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アニメ「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」の柳 伸亮氏と髙橋龍也氏にインタビュー。オリジナル回は原作者による某キャラの救済回!?
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印刷2016/07/22 18:00

インタビュー

アニメ「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」の柳 伸亮氏と髙橋龍也氏にインタビュー。オリジナル回は原作者による某キャラの救済回!?

 2016年4月に放送がスタートし,6月に無事エンディングを迎えたアニメ「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」聴猫芝居氏の同名ライトノベルをアニメ化した作品で,MMORPGをプレイするギルドメンバー達の恋と友情をコメディタッチで描いた作品だ。セガゲームスから発売されている2D対戦格闘ゲーム「電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION」PS4 / PS3 / PS Vita)に,主人公のルシアンこと西村英騎と,ヒロインのアコがDLCキャラクターとして登場しているので,キャラクターだけは知っているという人も多いのではないだろうか。

電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION 電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION


電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION
 MMORPG「レジェンダリーエイジ」をプレイしていた主人公・西村英騎(CV:豊永利行)が,ゲーム内で結婚した相手・アコ(CV:日高里菜)は,現実世界でも美少女だった,というゲーマーにとっては夢のようなシチュエーションの本作だが,その原作小説はちょっと特殊な手法で構成されている。ネットゲーム中の会話はすべて文字チャットの形式で表現され,その内容は古今東西のネットスラングやネットゲームあるあるで構成されているのだ。
 これをアニメでどう表現するのか,原作ファンの間でも注目のポイントだったが,アニメでは会話シーンに何気なく挿入し,違和感のない内容に仕上がっていた。

 今回4Gamerでは,本作を手がけた監督の柳 伸亮氏シリーズ構成の髙橋龍也氏に話を聞く機会を得た。特殊な原作のアニメ作品を作り上げる上での苦労話など,さまざまなエピソードが聞けたインタビューの模様をお届けしよう。

「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」公式サイト


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。まず,本作の話を受けたときの率直な感想をお聞かせください。

柳 伸亮氏(以下,柳氏):
 アニメのお話をいただいて,すぐ原作小説を読みました。自分もオンラインゲームをやっていたので,すんなり内容を理解できたんです。僕がプレイしていたのは「リネージュ2」(以下,「リネ2」)で,サービス開始直後ですから,もう10年以上前になりますね。最近はちょっと休止していますが,一時期はかなりがっつりとやっていました。

監督の柳 伸亮氏(左)とシリーズ構成の髙橋龍也氏(右)

4Gamer:
 それでしたら作品への理解も早かったわけですね。

柳氏:
 はい,そのほかにも「ラグナロクオンライン」(以下,RO)や「FINAL FANTASY XI」(以下,FFXI)なども知ってはいたので,MMORPGものをやるということに対しての抵抗はなかったのですが,作中の「レジェンダリーエイジ」に関してはちょっと悩みました。
 というのも,MMOということで自分の知っている作品を当てはめてしまうんですよ。聴猫芝居先生に,ベースは「RO」や「FFXI」だと聞いて,それでやっとイメージが固まりました。アニメの中では,それに「リネ2」をプラスしている感じです。

4Gamer:
 それはどのあたりに反映されているのでしょうか。

柳氏:
 ゲームのUIやアイコンなどですね。ほかにはアニメ後半で登場する攻城兵器「ジャイ」は,「ファンタジーアース ゼロ」で出てくる巨人に,「リネ2」のテイストを混ぜています。
 この話が来た時にも思ったのですが,長い時間かけていたMMOの知識がやっと役に立てる!ということで,かなり楽しんで作品を作りました。打ち合わせで,こうした細かい設定を作るのも力が入りましたね(笑)。

UIやアイコンなど細かい部分まで作り込まれたゲーム画面
電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION
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髙橋龍也氏(以下,髙橋氏):
 僕のほうは,原作を読んでまず感じたのが「これをアニメにするのは大変そうだな」ということです。作中では,現実世界とゲーム世界という2つの世界を行き来するので,映像的にはどう表現するんだろう,どちらに比重を置くのかなど,いろいろ疑問を持って監督とお会いしました。
 そこで,プロデューサーの福良 啓さんを交えてすり合わせていくうちに,みんなゲームに関しては似たようなイメージを持っていることが分かりまして。

現実世界では電脳遊戯研究部に所属するギルドメンバー達
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4Gamer:
 どのようなイメージだったんでしょう?

