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[E3 2013]「最良のグランツーリスモは最新のグランツーリスモである」。グランツーリスモ6プレイレポート
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印刷2013/06/18 13:59

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[E3 2013]「最良のグランツーリスモは最新のグランツーリスモである」。グランツーリスモ6プレイレポート

 Sony Computer Entertainment(以下,SCE)が今冬に発売を予定しているPlayStation 3用ソフト「グランツーリスモ6」(以下,GT6)。おそらくGT6は,PS3向けとしては最後の「グランツーリスモ」であり,開発元のポリフォニー・デジタルが持つ技術や情熱の集大成的な作品となることだろう。
 本稿では,SCEブースにて,このGT6をプレイしたインプレッションをお届けしたい。

画像集#019のサムネイル/[E3 2013]「最良のグランツーリスモは最新のグランツーリスモである」。グランツーリスモ6プレイレポート


PS3最終仕様のグランツーリスモ


新物理エンジンの開発で車両の挙動がさらにリアルに
画像集#001のサムネイル/[E3 2013]「最良のグランツーリスモは最新のグランツーリスモである」。グランツーリスモ6プレイレポート
 GT6は,PS3世代のグランツーリスモの集大成を目指すだけでなく,次世代機のPlayStation 4に向けて実装されるべき進化までを想定して,ゲームエンジンやグラフィックスエンジンが一新されている。
 車両物理シミュレーションは新設計となり,タイヤ,サスペンション,エアロダイナミクス(空力)に新理論を実装したとのこと。
 タイヤについては,横浜ゴムの実験データを元にシミュレーションモデルを構築し,サスペンションにおいてはドイツのKW Automotiveからの開発データの提供を受けてシミュレーションの裏取りを実践したというから本格的だ。そして,空力シミュレーションについては,GT6開発チームが自ら実験して得たデータを元にシミュレーションモデルを再構築したとのこと。

タイヤのシミュレーションモデルも一新
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 ポリフォニー・デジタルのプレジデントである山内一典氏によれば,開発チームが重ねてきた実験からは,これまで常識外とされてきた概念から,新しい空力理論が見出せてきた……というから,GT6はもはや実際に自動車作りをしているような領域に踏み込んできているように思える。

 これまで,こうした物理シミュレーション部分では,ライバルの「Forza Motorsport」シリーズに水をあけられていた感もあったが,これで一気にキャッチアップできることになるかもしれない。

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サスペンションの動きもさらに実車らしい動きに
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空気力学上の新理論に基づく仕様も実装

 グラフィックスエンジンについては,PS3のCELLプロセッサに内包されている128ビットSIMDベクトルプロセッサのSPU(Synergistic Processing Element)を駆使して実装した「適応型テッセレーション」(Adaptive Tessellation)エンジンベースのジオメトリエンジンがホットトピックだ。

 これまで,ゲームグラフィックスに用いる3Dモデル(GT6ならば車両の3D形状モデルなど)は,数千ポリゴンなり数万ポリゴンなりの固定量の頂点数(ポリゴン数)でモデリングされていた。
 曲面部位には膨大な頂点数を割く必要があるのだが,プレイヤー視点から遠距離にある車両モデルと近距離にある車両モデルでは,実際に画面上に描画される大きさが違う。遠距離にあるモデルをせっかく膨大な頂点量を割いてモデリングしても,無駄に頂点シェーダのタスクを増やすだけで描画結果にはほとんど貢献せず,GPUパワーが無駄に消費されることになっていた。

画像集#004のサムネイル/[E3 2013]「最良のグランツーリスモは最新のグランツーリスモである」。グランツーリスモ6プレイレポート
PS3で適応型テッセレーションを実装
 そこで,GT6では,プレイヤー視点からの距離に応じて,動的(適応的)にその曲面表現に必要なポリゴンを自動生成する処理系を実装した。それが「適応型テッセレーション」である。
 ちなみに,実際には「ポリゴンを自動生成する」というよりは,ある程度ラフにモデリングされた原型モデルのポリゴンを分割してから変移させるという実践アルゴリズムとなる。

