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ストIIとは何だったのか。初代「ストリートファイター」からNintendo Switch「ウルトラストリートファイターII」まで,ストIIシリーズの歴史を辿る
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印刷2017/05/25 00:00

プレイレポート

ストIIとは何だったのか。初代「ストリートファイター」からNintendo Switch「ウルトラストリートファイターII」まで,ストIIシリーズの歴史を辿る

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 2017年5月26日,カプコンからNintendo Switch用ソフト「ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ」が発売される。この作品は「ストリートファイターII」シリーズの最新作であり,“ストII”ならではの本格的な対戦格闘が最新ハードで楽しめるというわけだ。
 「ストリートファイターII」と言えば,ゲームセンターで空前の大ヒットを記録し,一時代を築いた名作である。せっかくの機会なので,本稿では「ストリートファイターII」シリーズが日本のゲーム史に与えた影響,そして発売当時の盛り上がりの様子について,じっくりと説明したいと思う。

 さらに,発売に先がけて「ウルトラストリートファイターII」をプレイする機会を得たので,その印象も簡単ながらまとめてみた。長い年月を経て,最新のプラットフォームで「ストリートファイターII」をプレイした感覚はとても格別なものだった。
 それでは「ストリートファイターII」が“伝説”となるまでの過程を振り返ってみよう。

「ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ」公式サイト



「ストリートファイターII」が生まれた時代


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 「ストリートファイターII」がゲームセンターに登場したのは,今から約26年前の1991年(平成3年)春である。戦後最大の経済バブルが弾け,日本社会全体が転換期を迎えていた。
 1990年代は徐々に日本の産業,経済が厳しくなっていった時代である。それにも関わらず,ゲーム業界は例外的に発展していた。ハード技術の進歩により,さまざまな目新しい作品が生まれ,一世を風靡することになる。
 しかし,「ストリートファイターII」が登場する直前のゲームセンターは,必ずしも好調とは言えなかった。1980年代中頃から後半にかけては,コナミの「グラディウス」シリーズに代表されるシューティングゲームが人気を博していた。ただ,1980年代の末期にはシューティング人気に翳りが見え,それほど大きなヒット作は出ていない。

 その後,ビデオゲームは3Dポリゴンという技術を使い,立体的な表現が可能になる。しかし,1991年の時点で3Dポリゴンの技術はまだ発展途上。花開くのは数年後である。
 ビデオゲームが低迷する一方で,セガの「UFOキャッチャー」を筆頭にクレーンゲームが躍進し,ゲームセンターを支えていた。
 「ストリートファイターII」がゲームセンターに登場したのは,このような時期だった。そして多くのプレイヤーを巻き込み,ゲームセンターの在り方を大きく変えていく。45年にも及ぶゲームセンターのビデオゲーム(アーケードゲーム)の歴史において,これほど大きな影響を与えた存在をほかに挙げるなら,「スペースインベーダー」(タイトー/1978年)くらいだろう。
 「ストリートファイターII」は,まさに歴史的な名作だったのだ。

「ストリートファイターII」
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荒削りだった初代「ストリートファイター」


「ストリートファイター」
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 さっそく「ストリートファイターII」の詳しい説明を……といきたいところだが,その前に紹介しなければならない作品がある。「ストリートファイターII」はナンバリングタイトルなので,“元祖”が存在する。それが「ストリートファイター」である。
 カプコンが1987年に発売した「ストリートファイター」は,1対1で戦う格闘ゲームだ。「ストリートファイターII」でおなじみの波動拳や昇龍拳といった「コマンド必殺技」は,この作品が最初に採用したシステムである。その一点においても,「ストリートファイター」の意義はとても大きかったと言っていい。

