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  • 発表日:2015/11/06
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「EDGE 101」レビュー前編。HORI初のPCゲーマー向けマウス,その外観と握りやすさをチェックする
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印刷2015/11/14 00:00

レビュー

HORI初のPCゲーマー向けマウス,その外観と握りやすさをチェックする

EDGE 101 OPTICAL GAMING MOUSE

Text by BRZRK


EDGE 101 OPTICAL GAMING MOUSE
メーカーHORI
問い合わせ先:製品サポートページ
実勢価格:8000〜8800円程度(※2015年11月14日現在)
画像集 No.002のサムネイル画像 / 「EDGE 101」レビュー前編。HORI初のPCゲーマー向けマウス,その外観と握りやすさをチェックする
 日本のゲーム業界におけるHORIといえば,古くからコンシューマゲーム機向けの周辺機器を多数リリースしてきたメーカーだというのに,異論のある読者はいないだろう。筆者にとって初のHORI製品となったのは,スーパーファミコン用のアーケードスティック――当時はそんな呼び名もなかったが――で,格闘ゲームブームが家庭用ゲーム機にやってきた頃,「家でもアーケード感覚でプレイできる」というデバイスに,目をキラキラさせながら触ったのを今でも覚えている。いやー,当時はパッドで昇竜拳が出せなかったんですよね……。

 そんなHORIが,2015年10月2日に「EDGE」ブランドの立ち上げを発表し,日本を含む世界のPCゲーマー向け周辺機器市場へ参入することを発表したのは,既報のとおりだ。11月6日には第1弾となる4種5製品の販売が始まり,それとほぼ同時にゲーマー向けマウス「EDGE 101 OPTICAL GAMING MOUSE」(以下,EDGE 101)用となる最新版ファームウェアと設定ソフトウェア「EDGE 101 ゲーミングソフトウェア」が公開され,ゲーマー向けマウスとして利用できるようになったので,今回はひとまず,短時間ながらチェックした内容を,レビュー前編としてまとめてみたいと思う。


ケーブルの付け根に入った一工夫は○,リアボタンは×


画像集 No.003のサムネイル画像 / 「EDGE 101」レビュー前編。HORI初のPCゲーマー向けマウス,その外観と握りやすさをチェックする
 まずは,EDGE 101の主なスペックを下にまとめてみた。最大トラッキング速度200IPS,最大加速度50Gという基本仕様は,他社から出ている光学センサー搭載ワイヤードマウスの上位モデルとほぼ互角と言っていいだろう。個人的には,発表当初,データ転送フォーマットが12bitとされていて「?」と思っていたのだが,最終仕様では標準的な16bitに変更されたので,一安心といったところだ。
 なお,センサーはPixArt Imaging製の「SDNS-3988」。最近採用例が増えている光学タイプだ。DPI設定はセンサーの上限である6400が最大値に設定されているので,いわゆるソフトウェア補間はなされないという理解でいい。

●EDGE 101の主なスペック
  • 基本仕様:光学センサー搭載ワイヤードタイプ
  • ボタン数:11(左右メイン,センタークリック機能付きスクロールホイール,スクロールホイール手前×2,左右サイド×2,左右リア×2)
  • 最大トラッキング速度:200IPS(≒5.08m/s)
  • 最大加速度:50G
  • 画像処理能力:未公開
  • フレームレート:1万2500fps
  • DPI設定:50〜6400DPI(50刻み)
  • ポーリングレート(USBレポートレート):125/250/500/1000Hz
  • データ転送フォーマット:16bit
  • 本体実測サイズ:68(W)×125(D)×40(H)mm
  • 本体実測重量:約162g(※ケーブルと錘(おもり)含む),約131g(※ケーブルを重量計からどかせた参考値。錘含む)
  • マウスソール:未公開
  • ケーブル長:約.8m
  • 対応OS:Windows 8.x&7(※Windows 10は動作確認中)
  • 製品保証:1年間

 EDGE 101は左右どちらの手でも操作できる左右対称形状のマウスで,「EDGE」という名のとおり,全体としては尖った雰囲気があるのだが,手に持った印象は,Razerの「Abyssus」やMicrosoftの「IntelliMouse Optical」に近い。左右対称形状を突き詰めると,こういう感じになるということなのだろう。

4Gamerの比較用リファレンスマウス「Gaming Mouse G500」と並べると,EDGE 101のほうが一回りほど小さい。手に持ったときは,手前側の膨らみ方がIntelliMouse Opticalに,奥側がAbyssusに近く感じた
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ケーブルの根元はざっくり25〜30度ほど斜め上を向いている
画像集 No.007のサムネイル画像 / 「EDGE 101」レビュー前編。HORI初のPCゲーマー向けマウス,その外観と握りやすさをチェックする
 外観上の特徴で,筆者の目に最初に留まったのは,ケーブルの付け根部分だ。一般的なワイヤードマウスだとケーブルはマウスパッド(=設置面)と水平になるよう本体から伸びているのに対し,EDGE 101では,本体の付け根から斜め上に向かって伸びるようになっているのだ。これは,ケーブルがサーフェスに擦れてしまうのを防ぐための措置だそうだが,筆者が知る限り,このアイデアを実装したのはEDGE 101が初めて。目から鱗といった感じである。

