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PS Vitaに[L2/R2]ボタンを追加するカバー,待望のPCH-1000対応版を試す。リモートプレイ派は今回もマストバイだ
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印刷2015/12/25 10:00

テストレポート

PS Vitaに[L2/R2]ボタンを追加するカバー,待望のPCH-1000対応版を試す。リモートプレイ派は今回もマストバイだ

PCH-1000型専用 L2/R2ボタン搭載グリップカバー
メーカー:上越電子工業
問い合わせ先:アンサー(販売代理店) 0120-174-227(平日10001200,13001700)
アンサーストア価格:4298円(※税込,12月26日発売予定)
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 2015年4月に発売された「L2/R2ボタン搭載 グリップカバー」(以下,PCH-2000用グリップ)は,4Gamerのアクセスログを見る限り,日本だけではなく,世界中のゲーマーから高い注目を集めていた。
 PCH-2000用グリップは,PlayStation Vita(以下,PS Vita)に装着すると,PS Vitaには標準で用意されていない[L2/R2]トリガーボタンを物理的に追加できるという製品で,開発者である上越電子工業の藤川英希氏がコアなゲーマー目線で自分が納得がいくものを一から作り上げたといういきさつに大変なインパクトがあったことも記憶に新しい。

「PS Vitaに[L2/R2]トリガーを追加するグリップ」はいかにして誕生したのか。上越電子工業の“コアゲーマー開発者”に聞く


 そんなPCH-2000用グリップが抱える最大の問題(?)は,本稿で示した略称のとおり,本製品が液晶パネルを搭載するPCH-2000シリーズ専用だったことだが,ついに12月26日,俗に初期型とも呼ばれる,有機ELパネル搭載のPCH-1000(およびその3G通信対応モデルとなるPCH-1100)対応版「PCH-1000型専用 L2/R2ボタン搭載グリップカバー」(以下,PCH-1000用グリップ)が発売されることになった。PCH-1000でPlayStation 4(以下,PS4)のリモートプレイをしたい人や,ゲームアーカイブスで旧作をプレイしたい人にとって,待望の製品が登場するわけだ。

PCH-1000用グリップの正面(上)および(背面)。PCH-1000用グリップだけの状態では,上面カバーが薄くもろい。しかし,PS Vitaに装着して利用するため、さほど問題にならないはずだ。また,上面カバーによりPS Vitaの表面が保護されるというメリットもある
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 テストに先だって,開発者である藤川氏に,PCH-1000用グリップ開発の経緯をメールで聞いたのだが,氏によると,PCH-1000に[L2/R2]トリガーボタンを追加するグリップを望む声が非常に多かったことと,PCH-2000用グリップが上越電子工業の想定以上に売れたこと,そして何より,藤川氏自身がやはりPCH-1000用も欲しかったことから,開発をスタートさせたのだという。
 PCH-2000用グリップが発売になったのは2015年4月だったが,6月にはもうPCH-1000用グリップの開発に着手していたというのだから,どれだけPCH-2000用グリップが好調だったのか分かろうというものだが,そんなこんなで,10月には試作品ができあがっていたそうである。

 PCH-2000用グリップの開発には1年以上費やしていたのに対し,今回はかなりの短期間で発売までこぎ着けているわけだが,これは,PCH-2000用グリップをベースとしつつ,PCH-1000へ最適化するという手法を採れたことに起因すると藤川氏は述べている。
 ちなみに,PCH-1000用グリップも,PCH-2000用グリップと同じく,藤川氏がほぼ一人で開発を行ったとのこと。開発体制自体はとくに変わっていないため,今回も大いに期待できそうだが,実際はどうだろうか。最終製品とは後述する一点のみが異なるという,最終製品版にかなり近い試作品を氏から入手できたので,発売直前となるこのタイミングで,使用感をお伝えしてみたい。


