新たな戦略との出会いを求める人へ。「Steamストラテジーフェス」でセール中の，一風変わった10作品をまとめて紹介！

　PCゲームファンお馴染みのゲームプラットフォーム「Steam」では，8月29日から9月5日にかけて「Steamストラテジーフェス」が開催中だ。


　本イベントは，Steamで2023年に開催される「テーマ別セールイベント」の1つで，タイトルの通りストラテジーゲーム全般を対象としている。期間中は対象作品のセールが行われているほか，新作タイトルの体験版も公開されるので，ストラテジーゲームファンが新たな作品に出会うにはよい機会だ。

　なお，今回のイベントも過去のフェスの例に漏れず“ストラテジーゲーム”の定義はかなり広く取られており，デジタルカードゲームやボードゲームといった戦略要素を含む作品，街づくり系のシミュレーションゲームなども含まれている。

イベントの期間中には特設サイトで日替わりの無料リワードが配布されるので，忘れずに獲得しておこう

　本稿ではイベントでセール中の作品から，新しい作品との出会いを求めている人に向けて，一風変わった10本のストラテジーゲームをピックアップして紹介していく。気になる作品を見つけた人は，リンクからストアページをチェックしてみよう。

「Steamストラテジーフェス」
特設ページ

Shotgun King: The Final Checkmate

　すべての配下に裏切られてしまった「黒のキング」となり，一丁のショットガンを握りしめて「白のキング」の撃破を目指す，チェス風のローグライク戦略ゲーム。お行儀よくルールに従って移動する白の軍勢を，ショットガンでまとめて撃退していこう。

　ただし，射撃や移動などの行動を1回行うごとに敵のクールタイムが進行し，どんどんこちらに詰め寄ってくる。敵の攻撃範囲でターンを終えると即死なので，敵軍の“利き”をチェックするのも大事と，意外とチェスっぽい思考も要求される。

　ステージ攻略ごとに強化を獲得できるが，敵軍の強化もセットで選ばなければいけないため，同時に敵軍も強くなっていく。自軍と敵軍の強化のバランスを考慮し，取得する強化を考えよう。

Fights in Tight Spaces

　敵だらけの狭い空間に放り込まれた1人のエージェントとなって，敵を撃退していくローグライク近接格闘カードゲーム。敵を奈落に放り込んだり，壁に叩きつけたりと，位置取りによって効果が変わるアクションカードを活用して戦おう。

　ピクトグラム風のシンプルなグラフィックスも良質で，キビキビと格好良く動くアクションの数々も必見。敵の武器攻撃やオブジェクトを活用して戦えば，アクション映画のような大立ち回りを披露できる。スタイリッシュなエージェント気分を味わいたい人には，ぜひ触れてほしい作品だ。

Curious Expedition 2

　世界を旅する探検家が所属する「エクスプローラー・クラブ」の一員となり，不思議な島々に秘められた謎を探っていくアドベンチャーゲームだ。1889年に開催されるパリ万国博覧会に向けて，名声と栄光を示すお宝を探し出そう。

　ただし，島にはさまざまな脅威が待ち受けており，長期の遠征となれば隊員たちの体力や正気度がどんどん削れていく。また，無闇に財宝を奪えば現地住民たちとの関係が悪化し，集落を利用できなくなるどころか，戦いになることすら考えられる。

　島に持ち込める物資は限られているので，隊員の特徴や，遠征先となる島の特徴，課せられるミッションの内容などを勘案して，持ち込む物資を選ばなければいけない。19世紀に記された荒唐無稽な探検物語を身を持って味わいたい人は，ぜひ本作で遠征にチャレンジしてほしい。

The Battle of Polytopia

　特徴的な可愛らしいグラフィックスで描かれる不思議な世界「スクエア」を舞台に，文明の指導者となって世界の覇権を目指すストラテジーゲーム。特徴のある12種類の部族から1つを選び，探索と戦争を繰り返しながら勢力を拡大していこう。

　「Civilization」シリーズを簡易化したようなシステムが特徴で，扱うリソースやユニットの種類，ステータスなどを可能な限りシンプルにまとめつつ，4X（探索，拡張，開発，殲滅）の要素をガッツリ楽しめる。

　そのうえで，1プレイ1時間程度で収まる遊びやすさも魅力の1つだ。オンラインマルチプレイにも対応しているので，手軽に遊べる4X系ゲームを探している人は，ぜひ手にとってほしい。

Inkulinati

　中世の写本に描かれた動物たちを指揮し，ステージを攻略していくターン制の戦略シミュレーションゲーム。プレイヤーは「魔法のインク」が込められたペンを握り，対戦相手が描く部隊の撃退を目指すのだ。