柳氏:
 基本は「RO」テイストかなと。本当だったらゲーム部分の背景は3Dにしつつ,キャラクターは「RO」のようなチップキャラでいければよかったのですが,時間的な制約もあって美術の方に背景,キャラクターはチップモーション担当のアニメーターさんに任せています。

髙橋氏:
 僕も元はゲームのクリエイターだったので,その辺の理解は早かったです。昔はLeafで「To Heart」とかを作ってました。もともとTRPGなどもプレイしてましたし,その後もゲームの世界にどっぷりです(笑)。もちろんMMOもやってますし,長いところでは「FFXI」を初期からやってました。3年ほど前に辞めてしまったので,ちょうど10年ほどでしょうか。


アコのキャラクターはマイルド調整に


4Gamer:
 アニメ化にあたって主人公の英騎やアコなど,主要キャラクター達をどのように描こうと思われましたか。

柳氏:
 登場するキャラクターは皆,可愛くていいキャラばかりですが,ひとつだけ難点がありました。ヒロインのアコは,コミュ障で引きこもりがちという,強烈な個性を持ったキャラクターで,そのまま声をあてて動かすとなると,彼女の持つ負の部分が強調されて,視聴者に引かれてしまいそうだったのです。
 そうならないよう,声をあてている日高里菜さんにお願いして,言っていることはドギツイけど,上手く演技で可愛い感じに変えてもらって,彼女の良さを引き出すようにしました。

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コミュ障で他人を寄せ付けないアコ。可愛いのに残念

髙橋氏:
 それはセリフのほうでも気を遣っています。ネットのスラングを感情を込めて言わずに,相槌のようにサラッと流すようにして弱めていますね。調整次第では,攻撃的なキャラになってしまうので。

4Gamer:
 原作のほうで,アコは「コミュニケーション能力が低い」という部分が強調されていたと思うのですが,アニメのほうではマイルド調整にしていると?

髙橋氏:

 そうですね。視聴者に重い気分になってもらいたくないですし,楽しい雰囲気にしたかったので。


ネットスラングや専門用語はそのまま使用


4Gamer:
 本作は“ネットゲーム”というニッチな題材をテーマにした作品ですが,アニメ化にあたって,マニアックな方面を突き詰めるか,間口を広くするかはどう判断されたのでしょうか。

柳氏:
 広くすれば広くするほど,ネトゲを知らない人に説明部分が増えてしまう。そうなると本作の持つ会話劇の面白さがどんどん削られてしまうことになります。それは避けたかったんです。もともとネットゲームというディープな内容のものなので,それならばいっそ(説明なしで)いっちゃおうかなと。
 幸いスタッフの半数はゲームをまったくやらない人だったので,打ち合わせで彼らが分からないものは指摘してもらって,彼らでも雰囲気として理解できるギリギリの表現に変えています。

4Gamer:
 ある程度のネットスラングなどは,そのまま使用されたのですね。では,「へイト」などMMO独特の専門用語は?

