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「ファイアーエムブレム 風花雪月」制作者インタビュー。初のSwitchでの展開やコーエーテクモゲームス参画で変わったところ,変わらないところ
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印刷2019/07/26 00:00

インタビュー

「ファイアーエムブレム 風花雪月」制作者インタビュー。初のSwitchでの展開やコーエーテクモゲームス参画で変わったところ,変わらないところ

 任天堂が本日(2019年7月26日)発売したNintendo Switch用ソフト「ファイアーエムブレム 風花雪月」は,ドラマチックな物語と手強い戦闘が魅力のシミュレーションRPG「ファイアーエムブレム」シリーズの最新作だ。

画像(025)「ファイアーエムブレム 風花雪月」制作者インタビュー。初のSwitchでの展開やコーエーテクモゲームス参画で変わったところ,変わらないところ

 3つの勢力を軸に「学校生活」と「戦争」という2部構成で展開する物語や,より戦略性が高くなったゲームシステムなどが特徴の本作は,メインのシリーズ作品としては初のNintendo Switch,久しぶりの据え置き機向けの展開,そして任天堂とインテリジェントシステムズというおなじみの2社に加えて“シミュレーションゲームの雄”であるコーエーテクモゲームスが制作に参画したことでも注目を集めている。
 そんなシリーズ最新作のコンセプトや制作に関するエピソードを,任天堂の横田弦紀氏とインテリジェントシステムズの草木原俊行氏という2人のディレクターに聞いた。

任天堂の横田弦紀氏(左)とインテリジェントシステムズの草木原俊行氏(右)
画像(001)「ファイアーエムブレム 風花雪月」制作者インタビュー。初のSwitchでの展開やコーエーテクモゲームス参画で変わったところ,変わらないところ

「ファイアーエムブレム 風花雪月」公式サイト

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本日発売「ファイアーエムブレム 風花雪月」を紹介。3つの勢力による戦乱を描く壮大な物語,やり込み要素満載の育成や戦闘が魅力のシリーズ最新作

 任天堂は本日(2019年7月26日),Nintendo Switch用シミュレーションRPG「ファイアーエムブレム 風花雪月」を発売した。重厚な世界観と物語,それらをよりドラマチックに描き出すグラフィックスと演出,やり込み要素満載の育成や戦闘などが魅力の「ファイアーエムブレム」シリーズ最新作を紹介しよう。

[2019/07/26 00:00]


開発メンバーとして集まったのは

SLG制作に強い“ファイアーエムブレム好き”


4Gamer:
 本日はお時間をいただきありがとうございます。まずは自己紹介も兼ねて,これまでの「ファイアーエムブレム」シリーズとの関わりを教えてください。

横田弦紀氏(以下,横田氏):
 任天堂の横田です。「ファイアーエムブレム 覚醒」(以下,FE 覚醒)から,ディレクターとして関わっています。

草木原俊行氏(以下,草木原氏):
 インテリジェントシステムズの草木原です。初めてFEシリーズに参加したのは,ちょっとお手伝いをした「ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣」です。
 それから「FE 覚醒」「ファイアーエムブレムif 白夜王国 / 暗夜王国」(以下,FE if)の2作品でアートディレクターを,「ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王」(以下,FE Echoes)と本作でディレクターを担当しています。

画像(004)「ファイアーエムブレム 風花雪月」制作者インタビュー。初のSwitchでの展開やコーエーテクモゲームス参画で変わったところ,変わらないところ

4Gamer:
 本作ではそれぞれどのような役割を担っているのでしょうか。

横田氏:
 私は,協同でゲームを制作するインテリジェントシステムズさんとコーエーテクモゲームス(以下,コーエーテクモ)さんからご提案いただいた企画や仕様を整理していき,ゲームの方向性についてとりまとめていく役割です。プロデュース寄りの仕事も一部担当しています。

草木原氏:
 世界観とシナリオ原案の作成やゲームシステムの原案,ゲーム中の立ち絵,モンスターや武器のデザインなどを担当しました。結構手広くやっているかなと思います。

