![]() |
松木いっか氏が小学館の「マンガワン」「裏サンデー」で連載中の戦国シミュレーション漫画「日本三國」(裏少年サンデーコミックス刊/既刊7巻)。2021年11月に連載がスタートした本作は,魅力的なキャラクターとリアルな設定が話題を呼び,シリーズ累計発行部数が100万部を突破し,舞台化もされた注目作だ。
というわけで,「そうだ アニメ,見よう」第258回のタイトルは,同作をアニメ化した「日本三國」(毎週月曜24:00〜TOKYO MX・BS日テレほか)。制作はスタジオカフカ,シリーズ構成は「夏目友人帳」や「正反対な君と僕」の内海照子氏が担当。監督は「魔法使いの嫁 SEASON2」や「藤本タツキ 17-26」の寺澤和晃氏が務めている。
「日本三國」
![]() |
大和国愛媛郡の田舎で暮らす青年,三角青輝(みすみあおてる,CV:小野賢章)は,司農官として農業に従事しながら,妻の小紀(さき,CV:瀬戸麻沙美)と共に慎ましくも穏やかな日々を送っていた。
ある日,彼らの前に大和国の実質的支配者,内務卿・平 殿器(たいらでんき,CV:長嶝高士)が現われる。平 殿器は,自らの意に沿わない者を容赦なく切り捨てる冷酷な権力者。ふとしたことから彼の機嫌を損ねてしまった小紀は,無残にも殺害されてしまう。
![]() |
![]() |
愛する妻を喪った青輝は,「泰平の世を築く」という彼女との誓いを果たすため,辺境将軍・龍門光英(りゅうもんみつひで,CV:山路和弘)の行う仕官試験“登竜門”を受けるべく,大阪へと向かった。
ようやくたどり着いた大阪の格安ホテルで,青輝は大和建国の名門,阿佐馬家宗家の嫡子である芳経(よしつね,CV:福山 潤)と出会う。青輝は,自分と同様に仕官試験を受けるという芳経と共に,通天閣にある龍門邸の門をたたくのだった。
![]() |
![]() |
後に“奇才軍師”と称される男
「孫武」という人物をご存じだろうか。さまざまな戦記ものに登場する有名な兵法書「孫子」を書いたとされる人物が孫武である。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」などは,現在のビジネスシーンでも活用されている有名な教えだ。
本作の主人公・青輝は,幼い頃から図書館で旧日本時代の知識や孫武の教えを身につけた頭脳明晰な青年。その類まれな知力と達者な弁舌でのし上がり,分断された日本を再統一しようと奮闘する青輝の姿を描いたのが本作「日本三國」だ。
![]() |
しかし,青輝はもともと知識はあるが平和を好む温厚な青年である。そんな青輝が“知行合一”に覚醒した第1話「泰平の誓い」はあまりに衝撃的な内容だった。ちなみに,知行合一とは,「知識」と「行為」は本来一体であり,分けることはできないという考え方だ。
愛する妻である小紀を殺された青輝は,平 殿器を前に一切動揺を見せず,妻が殺害された原因である非道な税吏を追い詰めていく。
第1話は,このエピソードの緊張感を極限まで引き上げるためだろうか,ほとんど色彩を排したモノトーンの映像で静かに進行した。そして,平 殿器との対峙場面では,その世界が一変。真っ白な雪の上に広がる血の色との強烈なコントラストが,観る者の目と心に焼きつき,いつまでも離れないシーンとなった。
![]() |
この演出の巧みさが話題を呼び,第1話はSNSのトレンド入りを果たしている。のちに“奇才軍師”と称される男の伝説がこうしてスタートしたというわけだ。
詳細に設定された架空の年表
舞台となる日本は,核戦争や天災などが連鎖し,人口も10分の1に激減。明治時代の文明レベルへと後退した世界だ。高層ビルや高速道路などが廃墟として残っているが,インフラもろくに整備されていない。
そんな荒廃した世界がリアルに描かれ,フィクションだと知りつつも,どんどんストーリーに引き込まれていく。原作では,核戦争勃発から三國分割後までが年表として設定されているので,目を通しておくことをおススメする。本作をじっくりと楽しむのにきっと役立つはずだ。
![]() |
![]() |
原作を忠実に再現したデザイン
新進気鋭のスタジオカフカによる,アクション描写や細やかな美術,「メイドインアビス」を手がけたKevin Penkin氏の劇伴など,制作サイドのこだわりを随所に感じ取れる本作。なかでも松木いっか氏の独特のタッチを再現した映像表現が秀逸だ。
原作のキャラクターたちがそのまま動き出したかのような演出は,原作ファンには堪らないプレゼントになったのではないだろうか。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
ともあれ,物語は始まったばかり。“ツネちゃん”こと阿佐馬芳経と一緒に,龍門光英の傘下となった青輝は,今後どのような活躍を見せるのだろうか。設定もさることながら,まるで予想もつかないストーリー展開を楽しめそうだ。
早く「大和」以外の2国,「武凰」「聖夷」の登場人物たちが見たいところ。しばらくは月曜日の夜が待ち遠しい日々となりそうだ。
![]() |
| 放映データ |
|---|
| 2026年4月〜毎週月曜24:00〜TOKYO MX・BS日テレほか |
| キャスト | |
|---|---|
| 三角青輝:小野賢章 | |
| 阿佐馬芳経:福山 潤 | |
| 東町小紀:瀬戸麻沙美 | |
| 龍門光英:山路和弘 | |
| 賀来泰明:中村悠一 | |
| 平 殿器:長嶝高士 | |
| 藤3世:木村太飛 | |
| 輪島桜虎:津田美波 | |
| 閉伊弥々吉:堀内賢雄 | |
| 長尾武兎惇:梅田修一朗 | |
| 九羅亜輝威:咲野俊介 | |
| 平 殿継:村瀬 歩 | |
| ナレーション:潘めぐみ | |
| スタッフ |
|---|
| 原作:松木いっか「日本三國」(小学館「マンガワン」連載) |
| 監督:寺澤和晃 |
| シリーズ構成:内海照子 |
| キャラクターデザイン / 総作画監督:阿比留隆彦 |
| 美術監督:田村せいき |
| 色彩設計:小針裕子 |
| 撮影監督:木舩颯人 |
| 2D/特効:加藤楓菜 |
| 筆文字:桐山琴羽 |
| 編集:今井大介(JAY FILM) |
| 3D監督:小川耕平 |
| 音響監督:はたしょう二 |
| 音響効果:出雲範子 |
| 音響制作:サウンドチーム・ドンファン |
| 音楽:Kevin Penkin |
| オープニング・テーマ:「火種」キタニタツヤ |
| エンディング・テーマ:「誓い」Leina |
| 制作:スタジオカフカ |
| 製作:日本三國製作委員会 Co-produced with Amazon MGM Studios |
| (C)松木いっか/小学館/日本三國製作委員会 |




