固定方法にカバーを採用することで,着脱が容易に


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PCH-1000用グリップを開いたところ。カバー部を見ると,ツメが4つあるのが分かるだろう
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本体左側面のツメとツメ留めに寄ったところ。専用のツメ留めにより,ツメの耐久性は上がったはずだ
 さて,入手したPCH-1000用グリップだが,その最大の特徴は,PCH-1000本体を上面のカバーで包み込んで固定する構造になっている点だ。上面カバーにはツメが4つあり,それをグリップ側と噛み合わせることで固定できる。

 PCH-2000用グリップの場合,グリップ側のツメでPCH-2000を直接する固定する仕様となっており,頻繁に着脱しようとすると,ツメが壊れてしまうおそれがあり,そこにユーザーの不満が集まっていたと記憶しているが,PCH-1000用グリップで,ツメを,グリップ側のツメ留めに填めることで固定する仕様に変わったことで,少なくとも従来よりはPS Vitaの着脱がしやすく,ツメが壊れる危険も減ったとはいえそうだ。
 なお,4点留めはかなり強固で,カバーの下でPS Vitaがガタつくとか,ゲームプレイ中,カバーが不意に外れるとかいった心配はまず無用である。

固定するときは,PCH-1000をグリップ側に載せて,カバーを閉め,ツメとツメ留めで4点留めするだけだ
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 この仕様がPCH-2000用グリップと比べて高コストだというのは誰の目にも明らかだと思うが,藤川氏は,「確かにコストは上がっていますが,PCH-1000とPCH-2000が,バージョンは異なるものの同じハードなので,グリップの価格が異なるのはどうかと思い,同価格にしました」と述べているので,今回の価格は企業努力の賜物ということになりそうだ。
 藤川氏によれば,操作感を損なわないよう,カバーの厚みにはかなり苦心したとのこと。実際の使い勝手は後段で述べるが,最薄部では1mmと,確かに薄い。

本体側面から見てみると,カバー部の薄さを確認できる。ちなみに,カバー部を除く本体の高さはPCH-2000用グリップと今回のPCH-1000用グリップで変わらないという
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PCH-2000用グリップと同じといってしまえばそれまでだが,PCH-1000用グリップを装着しても,PS Vita本体側に用意される各種インタフェースはいずれも問題なく利用できる
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PCH-1000用グリップの導電ゴム(上)と,PCH-2000用のそれ(下)を比較したもの。形状と面積が変わっている
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 「[L2/R2]トリガーを引くと,PS Vita背面タッチパッドのところにある導電ゴムが盛り上がり,タッチパッドをタップすることで[L2/R2]ボタン入力を行う」という,[L2/R2]トリガーの動作原理は,PCH-2000用グリップとまったく同じ。PCH-2000用グリップと比べると導電ゴムの形状は明らかに変わり,小さくなっているのも分かるが,藤川氏はこの点について「PCH-2000用グリップと同じゴム形状では,PS Vita本体とグリップの間の隙間が大きくなりすぎるので,変更しました。今回は蓋(になるカバー)で押さえているため,『[L2/R2]トリガーの押し込みによってPS Vita本体が浮く』心配がなく,常にグリップとPS Vita本体がフィットした状態になるため,(むしろ)コンパクトなほうがよかったのです」(※括弧内は筆者による補足)と述べていた。
 なお,導電ゴムの素材自体はPCH-1000用グリップとPCH-2000用グリップで同じとのことだ。

 肝心の[L2/R2]トリガーは,装着するとPS Vita側のバンパーボタン奥側(=机上に置いた状態では下側)にくる場所へ用意されるが,このデザインはPCH-2000用と同じ。左右に幅が広く,一方で厚みはないという,大きめの板のような形状も変わっていない。

トリガーのデザインはPCH-1000から変わっていない
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 変わっていないといえば,コアゲーマーを自認する藤川氏が,見栄えは気にせず,自分で使いやすくなるよう設計した結果,とても握りやすいものとなったグリップは健在。藤川氏は「グリップ形状はほぼそのまま」としているが,握り比べた印象で違いは感じなかった。