 ゲームセンターに初めて登場した「ストリートファイター」は,大型のアップライト筐体にレバーと巨大な2つのボタンが取り付けられたものだった。このボタンは圧力センサーによって,叩いた力を感知し,技の威力に反映されるというシステムを備えている。いわば大型の体感マシーンである。
 この大型筐体版「ストリートファイター」は人気を博したが,「もっと安価な基板を販売してほしい」という店舗の声もあった。そこで登場したのが,テーブル筐体版「ストリートファイター」である。
 テーブル筐体版は圧力センサーが使えないため,パンチやキックの強さを「弱/中/強」の3種類に分け,それぞれボタンに割り振った。その結果,1レバーと6ボタンという当時のゲームセンターでは類を見ない操作系が生まれた。この「1レバー+6ボタン仕様」は,そのまま「ストリートファイターII」に引き継がれている。

「ストリートファイター」の筐体
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 このように元祖「ストリートファイター」は十分に人気を獲得した作品だった。しかし,ゲームの完成度を振り返ると,魅力はあれど粗削りな作品と言える。そして,「ストリートファイター」をベースに,稀代の名作「ストリートファイターII」が誕生することになるのだ。

「ストリートファイター」
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ひと目で大ヒットの予感を感じさせた「ストリートファイターII」


 「ストリートファイターII」が世間にお披露目されたのは,1991年春のゲームショー(AOUショー)であった。この時点で大きな話題になり,ゲームセンターで稼働する前から「大ヒット間違いなし」と言われたものである。
 当時の技術水準から見ると,「ストリートファイターII」は飛び抜けた表現力を持っていた。格闘ゲームは人間(キャラクター)を操り,パンチやキックを繰り出すのだが,それを表現するには滑らかな技のモーションが必要になる。「ストリートファイターII」は,この部分がすばらしかったのだ。

「ストリートファイターII」
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 2D対戦格闘ゲームにおいて,キャラクターの動きはアニメと同じように複数の絵を描き,それを切り替えることで表現する。ハード面で言えば,大きな絵を画面上に一度に表示し,大量のキャラクターパターンをROMの中に収めるというスペックが必要になる。
 また,美しい動きの実現は,絵そのもののクオリティに左右される。キャラクターがあたかもそこに息づいているかのような絵とモーションがあってこそ,プレイヤーは魅力を感じ,ゲームに惹きつけられるのだ。この点において,当時のカプコンの開発水準は非常に高いものがあった。

 例えば,「ストリートファイターII」のリュウは立っているとき,爪先立ちでリズムを取るように,わずかに上下動している。それまでのゲームでは,止まっているキャラクターに動きがまったくないのが当たり前だった。このことからも分かるように,「ストリートファイターII」には既存の作品とは違う表現力があり,プレイヤーに与えたインパクトは大きかった。


「ストリートファイター」からのゲーム性の進化


 グラフィックスだけでなく,「ストリートファイターII」はゲーム性の緻密さにおいても群を抜いていた。その根幹となったのが,「上下のガードシステム」である。
 元祖「ストリートファイター」は敵の攻撃速度が非常に速く,とてもではないが,見てから捌き切れるレベルではなかった。また,ガードの上からも通常技,必殺技を問わず,どんどん体力を削られてしまう。そのため,敵に当たりやすい技を適当に繰り出し,「当たればラッキー」といった展開になることが多かった。

「ストリートファイターII」
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 これが「ストリートファイターII」では,ジャンプ攻撃はレバーを横(後方)に引いて「上ガード」,足払いなどの下段攻撃はレバーを斜め下(後方)に入れて「下ガード」をすれば確実に防げる。ジャンプ攻撃なのか下段攻撃なのか,それを見切れば体力を削られることがない。必殺技こそガードしても体力を削られてしまうが,そのダメージは微々たるものである。
 このガードシステムは,“ストII以降”のいわゆる2D対戦格闘と呼ばれるジャンルの基本となった。今でこそ当たり前になりすぎたので,誰も話題にしないシステムだ。しかし,当時は「ストリートファイターII」以外の作品では,まだ形になっていなかった。ガードシステムをきっちり構築し,敵の攻撃を見切って防御できるようにしたことは,本当に画期的だったと思う。