4Gamer:
 企画の立ち上げはいつごろだったのでしょうか。

横田氏:
 いつスタートしたかという話は難しいのですが,新作の企画自体は「FE Echoes」の開発前から考えていました。

4Gamer:
 その時点で,次はNintendo Switchでという話だったのでしょうか。

横田氏:
 最初はニンテンドー3DS向けの企画でした。そののち「3DSでは『FE Echoes』を制作しよう」と決めたためいったん保留となり,「FE Echoes」の開発が中盤に差し掛かったくらいのタイミングで「Nintendo Switchで新作を出そう」と,あらためて企画を動かしたといった流れです。
 チーム編成を行って制作を始めたのは,「FE Echoes」の発売後あたりですね。

4Gamer:
 先ほども名前が出ましたが,制作にはおなじみの任天堂とインテリジェントシステムズのタッグに,コーエーテクモが加わりましたね(関連記事)。驚かされたというファンも多かったと思いますが,コーエーテクモはどの段階から参画したのでしょう。

横田氏:
画像(003)「ファイアーエムブレム 風花雪月」制作者インタビュー。初のSwitchでの展開やコーエーテクモゲームス参画で変わったところ,変わらないところ
 「FE Echoes」の制作中だったので,かなり早い段階でのお声掛けだったと思います。
 Nintendo Switch用に制作して,本体の発売からなるべく早いタイミングで新作を出したいと考えたとき,「FE Echoes」の制作が落ち着いてからNintendo Switchを研究するとなると,時間がかかってしまうという心配がありました。そこで,すでに「ファイアーエムブレム無双」の制作を進めていたコーエーテクモさんなら,さまざまな技術や工夫といったアイデアを出していただけるのではないかと思い,協力をお願いしました。

4Gamer:
 Nintendo Direct E3 2018で初披露されたムービー(関連記事)を見たときに,「あれっ,この3Dモデルってもしかして……」みたいなところはあったのですが,グラフィックスだけではなくゲームシステム全体的に関わっているのですか。

草木原氏:
 はい。私のほかにインテリジェントシステムズからはデザインやサウンドのスタッフが参加していますが,チームとしては最小構成のメンバーで,仕様の起こしやプログラミング,シナリオ回りなどは主にコーエーテクモのチームです。
 共同制作について早矢仕さん(※)に相談したところ,シブサワ・コウブランドのチームを紹介していただけました。シミュレーション制作に強いのはもちろんですが,さらにFE好きのメンバーをそろえていただけたんです。

※コーエーテクモゲームスの早矢仕洋介氏。「ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ」や「FE無双」などの任天堂コラボ作品でプロデューサーを務めている

横田氏:
 プログラマーにデザイナー,シナリオ,プランナー,サウンドと,各パートにちゃんとFEシリーズに詳しい人がいらっしゃるんですよ。

草木原氏:
 多くのスタッフにシリーズの知識があったおかげで,細かいお約束なども理解した状態から話を始めることができました。新しい開発体制にもかかわらず,とてもスムーズに進みましたね。

4Gamer:
 Nintendo Switchでの制作について聞かせてください。メインのシリーズ作品はしばらく3DSを中心に展開してきましたが,やはり新しい機種ということで「この機能を活かした仕組みをゲームに取り入れよう」といった考えで制作が進んでいったのでしょうか。

横田氏:
 まずは「久しぶりの据え置き機向けのゲームとして」ということへの思いのほうが大きかったと思います。グラフィックス面は携帯機向けのゲームよりリッチなものにしなければなりません。会話劇とバトルという遊びのサイクルも,あらためて腰を据えて楽しめるという部分を意識しようと。

草木原氏:
 久しぶりに据え置き機で遊べるというところで,プレイヤーの皆さんの希望や期待するものも高いだろう。それにしっかりと応えられるよう,世界観や物語についても「スケールの大きい作品にしたい」というのは最初から考えていました。