FFXIVのリモートプレイでPCH-1000用グリップをテスト

これはDUALSHOCK 4とほぼ同じ操作感だ


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持ったイメージ
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ボタンの“奥まり方”はどれも同じだが,[START/SELECT]ボタンは小さいため,ほかのボタンと比べてカバーの厚みの影響を受けやすい
 ここからは,PS4版「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド」(以下,FFXIV)のリモートプレイにPCH-1000用グリップを使ってみたい。
 本体実測重量はPCH-2000用グリップが72gに対して今回のPCH-1000用グリップが84gと,若干重いのだが,グリップを両手の中指以降でしっかり握ることができるという,従来からの仕様のおかげで,しっかりと支えることができる。

 カバーがPS Vita本体を覆うことの影響が気になる人もいるだろうが,結論からいうと,最薄部で1mmの効果か,カバーの厚みが操作性に影響を与えることはほとんどなかった。
 FFXIVだと[START]ボタンでメインメニューを表示させるようになっており,その利用頻度が結構高いため,もともと小さな[START]ボタンはさすがに押しづらかったのだが,指の腹ではなく,爪で押すようにすれば解決した。
 この問題は[SELECT]ボタンでも同じだが,大多数のゲームタイトルだとこれらのボタンを頻繁に使うことはないので,カバーの影響はまず感じないのではなかろうか。

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 さて,PS4のリモートプレイで[L2/R2]トリガーを活かすにはゲーム側の設定変更が必要となるのはPCH-2000用グリップと同じ。詳しくはPCH-2000用グリップのテストレポートを参照してほしいと思うが,簡単にいえば,初期状態でPS Vitaの[L/R]ボタンに割り当てられいるDUALSHOCK 4の[L2/R2]トリガーをPS Vita側の背面タッチパッドに変更することで,DUALSHOCK 4と同じ操作感を得られるようになる。

ヒンジ部の出っ張りが指と干渉するのでは? と気になる人もいるかもしれないが,プレイしていて,人差し指がヒンジまで届くことはなかった。筆者の指はそんなに短くないと思うので,一般成人男性の手のサイズで干渉することはないといってよいだろう
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 肝心の[L2/R2]トリガーの押下感だが,実はここが,冒頭で述べた「最終製品版と異なる部分」で,本稿が製品レビューとならなかった要因でもある。使った筆者のインプレッションは「PCH-2000用グリップよりも,DUALSHOCK 4のトリガーよりも固い」というものだったが,それをレポートしたところ,製品版では変わるという回答があったので,この部分の最終的な評価は行えていない。この部分は,最終製品版でPCH-2000用グリップと変わらない押下感が得られるようになっているのを期待したいところだ。
 なお,試作品においても,[L2/R2]トリガーの入力ムラはまったくなかったので,その点は述べておきたい。[L2/R2]トリガーは,引けば毎回,確実に入力が入り,その点で不安を感じることはなかった。


PCH-1000でリモートプレイをがっつり行うなら必須アイテム


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 時間の都合もあり,筆者が最もプレイし慣れているPS4版FFXIVのみでのテストを行ったが,PCH-2000用グリップがそうであったように,PCH-1000用グリップでも,操作性の大幅な向上を実感できた。製品版で変更予定とされる[L2/R2]トリガーの固さ,そして[START/SELECT]ボタンの押しやすさを除けば,PCH-1000用グリップとPCH-2000用グリップで,操作感に大きな違いはない。今回のテストで筆者は,PCH-1000用グリップを装着したPS Vitaで「機工城アレキサンダー:起動編」(※難易度を低めに抑えた8人用Raid)に行ってみたが,十分プレイ可能だった。

 とにもかくにも,PCH-2000用グリップが出た直後からPCH-1000ユーザーが待ち望んでいた製品の登場ということで,PS4リモートプレイを日常的に行っているPCH-1000ユーザーであれば,4300円前後という投資に間違いなく見合う製品だといえる。ちょっと高いと思うかもしれないが,それだけの価値はある。

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上越電子工業のPCH-1000型専用 L2/R2ボタン搭載グリップカバー販売ページ(※Yahoo! ショッピング内)

PCH-1000型専用 L2/R2ボタン搭載グリップカバー販売ページ(※販売代理店であるアンサーの直販サイト内)

上越電子工業公式Twitterアカウント

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