左右メインボタンは流行りの凹み型ではなく,凸型で若干盛り上がるような形状。この部分に自然と指を置くことができる
画像集 No.008のサムネイル画像 / 「EDGE 101」レビュー前編。HORI初のPCゲーマー向けマウス,その外観と握りやすさをチェックする
 HORI独自のスイッチ「EDGE-M01」を搭載する左右メインボタンは,押下後,指を離してからスイッチがオフになるまでの時間が,オムロン スイッチアンドデバイス製の定番スイッチと比べ,1秒60フレーム計算で0.5フレーム高速化しているのがウリだが,正直にいうと,その効果は分からない。
 「明らかに違う」と言い切れるのは押下感で,固すぎず柔らかすぎずという,いい塩梅ながら,これまでのマウスとは異なる,オリジナリティのあるクリック感になっている。もちろん,クリック感はスイッチだけでなく,筐体側の設計にもよるので,これがスイッチの効果とは断言できないが,一度体験してみる価値はある押下感にはなっているといえるだろう。

リアボタンは,ゲーム用途向けではないというHORIのアナウンスどおり。ただ,ゲーム用途向けでないなら,ゲーマー向けマウスには搭載しないでほしかった
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 おそらく多くの読者が気になる……というか,“誤爆”の恐れを感じる特徴は,マウスの手前側(=後方側)に設置された左右リアボタンだと思う。このボタンは実測で長さ約21mm,幅12.5mmと,かなり大きい。HORIは,マウスから手を離しているとき,つまりは非ゲーム用途において,マイクやサウンド出力のミュート有効/無効を切り替えたり,ちょっとしたOS操作に使ったりすることを想定しているのだが(関連記事),結論から先に言うと,マウス中央から手前側にかけての,ちょうど本体両側面が膨らみだした位置に配置されていることもあって,ちょっと邪魔だ。とくに「かぶせ持ち」だと,親指や小指の付け根で誤って押下して,入力が有効になってしまう可能性が高い。

ケーブルは布巻きタイプ。太さは約3mmで,固めだ。テストでの試用期間が短いため,まだ,どれくらいで馴染むかは分からない。この点は後日掲載予定のレビュー後編で触れたい
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 メインボタンのそれと比べると,押下感はずいぶんと固くなっており,“誤爆”を防ごうという配慮は感じられる。また,言うまでもないことながら,「かぶせ持ちのときだけ無効化すればいい」という話でもあるのだが,ゲーム用途で無用の長物なのは間違いなく,それをゲーマー向けマウスに搭載するのは,やはり無理筋だったと言わざるを得ないだろう。

画像集 No.011のサムネイル画像 / 「EDGE 101」レビュー前編。HORI初のPCゲーマー向けマウス,その外観と握りやすさをチェックする
 “通常の”左右サイドボタンは,奥側(=メインボタン側)が実測で長さ23mm,幅7.5mmで,手前側は同22mm,8mm。大きめというより,長めといった感じだ。本体側面から実測約0.5mmせり出した格好になっているため,ボタンの配置は指先ではっきりと感じることができる。
 その本体側面は,左右対称形状のマウスに多く見られる,底面部に向かって軽く内側へ切れ込むようなものになっている。そのため,指を立てて置くタイプのプレイヤーには馴染みやすい一方,ベタ置きしようとすると,薬指と小指の大部分が宙に浮くような感じになってしまう。これはEDGE 101の弱点というよりも,左右対称形状を採用したマウスに共通した弱点ではあるのだが,好みが大きく分かれるポイントでもあるので,留意したい。

 なお,サイドボタンのスイッチは,コストの問題もあってEDGE-M01ではないということが公式に発表されており,実際,左右メインボタンのような,オリジナリティのあるものにはなっていないが,固さは同等なので,操作にあたっての違和感はそれほどなかった。

ラバー部の溝は1mm間隔。短いピッチだ
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 スクロールホイールは幅が実測約6mmで,中央部の約3mm分が滑り止めのラバーで覆われていた。
 ホイールは,ノッチのカチカチ感が少ないソフトな印象があるのだが,気になったのは,奥側に向かって回転させたとき,特定の回転位置というか,ノッチでガチッと何か大げさな感触が指先に伝わってくること。ホイールを手前に回転させたときは問題ないこともあり,使い始めは気にならなかったのだが,Webブラウザのスクロール操作をしていたときに気になりだしてからは,なんとなくガチッという感触が伝わるたびに気が散ることが多くなったのだ。筆者の手元にある個体だけの問題であってほしいところである。