8人のキャラクターが選べるアクションゲーム


アーケードゲーム専門誌「ゲーメスト」(1991年5月発行/57号/新声社)の表紙
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 「ストリートファイターII」が発売された当時,筆者はアーケードゲーム専門誌「ゲーメスト」で編集長を担当していた。そのため,当時のカプコンの開発と接点があり,「ストリートファイターII」がゲームセンターに与えた変化をさまざまな角度で見てきた。

 最初に「ストリートファイターII」の情報らしきものを得たのは,カプコンの開発に取材をしていたときだ。そのときに聞いたのが,「使えるプレイヤーキャラクターがたくさんあるゲームを作っている。キャラがたくさんいるから,今までのゲームの何倍も遊べる」というものだった。
 「ストリートファイターII」では,8人のキャラクターを使って遊べる。対戦格闘ゲームとして見れば,このキャラクター数は少ない。しかし,当時のアクションゲームでは破格の多さだったと言える。大抵のアクションゲームは1人のキャラクターしか使えず,多くても3人程度だったからだ。

「ファイナルファイト」
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 その後,新作が「ストリートファイター」の続編であるということが分かってくる。ちなみに,カプコンは「ストリートファイターII」が世に出る前に「ファイナルファイト」を発売している。「ファイナルファイト」はゲームセンターでヒットした人気作だが,初期のタイトルは「ストリートファイター’89」であった。しかし,このタイトルが発表されると,「これは『ストリートファイター』ではない」といった意見が国内外から寄せられたと聞いている。
 「それならば,最初から『ストリートファイター』の続編を作ろう」ということで立ち上がったのが,「ストリートファイターII」の企画だった。「ストリートファイター」の続編を望む声は日本国内だけでなく,米国からも大きかったようだ。

「ファイナルファイト」
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「ストリートファイターII」一色のゲームセンター


 大きな期待を背負って発売された「ストリートファイターII」だが,実際に世に出てみると想像以上の人気を獲得することになった。あまりの人気でなかなかプレイできず,遊べるゲームセンターを探した記憶がある。

 1980〜1990年代,アーケードゲームは年間100タイトル以上が発売されており,変化の波の激しい市場だった。そのため,人気の新作でも複数の台が導入されることはほとんどなかった。しかし,「ストリートファイターII」は例外的に多数の台がゲームセンターに供給されていた。
 当時,筆者は横浜西口のとあるゲームセンターに30台以上の「ストリートファイターII」が置かれていたのを目撃したことがある。その店のゲームは9割以上が「ストリートファイターII」で,ゲームセンターというよりもはや「ストIIセンター」といった趣だった。当然,その周辺の競合店にも「ストリートファイターII」は置いてあり,ごく狭いエリアに100台以上存在していたと思われる。

「ストリートファイターII」
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 これほどの人気を獲得した「ストリートファイターII」のおかげで,筆者が編集長を務めていた「ゲーメスト」は売れに売れた。インターネットが普及していない時代,雑誌はプレイヤーが最新情報を得るための数少ない媒体だった。アーケードゲーム専門誌は「ゲーメスト」しかなかったので,プレイヤーが買い求めたのも当然だったと言える。
 毎号,大特集を組んだ「ゲーメスト」はどこの本屋でもほぼ完売。号を重ねるごとに発行部数は増え,小さな会社の階段には発売前の「ゲーメスト」が高く積み上げられるようになった。こうして「ストリートファイターII」(と「ゲーメスト」)はますます大きなムーブメントに乗っていく。


対戦人気が徐々に高まる


 ゲームセンターで大人気となった「ストリートファイターII」ではあるが,発売当初のプレイヤーは格闘アクションゲームとして楽しんでいた。皆,対戦できることは知っていたものの,プレイヤー同士で戦うといった遊び方はまだ一般的ではなかったのだ。