 「テッセレーション」といえば,PS4のGPUには確かにテッセレーションステージが実装されているが,GT6の場合は,PS3のSPUを用いてソフトウェア的に実装してしまったわけだ。これは,将来的に,PS4版グランツーリスモを製作する際に,グラフィックスパイプラインをすんなり移行させるための先行投資的技術開発だと思われる。

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PS4に向けての先行技術開発の意味合いも強いか


鈴鹿サーキットの走行でインプレッション


E3屋外会場に設置されたGT6はGTアカデミー仕様
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 GT6は,E3会場前とSCEブース内の2か所に体験コーナーが設置されており,屋外の方は英国シルバーストーンサーキットでのラップタイムを競う「GTアカデミー」仕様だった。GTアカデミーとはグランツーリスモのトッププレイヤーを実際のレーシングドライバーに育て上げてしまおうという育成プログラムだ。

 SCEブース内の体験コーナーでは,ある程度自由にコースや車を選ぶことができたので,こちらをプレイしてみた。
 「Forza Motorsport 5」のインプレッションでは,新世代のハイブリッドスーパーカー「マクラーレンP1」(実車価格約9661万円)を選択したので,GT6ではマクラーレンつながりで,「マクラーレンMP4-12C」(実車価格約2800万円)を選択。

SCEブースのGT6の展示セクションにはシボレーの最新C7型コルベット・スティングレイが鎮座。今作のイメージカーはこれだろうか。最も安価(といっても日本円にして600万円クラス)に時速300kmを出せる車として注目されているらしい
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Thrustmasterの「Thrustmaster T500 RS」
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 ブース内にあるコクピット仕様の筐体に設置されていたステアリングコントローラは,Thrustmasterの「Thrustmaster T500 RS」だった。実勢価格約5万8000円で,クラッチペダル付きのハイエンド品だ。シートに座り込んでステアリングを握った瞬間からやる気にさせてくれる。

 用意されていたコースは,E3ということもあってか,海外サーキットが中心のラインナップだったが,鈴鹿サーキットの東コースがあったので,これを選択。
 鈴鹿サーキットの東コースはGT5にも収録されており,ラップタイムとしては1分切りが目安となる。

用意されていた中では唯一の日本国内サーキットだった鈴鹿サーキット東コースを選択
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 グランツーリスモは,しっかりコーナー手前で減速しないと曲がっていけないドライビングシミュレーター系のレースゲームだ。しかも,コーナリング状態でのラフなアクセルワークは,途端にスピンへ直結する。これは「難しい」というより,実車を限界領域で運転するときには当然のことなので,むしろテンションを高めてくれる。

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 敵車のいないタイムアタックモードということもあって,走り始めて2周目で59秒台をマーク。マクラーレンMP4-12Cならば本来はもっと速く走れるのだろうが,ほぼ初見のゲームでこれは,なかなか立派。
 これは別に,筆者の運転がうまいと言っているわけではない。GT6で車両物理シミュレーションが一新されたということで,ドライビング感覚が変わったのではという心配があったのだが,そんなことはなく,すんなりドライブできたということだ。

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 では,GT5から違いがまったくないか…というとそんなことはなく,なんとなく乗り味が自然というか,車の挙動や,それに合わせて動く背景の動き方に不自然さがなくなったような気がする。実車の運転と違い,加減速GやコーナリングGが感じられないのは当たり前なのだが,それでも,迫り来るコーナーの見え方の説得力が増しているような感覚を覚えた。

 これはもしかすると,車両物理シミュレーションだけの影響ではなく,テッセレーションを活用したグラフィックスエンジンとの相乗効果があるのかもしれない。
 ポルシェを語る際に「最新のポルシェこそ最良のポルシェ」という定説があるが,グランツーリスモでも「最新のグランツーリスモこそ最良のグランツーリスモ」という定説は当てはまりそうで,発売が今から楽しみだ。

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