柳氏:
 そこは難儀しました(笑)。今の世の中,検索エンジンという便利なものがあるので,そこはちょっと調べていただけるといいかなと思いまして。調べることで知識も増えるし,視聴者も調べることの楽しさを味わってほしいなと(笑)。まあ,ヘイト管理に関しては,第1話で映像的には入れているのですが,ネットゲームをまったくやってない人には,ちょっと分かりにくかったかもしれません。逆にやっている人は,ニヤリとできる部分になってますね。

 そういう意味で本作は,ネトゲ未経験者と経験者では,セリフひとつでも受け取り方が変わってしまう珍しい作品だと思います。ゲームのように何周かしてみると新しい発見があるはずです。気軽に見られるテイストで作っているので,なにか作業しながら見て,新しい発見をしてもらえるといいかもしれません。
 それに,ネットゲームですから,そのネットスラングを使うのが面白いわけですしね。そこは,なるべく入れる方向で髙橋さんにお願いしました。

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ヘイトなどMMO独特の概念が頻繁に登場する
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髙橋氏:
 そのまま入れるだけではなく,ちゃんと流れで出てくるものは生かしています。どうしても使いたいものならば,そのためだけに話を組み上げました。原作では,ちゃんと会話の流れの中に組み込まれてますよね。匿名掲示板などでも皆さん上手く使ってますし,あの感じが出せていればと思ってネットスラングを使っています。
 それに,ネットスラングには元ネタがありますよね。ちょっと会話が長かったので,脚本で短く変えたら,(聴猫)先生のほうから「短くすると意味がまったく変わってしまう」と突っ込まれました。そこで「あ,これもネタだったんだ」と初めて気づいたのです。あまりに自然な会話すぎて,気づかないぐらい原作には上手く入れ込まれてますから。

柳氏:
 原作は見事に融合してますからね。まとめサイトを作っている人がいるぐらいです。

髙橋氏:
 ただ,先ほどのヘイトのほかに,アニメの後半で出てくる「課金」という概念が伝わるかどうかは不安でした。「FFXI」に課金はなかったので(笑)。課金アイテムは使えないけど,課金で鍛えた装備は持ち込めるとか,この辺は上手く伝えられたかどうかと。
 ほかにも,スタンとかクールタイムの概念とか,果たして詳しくない視聴者に伝わるのかとか。そこは,現場での「いける」「いけない」のせめぎ合いはすごかったですね。ウィスパーチャットも,最終的にはアコが耳元でささやく演出にしてみたり,文字で出して英騎が照れているといった映像でフォローしてあります。

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「レジェンダリーエイジ」の課金ガチャ

4Gamer:
 印象的なシーンとして,アコが下校のときに「ノシ」と口に出すシーンがありましが,そこはそのまま使用されてますよね。

柳氏:
 はい。僕も昔,ネットゲームを始めたころ,「ノシ」とチャットで打たれたのを見てどういう意味か分からなかったんです。説明されて初めて手を振っている意味だと知りました。そのことを懐かしく思いつつ,そのまま入れてみたわけです。
 原作ではこのあと英騎が「それ口にすることじゃねえから」という突っ込みが入るのですが,現場のみんなが心の中でそう思っていたようなので,あえて削っているんです。

髙橋氏:
 そのほかですと,アコの壁殴り代行ですよね。分からない人にはアコがなんか可愛いポーズしてるなって思うだけですよね。ほかにも「(´・ω・`)らんらん♪」とか。分かる人には「ファンタジーアース ゼロ」発祥のネタだと理解できますが。

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仕込まれたネットスラングの数は相当なもの

柳氏:
 現場でも,元ネタがあるとすぐスマホとかで調べて,声優さんに教えたりしてました。声優さんもそのうち予習してくるようになって,演技に役立てていたようです。

4Gamer:
 有名なところでは「ルシアン,どいて。そいつ殺せない」が出てきて驚きました。

柳氏:
 ああ,そうですね(笑)。序盤のクライマックスシーンのセリフなので,(聴猫)先生もここは外せないとおっしゃってました。けっこう過激なセリフですが,元ネタがあるので変えられないと。

