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日本向けタイトルのSteam展開って,どうなんですか? 日本一ソフトウェアの新川社長に聞く,英語版配信の成果
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印刷2017/02/22 00:00

インタビュー

日本向けタイトルのSteam展開って,どうなんですか? 日本一ソフトウェアの新川社長に聞く,英語版配信の成果

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 岐阜県に拠点を置く珍しいゲームメーカーである,日本一ソフトウェア。「魔界戦記ディスガイア」シリーズをはじめとする,デフォルメされた可愛らしいキャラクターを採用しつつも,凝ったゲームシステムと膨大なやりこみ要素を詰め込んだ,遊び甲斐のあるゲームを開発しているメーカーだ。シミュレーションRPGの制作が得意なイメージはあるものの,2016年は「ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団」でダンジョンRPGファンから高い評価を得ており,そちらで注目度が上がったという人も多いかもしれない。

 そんな同社は,アメリカの子会社NIS Americaと連携し,昨年からSteamで英語版の配信にも力を入れている様子。初代「魔界戦記ディスガイア」や「ファントムブレイブ」など懐かしいシミュレーションRPGだけでなく,「ロゼと黄昏の古城」「世界一長い5分間」といった新しめのタイトル,あるいは「クリミナルガールズ INVITATION」のような,ちょっとエッチなタイトルなど,幅広いジャンルでラインナップを拡充している。
 しかし,“日本一”というだけあって,同社のタイトルは,キャラクターの表現やゲーム中のテキストを見ると,明らかに日本市場向けな印象を受ける。正直,ディスガイアシリーズのギャグシーンなどは,海外の人に伝わらない気もするぐらいだ。

 大手メーカーの有名シリーズやAAAタイトルではなく,しかもコテコテの日本向けタイトルの英語配信は,果たしてうまくいっているのか。Steam版「魔界戦記ディスガイア」の配信から約1年が経つこのタイミングで,その成果や今後の展開などを,日本一ソフトウェアの代表取締役社長である,新川宗平氏に聞いてみた。

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4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。
 まずはSteam関連についての質問ですが,日本向けのタイトルをメインに開発している日本一ソフトウェアが,どういった経緯でSteamに進出を始めたのでしょうか。

日本一ソフトウェア 代表取締役社長 新川宗平氏
画像集 No.001のサムネイル画像 / 日本向けタイトルのSteam展開って,どうなんですか? 日本一ソフトウェアの新川社長に聞く,英語版配信の成果
新川宗平氏(以下,新川氏):
 日本一ソフトウェアのタイトルの基本方針として,プラットフォームとしては世界展開を考えたいと思っています。ただ,日本の職人が,ゲームが大好きな人達に向けて作ったものを提供するというのが前提にあるので,おっしゃるように,「海外市場を意識してどうこう」みたいなことを考えて作ってはいません。
 そもそも,海外のゲーマーは,私達が「海外狙いで作ったタイトル」みたいなものを出しても嬉しくないと思うんです。結果的に海外の方にも興味を持ってもらえるというのが,良い流れなのかなと。

4Gamer:
 あくまで日本のゲームメーカーとしてのものづくりを重要視しているわけですか。

新川氏:
 そんな弊社がなぜSteamに展開したのかというと,理由は2つあって,まず1つは多くの登録者数を持つプラットフォームであり,市場があるだろうと考えたからですね。
 そしてもう1つが,コンシューマゲームって,ハードが普及している地域でしか遊べないものじゃないですか。プラットフォームの制約で遊ぶ人が限定されるのは,もったいないと思うんです。そういった地域には,まだ我々のゲームを遊んだことがないけれど,遊べばファンになってくれるという方がいるはずですから。

4Gamer:
 2016年2月に「Disgaea PC」が配信されてから1年ほどが経ち,タイトルもどんどん拡充されています。実際のところ,Steam展開はうまくいっているのですか?

新川氏:
 Disgaea PCに関しては,悪くない出だしを切れていますね。過去に何度も出してきたタイトルですので,さすがに爆売れとまではいきませんが(笑)。
 ほかのタイトルについても,コンシューマで出したタイトルを改めてSteamで配信している形ですから,緩やかに推移してるという感触です。正直なことを言えば,もっと伸びてほしいんですけど,Steamに関しては長く継続していくことで得られるチャンスがあると考えているので,今後も注目していくことになるでしょうね。

4Gamer:
 チャンスと言いますと?

