プレイレポート
[プレイレポ]今回はガードしてもいいのか!? より遊びやすく,スタイリッシュに進化したサイバー忍者アクション「Ghostrunner 2」
Ghostrunner 2は,2020年に発売されたGhostrunnerの続編だ。当たれば一撃死の銃弾が飛び交う危険な戦場を,ハイテク刀とSFガジェットを駆使して切り抜けていく,アクロバティックなアクションで話題を集めたので,「サイバーパンク世界を駆けるサイボーグ忍者」というロマン溢れるビジュアルは「プレイしたことはないが知っている」という人も多いかと思う。
本稿では,前作で好評だった各種アクションがブラッシュアップされ,より自由度が増した本作のプレイレポートをお届けしていく。
「Ghostrunner 2」公式サイト
防御面の強化とステージデザインの調整で,より爽快感あるパルクールアクションに
物語の舞台となるのは,世界規模の動乱を経て生き残った人類最後の都市「ダーマ・シティ」(以下,シティ)だ。前作では,サイボーグ化した肉体を駆使して戦うゴーストランナーこと「ジャック」と,シティのすべてを制御する巨大タワーの支配者「キーマスター」との戦いが描かれた。
Ghostrunner 2のストーリーは,前作で繰り広げられた激闘の1年後からスタートする。人々はキーマスターの支配から逃れて自由を得たが,同時にタワーによって制御されていた危険なカルト信者たちが解き放たれてしまった。シティに平和をもたらすため,ジャックは再び脅威へと立ち向かうことになる。
なお,前作のストーリーや基本的なシステムについては,開発者インタビューやプレイレポートで詳しく紹介している。興味を持った人は,そちらも合わせて参考にしてほしい。
「Ghostrunner」開発者インタビュー。漫画「銃夢」からも影響を受けたというサイバーパンクの世界観作り
サイバーパンクな世界に生きるニンジャの暗躍を描いたアクションゲーム「Ghostrunner」は,2021年1月28日にPlayStation 4版とNintendo Switch版がH2 INTERACTIVEから発売される。今回は,本作を手掛けたOne More LevelのJan Gąsior氏に,開発経緯などを聞いてみたので,その内容を紹介する。
敵も自分も一撃必殺!「Ghostrunner」プレイレポート。忍者×カタナ×サイバーパンクな世界観が魅力
2020年10月28日に発売が予定されている「Ghostrunner」。本作は人々が圧政に苦しむ街で,「ダーマ・タワー」と呼ばれるビルの最上階を目指し,ハイテクブレードを携えたサイバー忍者が敵を切り伏せて進んでいくアクションゲームだ。本稿では,本作のプレイレポートをお届けする。
ゲームの進行はシンプルなステージ攻略型で,メインの武器は一撃で敵を両断するハイテク刀だ。プレイヤーが操作するジャックの機動力はかなりのもので,ウォールラン(壁走り)や,グラップリングフックを使えば,縦横無尽にステージを駆け抜けることができる。
ただし,一撃必殺の威力を持っているのはこちらの攻撃だけでなく,敵の攻撃も同様だ。一瞬の油断が致命傷となるので,体感時間が遅くなる「感覚ブースト」などを駆使して,攻撃を切り抜ける必要がある。
各ステージには細かくチェックポイントが設置されており,死亡しても一瞬(本当に驚くほど一瞬!)で復活できる。ステージの構造や敵の配置,ギミックなどをよく観察し,何度も死にながらチェックポイント単位で攻略方法を詰めていくのが基本だ。
プレイ経験のある方はご存知だろうが,前作の難度は極めて高かった。自身も敵も一撃死の環境でありながらゲームスピードが早く,防御手段が限られていたため,名だたる“死にゲー”の中でも特に難しい作品といって差し支えないだろう。
正直なところ,筆者はあまりの高難度に前作のクリアを諦めてしまった。いくらトライ&エラーを高速で繰り返せるとはいえ,ステージ1をクリアするだけで80以上の死体を積み上げた筆者には,ややハードルの高いゲームだったと言わざるを得ない。
そんな状況だったので,戦々恐々としながら「2」を立ち上げることになったが,心配は杞憂だった。なぜならチュートリアルでとある操作が表示されたからである。それは「[LB]を長押しで攻撃をブロック」だ。
「えっ! 今回は防御していいのか!?」と本気で驚いた。言われた通りにブロックを使ってみると,スタミナゲージを消費して正面からの攻撃を近接・射撃問わず受け止めるという,素晴らしい性能を発揮してくれた。しかも,防御はボタンを押している間継続し,攻撃を受けるまでスタミナゲージが減らない。
「ただの防御で何をそんなに騒いでいるのか」と思うかもしれないが,前作にはこんな便利な機能は存在しなかったのだ。一撃死かつ高速で展開するゲームでありながら,敵は銃をバンバン撃ってくるのが普通なので,移動中に発動し続けられるブロックがあるだけで“落ち着いて考える時間”が大幅に増える。
何よりも,銃を発射する敵に向けて一直線に走り,弾丸を弾きながら一刀両断! ……というような,映画や漫画さながらのシーンを簡単に実現できるのが楽しすぎる。もう敵の前で格好悪くぴょんぴょん跳ねながらサイドステップを踏む必要はないのだ。