 ビデオゲームにおいて,対戦ゲームの歴史は古い。日本で初めて稼働したビデオゲーム,アタリの「ポン」(1972年)は対戦専用ゲームである。1970年代初期,コンピュータが複雑な動きを表現できなかったため,1人で遊ぶのではなく,人と対戦するゲームがむしろ多かった。
 しかし,1970年代後半のいわゆるブロック崩しゲームや「スペースインベーダー」の大ヒットにより,ビデオゲームは1人で楽しむものが一般的になっていく。対戦できるゲームがないわけではなかったが,注目されたゲームはかなり少ない。

「ストリートファイターII」
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 対戦をウリにしたアーケードゲームは,それほど流行(はや)らない。それが1980年代の常識だった。それを考えると,「ストリートファイターII」を楽しむプレイヤーが最初はCPU戦で遊んでいたのは当然と言える。
 「ストリートファイターII」は対戦が楽しめるように作られた作品だが,開発スタッフでさえ,「日本では対戦が流行らないだろう」と考えていたのだろう。対戦はどちらかと言えば,日本より米国を意識していたのではないかと思う。

 つまり,「ストリートファイターII」の発売と同時期に対戦ブームが巻き起こったわけではなかった。「友達同士で対戦を楽しむ」といったことは,全国各地のゲームセンターで行われていたはずだが,まだインターネットが一般的ではない時代であり,ほかの場所でどのような対戦が行われているのか,お互いによく分からない状況だった。


「ストリートファイターII」全国大会を開催


アーケードゲーム専門誌「ゲーメスト」(1991年6月/58号/新声社)の表紙
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 「ゲーメスト」は新声社という出版社から刊行されていた。新声社は出版事業のほか,ゲームグッズなどの物販を「マルゲ屋」という店舗で行っていた。「ストリートファイターII」の発売から数か月後,このマルゲ屋で「ストリートファイターII」の対戦大会を開催したことがある。
 このイベントは狭い店内において,ごく少人数の参加を想定していた。しかし,数少ない参加枠を求めて,早朝から店の前には長蛇の列が続いていた。おそらく100人程度だったろうか。この時期,ゲームセンターで対戦する姿を見ることはごく稀だったので,「これだけの対戦ファンがどこに潜んでいたのか」と驚いた記憶がある。

 この大会で優勝したのはザンギエフで,ボディプレスで相手を押し潰して勝っていたと思う。今にしてみれば,ありえないような試合内容である。しかし,まだ一般にはほとんど対戦テクニックが広まっていなかったのだ。
 「これだけ盛り上がっているならば」と,新声社は「ストリートファイターII」の全国大会を企画した。1991年夏に開かれたこの大会は,のちの「e-Sportsの原点」とも呼べる本格的なイベントだった。

 大会の様子はゲーメスト誌上で大々的に記事として取り上げ,同時に対戦テクニックも掲載した。以降,ゲーメストは「対戦格闘ゲームの情報誌」としての性格を強くしていく。
 実はゲーメスト編集部としても,この時点でCPU戦の攻略記事は書き尽くしていたので,今後は対戦を盛り上げたいという意図があった。対戦テクニックの記事で雑誌が売れるのであれば,いくらでもネタが出てくることは想像できたからだ。


対戦格闘ゲームを加速させた「対戦台」


 1991年夏,「ストリートファイターII」の対戦ブームは全国に広がりつつあった。しかし,それでもゲームセンターで実際に対戦している人を見ることは珍しかった。対戦好きのプレイヤーが集まるゲームセンターと,そうでないゲームセンターの格差が大きかったように思う。
 その状況を変えたのが,いわゆる「対戦台」の登場である。この対戦台はミディタイプの筐体を背中合わせに置き,ケーブルでつないだものだ。相手と向かい合う形になるが,筐体の陰に隠れるので,直接顔を合わせない。

「ストリートファイターII」
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 それまでの対戦は,横に並ぶ形式しかなかった。見知らぬ人に話しかけるのは勇気がいるし,ちょっと身体が動いたら相手にぶつかってしまう。そのため,知らない人に対戦を挑むのは,やりづらいものがあった。
 だが,対戦台ならそんな心配は無用だ。しかも,これを「対戦専用台」と謳うことで,プレイヤーが知らない相手に対戦に挑むという,精神的なハードルを低くする効果がある。
 格闘ゲームの対戦専用台は,1991年の年末あたりから見られるようになった。その後,あっという間に全国に広がり,対戦ブームは一気に加速していく。
 ちなみに,対戦台はメーカー主導で導入されたものではないようだ。都内の業者が最初に始めたものと思われるが,詳しいことは分からない。これもまた興味深い。


