インタビュー
ブロックチェーンゲーム業界をリードする34名がコメント。2023年に興味を惹かれたニュースや,業界における課題など6個の質問に答えてもらった
CRETA
代表取締役
中里英一郎
正式サービスが来年になりますので、CRETAのご説明をします。CRETAには大きく分けて4つのサービスがあります。
- マルチバース:SF/アニメ/ファンタジーの複数メタバースを構築中です。来年は、まずSFメタバースの「Dayroot」が遊べるようになります。
- ソーシャルメディア:CRETAエコシステム内に独自のSNS「SuperClub」を展開します。このSNSはCRETAのゲームからも呼び出せるので、ゲーム内でチャット、ボイチャ、NFT交換などができるようになります。
- マーケットプレイス:ゲームやゲームアイテムをダウンロード購入したり、ユーザーが出品もできるようになります。
- ゲーム制作ツール:こちらは再来年になってしまいますが、ユーザーが簡単にリアルのゲームを構築できるツールを開発中です。
さらに、CRETAはもともとゲーム開発会社ですので、以下のゲームコンテンツを開発中です。
- Kingdom Under Fire: The Rise:MMORPG
- ポトリス:カジュアルオンライン対戦ゲーム
- 東京大戦:アドベンチャーRPG
<質問2>2023年のBCG業界で、最も興味を惹かれたニュースは何ですか
最近は、Shrapnelに注目しています。
弊社と同じようにゲーム業界のベテラン達が開発しているAAA級のゲームで、コミュニティづくりが参考になるかな、と思っています。
<質問3>この1年、BCG業界に変化を感じましたか。いまの業界における課題は何ですか
大きな変化は感じていませんが、やはりアクティブユーザー数が少なく、マスアダプションはまだ先だな、と感じます。
CRETAの大きな役割は、Free2Playの仕組みで一般のゲーマーたちを巻き込んで、アクティブユーザー数を圧倒的に増やしていく事だと思っています。
<質問4>現状、日本のWeb3政策をどう評価していますか。もっと政府にサポートしてほしい部分はありますか
総合的にはがんばっているな、という印象です。
弊社はドバイに本拠地を置いて、海外でトークンを発行していますが、日本の皆さんにももっと気軽にトークンを取引していただけるようになれば嬉しいです。あとはクリプト投資家の方々が住みやすい税制を作って欲しいです(笑)。
<質問5>ゲームにブロックチェーンを導入する、最大のメリットは何だと考えていますか
私たちは基本、既存の(Web2)ゲームインフラを再現しようとしています。
しかしWeb3ではアイテムやキャラクター、UGCの取引などがユーザー間で自由にできるようになるのが大きいと思います(地下マーケットが必要なくなる)。
また、将来的には(ブロックチェーンを活用した)サーバーレスのオンラインゲームも視野に入れています。
<質問6>2024年に向けての抱負と、4Gamer読者に向けてのメッセージ
2024年はいよいよCRETAの正式サービスが始まる予定ですので、ご期待ください!
また、CRETA NEXUSというゲーム開発支援プログラムを通じてサードパーティーコンテンツも拡充予定です。こちらの第一弾プロジェクトはモンスト・ストIIの生みの親、岡本吉起氏のゲームですので、お楽しみに!
