭載でXbox OneからのゲームストリーミングやPCゲーム録画が可能に
 速報で報じたとおり,北米時間2015年1月21日,Microsoftは,米国ワシントン州にある同社本社にて,次期Windowsである「Windows 10」に関するイベントを開催した。
 2014年10月に開発者向け評価版「Windows 10 Technical Preview」(以下,Technical Preview)がリリースされて以降,大きな発表はなかったWindows 10であるが,今回は発表済み情報のアップデートも含めて,OSそのものの改良点や新機能,ライセンス方法まで多くの情報が一気に公開されている。とくに,Windows 10の発売後1年間は,Windows 7/8.1ユーザーは無償でOSのアップデートができるという発表には,驚いた人もいるのではないだろうか。

 またWindows 10では,PCやデバイスが動作対象である間は,Windows Update経由で最新版へと無料で更新され続けるようになることも発表されている。Windows 10を導入すれば,それ以降メジャーバージョンアップにともなって新しいOSを買う必要はなくなるわけだ。
 Microsoftはこれを,「Windows as a Service」と表現している。ネット上で提供されるサービスのバージョンを,ユーザーがいちいち気にすることはない。Windows 10もそれと同じというわけだ。

 イベントの発表内容は多岐にわたっているため,本稿では4Gamer読者にも関心がありそうな話題に絞って,Windows 10の新機能をレポートしたい。なお,同イベントで発表された立体映像表示機能を持つヘッドマウントディスプレイ「Microsoft HoloLens」については,別途解説記事を用意したので,そちらを参照してほしい。

Microsoftの驚くべき隠し球,立体映像対応HMD「HoloLens」は何ができるのか?



PCとタブレット,スマートフォンで1つのOSが動作する


 Windows 10の登場によって生じる大きな変化の1つは,製品カテゴリによるOSの違いがなくなることだ。現在のWindowsでは,PCおよびx86 CPU搭載タブレット向けには「Windows 8.1」,ARM CPU搭載タブレット向けには「Windows RT」,そしてスマートフォン向けには「Windows Phone 8.1」という異なるOSが提供されている。Windows 10ではこうした違いがなくなり,デスクトップPCやノートPC,2-in-1デバイスやタブレット,そしてスマートフォンまで,すべてのデバイスでWindows 10が動作するようになる。
 ちなみに,スマートフォンやWindows RTデバイス向けのWindows 10は,「Windows 10 Phone and Tablet」と呼ばれるようだ。

タブレット(左)やスマートフォン(右)でも,Windows 10が動作するようになる。といっても,既存のデスクトップアプリがWindows 10搭載スマートフォン上でも使えるようになる,というわけではない
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 これらのデバイスは,すべてがx86アーキテクチャのCPUを使うというわけではない。とくにスマートフォンでは,ARMアーキテクチャのCPUを内蔵するSoC(System-on-a-Chip)が使われることもあるだろう。そのうえ,Microsoftは,据え置き型ゲーム機であるXbox One(※CPUはx86アーキテクチャ)でも,Windows 10と同じアプリケーションが動作するようにしようとしている。
 こうしたアーキテクチャの異なるハードウェア間でも動作するアプリケーションのことを,Microsoftは「Universal apps」(ユニバーサルアプリ)と呼ぶ。そしてWindows 10では現行のWindowsストアアプリをUniversal appsに移行させることで,PCとスマートフォン,Xbox Oneで,同じアプリケーションが動作する環境を実現しようとしているわけだ。

 OSに標準で付属するアプリは,その多くがUniversal appsとなる。また,開発中の次期Microsoft OfficeもUniversal apps化される予定で,スマートフォンでもPCと同じPowerPointやOutlookなどが利用できるようになるという。
 現在でもiOS用やAndroid用のMicrosoft Officeはリリースされているが,それらはPC版とは別物のアプリケーションである。これに対してUniversal apps版のOfficeは,PCとスマートフォンで同じアプリケーションを利用できるという点が大きく異なるということを覚えておいてほしい。

次期OfficeはUniversal appsとなり,Windows 10搭載スマートフォンでも使えるようになる。左はスマートフォン上で動作している「Microsoft Word」で,右は同じく「Microsoft PowerPoint」だ
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右サイドのチャームは「アクションセンター」に


 Technical Previewで実装されていたユーザーインターフェイスも,さらに改良が進められている。
 まず既報の情報ではあるが,Windows 10ではスタートメニューが復活し,Windows 7までのスタートメニューとWindows 8.xのスタート画面を組み合わせたものが提供される。ただ,そのデザインには若干変更が加えられているようで,ユーザーを示すアイコンや名前,シャットダウンボタンの位置がやや上に移動していた。Technical Previewのフィードバックを受けた改良によるものだろう。

