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すべてのプレイヤーに優しい格闘ゲームを目指す「ストリートファイターV」。Capcom U.S.A.のCombofiend氏に聞く,バトルデザインの狙いとコミュニティとの関わり方
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印刷2015/08/12 00:00

インタビュー

すべてのプレイヤーに優しい格闘ゲームを目指す「ストリートファイターV」。Capcom U.S.A.のCombofiend氏に聞く,バトルデザインの狙いとコミュニティとの関わり方

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 アメリカ・ラスベガスで開かれた格闘ゲームイベント「Evolution 2015」(以下,EVO2015)。2015年7月18日(北米時間),その会場の一室にて,Capcom U.S.A.主催によるパネルセッションが開催された。

 2016年春の発売が予定されている新作「ストリートファイターV」PC / PS4)のサービスモデルや,バトルデザインなどが語られたこのセッションだが,その発表内容については,EVO2015の現地レポートや,7月21日に掲載した記事ですでにお伝えしている。
 リリース時のキャラクターが16体になることや,無料で行われるアップデート,ゲーム内ポイントと課金ポイントによって購入可能な追加キャラクターなどが明らかにされたわけだが,その狙いはどこにあるのか,気になっている人も多いのではないだろうか。

 その疑問に答えるべく,今回4Gamerでは,パネルセッションに登壇したCapcom U.S.A.のPeter "Combofiend" Rosas氏Matt Dahlgren氏に詳しく話を聞いたインタビューをお届けする。発表された内容のほかにも,日本のファンが気になっているだろうさまざまなトピックスをぶつけてみたので,本作に期待するファンはぜひご一読をいただきたい。

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「ストリートファイターV」公式サイト



新たなビジネスモデルに挑戦する「ストリートファイターV」


4Gamer:
 まず,日本のストリートファイターコミュニティの人達に向けて,自己紹介をお願いします。

Peter "Combofiend" Rosas氏
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Peter "Combofiend" Rosas氏(以下,Combofiend氏):
 日本の皆さん,初めまして! 「ストリートファイターV」(以下,ストV)で,バトルプランナー兼コミュニティマネージャーを勤めているCombofiendと申します。

4Gamer:
 Combofiendさんは,もともとはプレイヤーとして活躍していた方ですよね。

Combofiend氏:
 ええ。FGC(Fighting Game Community)の出身です。その経験を活かして,今はバトルデザインについて,日本の開発チームと意見交換をするのが仕事ですね。

Matt Dahlgren氏(以下,Matt氏):
 私はストVのブランド・マーケティング部門で,マネージャーを務めているMattと申します。カプコンU.S.A.内での役割としては,Combofiendがゲームの中身の担当なら,私はその周辺――サービスやビジネスモデルを担当しているとお考えください。

4Gamer:
 分かりました。今回のパネルセッションでは,ストVについてさまざまな発表が行われました。中でも「バランス調整やキャラクターの追加といったアップデートは,“基本”無料で提供される」という発表が大きなトピックだと感じました。

Combofiend氏:
 はい。最初にディスクを購入いただければ,やり込み次第では追加コンテンツを無料で手に入れることができます。ストVではキャラクターの追加などを定期的に行っていく予定で,それらを無料で獲得できる手段を用意しています。

4Gamer:
 つまり,「ウルトラストリートファイターV アーケードエディション Ver.2016」のように,タイトルが長くなっていくようなことは,もう起こらないと?

Combofiend氏:
 そのつもりです(笑)。もちろんVer.○○というようなバージョン表記はつくかも知れませんが,タイトル名はずっと「ストリートファイターV」のままの予定です。

Matt氏:
 無料といっても,追加キャラクターはゲーム内でアンロックしなければ使うことはできません。このアンロックには,ゲーム内通貨である“FightMoney”か,リアルマネーを使って入手できる“Zenny”のいずれかが必要です。

パネルセッションでは,リリース時には16キャラが使用可能であることが明らかにされた。うち4名は,ストVで初登場となるキャラクターになるという
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4Gamer:
 なるほど。PCゲームのF2P(※Free-to-Play)モデルに近い印象ですね。

