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月の形が日によって違って見えるのは,太陽に照らされる部分が少しずつ変わっていくからじゃ。細い三日月から半月,ふっくらとした十三夜を経て満月へ。そこからまた同じ道を逆にたどって欠けていくわけじゃな。
新月から次の新月までは,およそ29.5日。夜空でいちばん身近な天体は,ひと月かけて律儀に同じサイクルを繰り返しておるのじゃ。暦を持たなかった時代の人々が,この満ち欠けをカレンダー代わりに選んだのもうなずける話じゃな。
今回ワシが紹介する「Moonsigil Atlas」には,現実の月と連動する変わり種の仕掛けがあるのじゃ!
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このゲームはいわゆるデッキ構築型のローグライトというやつでな,道中で手に入れるとそのランのあいだずっと力を貸してくれるアイテムが数多くあるのじゃが,その中でも特別なのが月をかたどった“ブレード”と呼ばれるアイテムじゃ。
このブレードの何が特別なのかというと,遊んだ日の現実の月の位相――つまりは新月か,満月か,その途中かで性能が変わるところじゃ。
満月ならダメージ強化の効果を持ち,新月へ近づくほどその効果はピーキーになり,瀕死のときに大化けするものまである。
月の満ち欠けは世界のどこにおろうがほぼ同じじゃから,遊ぶ地域を問わず,プレイするその日の空模様がそのまま戦利品に反映されるという,粋な仕掛けになっておるわけじゃな。
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そしてこのゲーム,デッキ構築型のローグライトでありながら,お約束のマナやエネルギーは存在しない。代わりに鍵を握るのが,カードの“形”じゃ。1枚ごとに決まった形があり,それを月をかたどった盤面のマス目にはめ込んでいくのじゃ。
置ける枚数を縛るのはコストではなく,盤面の空きスペースだけ。形が収まるかぎり,1ターンに何枚でも続けて置けるわけじゃな。
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とはいえ実際に手を動かすと,1ターンに切れる枚数そのものは,コスト制のデッキ構築とさほど変わらない,というのが正直な感想じゃな。その代わり,配置すること自体に面白さがある。
例えば,隣り合わせに置くとボーナスがかかるカードがあって,何をどこに並べるかで1枚の効果は大きく変わるのじゃ。
すでに置いたカードを盤面から取り除いてスペースを空けるカードもあって,これらをうまく組み合わせれば,手札を全部切りきることだって可能じゃ。つまり,このゲームでもシナジーが重要というわけじゃな。
ちなみに,カードの形は固定ではないぞ。道中では,タイルを削って小さくしたり,別のマスを描き足したり,強化用のルーンを刻んだりと,カードそのものを作り替えていけるのじゃ。なんなら,2枚のカードの形を丸ごと入れ替えるような大胆な改造もできるぞい。
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このゲームで守るべきは,盤面である月そのものの体力じゃ。敵もまた自分の攻撃範囲を盤上に描いてきよるから,こちらは防御のカードをその位置へ重ねて受け止めるという感じじゃ。
うまくマスがかみ合えば攻撃を防ぎきれるが,複数の敵が別々の方向から手を伸ばしてきよると,攻めと守りの置き場所のやりくりで一気に忙しくなる。
ランの最後に待ち構える巨大なボスにいたっては,月を砕いたり盤面に侵食エリアを広げたり,新しい月を生み出したりと,こちらの土俵そのものを作り替えてきよる。盤面が変われば最適解も変わるわけじゃから,ボス相手では適応力がまるごと試されるわけじゃな。
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主人公は3人。カード資源を安定して回す手堅いタイプ,禁じられた魔法で一度きりの切り札を何度も使い回すタイプ,盤面を燃やして灰を残しながら高リスク高リターンで攻め立てるタイプと個性派ぞろいじゃ。
カードは250種以上,マップは毎回ランダム。習熟度を上げるほど新たなカードや構成が手に入るゆえ,1体倒して満足,とはとてもいかない。
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とまあそんな感じで,本作「Moonsigil Atlas」は,マナカーブとにらめっこするいつものデッキ構築に少し食傷気味な者や,限られた盤面にピースをはめ込むパズルの快感が好きな者には,強くすすめたい一作じゃ。
じっくり盤面とにらみ合い,形と配置で頭をひねる時間そのものを楽しめるなら,この月の盤上はきっと長く通える遊び場になるはずじゃぞ。





