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3つの勢力,2部構成で展開する物語は

ゲームシステムとしても理にかなったものとなった


4Gamer:
 その世界観と物語について聞かせてください。本作では,帝国,王国,諸侯同盟という3つの勢力が統治するフォドラという土地を舞台に,3つの勢力の若者たちがそれぞれの学級に集う士官学校のパートと,その5年後に3勢力の戦乱を描く戦争パートの2部構成で物語が進みます。これはどのように決まったのでしょう。

草木原氏:
 まず士官学校編から戦争編に移行するという,2部構成のイメージが先にありました。

横田氏:
 そうですね。まずそれを聞いて「それは絶対面白いから,ゲームの軸にできそうだ」と話し合ったことを覚えています。
 士官学校の同級生が戦争で敵味方に分かれるというのは,「ファイアーエムブレム 聖戦の系譜」にもありましたが,物語のテーマとしても分かりやすいですし,貴族や王族たちが集まった,きらびやかな学校生活が楽しめるのも面白いだろうと。

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草木原氏:
 考えをまとめていくうち,この2部構成が理にかなった構造になっていることにも気づきました。

4Gamer:
 それはどのあたりですか。

草木原氏:
 分かりやすい部分だと,仲間の加入でしょうか。FEシリーズでは基本的に,章が進むと新たな仲間が追加されるという流れが多いのですが,我々の悩みとして,あとから登場する仲間があまり使われないというものがありました。

4Gamer:
 ああ,分かります。「自分で育ててきた」や「いままでともに戦ってきた」というところで,どうしても思い入れの差が出てしまいますよね。

草木原氏:
 はい。それが本作では,まず第一部の士官学校編で全員と顔合わせするので,第二部の戦争で再会する場面を,それぞれに深い思い入れを持った状態で迎えられると考えたんです。

横田氏:
 仲間としてだけではなく,敵として再会するときも,です。

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草木原氏:
 プレイヤーは3つの勢力のいずれかに属し,ほかの勢力についた人たちとは敵対することになりますが,その敵ももちろん,かつて士官学校で顔を合わせた生徒たちです。
 つまりは相手の人となりや立場を知ったうえで相対するわけなので,敵に対してもこれまでにないようなさまざまな感情が生まれるではないかと考えました。このあたりは,ゲームシステムとして見てもうまく働いているかなと思っています。

4Gamer:
 最近の作品だと「FE if」に近い印象がありますが,一緒にいる時間がゲーム内で長く描かれている分,より感情移入できそうですね。
 では,3つの勢力でそれぞれのルートに分かれた物語が展開するというのは,どの時点で固まったのでしょう。

横田氏:
 かなり初期の段階ですね。2部構成が決まったのと同じくらいでした。物語が仕上がったのもけっこう早かったですよね。コーエーテクモさんとご一緒するんだし,なおさら“三國”がいいねと(笑)。

草木原氏:
 (笑)。原作的な形として1ルートのプロットができたのが2か月くらい。それを世界設定と合わせてシナリオチームと共有し,より掘り下げながらほかのルートを作って全体的な部分ができたのも1〜2か月くらいだったかと思います。
 国の数については,2だと足りないですし,4だとちょっと多くてネタがかぶってしまう可能性も大きくなる。3つの勢力というのは,ルートのバランス的にもちょうどよかったんです。

4Gamer:
 大きく分けて3つの勢力ですが,1つは諸侯同盟とありますし,国だけではなく出身地や家柄でも細かい設定があるのかは気になります。

草木原氏:
 各国の持つ歴史はもちろん,貴族や平民といった家柄や出自による違いも細かく描いています。ゲームを進めると,あらゆるところでそれが確認できますので,ぜひ楽しんでほしいですね。

4Gamer:
 ゲームシステムですが,自キャラを操作してマップを移動し生徒たちと交流したりクエストをこなしたりするところや,カレンダーでゲームが進行するところが気になります。
 例えばアトラスの「ペルソナ」シリーズだと,「この1日をどうマネジメントして生きるか」みたいな部分で燃えるので,個人的には大歓迎なのですが,本作でそういったゲーム進行を取り入れた理由はなんでしょう。