Matt Dahlgren氏
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Matt氏:
 F2Pは多くのプレイヤーにとって優しいサービスでしょう。それにプレイヤー数を維持しやすいという意味でも,とても優れています。とはいえ,ストリートファイターコミュニティの人達の中には,ディスクを購入することで安心感を得られる人達もいます。なので,ストVではディスクとF2Pモデルのような追加コンテンツの無料提供というハイブリッドモデルを採用することにしました。

4Gamer:
 しかし,格闘ゲームで新しいキャラクターを追加するには,かなり制作コストがかかると聞きます。そのために,これまでは新しいキャラクターが追加される度に,新しいバージョンのディスクが発売されてきたわけですよね。以前,小野さん(ストリートファイターシリーズ エグゼクティブプロデューサー 小野義徳氏)にインタビューしたときにもこの話題になりましたが,果たしてこのビジネスモデルで,開発費を回収できるもののなのでしょうか。

Matt氏:
 我々としても,今回のモデルにリスクがあることは承知しています。しかし,ストVが目指しているのは,格闘ゲームのプレイヤー層をさらに拡大することです。これに成功すれば,きちんとビジネスとして成立すると,我々は確信しています。

4Gamer:
 追加キャラクター以外にも,Zennyで購入できるものがあるのでしょうか。ああ,アレンジコスチュームはきっとありますよね。

Matt氏:
 今は詳しくお答えできませんが,本作の理念は「プレイヤーにより多くの自由をもたらす」ことにあります。FightMoneyで獲得するか,Zennyで購入するかはプレイヤー次第です。実際にどんなコンテンツが登場するのかは,今後の情報を楽しみにしてもらえると嬉しいですね。

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キャラクターの個性を重視したバトルデザイン


4Gamer:
 バトルデザインについて聞かせてください。パネルセッションでは,本作のコンセプトについて,“Easy to play,Difficult to master.(遊ぶには簡単で,極めるのは難しい)”と語られていました。

Combofiend氏:
 はい。「ウルトラストリートファイターIV」AC / PC / PS4 / PS3 / Xbox 360)(以下,ウルIV)は,シビアな目押しコンボやしゃがみグラップ,仕込み入力といった難しいテクニックの習得が,勝つためには必須でした。本作ではそういった要素を撤廃し,プレイのハードルを下げたいと考えました。これがEasy to playです。

4Gamer:
 少しプレイさせていただきましたが,その狙いはよく伝わってきました。ですが,“Difficult to master”――日本語で言うと“深み”の部分については,まだよく分からないというのが正直なところです。その点について,聞かせてください。

Combofiend氏:
 ストVにおける“深み”の部分――我々の言う“Difficult to master”を担保するゲームシステムが「Vスキル」「Vトリガー」です。とくにVトリガーはいずれも強力で,これが発動できるようになると,キャラクターの可能性は大きく広がります。なので,ストVを極めるためには,その前後の戦術を別に考える必要があり,さらにはどんなタイミングでVトリガーを発動するかといったことに頭を使わなくてはなりません。

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4Gamer:
 VトリガーとVスキルは,名前の上では共通システムのように感じますが,実態としては各キャラクターに用意された個別のシステムですよね。なぜ,このようなデザインを選んだのでしょうか。

Combofiend氏:
 ウルIVにおけるセービングシステムがそうであったように,共通システムというのは,どうしてもその恩恵を受けやすいキャラクターとそうでないキャラクターが生まれてしまいがちです。

4Gamer:
 つまり,不公平な印象を与えてしまうと?