髙橋氏:
 今回,アニメ制作にあたって,聴猫先生につきっきりでアドバイスをもらいつつ,ネタに関しての解説もいただいてます。

4Gamer:
 アニメの制作に原作者がそこまでつきっきりというのも珍しいですね。

柳氏:
 このアニメに関しては,(聴猫)先生も含めてみんなで意見を言い合って,うまくまとめていったという感じですね。

4Gamer:
 その専門用語はネットゲームに詳しい南條愛乃さんが監修していると聞いていますが,本当でしょうか。

柳氏:
 ネットスラングは,プレイヤーによってイントネーションが違いますよね。簡単なところでは「ヘイト↑」なのか「ヘイト↓」なのか。語尾が上がるのか下がるのか,現場でもやっぱり意見が分かれました。
 そんなとき,「FFXIV」の現役プレイヤーの南條さんの意見を聞くことがかなりありましたね。現場でも相当質問されてたんじゃないでしょうか。収録後半では「迷ったら南條さんで」という雰囲気ができあがってました(笑)。ネットスラング番長ですね。

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電脳遊戯研究部の顧問・斉藤結衣(CV:南條愛乃)。ゲーム中では猫姫様


第9話はアコと奈々子の救済回


4Gamer:
 第9話「お泊まりしたら仲良くなれると思った?」は,原作にない完全なオリジナル回でしたが,この回はどういう経緯で生まれたのでしょうか。

柳氏:
 じつはこの企画が立ち上がった当初から,聴猫先生に1話脚本を書いていただきたいという案があったんです。それが実現してできたのが第9話で,このエピソードは原作の補完にもなっています。
 原作ではアコと奈々子(CV:大和田仁美)の接点が,なかなかなかったのですが,この回で2人の関係がちょっと近づいています。お風呂回とも言われてますが,オリジナルといっても原作者による公式のものというわけです。

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4Gamer:
 珍しく英騎が最後まで出てこない,女子会のエピソードでした。

柳氏:
 そうですね,最後の最後にしかでません。そのためだけにスタジオで豊永さんには,ずっと待ってもらっていました(汗)。

4Gamer:
 柳監督がもしオリジナル回を作るとしたら,どんな内容にされてましたか。

柳氏:
 アレイキャッツ結成までの話とかやってみたいですね。そこは原作にもないところなので。これか,アコと奈々子の話のどちらかをやるとなったときに,後者を選ぶことになったのがオリジナル回なんです。でも,アレイキャッツ結成秘話みたいなのは見てみたいです。

髙橋氏:
 アコと英騎の出会いは描かれていますが,英騎とシュバインはとか,シュバインとアプリコットはどうだったのか,どういう経緯でギルドになったのか……。じつはちゃんと構想みたいなのが(聴猫)先生にはあって,プロットはいただいています。
 DVD1巻の特典で,1年後のキャラクター達が当時を振り返るという企画をやっているので,そこで語られるかもしれません。

シュバインとアプリコットの出会い……見てみたいかも
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4Gamer:
 ああ,そういう企画があったのですね。

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DVD1巻の特典セット
髙橋氏:
 DVD1巻に収録されている書き下ろし小説で,本編に合わせたコメンタリー小説になっています。中のキャラクター達は1年成長してまして,ご自分の作品を自分のキャラクター達が解説するといった内容になってます。面白かったですよ。きっとファンも喜ぶと思います。かなりメタな話ですね。

柳氏:
 第1巻を見ながらページをめくると,ちょうどシンクロする内容になってます。

髙橋氏:
 当時こんなこと考えてたとか,そのとき言えなかったことが明かされるわけです。シュバインあたりは“ブタ”と言われて恥ずかしがっていたものが,今では言われてもなんとも思わないとか。

4Gamer:
 ギルド「アレイキャッツ」のメンバーは,英騎以外は全員美少女だったとオフ会によって判明したわけですが,お2人のオフ会でのエピソードをお聞かせください。

柳氏:
 そんなオフ会だったらよかったと思いました(笑)。自分のオフ会のときは,ゲーム中では可愛いエルフのヒーラーが,リアルでは2メートル近い男性だったときは驚きましたね。僕のクランは少人数でして,女性キャラ全員でオフ会を開いたら,見事に男性ばかりでした(笑)。アレイキャッツとはまったく逆ですね。