草木原氏:
 まさに“時間をマネジメントする楽しさ”を打ち出したいというのがありました。
 また,これまで戦術のゲームとしてのイメージが強かったFEシリーズに,もっと長期スパンで楽しめる戦略的な要素を加えたいという思いもありました。第二部の戦争に向けて,誰をどう鍛えるか。誰をスカウトして仲間に入れるかといったところを,カレンダーを見ながら進める仕組みにすることで,それが叶うのではないかと。

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横田氏:
 カレンダーについてはかなり意見をぶつけ合いましたね(笑)。ぶつけ合いといっても喧嘩したわけではなく,それぞれの好みであったり,FEシリーズに対する思いやこだわりみたいなところの話し合いが白熱したということですが。

草木原氏:
 具体的な例でいうと,私は「『ピクミン』のような時間制限を設けたらどうか」と提案しました。リアルタイムで時間が減っていくものや,誰かと話をするとほかのだれかと会話する時間がなくなるという回数制限のような形で,“限られた時間で何を行うか”という取捨選択の楽しさがあるものをやりたいと。

横田氏:
 それはそれで面白そうではありましたが,「会話は全部見たい」「せわしなくてドキドキしちゃう」という意見が出てきて。カレンダー表示のアイデアも最後のギリギリで出たという感じでした。

草木原氏:
 最初はカレンダーの表示がない状態で何度かテストしていたんですけど,行動するうえでの判断基準として,ある程度先のことが見えていないと,マネジメントを楽しもうにもそれが難しいということが分かりました。カレンダーを入れたことで目的だった戦略的な遊びの部分だけでなく学校生活への没入感も生まれ,ゲームとしても遊びやすくなりました。

横田氏:
 情報を見ているとすごく変わったように映るかも知れませんが,会話とバトルという根本的な遊びのサイクルはそこまで大きく変わりません。
 施設内を歩いて仲間と交流したりショップで買い物をしたりというのは「FE if」の「マイキャッスル」に近いですし,3Dキャラクターを操作して移動や探索をすることは「FE Echoes」でやっています。それらをよりボリュームアップしたものと考えていただければ。

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学校という舞台と人物の個性を活かしたユニット育成。

より「戦争」を感じられるようになったバトル


4Gamer:
 ああ,なるほど。言われてみればたしかに。続いてバトルについて聞かせてください。新たな兵種や戦技,スキルが増えており,今回のユニットの育成はなかなかに悩まされそうですね。

草木原氏:
 スキルは全部で200以上あり,1人が1つずつ固有のスキルを持っています。覚えるスキルの数や種類も,人それぞれが持つ背景や性格によってだいぶ異なってくるので,個性的なユニットが育てられると思います。

4Gamer:
 ある程度は向いている兵種の傾向はありますよね。それは見た目の雰囲気や会話などで判断できるのですか。

草木原氏:
 雰囲気でなんとなく察せるようになっていますし,「先生,これがやりたいです」みたいに,自身の方向性に合った兵種を自己申告してくれたりもします。

横田氏:
 それらを参考にしたり,固有スキルとの相性のよい戦技や兵種を考えたりしながら,自分好みのキャラクター育成を楽しんでほしいです。

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4Gamer:
 クラスチェンジも少し変わっていますね。上の兵種に就くために試験があるところが学校らしくて面白いです。

草木原氏:
 いままでは,クラスチェンジをして上の兵種に就くことで,使用できる武器が変わったり新たに追加されたりするという形でした。それをもう少しリアルに,「槍や馬術で高い技能を磨いたからこそ,パラディンになる資格を得た」というように演出したかったんです。
 学校で教わったことが身についたことで上の兵種に就けるようになり,それによってさらに高い技能やスキルが身につく。そういったゲームサイクルを意識して作りました。

