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英国版「Xperia PLAY」テストレポート〜これが世界初の「ゲームをプレイできるスマートフォン」だ
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印刷2011/04/09 00:00

テストレポート

英国版「Xperia PLAY」テストレポート〜これが世界初の「ゲームをプレイできるスマートフォン」だ

英国版Xperia PLAY
画像集#002のサムネイル/英国版「Xperia PLAY」テストレポート〜これが世界初の「ゲームをプレイできるスマートフォン」だ
 Sony Ericsson Mobile Communications(以下,Sony Ericsson)から,欧州を中心とする世界市場で2011年4月1日に発売になったスマートフォン「Xperia PLAY」。4Gamerでは,「PlayStation Certified」認証第1弾製品の英国版を入手し,6日にフォトレポートをお届けしているが,あれから,プリインストールされたゲームをプレイする時間が取れたので,そのインプレッションを書き記してみたい。

 なお,ハードウェア的にどんな製品なのかは,発表時点のニュース記事や,先のフォトレポートを参照してほしい。本稿では,最低限フォトレポートを読んでもらっている前提で話を進める。
 また,Wi-Fiを有効化すると,電波法違反になる可能性があるため,台湾SIMを用いた国際ローミングによる最低限の3G通信しか行っていない。今回はあくまでも,来るべきXperia PLAYの国内発売に向け,ゲーム機としての可能性を探るものであることを,あらかじめお断りしておきたいと思う。

関連記事:英国版「Xperia PLAY」実機フォトレポート〜開梱からゲームの起動まで

関連記事:「Xperia PLAY」は3月から出荷開始。Sony Ericsson,発表会で実機を披露



Android用と初代PS用

2つのゲーム管理ソフトを標準搭載


 フォトレポートでも簡単にお伝えしたとおり,Xperia PLAYには,ゲームのランチャー的に機能する管理ソフトが2つ用意されている。Androidアプリを選択したり購入したりできる「Xperia PLAY Launcher」と,初代PlayStationのエミュレータごとゲームを起動できる「PlayStation pocket」だ。

Xperia PLAY Launcher(左)とPlayStation pocket(右)。前者はプリインストールタイトルが「Xperia PLAYゲーム」,そうでないもののリストが「もっと多くのゲーム」にそれぞれ分けられていた
画像集#003のサムネイル/英国版「Xperia PLAY」テストレポート〜これが世界初の「ゲームをプレイできるスマートフォン」だ 画像集#004のサムネイル/英国版「Xperia PLAY」テストレポート〜これが世界初の「ゲームをプレイできるスマートフォン」だ

 PSP goの場合,スタンバイ状態から液晶パネル側をスライドさせると「そこまでプレイしていたゲーム」がレジュームするが,Xperia PLAYだと,標準ではXperia PLAY Launcherが起動するようになっている。


PlayStationエミュータベースのタイトルも,アプリケーション一覧のところに並ぶ
画像集#005のサムネイル/英国版「Xperia PLAY」テストレポート〜これが世界初の「ゲームをプレイできるスマートフォン」だ
 厳しいことを書くと,なぜランチャーが2つに分かれているのか理解できない。Sony Ericssonとソニー・コンピュータエンタテインメントの間にある“縦割り行政の弊害”をまざまざと見せつけられた,といったところだろうか。例えば,Xperia PLAY Launcherを自動起動に設定し,スライドして開いたところから初代PlayStationゲームを再開しようと思ったときには,いったんホームに戻って,そこから当該タイトルのアイコンを選択し直さねばならないわけで,少なくともユーザーフレンドリーではない。

 また,これはスマートフォンという位置づけ上やむを得ないが,ゲームを中断した状態からスライドで即復帰という,PSP goのようなスマートな動作はできない。Xperia PLAY Launcherの自動起動を設定していた場合,いったんランチャーが開くので,そこから復帰させたいタイトルを選ぶ,という流れになる。
 一方,よいところも述べておくと,PlayStationタイトルのエミュレーション時にステートセーブが行えるのは,エミュレータらしい挙動といえばそれまでだが,けっこう便利。ゲーム中にホームボタンで戻ったときや,明示的にゲームを終了させるときにステートセーブは可能だった。

PlayStationタイトルは,[メニュー]キーを押すことで,ゲーム中,いつでも操作周りや音量などの設定が行えるオプションメニューに入れる。ここから明示的に終了させることもでき,この場合はステートセーブを行うかどうかを選択できる
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エミュレータのオプションメニューから選択できる操作設定は6種類。要するに「[L2/R2]ボタンがないから,それをどうするか」というのが中心で,それに合わせてタッチパッドやそのほかのボタンの割り当てが行われる
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 なお,英国版Xperia PLAYにおけるプリインストールタイトルは下記のとおりだ。