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髙橋氏:
 僕のやっていた「FFXI」は違いましたね。知り合いのプレイヤーは女性が多かったですよ。女性の作家さんの知り合いが多かったのですが,なぜか男性の知り合いは早々に辞めてしまって(笑)。残っているのは女性ばかりでしたね。

4Gamer:
 ネトゲでそんなことってありえるんですね……。

柳氏:
 たまにあるみたいですね(笑)。職業柄,お昼時にログインしていると知り合いからチャットが来て「今,子供が熱を出しちゃって」なんて言われて,そこで主婦だということを知るなんてこともありました。


ゲーム部分は作り込まれた2D画面に集約


4Gamer:
 最近では「ソードアートオンライン」のように,ゲームそのものを題材としたアニメが増えてきていますが,他作品との差別化は本作ではどうされていたのでしょうか。

柳氏:
 本作のゲーム部分に関しては,すべて2Dのゲーム画面に集約しています。「レジェンダリーエイジ」がゲームの中に入ってバーチャル的にやるゲームなら,ルシアン(英騎)の前にアイコンが浮かんでそれをタッチするとかのギミックが必要になると思うんですが,本作ではあえてそういったものはやらないようにしています。ゲーム中はアイコンや文字も一切出していません。出しているとしたらアプリコットの課金文字ぐらいでしょうか。
 ゲームが「RO」タイプのMMOなので,ゲーム内を見せるときはクォータービューの2D画面で表現しているんです。そのためにチップキャラクターを作れる専用のスタッフを用意して,いろいろな角度のものを作ってもらいました。

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アニメのゲーム画面ではアイコンなどはわざと出さないように配慮
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「RO」風のゲーム画面を再現

4Gamer:
 ドットのキャラクターを作ったということでしょうか。

柳氏:
 いえ,ドットに見えますがすべて作画です。ゲーム画面はすべて1枚1枚作画で作ってワンカットづつ動かしています。ライトな感じに見えるでしょうが,じつはあれ,現場の負担が半端なくて(笑)。HPとかのステータスバーなどUI部分は撮影さん(撮影監督の廣岡 岳氏)のほうで作っていただきました。撮影さんはMMO大好きで「Tree of Savior」とかを参考に,あの辺りを作ったようです。画面の周りの装飾とかも全部やっていただきましたね。

髙橋氏:
 かつて2Dのゲームを作っていた自分としては,ゲーム時代と同じことをやっているなあと(笑)。パーツの発注とかもそのままです。

柳氏:
 なので,画面の端から端に動かすのもすべて指示しないとできないんですね。

髙橋氏:
 ゲームとまったく同じ手法ですね(笑)。

柳氏:
 いろいろ作り込んでいるので,一時停止して見てもらえると分かると思います。あと,セッテがゲーム中の画面に出てきたとき,最初に“攻撃”と“座る”と“拾う”ぐらいしかアイコンがない初期配置なのですが,実はアコも初期配置と一緒なんです。まったくカスタムしてないんですね(笑)。ショートカットもエモーション系ばかりが入ってます。バイバイとかハートを出すとか。まるで戦闘に役に立たないマクロですね(笑)。
 英騎やシュバインはガチの戦闘系のもので,アプリコットのは課金アイテムがいっぱい置いてある。気にしてみてもらえば分かるのですが,それぞれキャラクターに合わせたアイコンを作っているの見てほしいですね。チラッとしか出ないものに,かなり時間をかけています(笑)

電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION

4Gamer:
 そこまで気づきませんでした……もう一度見てみます。

柳氏:
 マップも大きいものとミニマップを別に作っています。はじめこの作品をやるときに「大変そうだな」と覚悟はしていたのですが,やってみたら想像を超える大変さでした(笑)。