こちらは21日に公開されたWindows 10の新型スタートメニュー。左ペインにWindows 7までのアプリケーション一覧が,右側にはスタート画面風のタイル表示が並ぶ点はTechnical Previewと変わらないが,シャットダウンボタンの位置が右上に移動しているなど,細かい改良が施されている
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こちらは2014年10月に公開されたTechnical Previewのスタートメニュー。ユーザーアイコンとシャットダウンボタンがアプリケーション一覧の上に同じようなデザインで置かれているので,ちょっと分かりにくかったのかもしれない
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 また,PC上で動作しているWindows 10では,キーボード/マウスによる操作モード(キーボード/マウスモード)とタッチパネルによる操作モード(タッチ/タブレットモード)を切り替える機能「Continuum」も導入される。ストアアプリの場合,キーボード/マウスモードではウインドウ形式で表示されるが,タッチモードでは現在のストアアプリと同じ全画面形式の表示となる。
 ちなみに,2-in-1デバイスでWindows 10を使う場合,折りたたみやキーボード部分との分離などを検出して,自動的にモードを切り替えることも可能になるとのことだ。

左がキーボード/マウスモード,右はタッチ/タブレットモードのスタート画面。タッチ/タブレットモードは,Windows 8.xのスタート画面にスタートメニューの機能を組み合わせたようなデザインだ
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 もう1つ大きなユーザーインタフェースの変更が,「チャーム」に代わって導入される「アクションセンター」である。Windows 8.xでは,タッチパネルの画面右端で内側に向かって指をスライドさせるスワイプ操作を行うと,チャームと呼ばれるメニューが表示されていた。これに対してWindows 10では,チャームが廃止されて代わりにアクションセンターというメニューが表示されるという。
 アクションセンターには,連絡先の情報やSkypeの通知,そのほかアプリケーションの通知やOS機能へのショートカットといったものがまとめて表示されている。いうなれば,チャームの機能にAndroidの通知領域にあるような機能をまとめて,見やすいデザインで表示するようにしたもの,といったところだろうか。

画面右側にある縦長の領域がアクションセンター。通知の情報がまとめて並んでいるほか,下側にはOSの各機能へのショートカットボタンが配置されている
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Xbox Oneの機能を取り込む「Xbox App」

PC上でXbox Oneのゲームをプレイするゲームストリーミング機能も


 ゲーマーにとって注目の新機能も発表された。それが「Xbox App」だ。基本的にはXbox Oneで利用できるXbox Liveの機能,たとえばフレンドとのコミュニケーションといったものをWindows 10上で可能にするものだが,搭載する機能はそれだけに留まらない。

Xbox Appの画面。Xbox Liveのフレンドリストを参照したり,メッセージを送ったりといったことが可能になる
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 とくに注目すべき点は,PC上でプレイしているゲームの映像を録画する機能「Game DVR」が実装されたことだろう。Windows 10搭載PCでは,ゲーム中にXbox Appを呼び出してゲーム画面を録画したり,録画映像を編集したりといったことが可能になるのだ。Windows 10上でゲームをプレイしているときには,随時30秒分の映像が録画され続けており,録画操作をするとそれを保存できるという。ユーザーの操作でより長時間の録画を行うことも可能だろう。

「Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth」を使ったGame DVRのデモ。録画操作すると画面が暗転し,画面中央下側にGame DVRの操作をするためのツールパレットが表示される
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 同種の機能を実現するアプリケーションはいくつもあるし,Kepler世代以降のGeForceで使える録画機能「ShadowPlay」のように,GPU内蔵のビデオエンコーダを使って高画質かつ低負荷なゲーム録画を可能としているものもある。これらと比べたときに,Game DVRにはどのような利点があるのかはまだ不明だが,OS標準でゲーム録画機能が搭載されるようになったというのは,大きなトピックといえるはずだ。
 ちなみに,ゲーム中に[Windows]キー+Gキーのキーボードショートカットで,録画機能を操作することも可能だという。ゲーマー向けキーボードを使っている人の中には,ゲーム中に[Windows]キーを無効化している人も少なくないだろうが,Windows 10以降では有効にしておく人もでてきそうだ。

 Xbox Appが備えるもう1つの重要な機能が,Xbox One上で実行されているゲームの映像と音声をLANでつながったPCにストリーミング配信してPC側でプレイできるようにする「ゲームストリーミング」だ。ゲームの操作には,PCと接続したXbox One Wireless Controllerを使用する。
 据え置きゲーム機で動作しているゲームをストリーミング配信する機能といえば,PlayStation 4の「リモートプレイ」がある。しかし,リモートで操作できる端末はPlayStation VitaかXperia Z3シリーズのスマートフォン,またはXperia Z3 Tablet Compactなどに限られていた。それに対して,Xbox Oneのゲームストリーミング機能ではWindows 10を搭載したPCであればいいので,対象となる端末は大幅に広がるのが利点といえよう。

ゲームストリーミング機能を使い,Xbox One上で動作している「Forza Horizon 2」のプレイをしている様子。どれくらいのフレームレートが出ているのかは不明だが,見たところかなり快適な表示を実現できているようだった
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 Xbox AppではなくWindows 10自体の機能であるが,PCゲームからXbox LiveやXbox One用APIを利用することも可能になるという。これを使えば,PCとXbox Oneのマルチプラットフォームタイトルで,異なるプラットフォームのユーザー同士がマルチプレイで遊ぶことも可能になるそうだ。