新川氏:
 我々としては,海外でも日本一ソフトウェアのファンを増やしていくことを目標にしているんです。Steamでやろうと決めた当時,一番無難な選択肢は,すでに参入しているパブリッシャにライセンスすることだったと思いますが,ファンを増やそうと思ったら,丁寧な対応は必須です。なので,アメリカの子会社(NIS America)と組んで自分達で展開し,Steamでコミュニティをしっかり形成していくことにしました。今は,ファンの声を聞きつつ,タイトルを増やしている段階なので,今後はこれを拡大していきたいですね。

4Gamer:
 Steam版を改めてプレイしている層って,従来のディスガイアファンが多いんでしょうか。

新川氏:
 もちろん,過去に遊んだことがあるけどもう一度という人もいますが,PCゲームばかり遊んでいて,これまで触る機会はなかったけど,やってみたらハマったという人もいる印象ですね。

4Gamer:
 まさに新しいファンの獲得につながっているわけですね。

新川氏:
 ええ,やはりSteam展開は必要な一手だったと感じています。

4Gamer:
 1月31日に「Disgaea2 PC」も配信されましたが,今後は3以降も展開していくのでしょうか。

新川氏:
 3以降のシリーズについても一通り遊べるようにしたい,とは思っています。

4Gamer:
 それは待ち遠しいですね。Steam版で初めてプレイしたという人も,一通り遊びたいでしょうし。
 ところで,日本一ソフトウェアさんって,Steamでいわゆる“おま国”をしませんよね。

新川氏:
 いやぁ,単純に,それはダメでしょう(笑)。うちの場合は,とくに日本側から何も言わなくても,NIS Americaのほうから「それはちゃんとやりましょう」という話がきたぐらいです。あちらのスタッフも日本のゲームが大好きな人間なので,ファンのことを考えて展開してくれたんでしょうね。
 そもそも,わざわざ日本のゲーマーに売らないという選択肢はありませんよ。

4Gamer:
 国内のPCゲーマーとしては,そう断言してもらえるのはありがたいです……。

新川氏:
 そういう部分で評価をいただけるのなら,それはそれで嬉しいですが(笑)。
 ともあれ,現在の我々の基本的なスタンスとしては,「ものづくりは日本でします」「それを世界に向けて販売します」「プラットフォームは限定しません」の3つになります。

4Gamer:
 日本一ソフトウェアさんの売り上げは,確か現在は海外が大きな割合を占めているんですよね?

新川氏:
 そうですね。販売タイトル次第では,海外での売上の方が多くなる年もあります。

4Gamer:
 日本一ソフトウェアさんのタイトルは,可愛らしくデフォルメされたキャラクターのテイストが日本のゲームらしいだけでなく,日本人じゃないと伝わらなさそうなギャグなども多く盛り込まれているじゃないですか。あのあたりって,海外の人に伝わるのか疑問なんですが,それでも海外売り上げが大きいというのは興味深いですね。

新川氏:
 海外の方にもウケている要因は,3つあると思っています。1つが,単純に日本のゲームを遊びたいコアな層に,ゲーム性自体が刺さっているということ。
 そしてもう1つ,これはすごく大きいと思っているのが,翻訳です。うちのゲームは,おっしゃるとおり日本語でしか分からないだろうという部分が多くあります。ですから,翻訳を子会社にいるディスガイアが大好きな社員がやっているんです。アメリカであれば,アメリカ人が楽しめるように,きちんとローカライズとカルチャライズを行うというわけです。

4Gamer:
 あちらの人が見ると,ギャグもちゃんと伝わるようになっているんですね。

新川氏:
 翻訳に関しては,アメリカのゲームアワードで賞をいただくこともあるぐらいです。翻訳って,普通は「ちゃんとできてて当たり前」の要素で,あまり褒められることってないので,ここはうちの海外展開における強みだと思いますね。
 それともう1つが,海外に拠点を持っていることです。うちぐらいの規模の会社で現地法人を持っているところはほとんどありません。海外でも自分達のゲームとして売ってくれているので,ここも海外売り上げに貢献している部分かと思います。