4Gamer:
 スケジュール的には問題なかったのでしょうか。

柳氏:
 かなーりギリギリでした。そのぶん,後半への頻度を減らしたりして調整しています。それでもホテルと「レジェンダリーエイジ」のコラボのホームページ画面なんかも,こだわって作ってもらいました。発注してできあがった画面をチェックするのですが,出来がよすぎてリンク部分とかをクリックしてしまいそうになるんですよ。作り物なのに(笑)。

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ネットのコミュニケーションがポジティブなものになる文化祭


4Gamer:
 今回,原作4巻の文化祭がアニメのラストとなっていますが,これはどのようにして決まったのでしょうか。

柳氏:
 ほかにも案はあったのですが,やはりオンラインゲームを題材にしているので,見た目華やかな「攻城戦」で締めつつ,青春群像劇としては文化祭で終わりにしたいなと。自分が「リネ2」で入っていた少人数のまったり狩りギルドで,一度攻城戦に出たことがあったのですが,対人装備じゃないので即死するんですよ。しかも当時の「リネ2」はデスペナがありまして……(笑)。

4Gamer:
 攻城戦でデスペナルティがあったんですか?

柳氏:
 あったんです。なので,アレイキャッツのメンバーの気持ちはよく分かります。アコとルシアンの相手を殴りたくないという気持ちも分かりますね。モンスターじゃないのですごく抵抗がある。

髙橋氏:
 最初に原作が6巻まで刊行されている段階でオファーがきて,僕は5パターンぐらい構成案を持っていったのかな。大体3巻の垢ハック事件を中盤に持ってきて,最後は4巻で締めたいなと思っていて。
 そこは監督もそう思っていたようで。アコと英騎の話なら3巻でもよかったんですが,そのあと周囲のみんなの力を借りて何か大きいものを倒す,ネットのコミュニケーションがポジティブなものになるっていう総決算としては,4巻がいいなあと思いました。
 あと,アプリコットのキャラクターが4巻にならないと立たない。活躍の場がなかったので,そこも考慮すると文化祭のところがキリがいいかなと。

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文化祭はアプリコットの見せ場

4Gamer:
 なるほど。ほかに活躍させたかったキャラクターは?

髙橋氏:

 英騎の妹の瑞姫(CV:飯塚麻結)をもっと出したかったです。当初の予定では2話ぐらいから登場していてもっと絡むはずだったんですが,出せませんでした。英騎がお兄ちゃんキャラクターであるという部分を出すと同時に,自宅でログインする部分も見せたかったんですけどね。
 あと,アニメ5話で英騎と茜のいいシーンがあるんです。それも後半に持っていこうと,とっておいたのがあるんですが,尺の都合で入らなくなって(涙)。ルシアンとシュバインの関係性の話なんですが入らなくて。何とか入れたかったんですが,最後の文化祭の「相棒」のところにその思いを集約しています。

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英騎の前で茜がデレる珍しいシーン

4Gamer:
 最後に読者へのメッセージをお願いします。

柳氏:
 ゲーム画面や,冒頭のヘイト管理の部分などこだわって作っている部分は,ゲームに詳しい人が見ればニヤリとできるはずです。もう放送は終了してますが,DVDなどで確認してもらうといいかもしれません。また,僕自身もそうですが,ネットワークゲームから離れてしまった人が,これを見てもう一度ゲームに復帰したくなってくれたらいいかなと。懐かしい気分になれるはずなので。

髙橋氏:
 見ればネトゲがやりたくなる,という風に作ろう思ったわけではなかったのですが,そんな感じが画面からあふれ出ている作品です。原作でも(聴猫)先生は,ネトゲをやってもらおうと思って書いているのではないと思うのですが,なぜか読むとやりたくなる不思議な中毒性があります。ラーメンの話を聞いていると,ラーメンが食べたくなる感じですね。
 あと,それほど文芸の勉強をしてこなかった自分が,今回こういう仕事ができたのもずっとゲームの仕事をやってきたからなんだな,と改めて思いました。やっと自分の時代がきた!という感じです。今後はますますゲームとアニメの垣根がなくなっていくと思いますし,「ネトゲの嫁」のような相互に効果が生まれる作品が,もっと増えたらいいなと思っています。

