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[GDC 2012]弾幕シューティングのケイブが語る,レトロゲームの移植方法と日本のソーシャルゲーム事情とは
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印刷2012/03/10 13:56

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[GDC 2012]弾幕シューティングのケイブが語る,レトロゲームの移植方法と日本のソーシャルゲーム事情とは

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 今や飛ぶ鳥を落とす勢いで売れているスマートフォン。持っている人が増えれば,それに比例してさまざまなサービスやソフト(アプリ)が登場するのは当たり前のことで,ゲームの数も急速に増えてきている。この現象は北米や欧州でも同じで,次から次へと新しいゲームが発売されているのだ。だが,携帯電話が独自の進化を遂げた日本だけに,スマートフォン向けのゲーム市場のありようも,ほかの国々とは異なることが多い。
 そんな事情を意識してか,海外の開発者達を対象にした講演「Retro and Japanese Social Games on Smartphones」が,GDC 2012の4日目,2012年3月8日に,ケイブの代表取締役副社長である渡邉幹雄氏によって行われた。

ケイブ 代表取締役副社長 渡邉幹雄氏
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 渡邉氏はケイブの歴史を簡単に説明したあと,レトロゲームのスマートフォンへの移植に関してよく質問されることを紹介した。ちなみにここでいうレトロゲームは,1980年代から90年代にかけて発売されたゲームを指しており,解像度が高いスマートフォンに移植すると,グラフィックスのアラが目立つのではないか,という質問をよく受けるのだという。

 渡邉氏は,「動きの速いゲームではそれほど気にならない」とし,重視すべきはフレームレートだとコメント。ケイブでは50fpsは出るように移植を行っているそうだ。グラフィックスのHD化をすればファンには喜ばれるだろうが,開発コストも跳ね上がるので,ビジネスとしては疑問符がつくという。

ケイブは,弾幕シューティングを最も多く商品化している会社としてギネスに認定されている
画像集#003のサムネイル/[GDC 2012]弾幕シューティングのケイブが語る,レトロゲームの移植方法と日本のソーシャルゲーム事情とは
 「どうやって儲けているのか?」という質問に対しては,レトロゲームの移植ビジネスに限定されるが,きちんと移植したものを適正価格で売れば儲けが出ると返答していた。なお,ケイブは移植ゲーム1本を約1000円で売ることが多いという。以前,これよりも安い価格にしたこともあったが,売上げは伸びなかったという。

 次の質問は開発費について。レトロゲームをスマートフォンに移植する費用として,渡邉氏は約10万ドルから15万ドルぐらいを想定しているそうだ。内訳としては,40%がプログラミングで30%がスマートフォン版用のUI開発費,残りがデバッグや翻訳の作業費などになる。

 最後の質問はコミュニティの重要性についてだった。渡邉氏は「非常に重要」とし,その理由を次のように説明した。ケイブがレトロゲームのスマートフォン向け移植を始めた当初,オリジナル作品のファンコミュニティがネット上で盛り上げてくれ,かなり助けられたという。また,コミュニティが発達してくると,ほかのユーザーをサポートしてくれる人などが現れ,結果的にはユーザーサポートのコストが浮く形となったそうだ。さらに,ユーザーレビューにおかしな内容が書かれないようにもなり,売上げ増につながったという。

 続いて話題はガラリと変わり,渡邉氏は日本のソーシャルゲーム事情について説明した。

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 渡邉氏は,日本人がソーシャルゲームを空いている時間に少しだけ遊ぶ傾向があり,通勤/通学の時間,お昼休み,寝る前がピークと紹介。今はまさにソーシャルゲームが大ブームで,月に100本は新作が登場している。そしてひと月の売り上げが1億円を超えると,ヒット作と呼ばれるそうだ。

 なお,月の売り上げが1億円を超えるタイトルは,サービス開始から7日経った段階で,登録者の35%が遊び続けており,平均客単価は40円/日で,ARPPU(課金ユーザー一人あたりの平均売上金額)は3000円/月ぐらいを達成している。

mobageとGREEのゲームランキング
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 渡邉氏は,ソーシャルゲームを主に遊んでいるのは25歳から35歳の人達で,男女比は6対4であると紹介した。ただし,この男女比はあくまでも平均であり,同じゲームを男女両方が遊ぶケースは減りつつあるのだという。ソーシャルゲームは細分化が進んでおり,最近は男性向け,女性向けがはっきりとしているそうだ。

 また,日本でのスマートフォンの普及台数の目安として,2011年3月から現在までにdocomoが850万台,KDDIが550万台売ったと紹介。SoftBankに関しては実数が公開されていないが,550万台と紹介し,3キャリア全体で1400万台〜2000万台と推測した。

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 現在日本のソーシャルゲーム市場では,カードバトル人気が全盛だが,すでに頭打ち感があるため,これから同ジャンルに挑戦しないほうがいいと話していた。また,日本のソーシャルゲーム市場は移り変わりが激しいため,海外の会社が参入するのであれば,日本の事情にくわしいプロデューサーやディレクターを迎え入れることを奨めていた。とくに最初は市場の感触を確かめるためにも,海外ではやっているゲームのローカライズから始め,徐々にステップアップしていく方法がお勧めだという。

 筆者はGDC取材に6年連続で参加しているが,開発費を公表し,価格の付け方を説明するところまで突っ込む講演は珍しい。日本の事情を海外の人達に説明するという主旨だったため,日本人にとっては当たり前の内容も多かったが,ゲームビジネスにおける知識やノウハウを共有するという,GDCの主旨にマッチした講演だったといえるだろう。
 
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