プレイレポート
「ガンダムジオラマフロント」のクローズドβテスト参加レポートを掲載。自分だけの基地を築き上げてモビルスーツで大戦争
「ガンダムジオラマフロント」公式サイト
自分だけの基地を築き上げて,モビルスーツで戦いを挑む
さまざまな施設を建設して自分だけの基地(ジオラマベース)を作り,そこで歴代ガンダムシリーズに登場するモビルスーツ(MS)を開発して,そのMSを率いてほかのプレイヤーが作ったジオラマベースを攻める……というのが,ガンダムジオラマフロントの概要だ。
ゲーム内容的には,スマートフォンなどでカジュアルに遊べる,一般的なリアルタイムストラテジー(RTS)に近い。これらのアプリを遊んだことのある人なら,すぐにプレイのコツは掴めるだろう。実際に遊んでみると,基地のカスタマイズや,MSを率いての戦闘がシンプルにまとめられており,PCクライアントゲームでありながら,手軽かつ快適に遊べそうなゲームだという印象を受けるはずだ。
ジオラマベースの役割は,「資金」や「資源」という2種類のリソースを生み出すこと。これを元手にさまざまな施設を建設したり,MSを開発するのがプレイヤーの仕事だ。
資金や資源は,基地にある「ゴールドプラント」「資源プラント」という施設に,時間経過とともに溜まっていく。これら施設のレベルを上げたり,数を増やしたりすることで,新たな施設がアンロックされたり,資金や資源を貯めておける量が増加したりする。このあたりもRTSのお約束に忠実なので分かりやすいだろう。
さて,ガンダムという言えばMSということで,それらを開発するために必要になるのが「モビルスーツラボ」という施設だ。モビルスーツラボにはProduct-I〜IIIの3種類が存在し,それぞれが異なったシリーズのMSを開発できる。
初代「機動戦士ガンダム」〜「機動戦士ガンダムUC」といった宇宙世紀ものが中心となったProduct-I,「機動戦士ガンダムF91」「機動戦士Vガンダム」「新機動戦記ガンダムW」など,平成前期〜中期作をフォローするProduct-II,「機動戦士ガンダムOO」「機動戦士ガンダムSEED」といった比較的に新しい作品が揃ったProduct-III……といった感じだ。ゲーム開始直後には,この3つからいずれか1種類を選択するのだが,クローズドβテストでは残る2種類もすぐにアンロックでき,最終的にはいろいろなシリーズのMSが開発可能になった。
なお,MSにはザクやGM(ジム)のような「量産機」と,ガンダムやシャア専用ザクのような「エース機」の2系列が存在する。量産機は多数出撃させることができるが単体では弱く,いわゆる一般兵,雑兵といったところだ。
エース機は,RTSでいうところのヒーローユニットだ。戦場には最大3種類,それぞれ1体のみの出撃になるが,機体の性能が高く,「Gバースト」(いわゆるスキルのようなもの)でのパワーアップも可能になっている。Gバーストは,エース機の種類ごとに異なったものが利用でき,戦闘中に一定時間が経過すると使用可能となる。シャア専用ザクの「赤い彗星」なら一定時間スピードアップ,ガンダムヘビーアームズの「フルオープンアタック」なら扇状にミサイルが乱射されるなど,原作のイメージに沿った効果が発動される。このとき,アムロやシャアといったパイロットが,お馴染みのセリフを喋ってくれるのも本作の魅力になるだろう。エース機と大量の量産機が一丸となって戦う様は,なかなか迫力があり,見ているだけで楽しくなってくる。
プロトタイプガンダムのGバーストは「真性ニュータイプ」で,攻撃力が50%アップする |
陸戦型ガンダムのGバーストは「仲間のために」で,範囲内にいる味方の攻撃速度が20%アップする。このようにGバーストにはさまざまな種類があり,使うタイミングが重要となりそうだ |
このようなMSの開発やリソースの蓄積,施設の建造には,お約束といったところだが,リアルでの時間経過が必要になる。リソースが足りなくなったり,建造や開発の指示を済ませたらログアウトしてもいいし,「制圧戦」でほかのプレイヤーが作ったジオラマベースに挑んでもいい。「1日10分から遊べる」といううたい文句のどおり,自分のペースで遊べばいいというわけだ。
敵のジオラマベースを攻めろ!