横田氏:
 今回の新しい遊びの要素として考えた部分で,プレイヤーの皆さんに目指してほしい最初の目標だったりもします。「士官学校が舞台になるなら,それに合わせた育成方法を取り入れたい」と,これも早い段階から草木原さんが骨格を作っていて,「面白そうですね。やってみましょう」となりました。

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4Gamer:
 戦闘についてですが,「騎士団」を配備できることに驚かされたというか,「ついに来たか」と思いました。いつこのアイデアが生まれたのですか。

草木原氏:
 多人数の軍勢を率いるというのは,実はけっこう前からやってみたかったんです。

横田氏:
 FEは戦争をテーマにしているシリーズ作品なので,前からムービーなどで軍勢が表現されていることはあったんですが,イベントだけではなくゲームプレイとしても表現したかった部分でした。草木原さんからも,本作の前から3DSでは表現が難しいという部分も「工夫すればできると思う」と,これまでもいろいろアイデアを出していただけていたのですが,なかなか実現できなくて。

4Gamer:
 Nintendo Switchでそれがやっと叶うと。

横田氏:
 そうですね。戦争を描くということはもちろんですが,草木原さんには見た目の表現という部分も意識した形で提案いただけました。絵的にも密度がすごく上がるので,「これは頑張ってみましょう」ということになりました。

草木原氏:
 今回,コーエーテクモさんと協同で開発するとなって,「あれだけ無双シリーズで多くの兵隊を動かしているのだから,まずは相談してみよう」とお願いしたら,すぐに対応していただけて。さすがだなと思いました。

横田氏:
 本当に早かったですし,見事でしたよね。

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4Gamer:
 騎士団もさまざまな種類があるようですが,ユニットのように強化もできるんですか。

横田氏:
 はい。経験を積むことで騎士団自体のレベルも上がりますし,ユニットの指揮技能レベルを高めることで,より強い騎士団を率いることができるようになります。個人技能を上げるのも重要ですが,指揮技能も意識して上げていってほしいですね。
 ただ,騎士団を配備するだけでもユニットにボーナスパラメータが加わり,「計略」も使えるようになるので,とりあえず何も考えずに配備できるだけしておくというのもいいと思います。

4Gamer:
 計略はいいですね。コーエーテクモの歴史SLG好きなら,その響きだけでもグッとくるものがあると思います。

横田氏:
 まさにそのとおりです。名称は開発中に何度か変わったのですが,計略に決まったときは私たちも「歴史SLG感があっていいね」って話してました(笑)。

草木原氏:
 無人の車が転がって爆発するという計略に,“火計”という名がついていたときは感動しましたよ。

横田氏:
 そうそう。けっこう早い段階でできたもので,みんなで仕上がりを確認しながら「これこそ求めていたものだ!」って(笑)。

4Gamer:
 (笑)。数や種類はどれくらいあるんでしょうか。

草木原氏:
 両手には収まらないくらいの種類は用意しています。

横田氏:
 率いる騎士団の種類によっても違いますし,攻撃だけではなく移動力アップや範囲内の味方の回復といったものもあります。使い方次第で形勢を逆転できますし,本作で新たに登場する巨大な敵「魔獣」にも有効なので,さまざまな場面で活用してほしいですね。

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4Gamer:
 「副官」というシステムも“コーエーテクモの歴史SLG感”がある響きですね。「ファイアーエムブレム 封印の剣」「ファイアーエムブレム 烈火の剣」「救出」や「FE 覚醒」の「ダブル」などに近いものを感じますが,こちらはどのような機能なのでしょう。

草木原氏:
 これはコーエーテクモさんから提案いただいたものですね。戦闘に参加しないユニットを出撃ユニットに副官として連れていくことで,追撃やガードといった戦闘が有利になる副官サポートが受けられます。副官は直接戦闘はできませんが経験値はもらえるので,周りの敵が強くてついていけなくなったユニットを育てる際にも非常に便利です。

