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心と心がぶつかり合う,本気の“喧嘩”が生んだ絆の物語。「『あんステ』-Our First Fight-」ゲネプロ公演&キャスト会見レポート

 2026年1月16日から1月25日まで,品川プリンスホテル ステラボールにて,Happy Elementsがサービス中の「あんさんぶるスターズ!!」(以下,「あんスタ!!」)を原作とした舞台「『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Our First Fight-」の東京公演が上演中だ。続く1月30日から2月1日までは,AiiA 2.5 Theater Kobeにて兵庫公演が行われる。

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 本稿では,東京公演初日のゲネプロ公演のレポートに加え,開演前にキャストへ実施された囲み会見の模様をお伝えする。ストーリーの核心に触れるネタバレは避けているが,記事には公演内容の一部が含まれるため,観劇を予定している人は注意してほしい


【出演者(敬称略)】
天祥院英智 役:富園力也
日々樹 渉 役:安井一真
姫宮桃李 役:戸塚世那
伏見弓弦 役:飯山裕太
蓮巳敬人 役:梶田拓希
鬼龍紅郎 役:武子直輝
神崎颯馬 役:神永圭佑



英智が仕掛ける「本気の喧嘩」。「fine」と「紅月」が魂をぶつけ合う「喧嘩祭」で,キャストたちの揺るぎない情熱が火花を散らす!


 今作のシナリオは,アプリ内で2015年に開催されたイベント【決別!思い出と喧嘩祭】を原作としたものだ。天祥院英智と,その幼馴染である蓮巳敬人の関係を軸に,ドリフェス【喧嘩祭】を舞台として,「fine」「紅月」の両ユニットが繰り広げる熱い対決が描かれる。

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 夏休みのある日,生徒会長の天祥院英智は,自身の右腕である蓮巳敬人が率いるユニット「紅月」に,突如として解散を命じる。英智の狙いは,病弱な自分を気遣うあまり,“対等なライバル”として向き合おうとしない敬人に,本気の「喧嘩」を仕掛けることだった。

 「紅月」の解散を撤回させるための条件は,1週間後に開催されるドリフェス【喧嘩祭】で「fine」に勝利すること。敬人は戸惑いながらも,鬼龍紅郎や神崎颯馬の熱意に背中を押され,ユニットの存続を懸けた真っ向勝負に挑んでいく。

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 「紅月」が解散を懸けた勝負を前に悩み,もがく過程で固く結ばれていく3人の絆や,ユニットとしての大きな成長。いっぽうで,英智が横暴とも思える命令を下した裏に隠された切実な心情,それを見守り支える日々樹 渉をはじめとした「fine」のメンバーたちの想い。
 そうした機微が,キャストたちの演技によって,観る者の胸に迫るものとして丁寧に描き出されている。彼らがぶつけ合う魂の軌跡は,まさに“青春”そのものだ。

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 本編終了後のライブパートでは,1曲分の動画撮影タイムが設けられていた。近年,舞台やライブなどの現場で見られるようになった試みだが,ファンにとっては,ステージ上の輝きを自らの手で記録できる貴重な機会となったはずだ。

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 今回は,姫宮桃李役が副島和樹さんから戸塚世那さんへ,蓮巳敬人役が宮澤 佑さんから梶田拓希さんへとバトンが手渡されてから,初めての公演でもある。新たな風が加わることで,歴史ある「あんステ」シリーズにどのような化学反応が生まれ,この物語がどう描き出されるのか。その幕開けを,ぜひ見届けてほしい。


ゲネプロ公演前に行われた,キャスト陣への囲み会見の模様をお届け


──役作りや稽古でこだわった部分,大切にした部分はありますか。富園さんから順にお願いします。

天祥院英智役 富園力也さん(以下,富園さん):
 「fine」のメンバーが揃うので,何といってもパフォーマンスのクオリティを意識しました。「fine」らしさを出すため,体の可動域や,ちょっとした片手の動きにも気を遣い,ダンスを大きく見せることを,チームのメンバーと一緒に意識して練習してきました。

