プレイレポート
【山本一郎】俺の「三國志 覇道」で微妙武将フェスが絶賛開催中!
私もクソ4連休(2020年9月19日〜9月22日)に子どもたちを連れて大混雑の行楽地にいって超長蛇の大行列で死んだ目になって並びながらプレイしてました! これじゃあの病気に罹るか罹らないかガチャだよ!
三國志の35周年作品「三國志 覇道」が出ると聞いたとき,私も頭に黄色い布をまいて張梁さんとともに黄天の世を創り出そうと思ったんですが,なんとも残念なことに私の愛する黄巾賊の皆さんは登場しません。
ならば袁術陣営で新国家「仲」の天下統一に貢献だっ……と思いましたが,こちらも紀霊さん以外の武将は登場せずで。
え,大将軍として名高い,あの張勲さんもいないの?
というわけで,s09鯖に爆誕したのが慈愛に満ちた戦闘同盟「孫権親衛隊」であります。いやー,やっぱり豊かな地のわりに人口が少なくて攻め込まれやすい孫呉を担った孫権の,出だしは名君なのに途中から馬鹿○出しになって国が滅ぶっていう展開にはいつも涙するんですよね。
そんな孫権さんを助けたい! という気持ちでテキトーに名付けた軍団だったのですが,軍団レベル4までは20名のプレイヤーしか収容できない仕様とあいまり,少数精鋭,寄付奨励,ライムの効いた方針にならざるを得ませんでした。一方,軍団レベル13になったいま,せっかく加入枠が増えたのに今度は同志となるプレイヤーが集まらず,リクルート活動に精を出す毎日でございます。どうしてこうなった。
まぁ,そのへんのゲームバランスの機微は後述するとして,私はこの村ゲー「三國志 覇道」はよくできてると思います。
何がいいって,微課金のみんな! 微妙武将が強いぞ!!!
まずなんと言ってもね,武将グラフィックスなんかの素材がしっかりしていて,人気武将のデザインも確立しているだけあって,歴代シリーズで培った綺羅星のような名君,名将が勢ぞろいしておるわけですよ。
美男も美女もおっさんもスマホ画面で映えまくる。
やー,これはいいゲームだー。
しかしながら,コーエーテクモゲームスのウリである「三國志の世界を表現し尽くす美麗な顔立ちの名武将たち」は,本作では結果として「ガチャで出てくる最高レアのSSR武将がローンチ直後から45人」という大惨事をもたらしてしまいます。SSR多すぎだろこれ。どうなってるの。
容赦なさすぎるだろ?
そのせいで「三國志 覇道」では,SSR武将の育成がなかなか困難なんですよ。同じ武将をガチャで引き当て,凸って強められる確率が爆発的に低いですから,戦略的に重要な槍武将である孫権や甘寧を狙って重ねようと課金を繰り返しても,猛烈な低確率でしか叶わないという。
一応の救済措置として,使わない高レア武将をバラして交流ポイントに変換し,確率で武将のかけらが手に入る「交流システム」にぶち込んでせっせと頑張るという方法もありますが,SSRを3凸4凸ぐらいに育てようとするとこれまた大変です。ジャブジャブな感じで課金をしてない人では,序盤は1枚か2枚を凸るのが精いっぱいじゃないかと思います。
ところが! 微妙武将たちは違う!