さて,先述した「制圧戦」とは,プレイヤーが世界中の「戦線」をめぐり,各戦線に広がる「エリア」を制圧していくというものだ。各エリアには,ほかのプレイヤーが作るジオラマベースが存在し,それらに攻め入って一定の条件を満たすせばエリアを制圧したことになり,次の戦線へと進めるようになる。なお,相手のジオラマベースに存在する各施設を破壊することで資金や資源が入手でき,最終的に相手の基地にある「フロントコア」を破壊すれば勝利となる。ほかのプレイヤーと言っても,プレイヤー同士がリアルタイムに対戦するのではなく,相手となるのはAIが防衛するジオラマベースだ。
制圧戦でのマッチングは,自分と同程度のプレイヤーが何人かピックアップされ,その中から攻め入るジオラマベースを選ぶという形式となる。筆者が遊んだ限りでは,極端に実力差のあるプレイヤーとマッチングされることはなかった。
また,ほかのプレイヤーに攻撃を仕掛けるということは,当然,逆に攻撃を受けることもあるということ。ジオラマベースは,プレイヤーがログアウトしているときに攻撃を受ける可能性があるのだ。幸いにして筆者自身は,CBT中に攻撃されることはなかったが,防衛に成功すると貴重なアイテムが入手できるということで,どのように守るのかは重要になりそうだ。施設やエース機を配置する場所はしっかりと考えたいところ。なお,破壊された施設は自動的に修復されるようだ。建造し直しといったことはないので,思う存分に攻防が楽しめるだろう。
戦闘の操作はかなりシンプルだ。まず使いたいMSを選択し,マップ上で出撃させる位置をクリックするだけ。そうすれば,あとは出現したMSが自動で近くの施設へ移動して攻撃を行ってくれる。戦いの様子を眺めつつ,状況に合わせてGバーストを使うだけだ。
一般的なRTSでは,基本的に兵士は使い捨てで,ほかの村を襲撃するためには予め兵士を訓練しておく必要がある。大兵力で攻めたい場合などは,それだけ準備に長い時間が必要だ。
一方,本作では兵士にあたる量産機は,一度開発してしまえば,あとは数を気にする必要はない。もし戦いで全滅しても,次の戦いになれば最大数まで補充されているし,その際に資源や資金といったリソースが減少することもない。クローズドβテストの時点では,いわゆるスタミナや疲労度の要素が無かったため,量産機だけを使うのであれば,どんどん戦いに挑むことができ,そのハイペースさが面白く感じられた。
ただし,エース機の場合は,ダメージを受けると回復に時間が必要な点に注意したいところだ。受けたダメージが深いと,それだけ回復に時間がかかる。そのため,前もって複数のエースを開発しておき,ローテーションさせるのがいいだろう。
苦戦する場合は,ほかのプレイヤーのエース機に支援してもらったり,「支援物資」を使うという手もある。戦いに入る前に,マップ上に並ぶほかのプレイヤーのエース機から好きなものを選択すれば,制圧戦の途中で助けに来てくれるのだ。エース機による支援は,かなりの戦力アップが見込めるので,有効に活用したいところ。また,ほかのプレイヤーのエース機とは別に,マップ上に配置されている箱が支援物資だ。箱を開ければ,資源や資金,次回の戦闘で攻撃力がアップする「弾薬パック」といった品が入っているので,こちらも戦力強化に役立てていきたい。
制圧戦を進めていくと,「ボーナスステージ」や「チャレンジャー」が出現することがある。いずれもNPCの特別なジオラマベースを襲撃するというもので,プレイヤーが作ったジオラマベースよりも強力な布陣となっているのが特徴だ。ボーナスステージは大量の資金や資源を入手できるチャンスなので,マップに出現した場合は迷わず攻撃を仕掛けたいところ。一方のチャレンジャーはかなり手強くなっているので,自軍の強化はもちろん,ほかのプレイヤーのエース機や支援物資の力をしっかりと借りて挑戦してほしい。
戦艦を開発すれば,支援攻撃で戦いを有利に進められるように |
MA(モビルアーマー)は防衛の要だ。圧倒的な力で侵入者を攻撃してくれる |
なお,戦いの舞台となるジオラマベースは,相手プレイヤーが構築したものがそのまま出てくるのだが,いかにもチュートリアルの途中といったものもあれば,ガッチリと防備を固めているものもあるなど,そのバリエーションはさまざまだった。プレイヤーが作る,思い思いのジオラマベースを見るのもなかなか楽しい(もっとも,それを攻撃して破壊するのだが)。3日間のクローズドβテストでこれなのだから,正式サービス時には,どんなジオラマベースが見られるのか,いまから楽しみだ。
自分のジオラマベースに,エースを配備して防衛してもらうことも可能 |
エースが配備されたジオラマベースに攻め込んだ場合は,当然敵エースとの戦いになる |
さて,本作における戦闘にはもう一つ,プレイヤー同士のリーグ戦が楽しめる「階級戦」が用意されている。これは,募集期間中にエントリーしたプレイヤーの中から,同程度の実力のプレイヤー同士がマッチングされ,最大25人でリーグ戦を行うというものだ。エントリーしたプレイヤーは,同じリーグになったほかのプレイヤーのジオラマベースに5回攻撃を仕掛けて合計スコアを競いあうことになり,その順位に応じて報酬がもらえる。
なお階級戦では,現時点で使っているジオラマベースとは別に,前もって登録しておいた階級戦専用のジオラマベースが利用できる。エース機やMAなども登録時の状態で出現するので,万全のタイミングで登録しよう。
見た目こそ一般的なRTS系作品という印象の本作だが,量産機が自動で補充されるなど,戦争の準備が簡略化されていて,より手軽で遊びやすい作品になっていると感じられた。早い段階からさまざまな作品のMSが開発できるのも,ガンダムシリーズファンの筆者的には嬉しいポイントだ。
一方で,オープンβテストや正式サービスなど,サービスのフェイズが進んでいくうえで,バランス調整が重要になってくるようにも感じられる。というのも,ある程度ゲームが進むと,お互いにジオラマベースを襲撃して資源や資金を奪い合うという展開がメインになると思われるからだ。負けてゴッソリと資金や資源が無くなるようだと,ゲームの手軽さのわりに厳しいという印象を受けるし,だからといって,攻め込むメリットがあまりないのでは,プレイヤーの目的,モチベーションの維持が難しくなるだろう。
現時点ではオープンβテストの日程は発表されていないが,慎重な調整を期待しながら次の展開を待ちたいところだ。
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