Combofiend氏:
 そう。ユンみたいにね(笑)。

(一同笑)

4Gamer:
 確かにウルIVのレッドセービングを活用できたのは,特定のキャラクターに限られていました。つまり,共通ではなく個別システムのほうが,バトルプランナーとしてはバランスを取りやすいということですか。

Combofiend氏:
 ええ。カプコンU.S.A.としては,キャラクターの個性を強く打ち出すほうが,皆が納得するゲームバランスになると考えています。“どのキャラクターも強い”と感じられるチューニングが理想だと思いますし,そのためには,共通システムは足かせにもなりかねない。それにプレイヤーとしても,自分のキャラクターの特性さえ理解すればいいのだから,バトルに飛び込みやすいですよね。

4Gamer:
 確かに。VトリガーとVスキルが実際にどう使われるかが気になりますが,そこは今後のプレイヤーの研究次第ですね。ストVについてもう一つだけ聞いておきたいのですが,過去のシリーズから大きくビジュアルが変化したキャラクターがいますよね。これはなぜでしょうか。

Matt氏:
 例えば,リュウや春麗,キャミィといったキャラクターは,あまりデザインを変えていません。彼ら彼女らはすでにカプコンのマスコットといっていいほど有名で,人気もありますからね。反対にそのほかのキャラクターは,アレンジを加えるようにしています。皆さんに新しい印象を持って親しんでもらいたいので。

4Gamer:
 なるほど。中でもケンは,かなりイメージが変わっていますね。

Matt氏:
 ああ,ケンは非常に良い例ですね。彼はリュウと異なるキャラクターを目指し,大きくデザインが変更されています。実は,彼のデザインについてはほかにも理由があるのですが……これは明かせるときが来たらお答えしたいと思います(笑)。

4Gamer:
 パネルセッションでのスライドでも,いわゆる道着キャラ(Shoto-character:リュウ,ケン,豪鬼などの空手スタイルのキャラクターのこと)という括りから脱却することが謳われていました。

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Matt氏:
 そのとおり! バトルデザインの面でも,リュウとケンはまったく異なったキャラクターになっています。リュウのVスキルは相手の攻撃を受け止めるディフェンシブなものですが,ケンのそれはダッシュで相手に肉薄するためのオフェンシブな性質を持っています。昇龍拳や波動拳といった技は共通していても,取り得る戦術はまったく違ったものになるでしょう。

4Gamer:
 楽しみにしたいと思います。ところで,先ほど名前の挙がった春麗とキャミィについてなんですが……どうも日本のファン達は,ストVでの彼女達のビジュアルにあまり満足していないようです。

Matt氏:
 そこはなかなか面白い現象だと思っています。キャラクターのビジュアルに対する感想は,地域ごとに大きく異なっているんです。例えば日本のファンはそう感じるかもしれませんが,欧米では「春麗とキャミィはストVですごく綺麗になった」というポジティブな意見が多い。

4Gamer:
 それは良く分かります。個人的な印象ですが,例えばキャミィはイギリス人女性の顔に近付いているなど,そのキャラクターの出身地域の意見が強く取り入れられているように感じます。

Matt氏:
 おっしゃるとおり,それは我々が必ず検討する要素です。ストリートファイターはグローバルなブランドですから,ステージはその国にとっての有名な場所になっていますし,登場するキャラクターも,ちゃんと彼らの国を代表する存在にしたいと考えているんです。

4Gamer:
 ……ダルシムとブランカも?

(一同笑)

Matt氏:
 彼らがストVに登場するかどうかはまだ分かりませんが,確かにその二人は,その国にとっての理想的な代表ではないかもしれませんね(笑)。ただ一つだけ確かなのは,ストVでは“誰がどの国を代表するのか”を,これまで以上に意識して作っている,ということです。そのほかの登場キャラクターも,これから徐々に明らかになって行くと思いますので,ぜひ期待していてください。

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Combofiend氏から見た,日本と北米コミュニティの違い


4Gamer:
 今日はせっかくCombofiendさんに同席いただいているので,コミュニティマネージャーという仕事についても,詳しく話を聞かせてください。日本においては,杉山さんや綾野さん,あるいは小野さんがその役割を担っているように思いますが,立ち位置的にはそれと同じと考えて良いのでしょうか。

Combofiend氏:
 確かに立ち位置は近いですが,私はもっとハードコア寄りですね。私の仕事は,コミュニティのコア層――いわゆるガチ勢からのフィードバックをまとめ,それをゲームに反映するかどうかを検討することにあります。また,北米コミュニティ全体の雰囲気をしっかり把握して,それを小野さんや杉山さん,綾野さんに報告するというのも,大切な仕事です。