本作で序盤の主戦力となるのは「R(レア)」「N(ノーマル)」など,過去の三國志ゲームではゴミ武将と評価され続けてきた皆さんであり(編注:著者の見解です),これがもう凸りまくる! もうね,実際ね,凸れないSSRよりね,3凸Rとかのほうが圧倒的に強いんですよね。
我に迫りくるは,高レベルのSSR 張遼さんや馬雲騄さん率いる大軍。迎え撃つは,我らが4凸R 潘璋さんに5凸SR 蒋欽さんなどの微妙軍団。
いざガチンコの正面衝突だ! そして結果は……キラッキラのSSR軍団を多凸低レア軍団が蹂躙! 完全勝利なのであります! 馬鹿め。イケメンや美女がキャッキャウフフしながらチャラチャラして戦場に繰り出してきやがって。おっさんやブサメンの実力を思い知れ。ぺっ。
このように。本来ならば三國志ゲームでクズのような能力をつけられ,捨て置かれ,後背地で飼い殺されてきた中堅以下のカスどもは,この「三國志 覇道」のおかげで念願の大活躍の場を与えられました。
これがもう三國志ゲームのコペルニクス的転回というか,「SSR 趙雲よりN 李傕のほうが強い」「SSR 夏侯惇よりR 胡車児のほうが使いやすい」と,武将資産が整わないゲーム序盤においてはとくに,雑魚の雑魚による雑魚のための編成が重要になってんですよ先生。
これには一部コミュニティでも「部隊を自動編成したら,せっかく手に入れたSSRより,凸ったNのクソ武将をAIが選んでしまう」とか,「高レア武将で部隊を組んだのに,柔らかくてすぐ壊滅する」とか,「泣く泣くSSR 馬超を外して,R 張繍を総大将にしたら,戦力も高くなったうえに安定して戦えるんだけど」とかの喜びの声がこだましてます。
微課金でも無課金でも,欲しい武将をきちんと絞り込めば充分な戦力を仕上げることができる。それが本作の武将システムの良さです。
SRやR,Nだって,ちゃんと重ねれば強いからね!
何を隠そう,私もしばらくは3凸R 牛金さんがサブ騎馬隊長でがんばっておりましたし,槍隊にしても主将のSR 蒋欽さん,副将のR 丁奉さんに支えてもらいいました。いやー素晴らしいですねー。これが本来の人材活用。これこそが本当の三國志の世界だと思うんですよ。
「最初から無闇にSSR武将が多い」したがって「なかなかSSR武将が凸できない」の現状においては,中途半端な高レア部隊は,そのへんの無課金や微課金の野良君主が編成した多凸低レア部隊に蹂躙されることも少なくない,といった実に絶妙な世界観が形成されてます。
結果,カネをぶち込めば大量に回せるガチャや時短より,武将を凸るための銅銭のほうが入手困難で超貴重であるという,数多の村ゲーのコンテクストを完全に無視した素晴らしいバランスになってると思います。無料ガチャで被った武将を片っ端から凸ると銅銭不足に悩まされ,配布物の無償宝玉ありきでやりくりしてる張り付き型プレイヤーも,支給が途絶えると否応なく課金の道に追い込まれる。これまたバランスが美しい。
みんな! せめて施設を3件まで同時建設できるVIP2まではお布施と思って課金しようぜ! そして覇道を突き進むコーエーテクモゲームスにはぜひとも潤っていただきたいと存じます。
最高過ぎるよ「三國志 覇道」
これだけ優れたゲームバランスをもって,本作は何を目指すのか?
それはもうね,私たち村ゲープレイヤーの言うところの「泥棒オンライン」ですよね。もうね,待ったなしなんですよ。
皆さん? そんなチマチマと内政をやったり,武将に農耕させて30分30000,1時間60000なんていうチンケな資源をかき集めたりしてる場合じゃありません。もっと効率的なやり方があるじゃないですか?