横田氏:
 級長とその参謀役や側近のような関係性は物語上でも描かれているのですが,戦闘でそれを意識した編成ができるところが面白いなと思います。グラフィックスの面でも,戦闘時に表示される騎士団の1人が副官にしたキャラクターになるので,絵的な部分でも嬉しい要素になっているかなと。

草木原氏:
 けっこうしゃべりますし,にぎやかですよね。

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4Gamer:
 なるほど。戦いへの没入感も生まれそうです。

横田氏:
 戦闘パートではほかに,騎馬やペガサスといった騎乗系ユニットの乗り降りや騎馬系ユニットの再移動といった,久しぶりに復活した要素にも注目してほしいです。

4Gamer:
 それはFEシリーズファンには嬉しい話ですね。本作の戦闘でも仲間同士の絆は重要になるかと思います。「FE 覚醒」や「FE if」ではパートナーや子どもたちの参戦がありましたが,本作ではどういった形になるのでしょうか。

横田氏:
 企画を始めたころには親子ユニットのようなものも考えの1つとしてありましたが,「FE 覚醒」や「FE if」とは違った形にしたいという考えもあって,およそ5年という月日によって生まれる主人公や士官学校の生徒たちの成長や絆を描くことがテーマとなりました。

4Gamer:
 士官学校の学生となると,同じクラスで仲良くなって,第二部開始の時点で結ばれている……みたいなことがあるのかと気になります。

草木原氏:
 あくまでプレイヤーの選択次第で,ストーリー上で決まっている夫婦やカップルは出てきません。あと,第一部の学生時代では一定の支援レベルまでしか上がらないので,そこから先は5年後という形になっています。

横田氏:
 支援会話や外伝での個別エピソードには,先ほど草木原さんが話した各国の持つ歴史や家柄による違いといった世界観を掘り下げる要素が,ちょっとした会話というレベルではないボリュームで入っています。
 彼らの境遇を知ることができたりお家騒動に巻き込まれたりといった味わい深いものとなっているので,仲間との絆を深めつつ楽しんでほしいですね。

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人々の強い意志がぶつかり合う――

第二部の物語の鍵は“なぜ戦争が起きるのか”


4Gamer:
 どこまでお話しいただけるか分からないのですが,第二部の戦争編についても聞かせてください。事前情報やトレイラー(関連記事)を見たかぎり,全体的に暗いというか,重たそうだなという印象を受けましたが,どのような物語が描かれるのでしょう。

草木原氏:
 ダークファンタジーを意識したプロットになっているので,全体的に暗いという印象は間違いではないと思います。
 黒鷲の学級(アドラークラッセ)のエーデルガルト,青獅子の学級(ルーヴェンクラッセ)のディミトリ,金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)のクロードという3人の級長たちは,それぞれアドラステア帝国,ファーガス神聖王国,レスター諸侯同盟の主導者となり,やがてある出来事によって敵対することになります。
 彼ら自身や彼らについていく人たちにはそれぞれ譲れないものや強い意志があり,それらがぶつかり合うドラマチックな展開になるのですが,プレイヤーはいずれかの勢力の視点でその物語を追うことになります。

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4Gamer:
 勢力は最初にクラスを選んだ時点で決まり,その後は変更できないんですね。

横田氏:
 はい。それぞれ走り切る感じです。決断を迫られるタイミングは早いのですが,その前に各学級を周れるので,気に入った級長や生徒の顔ぶれなどを見て「エイヤッ!」と決めてもらえればと思います。
 また,級長を含む一部の生徒は学級を選んだ時点で仲間にできなくなりますが,ほかはだいたい自分の学級に引き入れることができるので,気になる他学級の生徒をあとからスカウトするのも手です。

草木原氏:
 第一部の展開の大枠はどのルートでも変わりませんが,同じ出来事でも人物によって反応や受け取り方が違いますし,級長のサイドストーリーではそれぞれの考え方が見えてきます。このあたりは選択した学級によってけっこう変わってきますので,どの学級を選んでも退屈はしないと思います。