4Gamer:
 なるほど。

新川氏:
 あとは,海外というかSteamの話ですが,先にお話したコミュニティ作りには力を入れるべきですね。コンシューマゲームと違って売っておしまいではないので,英語圏の人達との会話や,連続したカスタマーサポートが重要だと思います。そこができていないところにはファンがつかないですし,そもそもモノが売れません。現地法人を作って,サポートの人間を専用に用意して運営するというのは,ハードルがすごく高いですけど,もしSteamに進出したいという場合は,避けて通れない道ですね。
 まあ,パブリッシャとしても展開している我々としては,NIS Americaにタイトルを預けるのがオススメですと言いたいです(笑)。

4Gamer:
 ディスガイア以外ですと,今後はどういったタイトルを展開していく予定なのでしょうか。

新川氏:
 基本的には,日本一ソフトウェアの最近のタイトルはほぼすべてやりたいと思っています。アメリカのほうでは扱いにくいタイトルは難しいですが。

4Gamer:
 ああ,女の子をおしおきしたり……。

新川氏:
 それです。「Criminal Girls: Invite Only」は例外的に規制付きで出しましたけど,やはり大変ですね。Steamで出すかどうかは,NIS Americaが選別して考えていくことになるかと思います。
 選別といっても,結局のところ,「日本でしかウケない」と思えるようなタイトルでも,出してみると楽しんでもらえたりするんですが。

4Gamer:
 「夜廻」のような,一見すると海外の人にまったく伝わらなそうなタイトルも,Steamで配信されていますしね。

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新川氏:
 ディスガイアにしたって,シナリオを自分で書いておいてなんですが,海外で売れるなんて思っていませんでした。日本のアニメやマンガのパロディが満載ですし。でも,蓋を開けてみたら,海外の人が普通に笑っているんです。それ以来,「彼らは仲間なんだ。ゲームが好きな人に国境とか関係ないんだ」と思うようになりました。
 ですから,今後もきっちりPC展開を続けて,ファンを増やしていきます。いずれは,PCも含めた全プラットフォームで,世界同時発売するというのが理想ですね。


「日本一 Indie Spirits」で海外インディーズゲームのローカライズを開始


4Gamer:
 そういえば,先日「日本一 Indie Spirits」として,海外のインディーズタイトルのローカライズを発表されましたよね。こちらはどういった経緯で始まったものなのでしょう。

新川氏:
 もともと,2,3年ぐらい前から海外のメーカーにパブリッシングの話をいくつかいただいていたんです。当時は,あいにく我々が預かることはなかったんですが,海外のタイトルを日本で販売することは,普通にアリだなと思っていました。
 ただ,日本で海外タイトルを扱うパブリッシャというと,スクウェア・エニックスさんやスパイク・チュンソフトさん,SIEさんが思い浮かびますが,ローカライズの質やタイトルの目利きが素晴らしく,同じ土俵ではとても戦えません。とくにローカライズに関しては,NIS Americaが苦労しているのをよく知っていますし。

4Gamer:
 ハードルの高さや重要性は身にしみていると。

新川氏:
 そこで発想を変えて,「ローカライズをあまりしなくていいタイトル」を扱おうと考えました。ビジネス的には小粒でも,良いインディーズタイトルはたくさんありますし,すでに海外では配信されていて,しかも翻訳の手間も少ないのに,日本で発売されていないタイトルもありますから。

日本一 Indie Spirits第一弾タイトルの1つ「Nidhogg -ニーズヘッグ-」
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4Gamer:
 ほかのメーカーが取り扱わないインディーズタイトルをカバーしていくというわけですね。

新川氏:
 インディーズタイトルのローカライズって,開発チームごとに違った交渉をして進める必要があるので,本数をやろうと思うと,手間はけっこうかかるんですけどね。それでも,良質なゲームを日本で広めていくことや,海外のクリエイターとつながっていくことには,価値があるんじゃないかと考えています。もちろん赤字ではだめですけど。

4Gamer:
 将来的には,もしかしたら海外のインディーズデベロッパと日本一ソフトウェアとのコラボタイトルなども?