●Xperia PLAY Launcher
  • Bruce Lee: Dragon Warrior:Digital Legendsの格闘ゲーム
  • FIFA 10:EA Mobileのサッカーゲーム
  • Star Battalion:Gameloftの3D STG
  • The Sims 3:EA Mobileのシミュレーション

●PlayStation pocket
  • Crash Bandicoot:3Dアクション。邦題「クラッシュ・バンディクー」

「もっと多くのゲーム」では,プレインストールされたタイトルのほか,Gameloftの「Asphalt 6」が無料ダウンロードできるようになっている。容量が400MBを超えるため,今回はダウンロードしていないが……
画像集#014のサムネイル/英国版「Xperia PLAY」テストレポート〜これが世界初の「ゲームをプレイできるスマートフォン」だ
 国際ローミングで3Gを有効にすると,Xperia PLAY Launcherには,プリインストールされているのとは別に10数タイトルがリストアップされる。おそらく,Xperia PLAY側のゲームコントローラ(以下,便宜的に「ゲームパッド部」と表記)を使った操作系に最適化されたタイトルが並んでいるのだろう。ただし,ゲームロフトのタイトルはIPアドレスを見ているようで,購入ページに飛ぶと「サポートされていない」と表示され,購入できなかった。
 一方のPlayStation pocketは,同条件で5タイトルがリストアップされ,購入も可能になっているのを確認できている。

PlayStation pocketでは「Cool Boarders 2」「MediEvil」「Rally Cross」「Syphon Filter」「Wild Arms」の5タイトルがリストアップされた。台湾SIMが差さった状態だと,NTドルで購入もできるようだ
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 ただ,今回は「英国版Xperia PLAYに台湾のSIMを差して日本のIP網に接続した」というレアケースのものなので,あくまで参考程度と捉えてほしい。Xperia PLAYは台湾で販売が始まっているようので,台湾の状況をある程度反映したリストが表示されている可能性もある。


アナログスティックには違和感があるものの

ゲームパッド部はかなり使いやすい


画像集#017のサムネイル/英国版「Xperia PLAY」テストレポート〜これが世界初の「ゲームをプレイできるスマートフォン」だ
 ここからは実際にプリインストールタイトルをプレイしてみよう。筆者は格闘ゲームが心底苦手なので,今回はそれ以外を試してみている。また,そのなかからStar BattalionとCrash Bandicootについては,プレイ中のムービーも撮影してみた。
 というわけで,まずは下に示したムービーで,手元の操作とゲーム画面の動きをチェックしてもらえればと思う。サウンドは,Xperia PLAYのヘッドフォン出力端子とビデオカメラを直結して録音しているので,その点はご了承のほどを。


 以上を踏まえ,ゲームパッド部の使い勝手について一言でまとめてみると,アナログ系には違和感がある一方,デジタル系にはほとんどなく,総じて,かなり使いやすい,ということになる。

Star Battalionと同じく,デジタル・アナログ操作に対応するFIFA 2010。最初はタッチパッドで操作しようと努力したのだが,こちらでも最後は諦めた
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 順番に見ていこう。まずアナログ入力系となる2連のタッチパッドだが,違和感を決定的なものにしているのは,PSPやPSP goのアナログパッドにある反力がないという点だ。中央に小さな突起を設けてセンター位置を把握しやすくしたり,センサー部の終端も指でなぞったときはっきりそれと分かるようにしていたりという,涙ぐましい努力は買うが,アナログ入力を前提としたゲームをしていると,操作と実際の挙動のギャップに悩まされることが多くなり,いきおい,ストレスが溜まる。
 Star Battalionで,緊急回避のように単発で使っているうちはまったく問題ないのだが,タッチパッドだけで自機の操作をするのはつらい。タッチパッドを快適に使えるかどうかは,タイトルと利用法次第,ということになりそうである。

画像集#019のサムネイル/英国版「Xperia PLAY」テストレポート〜これが世界初の「ゲームをプレイできるスマートフォン」だ
Xperia PLAYとPSP goのデジタル入力系に,操作感の違いはほとんどない
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ゲームパッド部はゲーム専用というわけではなく,メニューに項目が整然と並んでいるような場面だと,十字キーがけっこう有効に使える。決定が[×],キャンセルが[○]に割り当てられているので,ひととおりの操作は可能だ。Webブラウザのスクロールも可能である
 対するデジタル系だが,PSP goと比べるとボタンのサイズが小さいとか,[△/○/×/□]ボタンのクリック感はPSP goと同じなのに十字キーのクリック感がやや固いとか,[L1/R1]ボタンが浅いとかいった違いはあるのだが,それが操作性に負の影響を及ぼしている感触はない。「[L1/R1]ボタンの遊びが大きいところまでPSP goをマネなくてもよかったのではないか」と思えるほど,PSP goの操作性に近い印象だ。
 実装できるスペースを考えると,本当によくできている。PSPとの比較ではさすがに一段落ちるが,PSP goと同じレベルの使いやすさは維持できているといっていい。