そう,空き巣ですよ。
資源を貯め込んだままオフラインになってるほかのプレイヤーのところに武力で押し入って城を陥落させ,たんまり貯まった資産をゴッソリ頂戴してしまう。これは本作における最高効率のプレイングとなります。
まさしく「泥棒オンライン」であります。
守りが薄い手ごろな城に向けて,弓兵たちに衝車をコロコロ引っ張って歩かせるプレイは最高です。見た目離れたところからお城を攻撃しているはずなのに,城門には衝車の丸太がジャストヒット! 物理法則を凌駕する史上最強の三國志の世界が貴殿の目の前に広がります。
しかも「三國志 覇道」では初心者救済なのか,初期立地の隣に荒ぶる高レベルプレイヤーがいたりしたときにゲームが詰まないようにと,城が攻撃されて陥落すると,ランダムでどこか別の僻地へと飛ばされてしまいます。村ゲーでの初心者あるあるな地獄パターンの回避策としては,本作もなかなか考えたシステムを搭載しているなと感心します。
ところが,蛇の道は蛇と申します。これらの仕組みはむしろ,空き巣をする側からしてみれば「なら陥落させれば反撃受けないじゃん」となり,実に好都合なシステムでありまして。
そのへんにいるプレイヤーの城を偵察しては,資源の貯まり具合を見て,無防備そうなら張遼さんとかキラキラしたみんなを引き連れて泥棒する。そして空き巣が終わると,相手の城もどっかに飛んでいく。
さらに最近では,もはや偵察にかける銅銭ももったいないし,相手に警報もいっちゃって対処されかねないということで,襲う城を下見すらしない「ノールック強盗」が流行し,三国志時代に世紀末が訪れました。何も考えずに,目についた守りのいない城に空き巣に入る日々。
もうね,ヒャッハーでしょ。心はいつでもモヒカンに。これがいつの間にかたどり着く,覇道を目指す者たちの日常なのであります。
大軍を引き連れての攻城戦。偉そうなことを美麗な武将が叫びながらも,やっていることは泥棒であり,軍団とは窃盗団のことであるという,シュールな状況に陥るのが本作の優れた特徴でありまして。これも真の三國志の世界を体現していると言えましょう。
しかもランキングには「君主対抗」と名づけられた,事実上の“空き巣ランキング”まで存在します。サポートも完ぺきです。
いいですか? 相手のお城に防衛部隊がぜんぜんいなかったら,必ず土足で踏み込むんですよ?
自分とこの看板武将が着飾った貂蝉だろうが大喬だろうが,相手が留守だったら金目の物を奪い取るために部隊率いてご訪問するんです。そして値がつくものは全部持ってく。しかも陥落させれば相手はどっかに飛んでく。そうなったら反撃を受けるリスクはめちゃくちゃ少なくなる。
え? うっかり相手に気づかれて反撃されたらですって?
その場で死ぬまで戦いましょ。このゲーム,部隊を出撃させるための軍令書がひじょーにっ,貴重です。これは泥棒失敗を避けるために部隊を引き返させるよりも全滅の被害を選ぶくらいはるかーにっ,貴重です。
ですので本作における泥棒とは,相手にバレたら全員死ぬことも辞さない。でも,めげない心で何度でも,手あたり次第の泥棒を僕たちは諦めない。それが僕ら三国志時代を生きる泥棒の,プライドゥ――。
これぞまさに覇道を行く,真の泥棒オンラインの姿ですよね。
最高だ。最高すぎるよ「三國志 覇道」。
開発陣はよく考えてるなぁー
ただいま触れましたが,本作における真の希少資源は,実のところ有償宝玉ではありません。30分ごとに1回復し,部隊を動かすたびに消費する「軍令書」と,軍団戦力の底上げにつながる「銅銭」に尽きます。
ガチャだ時短だとカネさえあればなんでもできると言われがちな村ゲー界において,ああ「三國志 覇道」のプロデューサーやディレクターはよく考えてるなぁと思うのは,いくらリアルマネーをブチ込んでも金額と同等の軍令書や銅銭が手に入るわけではない,というステキさです。
VIPランク最高の13クラスでは,貴重な「軍令書回復(中)」を14回買えて,日々もらえる軍令書回復(中)×5回とあわせて,概ね命令95回分を上乗せできます。がですよ,VIP0クラスでも毎日ミッション,そのほかもらえる軍令書回復(中)×3回と購入分2回,都合5回で命令25回分を上乗せしつつ,自動回復かつ24時間で48枚増えることを考えると,どんなに課金しても0クラスの3倍量とはいかなそうなんです。