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「CRETA」公式サイト
CROOZ Blockchain Lab
代表取締役社長
古瀬祥一
PROJECT XENOです。
eスポーツとBCGを両立させたゲームを目指して作りました。すでに国内において賞金総額2000万円以上の大会やフィリピンでも総額1000万円以上の大会を開催して実績を積み重ねています。国内のアンバサダーとしてYouTuberのヒカルさんを迎え、テレビCMを実施したり、カプコンさんのロックマンXとのコラボNFTを発売するなどBCGとしては珍しい取り組みを多数行っています。
既存のゲームをWEB2と表現するならばBCGの要素を持ちながら今までのゲームと同じ感覚でプレイできるWEB2.5の立ち位置を目指したゲームを提供しており、今までWEB2のゲームしか遊んだことがない方にとってWEB3を体験できることが魅力と考えております。
<質問2>2023年のBCG業界で,最も興味を惹かれたニュースは何ですか
今年春にAppleがNFTを認めアプリ上で取引が可能になるというニュースがあり、業界の発展の起爆剤になると心躍りましたが、30%のプラットフォーム手数料はやはり必要ということで、パラダイムシフトが起こる内容ではないという認識です。
古くはブラウザのゲームしかなく、今もPCゲームで流行しているものもありますが、やはりPC離れが進んでいることから、BCGもスマホアプリを中心とした展開が望ましいと考えています。
PROJECT XENOは当初からスマホアプリをベースとして開発しており、手軽に遊べる環境を用意できたことが、ユーザーのBCGに対する参入ハードルをひとつ下げる要因になりました。
<質問3>この1年,BCG業界に変化を感じましたか。いまの業界における課題は何ですか
グローバルで見てもまだゲーム開発経験が長く潤沢な資金と体制を持つ企業の参入は少ない認識です。2024年以降、大企業の参入も予定されておりますが、WEB3ユーザーの数自体がさほど多くなく、その拡大が業界の大きな課題という認識です。
PROJECT XENOは有名YouTuberのアンバサダー起用、高額賞金の大会開催、大規模テレビCMを決行など、その裾野を広げる方針でマーケティングを行っています。
参入企業が増えることは、BCGを遊ぶユーザーが増えることと直結しますので、業界全体でBCGを盛り上げられればと考えております。新規参入企業様はぜひコラボしましょう。
<質問4>現状,日本のWeb3政策をどう評価していますか。もっと政府にサポートしてほしい部分はありますか
日本はWEB3で世界一になれるチャンスもありましたが、仮に税務の問題が解決したとしても、上場企業の場合は会計の問題が存在しており、二つ大きな問題があると思いますのでまずこの解決が急務であり、先進国の中で明確な姿勢を示せば一気に日本に投資が流れ込む可能性もあると考えております。
例えばサウジアラビアのようにゲーム大会開催に資金を提供するなど、日本のWEB3が国策によって発展することを期待しております。
<質問5>ゲームにブロックチェーンを導入する,最大のメリットは何だと考えていますか
コミュニティの最大化が図れる事だと思います。投資の側面を産むことでユーザーと運営のみてる目線がある程度同じになることで、濃いコミュニティの形成がしやすくなったのではないかなと思います。
それにしてもPROJECT XENOにおいては奇跡的な素晴らしいユーザーに囲まれて運営できています。WEB3の力とその新たなチャレンジに共鳴してくれたのかなと思っていますが、私はWEB3のコミュニティにとても可能性を感じます。
<質問6>2024年に向けての抱負と,4Gamer読者に向けてのメッセージ
2023年が初参入の年となりました、2024年も引き続き高いゲーム性のあるBCGをこれからも発表していきたいと思っています。
来年に向けての目標が大きく二つあります。eスポーツとしての発展と海外マーケティングです。国内ではなく海外を最初から見ていますが、その取り組みは中途半端な形になったなと思っておりますので2024年は海外に一気に市場を広げる事を目標にしたいと思います。
eスポーツとしては2024年夏にサウジアラビアで開催されるeスポーツオリンピックの種目になりたいなと思っています。BCGという枠ごと全部ぶっ壊して新たな世界を作っていきます。
今は正解がこれだと決まっているものがない状態だと認識していますが、WEB3が作る新たなコミュニティの可能性を4Gamer読者の皆様とも楽しめたら嬉しいです。
「PROJECT XENO」公式サイト
CryptoGames
代表取締役社長
小澤孝太
CryptoSpellsに次ぐ、2本目のタイトルとして「NFTWars」というブロックチェーンゲームをリリースいたしました。サ終したゲームも含め、自分の所有している色々なNFTで遊べるカードゲームですので、NFTのインターオペラビリティを体現したプロジェクトになっています!
