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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第694回「思い出はいつも優しい。『ライブアライブ』は名作」
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印刷2022/07/28 11:00

連載

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第694回「思い出はいつも優しい。『ライブアライブ』は名作」

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著者近影
画像集 No.011のサムネイル画像 / 男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第694回「思い出はいつも優しい。『ライブアライブ』は名作」
 思い出はいつも優しい。なぜかというと,思い出を正しく評価することは難しいからだ。
 例えば私の場合,この季節になると思い出すことがある。高校生だった頃の話。私はサッカー部だったのだけれど,夏休みに入る一学期の終業式の日に失恋をした。ここまではよくある話。で,やけくそになってその日にあったサッカーの試合で後先考えず走り回った結果,熱中症になったのだ。
 これ自体は失恋と熱中症の二刀流のダメージなのだが,いかんせん次の日からの夏休みは数日間,家での待機を医師から命じられていた私は,当然部活を休む羽目になった。そうなると,サッカー部の連中の間では,私が失恋をしたから練習に来なくなったと,まことしやかにささやかれた。いや,間接的には間違ってはいないのだが。
 当時は携帯電話などなかった時代。私が失踪したという話や,少年がバイク事故を起こした事件の犯人なのではないか説,果ては当時社会に混乱をもたらしていたカルト宗教に入信したんじゃないか説まで出回る始末。数日後に部活に出たあの瞬間の,周囲からの好奇の目は忘れない。
 ……という体験も,まだ世間知らずの当人からすればそこそこつらかった思い出だが,今となってはここで書けるくらいのほろ苦体験に昇華できているわけで。

 一方で,度を越えてつらすぎる体験は,逆に時間が経つことでよりつらい部分だけがクローズアップされて脳裏にこびりついていることも多い。多くの場合,思い出はゼロサムなのだ。つらいことはよりつらく,楽しいことはより楽しく。思い出はワンパートでの記憶が多いけど,実際は1日24時間生きていたわけで。それを全部再現できないからね。今生きてる時間も1日24時間しかないわけだし。
 だから,今にして思えば○○だったという部分的な語りになってしまい,その当時の記憶の一部だけが先鋭化しがちなんだと思う。

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 何が言いたいかというと,思い出の良し悪しは、あくまで今の自分が判断しているものだってことなのです。
 「ライブアライブ」。私,オリジナル版をプレイしてなかったのですよ。ちょうど私が熱中症になった夏休みが明けたタイミングで発売されたタイトルなのだけれども。
 いろいろなことに一生懸命で,同じようにいろいろなことに手を抜くことを覚え始めた時期。それでもゲイムは好きで,だけどお金はなくて。当時のスーパーファミコンのソフトは総じて高校生にとって,かなり高い価格だった。だから,買わなかったんじゃなくて,たぶん買えなかったんだと思う。
 要するに,ライブアライブの思い出はゼロなのですよ。リメイクされるという情報を知ったとき,同年代から歓喜の声が上がっていた印象はあるけど,正直分からなかった。だって思い出がゼロだからね。良い思い出も,悪い思い出もない。だから思ったのかな。あえて今遊んでみようって。

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 で,遊びました。ケツ論を言ってしまうと,まあ面白いよね。オムニバスのRPGってことで,一人一人のキャラにかかる時間はさほど多くない。まずこれがいい。そして,ここからがマジでスゲイって思ったところ。8キャラクターを選べるんだけど,どのキャラクターのパートもテイストが違うんですよ。これがスゲイ。もちろん全部RPGではあるんだけど,文字が出てこないパートもあれば,逆に文字でストーリーを追う展開がメインのパートもある。格闘場が舞台で技を覚えていくパートもある。
 ただオムニバスにしたのではない。それぞれ遊びが違う。オムニバスにした意味をしっかりと提示している。音楽もいい。オムニバスであるがゆえに,ゲイム性がそれぞれ違うがゆえに,その分,音楽の使い分けも苦労したんだろうな。過去は知らん。今遊んでてそう思った。

 これ,確かに名作だねえ。当時遊ばなかった自分と,遊んでいた自分とで何かが変わったのだろうか。それは分からない。ただ,当時遊ばなかった自分が30年弱の時を超えて遊んでいる。思い出がない私には,オリジナルとの比較はできない。でも,今プレイして面白い。これが大切なんだと思う。今の自分にとってどうなのか。今のゲイムとして,ライブアライブは面白い。今遊んでいるゲイムも,30年後,もし私が生きていればもう一度遊ぶことになるのかもしれない。面白いよね人生って。

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 思い出は優しい。思い出の継続で今の自分がいる。悔しい思い。楽しい記憶。悲しい出来事。嬉しい感情。それらの記憶が蓄積されて,今の自分の次の一歩を踏み出させる。これが歳を取るってことなんだろうね。悪くないよ。
 だから,やはり私は多くのゲイムを今遊んでおきたいと思う。ゲイムだけでなく。楽しそうだなと思ったことは,ヤっといたほうがいい。要するに,経験ってタイムカプセルのようなもんだから。いつか,あの日の経験が何かにつながるかもしれない。何の気なしに埋めたタイムカプセルが開かれるかもしれない。埋めないと,タイムカプセルは存在しない。同じように,経験しとかないと後にもつながらない。
 ヤらなかった過去は後悔しても仕方ない。今ヤらないと。今楽しんで,数十年後思いがけずまた楽しめたらラッキーじゃん。そう思った今週でした。

今週のハマりゲイム
PlayStation 5:「eFootball 2022
Nintendo Switch:「ライブアライブ
iOS:「ロードモバイル
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
ディーノ選手が所属するDDTプロレスは,7月30日(土)13:00より,大阪・176BOX大会「Road to PETER PAN 2022 in OSAKA」を開催します。ディーノ選手は飯野“セクシー”雄貴選手とのタッグで,高木三四郎選手&大鷲 透選手と対戦予定。ディーノ選手によると「あいつらには二度と試合をしたくないと思わせてやる。なぜなら,こっちがそう思っているからだ」とのことです。
  • 関連タイトル:

    ライブアライブ

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