対戦をポピュラーにした「ストリートファイターIIダッシュ」


「ストリートファイターIIダッシュ」
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 「ストリートファイターII」の発売から1年後,1992年春に続編となる「ストリートファイターIIダッシュ」が発売された。この作品では前作のキャラクター8人に加えて,四天王と呼ばれるバイソン,バルログ,サガット,ベガをプレイヤーキャラクターとして使えるようになっていた。
 そのほか,これまでのキャラクターには技の調整が行われた。いわゆるキャラクターのバランス調整である。これはビデオゲームの歴史において,画期的なことだったと言える。
 21世紀のビデオゲームは,インターネット経由でアップデートを重ねてどんどん変化していくことが珍しくない。しかし,インターネットが普及する以前のゲームは,一度完成すれば基本的にその時点で終了である。
 それが「ストリートファイターIIダッシュ」では,さらに白熱した対戦が行えるように,プレイヤー目線で各キャラクターのバランスが細かく調整されたのだ。

「ストリートファイターIIダッシュ」
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 対戦格闘ゲームの奥深さを楽しむには,絶妙なバランス調整が必要だ。「ストリートファイターIIダッシュ」はそれを実現したゲームであり,それまでより高次元の完成度になった。
 「ストリートファイターIIダッシュ」の登場で,対戦ゲームの人気はさらに上昇。全国各地のゲームセンターに対戦専用台が設置され,どこでも知らない相手に対戦を挑めるようになっていった。その後,長く続いていく対戦格闘ゲームのブームは,この作品によって根付いたと言っていい。

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シリーズの集大成「スーパーストリートファイターIIX」


「スーパーストリートファイターIIX」
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 1993年秋,カプコンから「スーパーストリートファイターII」が発売された。この作品はグラフィックスを一新し,新キャラクターとしてT・ホーク,キャミィ,ディージェイ,フェイロンが追加されたものだ。
 「スーパーストリートファイターII」の出来は悪くなかったが,当時のプレイヤーの評価はいま一つだった。この頃になると多くのプレイヤーが対戦格闘ゲームに親しんでおり,求めるクオリティの水準が高くなっていたようだ。優れたゲームを作るのは大変であり,それに出会えるのは幸運なこと。しかし,慣れてしまうとプレイヤーはそれを当然だと思ってしまうものである。

 1993から1994年にかけて,SNKから「餓狼伝説」シリーズや「ザ・キング・オブ・ファイターズ」シリーズ,セガから「バーチャファイター」シリーズといった,さまざまな人気対戦格闘ゲームが続々とリリースされた。
 そんな時期に登場したのが「スーパーストリートファイターIIX」(1994年3月)だった。この作品は「スーパーストリートファイターII」をベースにして,スーパーコンボゲージのシステムを追加したものだ。

「スーパーストリートファイターIIX」
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 ゲージを溜めると「スーパーコンボ」という強力な必殺技を繰り出せるようになるのだが,こうしたシステムは「ストリートファイターII」シリーズでは初の試みだった。これにより,駆け引きがさらに熱くなり,爽快に相手を倒せる。「スーパーストリートファイターIIX」は細かいバランス調整も抜群で,「ストリートファイターII」の名が再び轟くことになった。

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 シリーズ最新作である「ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ」は,「スーパーストリートファイターIIX」がベースになっている。対戦格闘ゲームがゲームセンターで大いに盛り上がっていた時代,当時のプレイヤーを唸らせた傑作の面白さを,ぜひNintendo Switchで味わってもらいたい。