<質問2>2023年のBCG業界で、最も興味を惹かれたニュースは何ですか
「PROJECT XENO」の渋谷ジャック広告、インフルエンサー広告、賞金2000万円のeSports大会にはBCGのマスアダプションを感じました。
<質問3>この1年、BCG業界に変化を感じましたか。いまの業界における課題は何ですか
大手が仕込んだBCGが少しづつリリースし始めた1年だったと感じています。「Play to Earn」「ゲームで稼げる≒稼げなければいけない」が先行しすぎて、違うモデルのBCGが出てきていないことが課題に感じます。
<質問4>現状、日本のWeb3政策をどう評価していますか。もっと政府にサポートしてほしい部分はありますか
先日自民党のDAOハッカソンに参加させていただきましたが、かなり精力的に改革を推し進めていただいていると感じています。
起業家としては、制限の中でどう強みを使ってチャンスを見出すかが事業なので、「日本は法律が…」「日本は税制が…」と政府に神頼みせずに、スピード感高く挑戦していくべきかなと思っています。
<質問5>ゲームにブロックチェーンを導入する、最大のメリットは何だと考えていますか
CryptoGames社が運営するOasys Verse LayerのTCG Verseでは「あなたのカードが資産となる世界」をヴィジョンとしていますが、自分のアイテムや戦歴、大会やイベント参加の履歴などを刻んで資産にしていくことができることだと考えています。延いては、自分が死んだ時にも、その世界に関わった痕跡が世の中に残り続けることに魅力を感じています。
<質問6>2024年に向けての抱負と、4Gamer読者に向けてのメッセージ
2023年から引き続きになりますが、2024年はOasys、TCG Verseチェーンからヒットサービスを出します!
「NFT Wars」公式サイト
Digital Entertainment Asset
Founder & Co-CEO
山田耕三
東京電力様と開発中の「ぼくとわたしの電柱合戦(仮)」というタイトルです。
電柱をはじめとする電力インフラの点検をユーザーがゲームを通じて楽しみながら行うことができるという内容。弊社プラットフォームPlayMiningが掲げている「Gamefied Work」(遊びのような仕事/仕事のような遊び)というコンセプトを体現するゲームになります。2024年4月テストローンチ予定です。
<質問2>2023年のBCG業界で、最も興味を惹かれたニュースは何ですか
コロプラの創業者で会長である馬場さんが手掛ける「ブリリアンクリプト」の発表です。周りでもクローズドβテストに参加しているメンバーもいて非常に注目しています。2024年はいよいよ本格ローンチしてくると思いますので楽しみです。上場会社として、トークンを発行する予定になっていると思うのでそちらの動きにも注目しています。
<質問3>この1年、BCG業界に変化を感じましたか。いまの業界における課題は何ですか
この1年は全世界的にクリプトウィンター、まさに厳しい氷河期の市況でした。
余分なものを削り落とし、重要で必要なことへの集中と選択が業界全体で行われ、実態としての健全化が促進されたと感じています。
後は、実際にユーザーの手に届くコンテンツやサービスが1つでも多く出ること。そのことが何よりも重要な課題と考えています。
<質問4>現状、日本のWeb3政策をどう評価していますか。もっと政府にサポートしてほしい部分はありますか
世界で唯一「Web3」の言葉を公式に使い規制緩和を進めてきた日本政府はとても素晴らしいと思います。AIの領域でも海外企業の日本進出が進んでおり、Web3のビジネスチャンスも諸外国に比べ日本は大きくなっています。
引き続き、自民党・経産省と密に情報交換を行い 社会にとって有益なユースケースとしてのBCGを実現していきたいと思っています。
<質問5>ゲームにブロックチェーンを導入する、最大のメリットは何だと考えていますか
国境を超えた経済圏とコミュニティを形成することができるという点です。
ソーシャルゲームという言葉が存在しますが、この場合の「ソーシャル」は現実世界での交流促進を意味してはきませんでした。ブロックチェーンの活用により「ソーシャルゲーム」は「コミュニティゲーム」として、現実の経済圏での交流を楽しむエンターテイメントへと進化すると考えています。
<質問6>2024年に向けての抱負と、4Gamer読者に向けてのメッセージ
2024年は市況全体の盛り上がりも予想されており2023年に比べて明るいニュースが増えそうです。
同時に、この業界ならではの怪しい話や危ない話も必ず増えてくると思いますので、しっかりと正しい情報を踏まえて、様々なゲームタイトルに触れていただければと思います。最も安心なプロジェクトの1つが弊社 PlayMiningです。ポジショントークで申し訳ありません(笑)。
「PlayMining」公式サイト
double jump.tokyo
代表取締役 / CEO
上野広伸
弊社がメインディベロッパーとして開発しているゲーム特化型ブロックチェーン「Oasys」です。大手ゲーム事業者がサーバ運用に参画しており、各事業者が運営する安心安全なブロックチェーンをトランザクション手数料無料で利用できることが特徴になります。
2024年以降、様々なゲームコンテンツローンチが予定されており、BCGを初めて触ってみるユーザにとって最適なブロックチェーン環境と言えます。Oasysにぜひ注目してみてください!