 イベントではわずかに言及されただけであったが,「DirectX 12」の搭載もゲーム面におけるWindows 10の大きなポイントとなる。DirectX 12の特徴はGDC 2014のレポート記事で詳しく説明しているのでそちらを参照してほしいが,基本的にはマルチコアCPUやGPUの性能を効率的に引き出してゲームの実効性能を改善するものと理解すればいい。
 さらに今回のイベントでは,DirectX 12が消費電力にも重点を置いていることが言及された。電力効率が改善しているため,バッテリー駆動のノートPCやタブレットでゲームをプレイしていても,バッテリー消費を低減できるというのだ。実際にどの程度効果があるのかは,Windows 10とDirectX 12対応ゲームが出てから検証するしかないが,期待したいものではある。

 なお,今回のイベントはWindows 10に関するものなので,Xbox Oneそのものについてはとくに言及されなかったが,Windows 10の新機能に対応するためのシステムアップデートがいずれ提供されると予想される。現在のXbox Oneでは,ゲーム以外のユーザーインタフェースやアプリケーションを管理するOSとしてカスタマイズされたWindows 8(以下,SharedOS)が使われているのだが,あるいはWindows 10対応のシステムアップデートのタイミングで,SharedOSがWindows 10相当にアップデートされるといった可能性もありそうだ。


さらばInternet Explorer? Windows 10のWebブラウザ「Project Spartan」


 Windows 10ではWebブラウザも一新され,開発コードネーム「Project Spartan」(以下,Spartan)と呼ばれる新Webブラウザが搭載されることになった。
 この新しいブラウザでは,Webページに注釈を付ける注釈機能や,左右のメニューを非表示にして本文だけを読みやすく表示するリーダー機能といったものが搭載されるという。一旦表示したWebページを後でまた表示させる「後で読む」機能もあり,しかもこの機能は,複数のデバイスで同期できるため,PCで読んだWebページの続きをスマートフォンで読むといったことも可能になるとのことだ。

Spartanでは,Officeアプリである「Microsoft OneNote」のように,Webページにコメントをつけたり,一部を切り抜くといった「注釈機能」が装備されている
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 OSそのものに統合された音声認識対応の検索機能「Cortana」(コルタナ)のデモも披露された。
 Cortanaにはユーザーに関する情報を記録,管理する機能「Notebook」があり,ユーザーはこれに興味のある分野や細かい検索機能の有効・無効などを登録しておける。それをもとに,Cortanaは漠然とした自然言語――要は会話文だ――によるユーザーの問い合わせに対して,ユーザーが期待するであろう回答を推測して答えることが可能だという。

Windows 10のタスクバーにある検索ボックスからCortanaを実行するデモ
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 CortanaはWindows 10本体での検索だけでなく,Spartanやマップアプリからも利用できるようになっている。先行してCortanaを実装したWindows Phone 8.1では,たとえばカレンダーに登録された移動の予定を見て,その日時における道路の混雑状況を考慮して「何時に出発すれば間に合う」という情報を通知する機能がある。Windows 10でも同じような使い方が可能になるだろう。
 なお,Windows 10のCortanaは25種類の言語に対応するとのことだが,その中に日本語が含まれているのかは今のところ不明だ。対応言語の数は比較的多いので,日本語への対応も期待したいところである。


Windows 10の登場でiOSやAndroidに反撃できるか?


 冒頭でも触れたとおり,Windows 10はデスクトップPCからタブレット,スマートフォンという異なるプラットフォームを1つのOSで統一するという野心的な目標を持つプロジェクトだ。競合であるAppleは,モバイルデバイスはiOS,PCプラットフォームはMac OS Xというように,プラットフォーム別にOSが分断されている。Googleも似たようなもので,Android OSはモバイルデバイスで広く使われているものの,PCプラットフォームに対応するOSはChrome OSという別のものがあるので,こちらも分断されている格好だ(ただし,Chrome OSでAndroidアプリケーションを動くようにする計画はある)。
 モバイルデバイス分野で両社に後れを取ったMicrosoftとしては,Windows 10で一足先にOSの統一を実現することで,両社に追いつこうと考えているのかもしれない。もちろん,それがうまく行くという保証はないのだが。

 ところで本稿を読んでいてピンときた人もいるだろうが,Windows 10にはMicrosoftの人気FPSであるHaloシリーズにちなむ名前が多い。新しいWebブラウザの開発コードネームであるSpartanは,シリーズの主人公であるマスターチーフの所属部隊名であるし,検索エージェント機能であるCortanaは,マスターチーフを補佐する人工知能の名前そのままだ。Windows 10の開発コードネームである「Threshold」自体が,Haloシリーズに登場する惑星の名前でもある。
 Haloシリーズの人気にあやかったというよりも,窮地に陥っては果敢な反撃を行って危機を打開していくシリーズのイメージをWindows 10に重ね合わせたいという思いが,Microsoftにはあるのかもしれない。

Windows 10: The Next Chapter(英語ページ)

Microsoftの驚くべき隠し球,立体映像対応HMD「HoloLens」は何ができるのか?

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