日々樹 渉役 安井一真さん(以下,安井さん):
 「fine」として集まるのは本当に久しぶりなので,「fine」としての日々樹 渉はどんな存在だったのかを,原作シナリオや過去の作品を振り返りながら思い出していきました。個でいるときではなく,“「fine」にいるときの渉”を表現できるよう,いろいろ模索しながら仕上げていった形です。

姫宮桃李役 戸塚世那さん(以下,戸塚さん):
 指先まで気を配ったパフォーマンスはもちろん,「fine」にいるときの桃李として,どんな立ち位置にいるべきかを考えました。英智と弓弦がクールなので,渉と桃李でテンションを上げてみるなど,バランス感を意識して試行錯誤を重ねました。

伏見弓弦役 飯山裕太さん(以下,飯山さん):
 チームとして揃えることはもちろん,「喧嘩祭」の熱量や勢いを,それぞれのキャラクター性を大切にしながら,どう届けるかをメンバー全員で話し合って決めていきました。

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蓮巳敬人役 梶田拓希さん(以下,梶田さん):
 敬人は「紅月」のリーダーという立場なので,芝居やパフォーマンスを含め,より良いリーダーでいられるよう意識しました。メンバーのおふたりは先輩ですが,先頭に立つ気持ちで,「どうあるべきか」を考え続けていました。

鬼龍紅郎役 武子直輝さん(以下,武子さん):
 みんなと仲良くなるために,何度もご飯に行きたいなと……思っておりました。

全員:
 (笑)。

武子さん:
 空想の中では何度もご飯に行って,仲を深めたつもりでございます。

飯山さん:
 仲悪いみたいじゃないですか!(笑)

神崎颯馬役 神永圭佑さん(以下,神永さん):
 「紅月」という硬派なユニットの中で,颯馬が持つ可愛らしさやまっすぐさが,場を明るくする場面があります。陽と陰というわけではありませんが,そうしたコントラストを意識しながら作り上げていった記憶があります。

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──このメンバーが揃っての出演は初めてだと思いますが,チームワークはいかがでしたか。稽古期間中,印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

富園さん:
 本当にたくさん居残り練習をしました。稽古が終わってから一度ご飯を食べて,「もう一回やろう」と再開したこともあります。でも,それが楽しくて。遅くまででもいい雰囲気で一緒に練習できるのが,部活みたいで,「青春だな」と感じる時間でした。

安井さん:
 稽古後に2時間くらい「fine」で自主練をしたことがあって。そのとき,ふと僕たちがいつも座っているスペースを見たら,なぜか拓希(梶田さん)だけずっといて。それが「fine」の中ですごく話題になりました(笑)。

富園さん:
 面白かったですね。「え,なんでひとりだけ……?」って(笑)。

戸塚さん:
 稽古場では,「fine」が全員ケータリングのところに集まっていました。みんな本当に食いしん坊で,ずっとお菓子を食べていて。でも,いっぱい食べたからこそ力がついて,自主練も頑張れたのかなと思います。

飯山さん:
 自主練では,それぞれの得意分野を意識していました。「力也(富園さん)なら,振りはこうしたら揃う」「手はこの位置がいいんじゃないか」,「和真くん(安井さん)は歌が得意だから,こういう見せ方がいい」といった具合に,たくさんのディスカッションが生まれて。すごくいい稽古場だったと思います。

梶田さん:
 「紅月」は居残り練習というより,個人練習が中心でした。スタジオを借りたり,とにかく音楽を聴いたりと,各自で準備をして。その成果を持ち寄って3人で合わせたときに,バチッと決まるのが「紅月」らしさだと思っています。

武子さん:
 演出家の後藤健流くんとは,別作品で長く同じチームで戦ってきた仲間で,心から信頼している存在です。その健流くんが演出を務める「あんステ」に関われたのは,嬉しい再会でした。
 いろいろな案を出しながら,僕たちの見せ方を一緒に考えてくれて,とても濃い時間でした。信頼しているからこそ,自分もたくさん提案ができましたし,その演出面も楽しんでいただけたら嬉しいです。