　ステージ上に配置されたユニットだけでなく，写本にユニットなどを描き出す「書き手」にも能力が設定されている。ときには，書き手が本の上から戦場のユニットを殴り倒すなど，型破りなコマンドも実行できてしまう。当時のミーム（流行）をモチーフにしたというキャラクターやユニット，オシャレなテキスト表現の数々も必見だ。

Armello

　動物たちが暮らす幻想的な世界「アルメロ」は，穢れの侵食によって存亡の危機に瀕していた。穢れは王を依代として拡大し，狂気に苛まれた王は疑心暗鬼に沈んでいる。そんな王国を救う英雄を目指す，最大4人プレイの戦略デジタルボードゲームだ。

　力をつけて穢れをまとった王を討伐するか，精霊の力を借りて王の浄化を目指すか，それとも名誉を集めて王の死を待つかはプレイヤー次第だ。探索を進めればステータスが向上するほか，カードを装備して能力を高めたり，ライバルを妨害したりすることもできる。

　2015年にリリースされた本作は約7年間にわたって継続機なアップデートが行われ，現在では非常にボリュームあるゲームを楽しめる。オンラインマルチプレイにも対応しているので，友達と気軽に遊べる作品を求めている人にもオススメの1本だ。

War for the Overworld

　危険なモンスターや罠をいっぱいに詰め込んだダンジョンを管理し，攻め込んでくる勇者たちを撃退していくリアルタイムストラテジーゲーム。地下を掘り抜いてダンジョンを拡大し，十分な戦力が整ったら地上を我がものとするのだ。

　ダンジョンを作り上げるためのツールはキチンと最適化されており，作り上げた罠にまんまと引っかかる敵勢力の姿を楽しめる。選択肢も豊富で，6種類のゲームモードから自分に合った遊び方を探せるのも本作の魅力と言えるだろう。

　名作ダンジョン管理ゲーム「ダンジョンキーパー」の熱烈なファンが集結したインディーデベロッパが手掛けた本作には，長期にわたってさまざまなアップデートが施されている。多彩なDLCも用意されているので，ガッツリ遊びたい人は「Ultimate Edition」などのバンドルから挑戦するのもアリだ。

Against the Storm

　永遠に雨が降り注ぐファンタジー世界を舞台に，さまざまな種族を擁する都市を作り上げるローグライト都市建設シミュレーションゲーム。プレイヤーは街づくりを指揮する総督となり，世界を破壊する嵐に対抗できる小都市郡の建設を目指すのだ。

　一般的な大規模な都市建設ゲームとは異なり，本作では小さな都市を何度も作り上げることになる。土地によって使える資源は異なり，居住する種族によっても異なる対応が求められるため，毎回違った「都市の立ち上げから安定まで」だけをピンポイントで楽しめるという，珍しい作品だ。

　現時点でもかなりの分量のコンテンツが用意されているが，本作はまだ早期アクセス中であり，今後はさらに新要素が登場する予定だ。これから登場する新要素をスムーズに楽しみたい人は，今のうちに本作を買っておこう。

For The King

　ヘックス（六角形）のマスで表現された自動生成マップを自由に歩き回り，混乱の渦中にある王国を救うために戦うRPG。固定のストーリーやシナリオではなく，ランダムに発生するクエストやイベントを中心にゲームが進行するため，遊ぶたびに違った冒険を楽しめる。

　本作のバトルや探索には，TRPGやボードゲームのような確率判定要素が取り入れられているが，多くの判定ではさまざまな手段で確率を補填できる。失敗したときの二の矢をつがえながら戦うか，リソースを使って確実に判定を成功に導くかは，パーティを率いるプレイヤー次第だ。

　けっこうな高難度を誇る本作だが，そのコアな魅力から世界中で高い評価を受け，2023年内には続編「For The King II」のリリースも決定している。今年の後半をファンタジー世界での冒険に費やしたい人は，今から本作で体を慣らしておこう。

Northgard

　中世北欧のフィヨルドを思わせる極寒の地「ノースガード」を舞台に，バイキングの1部族を率いて勢力を拡大するリアルタイムストラテジー。探索によって資源を確保し，厳しい冬を乗り越え，ライバル部族に対抗できるだけの力を身につけていこう。

　自由に世界を探索できるRTSとは異なり，本作のフィールドは複数のエリアに区切られている。エリア内に建設できる建物の数は決まっているので，各エリアにどんな建物を作るかはよく考えなければいけない。

　本作のPC版は残念ながら日本語に対応していないが，要素は比較的シンプルなので，興味が湧いた人はぜひ挑戦してほしい。有志による日本語化パッチ（DaiGoTGaming氏 Github）も公開されているので，どうしても日本語で遊びたい人は配布ページを熟読のうえで導入してみよう。

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