新川氏:
 そこまで発展させられるのが理想ですね。

4Gamer:
 ローカライズが発表されたタイトルはPlayStationプラットフォームで展開されていますが,すでに海外ではPC版も配信されていますよね。そちらの日本語対応はしないのでしょうか。

新川氏:
 今のところ予定にあるのはPlayStationプラットフォームのみです。ただ,そこをきちんとやった上で派生するビジネスとして,我々が翻訳したデータを版元さんに提供して,PCに対応してもらうというのもアリかもしれません。

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2016年は「ルフラン」がヒット。今年は25周年企画を展開


4Gamer:
 日本一ソフトウェアの昨年や今年の展開についても聞かせてください。昨年は,とくに「ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団」が印象的で,ファンからの支持も大きかったかと思いますが,手応えはいかがでしたか?

新川氏:
 昨年は,コンテンツメーカーとしてとにかく新規のタイトルを出していこうという方針でした。続編ばかり出していても,右肩下がりになってしまいますから。実際,昨年はさまざまな新規タイトルを展開できましたが,その中でもとくにヒットしたのがルフランでしたね。正直に言ってしまうと,発売時はなかなか厳しいスタートで,販売数も2万本以下という状況でした。しかし,発売後に評価が上がり,7万本を越えるところまでいってくれて。

4Gamer:
 口コミでジワジワ売れていった感じなんですね。

新川氏:
 ええ,完全にユーザーさんのおかげですね。非常に感謝していますし,だからこそ“次”も考えていきたいんです。そういうタイトルを増やすために,新規IPを作っているわけでから。

4Gamer:
 単刀直入に言ってしまえば,ディスガイアに続く看板タイトルを,ということですよね。

新川氏:
 そういうことです。その前の年では「夜廻」も最終的にはスマッシュヒットとなり,海外でも評価いただけましたが,これに続いてルフランを出せたのは,良い流れだと思っています。

4Gamer:
 ルフランは,日本一ソフトウェアさんとしては初挑戦のジャンルながら,ダンジョンRPGファンから高い評価を得ていますよね。変わったシステムも多く取り入れつつ,うまく落とし込んだなという印象を受けました。

画像集 No.008のサムネイル画像 / 日本向けタイトルのSteam展開って,どうなんですか? 日本一ソフトウェアの新川社長に聞く,英語版配信の成果
新川氏:
 あれは執念に近いものがあったかと思います(笑)。ディレクターの泉(泉 達也氏)が「魔女と百騎兵」を作って,その後どうするかという話の中で出てきた企画だったんですが,続編ではなく新規となるルフランを担当してもらったのは,結果的に成功でした。
 日本一ソフトウェアの中でも,新規のタイトルを作れるという人間は貴重なので,次もまた新規を……と言いたいところですが,ルフランを評価していただいた皆さんからは,続編を泉に作ってほしいという声もあるでしょうから,悩みどころではあります。

4Gamer:
 ああ……プレイヤー側からしても,悩ましいですね。泉さんのダークファンタジーのテイストって独特ですし,続編を作ってもらいたい気も,新しいタイトルを見たい気もします。

新川氏:
 続編ばかり作っていたら,それこそルフランも出てこなかったわけですしね。

4Gamer:
 どなたが作るかは置いておくとしても,ルフランの今後の展開は楽しみにしています。
 昨年のタイトルでいくと,新川さん自身が筆を取った「流行り神」シリーズが今後どうなるのかも気になります。

新川氏:
 もともと,「真 流行り神」が,旧作3部作からいろいろな新要素が入ったり,プロモーションがうまくいったり,あるいは久しぶりの新作だったりといくつか要因があったかと思うんですが,シリーズでも最高の販売本数を達成しました。
 一方で,ゲームシステムに対してネガティブなご意見をいただいていたので,そこをお客さんの声に応えたいということで作ったのが,昨年発売した「真 流行り神2」になります。旧作のシステムを復活させたりですとかはしたんですけれども……。

4Gamer:
 賛否はありましたよね。序盤は原点回帰が感じられるテイストだったと思うんですが,途中からガラリと変わってしまうので……。
 発売から時間が経ったので聞いてみたいんですけど,あれはどういう意図で盛り込んだものだったのでしょうか。