4Gamer:
 なるほど。日本と北米では,コミュニティのあり方に違いを感じることはあるでしょうか。

Combofiend氏:
 ゲームに対するアプローチが大きく違いますね。北米では,競技シーンの選手達でさえ,”ゲームを楽しむ“ことに重きを置いています。対して日本では,”システムを理解する”こと自体を楽しんでいるように感じます。EVO2015のウルIV部門を見ても分かるように,日本人選手達はものすごく深いところまでシステムを理解していますから。

4Gamer:
 ああ,それは面白いですね。楽しみ方の質が異なっていると。

Combofiend氏:
 はい。もちろん,北米のプレイヤーもそれなりにはシステムを理解していますが,そのために勉強をすることを,大多数の人は面倒くさいと感じています。“そんなことより,実際に戦って強くなろうぜ”と考える人が多いようです。

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4Gamer:
 日本だと,要望一つとってもかなり具体的なことを書いてくる人が多いみたいですね。技の発生を3フレームにしてくれとか,大(強)昇龍はセービングキャンセル不可にしてくれ,といったような。

Combofiend氏:
 そうですね。自分が直接開発に関わるようになったのはウルIVからですが,そのときに痛感したのは,中級レベルのコミュニティメンバーは,“自分が勝つことが楽しい”と考える人が非常に多い,ということでした。「勝ちたいから俺のキャラをもっと強くしてくれ!」というフィードバックがものすごく多かった(笑)。

4Gamer:
 ああ,それは苦労しますね(笑)。

Combofiend氏:
 もちろん,そうした意見を鵜呑みにするわけにはいきません。そんなときは,該当キャラクターがプロシーンではどう使われているのかをチェックして,その上で「何故,中級者は上級者のようにこのキャラクターを扱えないのか」を考え,客観的に判断するように務めました。

4Gamer:
 チューニングは,やはりプロシーンを基準に考えるのでしょうか。

Combofiend氏:
 いえ,必ずしもトッププレイヤーの意見を重んじるわけではありません。競技シーン全体の雰囲気をチェックしたうえで,「このキャラは誰にも止められない!」「特定のプレイヤーにしか使いこなせていない」となってしまっていたとき,勝ち方のアプローチを変える方向で,調整を検討することになります。

4Gamer:
 例えばですが,Ver.2012からウルIVにバージョンアップされるにあたり,元はかなり弱体化されました。これはXian選手の元が強すぎたからですか?

Combofiend氏:
 まず前提として,特定の選手の活躍が,バランス調整に直接影響を及ぼすことはありません。Ver.2012の元は,ゲージ管理が容易で,スーパーコンボゲージがすぐに満タンにできてしまっていた。なので,日本の開発チームと相談のうえで,ウルIVではゲージを小出しにせざるを得ないという方向で調整を加えました。

4Gamer:
 なるほど。ただ,ウルIVの最初のバージョンの元は,ちょっと弱すぎたようです(笑)。

Combofiend氏:
 おっしゃるとおりです(笑)。我々の調整は常に正しいわけではなく,そこは申し訳なく思っています。ストVでも,コミュニティからのフィードバックを重視しつつ調整を重ねることで,より良いバランスを実現していきたいと考えています。妥当なフィードバックであれば,きちんと聞きますので。

4Gamer:
 期待しています。最後に,今現在ウルIVを楽しんでいる,そしてストVに期待している日本のファンに向けて,メッセージをいただけますか。

Combofiend氏:
 日本のプレイヤーの皆さんには,まず感謝の気持ちをお伝えしたいです。皆さんのおかげで,ウルIVはストリートファイターIVシリーズ史上,もっともバランスのとれたタイトルとして評価をいただきました。その証拠として,大会のリザルトには常に特定のキャラクターが並ぶのではなく,さまざまなキャラクターが顔をのぞかせています。そして,続くストVにもぜひトライしてもらえたらうれしいです。皆さんのフィードバックを参考に,日本の開発チームと共に,必ずや深みのあるバトルシステムに調整していくつもりです。ぜひ,楽しみにしていてください。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

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