リファインされたグラフィックスが際立つ「ウルトラストリートファイターII」


 さて,ここからは「ウルトラストリートファイターII」について書いていこう。
 まず驚かされたのは,そのグラフィックスの美しさだ。前段で触れたとおり,ベースとなった「スーパーストリートファイターIIX」の発売は約23年前である。それなのに,グラフィックスから全然古さが感じられない。
 その理由の一つは,グラフィックスがリファインされているところにある。TVモードにすると,その解像度の高さがはっきり分かり,近年のゲームと比べても引けを取らない。 それでいて,かつてゲームセンターで見た「スーパーストリートファイターIIX」と印象がほぼ変わらない。当時のモニターは解像度が低く,絵が粗かったはずなのに,違和感がないというのは凄いことだ。

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 元々のグラフィックスのレベルが高かったことは間違いないだろう。それに加えて,こだわりを持ってリファインされたことがうかがえる。古くからのストIIファンならば,この美しい姿を手元に残せるというだけでも,購入する価値があると言える。

プレイヤーキャラクターは「スーパーストリートファイターIIX」で登場したキャラクターに“殺意の波動に目覚めたリュウ”と“洗脳されたケン”を追加。この2人と豪鬼を最初から使うことができる
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2人で協力して強敵を倒す「バディファイト」モード。なんといっても,ベガとの戦いが一番盛り上がる
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オプション設定により,当時のグラフィックス(クラシックジェネレーション)でも楽しめる。解像度が違うと,どれだけ表現が違うかを感じられるだろう
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意外に違和感のないJoy-Con操作


 「ウルトラストリートファイターII」を遊ぶなら,ゲームセンターで育ったプレイヤーとしてはアーケードスティックが欲しいところだ。しかし,残念なことにNintendo Switch用アーケードスティックは販売されていない。
 そのため,多くのプレイヤーはJoy-Conで操作することになるだろうが,アナログスティックの反応は思いのほか良好だ。レバーに近い感覚でスムーズにコマンド技を繰り出せる。天下を狙うガチ勢ならともかく,気軽に対戦を楽しみたいプレイヤーには十分だと思う。

Joy-Conのアナログスティックで,ザンギエフの立ちスクリュー(ジャンプせずにスクリューパイルドライバーを出すこと)を出すのはそれほど難しくない。ちなみにこの技の発祥は,名古屋のゲームセンターだったと記憶している
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 ボタンについては,デフォルトだと強パンチが左手に持つJoy-ConのLボタンに割り振られている。左手はアナログスティック,右手はボタンと分けたい人にとって,少々やりにくいかもしれない。そんなときは右手側のZRボタンに強パンチを変更するといいだろう。
 これらに注意すれば,操作面では違和感がない。もちろん,Joy-Conに慣れるまでは練習を兼ねて,アーケードモードをひたすら遊ぶのもいいだろう。そもそも「ストリートファイターII」はキャラクターを動かしているだけで楽しい。


完全新規のなりきりモード「放て!波Do拳」


 「ウルトラストリートファイターII」にはアーケードモードやオンライン対戦といった,対戦格闘ゲームに必要なものがしっかりと揃っている。「殺意に目覚めたリュウ」「洗脳されたケン」の参戦も見逃せないところだが,ひときわ異彩を放っているのは「放て!波Do拳」だ。
 このモードはリュウの主観視点で,迫りくるシャドルーの兵隊を倒し続けるというもの。プレイヤーが繰り出せるのは,波動拳や竜巻旋風脚,昇龍拳,真空波動拳といった必殺技だ。相手の攻撃をガードすることもできる。ひと目でも見れば,アーケードモードとはまったく別のゲームであることが分かるだろう。

 「放て!波Do拳」では左右のJoy-Conをそれぞれの手に持ち,前に突き出したり,上に突き上げたりして必殺技を放つ。「自らの身体を動かしてリュウを操作する」といったところが特徴だ。
 なかでも波動拳の場合,両手のJoy-Conを上下に重ねるようにして持つのだが,これは実際に波動拳を繰り出すポーズを再現していると思われる。ただ両腕を突き出しただけでは波動拳を出せず,突き出す前の構え(Joy-Conの位置関係)が大事になっており,「これは良くできているな」と感心させられた。