珍しい,ステンレスソール。爪でつつくと,樹脂系ソールとは異なり,いかにも金属という感触がある
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 最後に,マウスの底面もチェックしておこう。
 EDGE 101の持つ大きな特徴の1つに,ステンレス製ソールの採用がある。一般的なマウスだと,いわゆるテフロン加工済みのプラスチック系ソール(以下,テフロンソール)を採用しているが,HORIでは,テフロンソールの代わりに,日本国内にしかその技術がないとされる「テフロン潤滑メッキ」処理を,ステンレスソールに対して採用しているのだ。
 HORIによれば,メッキ処理なのでテフロンソールよりもはるかに「滑りの寿命」が長く,かつ,滑りはテフロンソールと変わらないとのことだが,確かに,操作感自体は,テフロンソールを採用する他社製マウスと変わらない。現時点で寿命の話まではできないものの,少なくとも滑りに関して,HORIの言い分に偽りはないと断言してしまっていいと思う。

 ちなみに本体底面には,マイナスドライバーや1円玉などを使ってネジを2つ外すことで簡単に着脱できる,実測重量約28gの錘(おもり)があるのだが,筆者の率直な感想としては,錘なしの状態だとマウスが少々滑りすぎる印象があった。筆者は普段,マウスは軽ければ軽いほどいいという考え方ではあるのだが,そんな筆者にとっても,EDGE 101は,錘があったほうが制御しやすかったのだ。「欧米市場には,100g程度では軽すぎると評価する人がいる」というデータから,HORIは今回,着脱式の錘を用意したそうなのだが,この意見に初めて「EDGE 101に関して言えば,確かにそうかもしれない」と思った次第である。
 もちろん,組み合わせるマウスパッドとの相性などもあるだろう。また,好みの問題もあるだろうが,軽いマウスが好きだという人も,一度は標準の,錘付きの状態で試してみたほうがいいかもしれない。

錘を固定しているネジはマイナスドライバーなどで取り外せるが,錘を外したときの操作感は軽快すぎてオーバーコントロール気味になってしまった
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左右対称形状らしい「持ち方の制約」があるEDGE 101。指を立てる持ち方と相性がよい


 外観を細かくチェックしつつ,いくつか,使用感にも触れたが,ここであらためて,実際に握ったときの印象を確認しておこう。以下,写真とキャプションでまとめたので,チェックしてほしい。

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「つまみ持ち」の例。親指と薬指,小指はサイドの凹んだ位置より手前側に配置しなければ持ちにくい。このとき,人差し指と中指を奥寄り(=ケーブル寄り)に置かないと左右メインボタンを押しにくくなるため,全体として,かなり窮屈になる
画像集 No.019のサムネイル画像 / 「EDGE 101」レビュー前編。HORI初のPCゲーマー向けマウス,その外観と握りやすさをチェックする
「つかみ持ち」の例。奥寄りに指をひととおり配置すると,手でしっかりとホールドすることができ,快適な操作が可能になる。ただし,手のサイズによってはリアボタンの感触が微妙に思えるかもしれない
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「かぶせ持ち」の例。外側に配置される小指と薬指の位置が定まりにくく,やや難あり。代わりに指の付け根でホールドしようとすると小指の付け根がリアボタンを押したり弾んだりで,端的に述べると「合わない」
画像集 No.021のサムネイル画像 / 「EDGE 101」レビュー前編。HORI初のPCゲーマー向けマウス,その外観と握りやすさをチェックする
筆者独自の持ち方だと思っている「BRZRK持ち」の例。かぶせ持ちで問題となる小指と薬指を立てるように配置するため,宙ぶらりんにはならない。若干窮屈な感じはあるかもしれないが,快適に操作できる

 前段でも指摘したとおり,左右対称形状両利き用のマウスということもあって,左右側面の凹んだ形状により,持ち方に制限が出てくる。EDGE 101の場合はとくにかぶせ持ちとの相性が悪く,配置場所の定まらない薬指と小指にかなりのストレスを感じてしまう。
 最もつかみやすいのはつかみ持ちで,次点がBRZRK持ち。つまみ持ちは不可能ではないがお勧めしない,といった感じである。


画像集 No.017のサムネイル画像 / 「EDGE 101」レビュー前編。HORI初のPCゲーマー向けマウス,その外観と握りやすさをチェックする
 というわけで,まずはケーブルが馴染まない程度の時間ながら,インプレッションをまとめてみた。いくつか気になるマイナスポイントもあるが,むしろ現時点では未知数の部分のほうが多い印象だ。
 少し時間をもらっての掲載となるであろう後編では,発売に合わせて公開されたソフトウェアや,それを用いて設定したセンサーの挙動などを,がっつり見ていくので,お楽しみに。


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