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4Gamer:
 3つのルートを選んだその先の分岐はあるのか気になります。
 おそらく,プレイヤーが選んだ勢力が確実に戦争に勝つわけではないでしょうし,それならほか2つのどちらかが勝つかによって終わり方も違うかもしれません。そもそも,勝ち負けといった話の展開になるのか。今回はいわゆる王道ファンタジーといった雰囲気ですが,「FE 覚醒」のようなSF要素もあるのだろうか……といろいろと想像してしまいます。

横田氏:
 それだけ盛り込んだら,すごいボリュームになってしまいますね(笑)。まずは“なぜ戦争が起きるのか”という部分が重要ですので,そこを楽しんでほしいと思っています。それが分かったときに,プレイヤーの皆さんも「ああ,なるほど」となるはずですから。

草木原氏:
 オープニングのアニメーションをよく見ていると“何か”が見えるはずです。こういった細かいところにも注目していただければと思います。

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4Gamer:
 なるほど。アニメーションやイベントシーンは注意深く見ておきます。私はハリー・ポッターやゲーム・オブ・スローンズが好きなので,学園モノからの戦争モノという流れはかなり嬉しいものがあるんですが,個人的にはこの2作品から影響を受けたかどうかは気になっています。

草木原氏:
 実は,私はいわゆる“学園モノ”って昔は好きではなかったのですが,あるとき食わず嫌いだったハリー・ポッターの映画を観たときに「なんてよくできたファンタジー作品なんだろう」って思ったんです。

横田氏:
 私たちもハリー・ポッターやゲーム・オブ・スローンズが大好きなので,直接というものではないですけど,そういった形で影響を受けた部分はあるかなと思います。

4Gamer:
 あともう1つ「風花雪月」というタイトルなのですが,いままでと雰囲気も違って気になっていたのですが,いつこのタイトルに決まったのでしょうか。

横田氏:
 タイトルは最後の方に決めるので,ゲームの全体がだいぶ出来上がったときですね。

草木原氏:
 具体的にはE3 2018での発表直前ですね。先に「Fire Emblem: Three Houses」という海外向けのタイトルが決まっていました。

横田氏:
 海外向けタイトルが先だったのは,グローバルで統一したタイトルにしたくて海外にある任天堂の子会社とも話し合って決めたからです。ゲームのコンセプトにもあっていてカッコいいねってなったんですが……日本語に直訳すると“三つの家”になるので,「それは分かりにくいし難しいね」となり,日本向けには別のタイトルで行くことになりました。

草木原氏:
 生徒たちの成長を描く1年間の学校生活,時代の移り変わりによって勃発する戦争といったゲームの流れを考えたときに,どこか季節を感じられる言葉がマッチするのではないかと思えてきて。それで決まったのが「風花雪月」です。
 打ち合わせを繰り返して数百という案を出したり,商標などの面でこれだというタイトルが使えなかったりと大変でしたが,最終的に,非常によいタイトルになったなと思っています。

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4Gamer:
 最も重要な部分かと思うのですが,本作において紋章(エムブレム)はどのような役割を持つのでしょう。ゲーム冒頭から主人公や生徒たちの紋章について触れられており,最初から意識して見せているように感じるのですが。

横田氏:
 もちろん,世界観とゲームシステムの両面で大事な要素となっています。

草木原氏:
 世界観や物語でいうと,フォドラの人たちの根幹にある価値観にもなっています。紋章を理由に人が争ったり,紋章持ちの妻を求めて貴族が再婚相手を探したりといったように,さまざまな人々のドラマの起点にもなっています。

横田氏:
 貴族は紋章を宿しているかどうかをとても大事にしています。一例を挙げると,同じ家の人間でも紋章の有無があるのですが,紋章を持っていないと,嫡子になれずに後継者争いから外れてしまう,なんてこともあるんです。