したがって,本当に大事な資産はこの「軍令書」と「銅銭」であって,カネをかけても無尽蔵に行動可能というわけにもいきませんので,課金の有無にかかわらず活躍のしどころがきちんとあります。
近所で空き巣したり,高レベルの拠点を落としたり,あるいは都市攻略中に軍団同士がぶつかり合ったり。本作ではいかに軍令書を効率よく回し,兵隊さんの損耗を抑えられるかがカギとなってきます。
軍令書を効率よく回すためには,高戦力の部隊を集中運用しなければなりません。大きな拠点を攻略するにせよ,迫りくる他軍団による窃盗から仲間を守るにせよ,個々人の部隊が散らばっていてはダメです。
軍団(ギルド)全体の目標をはっきりさせ,なるだけ他軍団から妨害されないよう,うまく軍令書を循環させる考えが必要です。
またゲーム的にはDランク〜Aランクの「拠点」を奪い合い,地域ごとの「都市」を攻略し,ゆくゆくは中国統一に王手をかけるという村ゲー定番の流れもありますが,なにぶん村ゲーなので,そういうシステム上の楽しさは中盤まで。根底はあくまで「上位軍団との外交のゆくえ」と「シーズンを完走してくれる仲間の確保と統率」。これがすべてです。
したがって,ほかの村ゲーと同じく,最終的には上位軍団同士の外交・同盟関係がモノを言うわけですが,軍団レベルが低いと1軍団に20名しか収容できないので,第2軍団,第3軍団と分割して団員を管理する「EVE Online」ばりの星間同盟みたいな増強案も考えに挙がります。
しかしそれらは言うなれば,上位軍団をマネジメントする人たちにとっては,悪夢のように統率しづらいシステムでもあります。
逆に言えば,「上位軍団の談合によってシーズンの趨勢が決まってしまう今までの村ゲーではダメだ。もっと初心者に単純に楽しんでもらうにはどうしたらいいんだ」を煮詰めて考え抜いた結果,このゲームはこのような仕様になったのではないかと思うんですよね。
それに,廃課金の大将軍さまにはキラッキラしたSSRをコレクションしてもらって美人な女性武将を手元に並べてブヒブヒおっしゃっていただく一方で,私らのような効率厨は仕様について四の五の言いながらN 淳于瓊さんやN 夏侯恩さんらをなんとか使えるようにしようと悪戦苦闘する。
すみ分けもしっかりとできた,いいゲームではありませんか。
ちなみにワイのお薦めは,なんと言ってもN 廖化さん!
見たまえ,この神々しいスキル「連帯」を! 歩兵武将を5人詰め込んだ部隊に廖化さんがいるだけで,対全兵種の攻撃力が5%も上がってしまうんです! まるで『Vやねん! 巴蜀タイガース 2020激闘 三國志 覇道 優勝目前号』が目に浮かぶようじゃありませんか。
そして同じ連帯スキルを持つ,SR 楽進さんとコンビを組ませれば,部隊の攻撃力はさらに10%の上積みに! こーゆーどんどん凸って,どんどん主将を盛り立てていくのが最高に楽しくなるんですよね!
ビバ! 微妙武将! 廃課金の皆さんを(空き巣で)蹂躙だっ!
なんて言ったところで,もはやなんの記事なんだか分からなくなってきましたので,今日はこのあたりで。微妙武将フェスは毎日絶賛開催中!
【山本一郎】「三國志13」プレイレポート――三国志時代の健康優良児「廖化」は凡将で終わるのか? 社会の荒波に揉まれて目指せ立身出世!
最近いろいろと世間を賑わせつつ,某球団のサポートに勤しむ山本一郎氏から,「三國志13」で「何か書くならワイに任せて。すべてをうっちゃって“遊ぶ”から」と連絡が……。今作の特徴である全武将プレイで,「廖化」の立身出世を目指した山本氏のプレイレポートをお届けするが,本当にすべてをうっちゃって遊んでたのにはびっくりである。
「三國志 覇道」公式サイト
「三國志 覇道」ダウンロードページ
「三國志 覇道」ダウンロードページ
キーワード
(C)2020-2023 コーエーテクモゲームス All rights reserved.
(C)2020-2023 コーエーテクモゲームス All rights reserved.