電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION

放映データ
2016年4月〜2016年6月まで
全12話
キャスト
西村英騎/ルシアン:豊永利行 玉置亜子/アコ:日高里菜
瀬川茜/シュヴァイン:水瀬いのり 御聖院杏/アプリコット:M・A・O
秋山奈々子:大和田仁美 斉藤結衣:南條愛乃
スタッフ
原作:聴猫芝居(電撃文庫刊)
原作イラスト:Hisasi
アニメーション制作:projectNo.9
監督:柳 伸亮
シリーズ構成:髙橋龍也
キャラクターデザイン:矢野 茜

■BD&DVD情報

◆ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? 第1巻
(聴猫芝居書き下ろし文庫小説同梱)
2016年06月23日発売

[Blu-ray]〈初回限定版〉GNXA-1821 7500円+税
[DVD]〈初回限定版〉GNBA-2461 6500円+税
◆収録話2話収録

★初回限定特典
1)パッケージ購入者イベント優先販売抽選申込券

「ネトゲの嫁はイベント開催しないと思った?」<昼の部>
●開催日:2016年11月6日(日)
●場所:ニッショーホール(東京都港区虎ノ門2-9- 16)
●登壇者:豊永利行、日高里菜、水瀬いのり、M・A・O、大和田仁美、南條愛乃、Luce Twinkle Wink☆
※第1巻では「昼の部」、第2巻では「夜の部」へのお申し込みができます。

2)聴猫芝居書き下ろし文庫小説
原作者、聴猫芝居による書き下ろし小説が毎巻封入!

◆アニメ版特別小説『ネトゲ部のみんなはコメンタリ−しないと思った?』(第1巻)
原作者:聴猫芝居書き下ろしキャラコメンタリー仕様
第一話:亜子&英騎、第二話:茜&杏)/Hisasi描き下ろし表紙

3)矢野茜(キャラクターデザイン)、描き下ろしスリーブ

<映像特典>
1)アニメジャパン2016『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』
ステージ映像<約36分>
※映像は一部編集しております。
※『Luce Twinkle Wink☆』 の歌唱シーンの音源はCD音源を使用しています


2)『Luce Twinkle Wink☆』オープニングMVメイキング
(TVサイズ/購入者向けコメント付)<約3分>

3)『南條愛乃』エンディングMVメイキング
(TVサイズ/購入者向けコメント付)<約3分>

◆音声特典
第1話オーディオコメンタリー[豊永利行、日高里菜、柳伸亮(監督)]

◆ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? 第2巻
(聴猫芝居書き下ろし文庫小説同梱)
2016年07月22日発売
[Blu-ray]〈初回限定版〉GNXA-1822 7500円+税
[DVD]〈初回限定版〉GNBA-2462 6500円+税

◆収録話
LV.03「ネトゲとリアルは違うと思った?」
LV.04「あの子の秘密がバレないと思った?」

★初回限定特典
1)パッケージ購入者イベント優先販売抽選申込券

「ネトゲの嫁はイベント開催しないと思った?」<夜の部>
●開催日:2016年11月6日(日)
●場所:ニッショーホール(東京都港区虎ノ門2-9- 16)
●登壇者:豊永利行、日高里菜、水瀬いのり、M・A・O、大和田仁美、南條愛乃、 Luce Twinkle Wink☆
※第1巻では「昼の部」、第2巻では「夜の部」へのお申し込みができます。

2)アニメ版特別小説『ネトゲ部のみんなはコンタリーしないと思った?』
原作者、聴猫芝居書き下ろしキャラコメンタリー仕様
(第3話:亜子&杏&結衣、第4話:英騎&茜)/Hisasi描き下ろしカバー

3)矢野茜描き下ろし特製アウターケース
4)特製ブックレット

◆映像特典
ノンクレジットオープニング
◆音声特典
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