神永さん:
 さっき一真くんが話していた「なぜか拓希がいる事件」の真相なんですが,僕や直輝くん(武子さん)が別の現場で稽古場に残れなかったときに,拓希が残って,ひとりでスタッフさんと振り動画を撮ってくれていたんです。それをグループラインに投げて,「ここを合わせましょう」と共有してくれていて。
 リーダーが本当にいい空気を作ってくれたなと感じています。蓮巳敬人があっての「紅月」ですし,梶田拓希あっての「紅月」でもあると思いました。

──今回新たに「あんステ」に参加されたおふたりには,それぞれ演じるキャラクターの印象を,それ以外の皆さんには,今回の稽古を通して新たに発見したことを教えてください。

戸塚さん:
 桃李くんは可愛らしさがありつつ,努力家な一面もあって……口は悪いけど,どこか愛らしさを感じるところがすごく好きです。そんな桃李がいる「fine」を,この4人で作れたことが本当にうれしいです。
 僕自身がこれほどのびのびできているのも,間違いなくメンバーのおかげで,心から「めちゃくちゃいいチームだな」と感じています。

梶田さん:
 蓮巳敬人という人間は,とても真面目で,いつもしかめっ面をしているけれど,突然の出来事に弱く,常に悩み続けている人物です。小さいころは自分を「できる人間」だと思っていたのに,英智と出会って打ちのめされる。その感覚は自分にも重なる部分がありました。
 芝居を作るときも本当によく悩むタイプなので,そこに気付いてから,敬人をより深く愛せるようになった気がしています。

富園さん:
 英智は,いろいろな顔を持っている人物だと思っています。今回の「喧嘩祭」では,本音を独白する場面がとても多く,その想いをぶつけ合うシーンが,自分にとって新鮮でお気に入りです。丁寧に演じていきたいと意識して稽古しました。

安井さん:
 弓弦役のゆったー(飯山さん)とは以前共演したことがあるのですが,あらためて芝居,ダンス,歌すべてにおいて真摯で,自分の良さをよく理解しているステキな人だと感じました。今回,「fine」として初共演となった力也(富園さん)と世那(戸塚さん)も,人柄が本当に良くて,キャラクターに通じる部分を強く感じました。そんな仲間と「fine」を作れた時間は,とても楽しかったです。

飯山さん:
 これまでの作品では桃李がいなかったので,自分がシーンにいる意味を常に考えていました。今回は,弓弦にとって守るべき存在である桃李がいて,さらに「fine」というチーム感が加わったことで,これまで以上に弓弦の存在意義を感じられたことが,大きな収穫でした。

武子さん:
 蓮巳敬人は,真面目でひとつのことに全力で向き合い,何より「紅月」を大切にする人物です。その本質を,演じる梶田からも強く感じています。彼は悩みを共有してくれて,「もっと言ってください」と真摯に向き合ってくれる。だからこそ,より支えたいと思えるようになりました。新しい蓮巳敬人が生まれたことを,心からうれしく思っています。

梶田さん:
 ……泣きそうです。

神永さん:
 梶田は本当に純粋なリーダーです。その姿勢が,僕たちを初心に戻してくれました。「喧嘩祭」は蓮巳敬人にとっての転機ですが,稽古場でも,拓希自身が皆を引っ張ってくれていた。その姿を見て,役者としても「見習わなければ」と思いました。彼の存在があったからこそ,この公演を成功させたいという気持ちが,より強くなったと思います。


──今回は「喧嘩祭」,英智と敬人の物語が軸になっていると思いますが,おふたりがその関係性を作るために意識したことがあれば教えてください。

富園さん:
 「お肉を食べよう」という話になって,ふたりでステーキを食べに行ったり,カフェに行ったりしました。あとは家でテレビゲームをしたり,鍋を作ったり。そういう,ちょっと子供っぽいことを一緒にして,楽しく関係性を作っていきました。

梶田さん:
 力也くんは前回の公演にも出演されていて,「あんスタ」の知識も僕よりずっと豊富なので,いろいろ教えてもらいたいなと思っていました。ステーキを食べに行ったときやカフェで,シナリオの内容やキャラクター同士の関係性について,たくさん話しました。