波動拳は2つのアナログスティックを内側にして,Joy-Conを挟むように重ねるのがポイント。練習が必要だが,一度コツが分かれば,もう失敗しないはずだ
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 攻略のポイントとしては,敵との距離に応じて,波動拳,竜巻旋風脚,昇龍拳をうまく使い分けていくといいだろう。そしてゲージが溜まったら,真空波動拳を使って複数の敵を爽快に吹き飛ばしていく。まったく新しい操作系なので,最初は難しく感じられるかもしれないが,プレイすると結果に応じて成長ポイントが与えられる。これで能力パラメータを強化していくことが可能だ。
 対戦格闘ゲームはRPGとは違い,積み重ねるものが自らのスキルの向上のみ。しかし,「放て!波Do拳」ではキャラクターを成長させられるので,じっくりと遊ぶことができそうだ。

ゲージが溜まったら,スーパーコンボの真空波動拳が繰り出せる。敵がたくさん出てきたら,真空波動拳で一掃しよう
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プレイの結果に応じて,成長ポイントが得られる。6つのパラメータがあるので,好きなものを伸ばしていこう
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「ストリートファイターII」よ,永遠に!


 長いビデオゲームの歴史においても,「ストリートファイターII」(およびシリーズ作品)は特筆すべき存在だ。これから先も,その価値は色褪せず伝えられていくことだろう。
 かつて「ストリートファイターII」シリーズをゲームセンターで遊んでいたプレイヤーにとって,それらは懐かしい作品として記憶されているはずだ。しかし,実際に「ウルトラストリートファイターII」で再会してみると,まったく古さを感じさせないのがすばらしい。
 “ウルII”はいわゆる“ストII世代”以降のプレイヤーにも,ぜひ触れてもらいたい作品だ。対戦格闘ゲームの原点でありながら,誕生時点でほぼ完成されている「ストリートファイターII」の凄みを味わってほしいと思う。

「ストII」の発売直後は「波動拳で相手をジャンプさせて,昇龍拳で落とす」という戦法があるため,リュウが最強キャラだと思われていた。ただ,実際にはそれほど強くなく,「ストIIダッシュ」では昇龍拳や竜巻旋風脚が強化された
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「ストII」では唯一の女性キャラだった春麗。「当時は殴る蹴るといった戦いに女性を参加させていいのか,世間の反応が心配だった」と,のちに開発スタッフから聞いた記憶がある
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「ストII」最強キャラの一角,ガイル。必殺技だけでなく,通常技の判定が強かった。「ストIIダッシュ」では弱体化されたが,それでもやはり強い
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ガイルと並ぶ強キャラだったダルシム。ヨガテレポートについて,「バグ技からヒントを得た」と聞いた記憶がある
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四天王のサガットは技の性能だけ見れば最強クラスだったので,かつてゲーメストでは「サガット最強伝説」という企画記事を組んだ。しかし,やはり伝説に過ぎなかった
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「ストIIダッシュ」のベガは本当に強かった。サイコクラッシャーからの投げ,ダブルニープレスを使った固めは反則レベル。この技を攻略記事に載せてしまったことは反省している
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「スーパーストII」から登場した新キャラの1人,T・ホーク。強いと思われていたが,当時は使う人が少なかったため,そのポテンシャルは未知数だった
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「スーパーストII」からの参戦組であるディージェイ。通常技の判定が強く,敵の攻撃をつぶしながら戦えるのが特徴
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ストIIシリーズ初参戦となる「殺意の波動に目覚めたリュウ」。攻撃力は高いが,相手の攻撃を食らうと一気に不利になる
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「ストII」では,敵を気絶させるとヒヨコマークが表示される(ヒヨコ以外の種類もある)。そのため,気絶したり,気絶させたりすることを「ピヨる」「ピヨらせる」と呼ぶようになった
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「ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ」公式サイト

  • 関連タイトル:

    ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ

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