新川氏:
 旧作のテーマでもあった“都市伝説”って,バラエティが豊富なんですよ。怖いものだけじゃなく,トンデモなものもあります。そこで,2でせっかく都市伝説ネタを再びやるなら,トンデモなものも題材にしてみようと思ってシナリオを書いたんです。その結果,アンケートを見ると,喜んでくださった方もいるんですけど,「あれは違うだろ」という声もいただいてしまいました。

4Gamer:
 旧作ファンからすると,序盤のテイストが続いてほしかったということなんでしょうね。

新川氏:
 そういうことなんだと思います。実際,ファンからも2話は評価いただけていますから。これはもう,完全にシナリオを書いた私の責任ですので,ごめんなさい。
 もう1つ反省点としては,真 流行り神のキャラクターについて,2で主人公以外を登場させなかったところ「前作はなかったことにするのか」という意見もいただきました。なかったことにしたいわけではなく,マルチエンディングでたいてい死んでしまうので,「これが正しいルートでした」と決めてしまわないよう出さなかったんですが,ここも配慮すべきだったかなと。
 期待に応えられなかったからこそ,これらを踏まえた“3”を作りたいですね。

4Gamer:
 お,次も考えているんですね。

新川氏:
 まだ企画が動いているわけではないですけども,個人的にはやりたいです。というか,褒めてもらえるまでやりたいです(笑)。
 次を作るならおそらく,2話のテイストで貫いていくことになると思っています。

4Gamer:
 今年の展開としてはどういったものを考えているのでしょうか。

新川氏:
 今年も新規タイトルをしっかり出していくこと,それと評価していただいたタイトルをきっちり育てていくことの2つが軸になります。また,年末に発表したとおり,日本一 Indie Spiritsやフォワードワークスさんとのアプリの開発といった,新しい事業展開もあるので,「日本一ってそんなことやってたんだ」と言っていただけるような1年にしたいです。
 ただ,今の日本一ソフトウェアって,作りたいタイトルの数に対してディレクターが足りていないんですよね。2月末まで,公式サイトで「引っ越し代出すからディレクター来て!」という取り組みをやっているので,ぜひ記事で紹介してください(笑)。

4Gamer:
 岐阜,遠いですからね……(笑)。

新川氏:
 いちおう,岐阜だけでなく,大阪の開発室や東京池袋の子会社,それともっと遠いですけどベトナムなどの選択肢はあります。とにかくディレクターを募集中ですので,興味がある方はぜひ。
 それと今年は,7月から弊社の25周年企画がスタートします。そこから1年かけて,いろいろなイベントの実施を予定しています。「お客さんに直接感謝したい」と思っているので,できるだけ皆さんと触れあえるイベントにしたいですね。詳細はまだお伝えできませんが,夏にはかなり大きなイベントの準備も進めているので,楽しみにしていてください。

4Gamer:
 25周年となると,タイトルの発表も期待できそうですね。

「魔女と百騎兵2」は2月23日に発売。3月25日にはコンサートも開催される
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新川氏:
 なんでも「○周年記念タイトル」とアピールするのも面白くないので,どこまでやるかは分かりませんが,未発表のタイトルを準備しています。
 直近の大きなタイトルとしては,2月23日に「魔女と百騎兵2」が発売されますので,楽しんでいただきたいですね。前作に比べて,グラフィックは格段にパワーアップしていますし,アクションRPGとしてかなり進化していますので。

4Gamer:
 確かに,前作はちょっとハクスラ部分などが弱かった気が……。日本一ソフトウェアさんって,システム面の作り込みに力を入れている印象があるので,ちょっと意外でしたね。

新川氏:
 正直に言ってしまうと,前作は日本一ソフトウェア初の3Dタイトルで,システム面は手が回らなかった部分も多かったんです。その結果,アクションRPGとしてはそれほど評価していただけなかったと認識していますが,その点に関して「2」のほうは,ちゃんとゲーム性として面白いと自信を持って言えるタイトルになっています。
 魔女と百騎兵2を皮切りに,コンシューマを中心にさまざまなタイトルを展開していきますので,今年も日本一ソフトウェアを応援よろしくお願いします。

4Gamer:
 ありがとうございました。

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