このほか,本作ではステージ全体に緩急がつき,近距離攻撃を主体とするモブが多く配置され,爽快感あるパルクールアクションをより堪能できるように作られている。実際,1ステージ目の序盤はかなりスンナリと進むことができた。
さらに,敵と戦う場面ばかりではなく,レールを乗り継いで障害物を回避していくアクションが中心の場面や,開けた空間を自由に探索できる場面,ギミックを順番に動かすパズル要素の強い場面も挟まってくる。「ちょっと進んでは死にまくる」といった状況を繰り返すと疲れてしまうので,たまにこういう場面があるととても遊びやすい。
ただし,ゲームが“ヌルく”なったかと言えばそんなことはない。ブロックが攻撃を弾いてくれるのは正面だけで,スタミナはすぐ底をつくので,しっかり敵の位置を把握して立ち回らなければ簡単に死んでしまう。敵AIもなかなか賢く,裏に回れば寄って来るし,音をたてれば遠くからでも撃ってくる。
なんだかんだで,ステージ1をクリアするまでに60回ほど死亡してしまった。しかし,攻略成功時には疲労感より満足感が上回っていた。前作に比べて確実に優しくなっているが,敵陣を走り抜ける爽快感や,一瞬の油断が命取りとなる緊張感は,本作でも失われていないように感じた。
カスタマイズ要素は前作よりシンプルに。探索と絡めた成長システムがモチベーションにつながる
前作にもあったカスタマイズ要素は,さまざまな特殊効果を持つ「アップグレードチップ」(以下,チップ)を中心とする新システムになった。
各チップにはコストが設定されており,コスト上限までしか同時に装備できない。ステージを攻略してDATAを貯めたら,現在のメモリー上限と,すでに所持しているチップとの相性を考慮して,どのチップをアンロックするかを考える必要がある。
前作ではブースター・モジュールと呼ばれるブロックを並べるパズル的なシステムが採用されていたが,本作では各チップを系統別にセットしていくシンプルな形になった。メモリの余裕に応じて集中力ゲージの回復速度が変化する仕様は撤廃されたので,アンロックしたチップは可能な限り組み込んだほうがお得だ。
装備できる合計メモリーコストの上限は,ステージの各所に配置された「メモリーシャード」を収集することで増加していく。さらに,一定数以上のメモリーシャードを獲得すると「マザーボードレベル」が上昇し,チップをセットするスペースや,同時にセットできる系統が増えていく。
メモリーシャードのような探索要素は,一見すると本作のハイスピードなバトルと相性が悪いようにも思えるが,実際はむしろありがたい存在だと感じた。
難しい区間を突破するには,敵の配置などを調査して攻略ルートを構築しなければならないため,メモリーシャードはその“ついで”に取得できる。取得後に死亡してもメモリーシャードは手元に残るので,調査フェイズでのプレイが,システム上で無駄になりにくいのは精神的にありがたい。
結局はメモリーシャードを取得した後にもたくさん死ぬのだが,多少でもプレイした結果が「後に繋がる」と思えるだけでも,挑戦するモチベーションが増すものだ。
また,前作で「特殊アビリティ」として扱われていた能力の一部は,同時に1つだけ装備できる「アルティメットアビリティ」へ進化した。アルティメットアビリティは強力だが,クールタイムが長いので使い所には注意しよう。
このように,カスタマイズ要素は全体的にスッキリとした印象だ。装着したチップはいつでも外したり,付け替えたりできるので,特にデメリットを考えず“最高の組み合わせ”をカチャカチャと考えられるのはなかなか楽しい。
本作では,ジャックの拠点にあたる施設が存在し,そこで協力者たちとの会話を楽しめる。前作でも“仲間”と通信する機会はあったが,今回は序盤から会話しながら物語を進められるので,物語とキャラクターの一体感がより高まっている。
イベントシーンの演出も格好いいものばかりで,アドベンチャー的な要素も強化されているのだが……それだけに,違和感のある日本語訳が散見されたのは残念だった。キャラクターの台詞は多少の違和感があれど,おおむね作品の雰囲気は守られていた。しかし,UIの翻訳は強めの違和感を覚えるものが多かった。そのあたりはリリース後のアップデートによる改善に期待したい。
敵対する組織の一員「アーリマン」の名前が,常に「アーリマンか」となっている。一瞬どっちが台詞なのか分からなかった |
会話を終える選択肢はすべて「出ろ」と表記される。「Out」を直訳したものだろうか |
総じて,一撃必殺の緊張感と,敵の攻撃を間一髪で切り抜ける爽快感は前作から残しつつ,より遊びやすく調整された作品という印象だ。相変わらず難しい部分はあるのだが,筆者のように前作を挫折してしまった人にも「これなら!」と思わせる要素は間違いなくあった
一方で,アクションの種類が増加し,カスタマイズ要素も進化したので,前作をやり込んだ人にとっても十分な遊びごたえがあるはず。サイバーパンク世界を駆ける一陣の風になりたい人は,本作でダーマ・シティの新たな闇に挑戦してみてほしい。
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