──神永さんは,アプリ版の声優としても長く作品に関わってこられた立場から見て,今回の「あんステ」版「喧嘩祭」の魅力を教えてください。

神永さん:
 自分のキャリアを振り返ってみても,数多くの作品に出演させていただいてきましたが,そのなかでも「あんスタ」は一番長く共に歩んできた,とても愛着の深い作品です。これまで本当にたくさんの愛を注いできましたし,同時にたくさんのものを受け取ってきました。
 一方で,僕のなかでは「あんスタ」という作品と,「あんステ」という舞台は,少し切り離して考えている部分もあります。メンバーも違いますし,このカンパニーはひとつの独立したチームとして,大切にしたい存在だからです。

 今回,自分が魂を吹き込んだ「喧嘩祭」の物語に改めて触れ,懐かしさとともに「帰ってきたんだな」という感覚を抱きました。同時に,それを舞台で演じるという新鮮さもあり,今はとても不思議な気持ちの中にいます。
 個人的にも非常に好きなストーリーなので,この世界にあらためて浸れることが,本当にうれしいです。初日の幕が開く瞬間が,今から楽しみでなりません。

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──それでは最後に,皆様からファンの方々へメッセージをお願いします。

富園さん:
 「fine」と「紅月」,どちらも本当に魅力的なユニットですが,この作品には,ぶつかり合うことで生まれるさらなる魅力が詰まっています。観ていただければ,必ず両方のユニットをもっと好きになってもらえると確信しています。
 この舞台をとおして「ぶつかり合うことの大切さ」や,「パフォーマンスや歌,チーム力の素晴らしさ」を感じてもらえたらうれしいです。何かひとつでも心に残るものを持ち帰っていただけたら幸せです。ぜひ,楽しんでください。

安井さん:
 これまで「あんスタ」の舞台シリーズで多くの作品に出演させていただきましたが,今回は特に「fine」と「紅月」がメインということもあり,自分の中でも格別の思い入れがあります。
 ダンスや歌はもちろん,今回はお芝居の部分が本当に素晴らしく,演じていても,客観的に観ても,心に強く残る作品になりました。いよいよ初日を迎えますので,ぜひ楽しみにしていてください。

戸塚さん:
 僕は今回からの参加ですが,キャストの皆さんもスタッフの皆さんも,本当に温かい方ばかりです。そんな最高のチームが,稽古場から凄まじい熱量でこの作品と向き合ってきました。
 観てくださる皆さんの胸が熱くなるような舞台になっていると思います。姫宮桃李として全力で頑張りますので,よろしくお願いします。

飯山さん:
 これまでの「あんステ」を応援してくださっている方はもちろん,初めて観劇される方にも,安心して楽しんでいただける物語になっています。
 外はまだ寒い季節ですが,劇場の中では僕たちが全力で「真夏」の熱さを届けています。ぜひ劇場に足を運んでいただき,熱い気持ちを持ち帰ってもらえたらうれしいです。

梶田さん:
 蓮巳敬人と天祥院英智は,ともに死を身近に感じながら生きている存在です。だからこそ,彼らは「今」という時間をとても大切にしています。
 この作品が,今を生きる皆さんにとって大切なものとなり,人生を少しでも豊かにしてくれたら――そんな願いと想いを込めて,僕たちはこの舞台を作ってきました。ぜひ,全力で楽しんでください。

武子さん:
 稽古の序盤から,全員が本番さながらの熱量で今日まで臨んできました。だからこそ,この作品が絶対に面白いという確信がありますし,皆さんを楽しませる自信もあります。これは,僕が保証します。……とはいえ,もしお気に召さなかったとしても返金はできませんが(笑)。
 それでも,それくらいの熱量で作ってきた作品です。きっと皆さんも拳を握りしめるほど熱くなるはず。どうかお隣の方とだけは「喧嘩」をしないよう気をつけて,全力で楽しんでください。

神永さん:
 この「喧嘩祭」の舞台化を,ずっと心待ちにしていたファンの方も多いと思います。そんな皆さんの期待に応えられるよう,僕たちにしか生み出せないものを,しっかりとお届けしたいです。
 「新年早々仕事が始まったけれど,あんステがあるから頑張れる」という声もたくさん届いています。皆さんの力になれるよう,舞台上で全力で役を生き,ステキな作品をお届けします。

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