<質問2>2023年のBCG業界で、最も興味を惹かれたニュースは何ですか
BCG業界そのものではないですが、CZのバイナンス退任とビットコインのETF承認(されそう)が興味を惹かれたニュースです。一時代が終わり業界の不安要素が取り除かれ、いよいよブロックチェーンが既存エコノミーとマージされてきます。その流れに乗って、BCGもゲームジャンルの1つとして素直に受け入れられれば良いなと考えています。
<質問3>この1年、BCG業界に変化を感じましたか。いまの業界における課題は何ですか
ユーザがイノベーター層(技術など新しさに重きを置く層)からアーリーアダプター層(流行に敏感な層)に確実に広がったなという変化を感じました。Youtuberなどインフルエンサーを用いたマーケティングも増え、アーリーアダプター層にBCGが浸透し始めた1年だったと思います。
ただしマスアダプションするにはキャズムを超える必要があり、そのためにはもっとBCG業界全体で「面倒さを減らす」努力をする必要あると考えています。
<質問4>現状、日本のWeb3政策をどう評価していますか。もっと政府にサポートしてほしい部分はありますか
トークンに対する税制の見直しやDAOのルールメイキング検討などが非常にスピーディーに進行しており、Web3政策に対する本気度が伺えます。それでもWeb3ビジネスの流れが早いのでまだまだピースは埋まり切ってませんが、良い方向に持っていってくれることを期待できます。
個人的に現時点で優先して欲しいのは、個人の税制、次に会計基準の整理、ですね。
<質問5>ゲームにブロックチェーンを導入する、最大のメリットは何だと考えていますか
NFTによってゲームのキャラやアイテムに値付けがされること、トークンによってゲームにエコノミクスがもたらされることがメリットと考えています。スポーツも観戦やスポンサーでビジネス化され、プロ選手の高額年俸で憧れが生まれました。ゲームもそういう兆しがあり、ブロックチェーンがそれを後押しすれば業界にも良い影響があるでしょう。
<質問6>2024年に向けての抱負と、4Gamer読者に向けてのメッセージ
2024年は複数のヒットBCGが出るのではないかと考えています。セガさんからライセンスをお借りして弊社で2024年にパブリッシングする「三国志大戦」のBCG(『Battle of Three Kingdoms - Sangokushi Taisen -』)がその1つになるよう頑張りたいです!
[インタビュー]すでに始まっているデジタル社会へのパラダイムシフトで,「メタデータ」の方が大事にされる社会ができつつある。double jump.tokyoの上野氏が考える,NFTが果たす役割
「面白そうなんだけどなぁ」「やろうと思ったけど面倒くさい」などの感想をもらうことの多いブロックチェーンゲーム。大手メーカーも次々と参入を表明しているし,このあたりで一つ,NFTやブロックチェーンについて第一人者にあれこれ語ってもらおう,と思ったら……。
「Battle of Three Kingdoms」公式サイト
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