4Gamer:
 紋章のせいで階級意識のようなものが生まれているんですね。それによって軋轢も生まれそうです。

横田氏:
 はい。そんな紋章ありきの社会はどうなのかと考える人も出てくるし,そういった考え方がぶつかり合う事件も起こっている。このように,紋章そのものが物語を動かす1つの要素となっているんです。
 ゲームシステムとしては,紋章持ちは「英雄の遺産」という強力な武器がリスクなしで使用できます。とはいえ紋章がないキャラクターも固有スキルなどで十分戦えるので,どちらが強いかではなく,ユニットの個性を打ち出す要素になっているかと思います。

草木原氏:
 なにより今回は,シリーズ名でもある「炎の紋章」をしっかり扱えたなと自負していますので,ぜひ皆さんには注目してほしいですね。

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4Gamer:
 ストーリーは作り込まれていて,ゲームシステムもかなりやり込み要素があるようですが,全体的なプレイ時間やボリュームってどれくらいになるんでしょう。

横田氏:
 遊び方次第ではありますが,かなりのプレイ時間になると思います。1ルートだけでも十分に満足いただけるボリュームになっていると思いますが,2周目以降は引継ぎとまでは言わないにしろお得なことがあるので,ぜひ全ルートを遊んでほしいです。

4Gamer:
 これまでのシリーズ作品に比べると,「できることが多くて難しそう」と感じる人もいるかもしれません。遊びやすさのようなポイントについてはいかがでしょうか。

横田氏:
 難しく見えるだろうなという懸念はあります。先ほどの学級の選択もですが,ユニットの育成や学校での行動で「なにが正解でどれが効率のいいやり方なんだろう」と気になってしまうかもしれません。
 ですが,基本的にはメインの物語を読み進めていけば問題なくゲームを進められます。ユニット育成も,例えば戦闘が好きという人なら,授業ではなく実戦をメインにすれば,たくさん戦闘を楽しめるので,自分なりの遊び方を見つけられると思います。

草木原氏:
 先ほど横田さんが話したとおり,会話とバトルという根本的な遊びのサイクルは,これまでのシリーズ作品と変わらないので,遊びにくさというのはほとんどないかと思います。士官学校の要素はもちろん楽しんでほしいのですが,飛ばそうと思えば飛ばしてもゲームは進められます。

横田氏:
 いろいろな人と話したほうが,「フォドラの大地に何が起きているか」という世界の背景が見えてよりゲームが楽しめますし,ユニットとの支援レベルが上がって戦闘も有利になるというのはありますが,まずは気軽に触れてもらえると嬉しいです。

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4Gamer:
 最後に,あらためて本作への思いと読者へのメッセージをお願いします。

横田氏:
 あえていままでのお約束みたいなところを変えた部分はありますが,要所要所にこれまでのFEシリーズの要素が入っているので,シリーズのファンの皆様には喜んでいただけるのではと思います。
 「過去作をプレイしたことがなくて不安です!」という方もいるかもしれませんが,RPGライクな育成を楽しめるゲームにもなっていますし,本作は完全に新しい世界観でのお話となっていますので,安心してプレイいただけると思います。
 音楽もかなり世界観に寄せたコンセプトとなっており,私も度肝を抜かれたほどの出来となっているので,楽しみにしていてください!

草木原氏:
 すごく変わったことをしたように見えるかもしれませんが,見た目は違うけど根っこの部分は一緒という,私としては王道ど真ん中なFEができたな思っています。
 これまでの会話にアクティビティをとおした仲間との絆の深め方も加わったことで,登場人物一人ひとりとの交遊がより楽しめるようになりました。全体を見ると,骨太な戦記物として完成度が高い仕上がりとなったと思いますし,今回の座組でなければできないことができましたので,ぜひそれを楽しんでいただきたいです。

4Gamer:
 フォドラの地を舞台に描かれる,新たな“紋章の物語”を楽しみにしています。本日はありがとうございました!

画像(020)「ファイアーエムブレム 風花雪月」制作者インタビュー。初のSwitchでの展開やコーエーテクモゲームス参画で変わったところ,変わらないところ

「ファイアーエムブレム 風花雪月」公式サイト

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