 また,ボタン以外の点では,フォトレポートでも指摘した「両サイドの膨らみ」の違いが,グリップ感に大きな違いを与えているのに気づかされた。
 PSP goの場合,両サイドが膨らんでおり,しかもその膨らみ部分にあるエッジが少々キツいため,長時間プレイしていると人差し指の付け根が痛くなってくるのだが,Xperia PLAYだとその心配はまず無用だ。

The Sims 3は,「Xperia PLAYゲーム」としてXperia PLAY Launcherにプリインストールされているが,もとがマウス操作を前提としたタイトルだけに,液晶パネルのタッチスクリーンを利用したほうが操作しやすかったりするが,それは,プレイしてみるまで分からない
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 というわけで,ゲームパッド部への評価はおおむねポジティブにまとまっているのだが,ソフトウェア周りも含めた使い勝手という観点からは,ゲームパッド部を利用できる局面とそうでない局面に関する説明がほとんどないのが気になったことを指摘しておきたい。
 例えばStar Battalionの場合,ゲームを開始後のチュートリアルは充実しているのだが,ゲーム起動時に流れるムービーは,ゲームパッド部からキャンセル不可で,画面をタップしなければならなかったりする。また,Xperia PLAY LauncherにもPlayStation pocketにも登録されないまま,単体で「Tetris」がプリインストールされており,これは専用ゲームパッド非対応なのだが,その説明はどこにも一切ないのだ。2つのソフトウェア管理ツールともども,ゲーム機としてどう使ってほしいのかに関するSony Ericssonからのメッセージは,残念ながらいまのところ読み取れない。

 最後に操作系以外のところも簡単に触れておくと,まず,少なくともプリインストールされたゲームタイトルをプレイする限り,搭載されるQualcomm製SoC「Snapdragon」(MSM8255/1GHz)は十分な性能を発揮できているといえる。Crash Bandicootのプレイ時に,もっさり感を覚えるようなこともなかった。
 また,内蔵スピーカー,内蔵ヘッドフォンアンプとも,突出して高音質というわけではないものの,破綻はなく,Androidスマートフォンとして及第点は与えられる。4インチ,480×854ドットのLEDバックライト搭載液晶パネルは,よくも悪くも特徴がない,といったところか。


マニアックさと普通さが同居するXperia PLAY

ゲームパッド部対応タイトル次第だが面白い


定番ベンチマーク「Quadrant」から,商用利用の可能な「Quadrant Professional」を実行したところ。シングルCPUコア搭載モデルとして考えると,1299というスコアは高いといってよさそうだ
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 以上,ゲーム機としてのXperia PLAYを駆け足でチェックしてみた。要するに,「ソニーらしい,非常にニッチな製品」であり,とくに,ゲーム関連の「放り出された感」が強いあたり,これを万人向けというのはさすがにためらわれるというのが正直なところだ。
 Android端末に十分慣れた人なら,少し試行錯誤すればある程度は掴めるだろうが,そうでなければ相当に苦労するはず。このままの仕様で国内販売するのであれば,国内キャリアレベルで相当にちゃんとした操作マニュアルを用意する必要があるように思う。

 ただ同時に,いざゲームパッド部対応タイトルを始めたときの「しっくりくる感」も相当に大きい。というか,誤解を恐れずにいえば,Xperia PLAYの操作感そのものに感動はないのだ。ゲームハードに当然存在して然るべき入力系が当然のようにあるのだから当たり前であり,むしろ,Xperia PLAYでのゲームプレイを止めて,ほかのAndroidスマートフォンやiPhoneでゲームを始めようとしたときの違和感が増大するのである。
 その意味で,Xperia PLAYは,ついに登場した「普通にゲームをプレイできるスマートフォン」とまとめることができるだろう。日本円でおおむね6万円前後からというコストを踏まえるに,現時点ではマニア向けの高い玩具だが,対応タイトル,そしてPlayStation pocketタイトルが本当に揃ってくるなら,その将来には期待してもいいのではなかろうか。

Sony Ericsson Mobile Communications
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