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「リネージュ」のスマホ版が目指すところや魅力を聞いた。「Lineage M」の運営キーマン,大河内卓哉氏にインタビュー
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印刷2019/03/06 18:00

インタビュー

「リネージュ」のスマホ版が目指すところや魅力を聞いた。「Lineage M」の運営キーマン,大河内卓哉氏にインタビュー

 2017年6月に韓国でリリースされて以来,高い人気を誇るスマートフォン向けMMORPG「Lineage M」iOS / Android:以下,リネージュM)。PC向けMMORPG「リネージュ」のスマホ版にあたる本作は,MMORPG黄金期そのままのゲーム性が大きな魅力となっているタイトルだ。

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 公式サイト内でリネージュの歴史があらためて紹介されているが,かつて多くのオンラインゲーマーを虜にした大作MMORPGのスマホ版を,エヌシージャパンが2019年春に日本でリリースする。

 剣と魔法と血の盟約が織り成すリネージュの世界観がスマホでどう表現されるのか。今回4Gamerでは,「リネージュM」の運営キーマン,大河内卓哉氏にインタビューを行い,本作の目指すところや魅力について,大いに語ってもらった。本稿でその内容をお届けしよう。

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「リネージュM」公式サイト



プロジェクトプロデューサー(PP)

大河内氏の役割とは?


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。まずは自己紹介を兼ねてどんな立場でリネージュMに関わっているのかを教えてください。

大河内卓哉氏(以下,大河内氏):
 リネージュMでは,プロジェクトプロデューサー(PP)として携わらせてもらっています。リネージュMは,開発,運営,マーケティングなど分野ごとに専門のメンバーがおりますが,PPは各分野を横断的に見て取りまとめるのが主な役割です。

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4Gamer:
 大河内さんは,TCG業界を始めゲームやアニメの分野では知る人ぞ知る存在だったりしますが,ここにきてリネージュMのPPに就任するとは……正直驚きました。

大河内氏:
 オフラインではカードゲームが好きなんですが,自宅にて一人で遊ぶときは,オンラインゲーム,とくにMMORPGを好んでプレイしています。リネージュMについては,海外版をいちプレイヤーとして1年ほどプレイしていました。

4Gamer:
 プロデューサーをやるからそのゲームをプレイしたのではなく,好きなものをプロデュースしたい,という流れなんですね。

大河内氏:
 正確に言うと,好きなものをより良く皆さまに提供したいという考えですね。通常のPPという立場だと,どうしても企業目線でシビアにならざるを得ないこともありますが,プレイヤーの立場で「これはまずい」とか,きちんと判断していく需要はあるのかなと。

4Gamer:
 エヌシージャパンでは,PC版のリネージュもサービスを継続していますので,連携を取りながらといった感じでしょうか。

大河内氏:
 詳細はお伝えできないのですが,長くリネージュに携わっていたメンバーもモバイルチームに合流し,お客様に安心して遊んでもらえる環境を整えておりますので,期待していただけますと幸いです。

4Gamer:
 万全の体制で運営をスタートすることができそうですね。


リネージュMの面白さはどこにあるのか


4Gamer:
 ざっくりとで構いませんので,気になっている人に向けてリネージュMの概要を教えてください。

大河内氏:
 リネージュMは,MMORPGではあるのですが,ここで私が言っておきたいのは「リネージュ」というゲームジャンルだということです。MMORPGというくくりで見ると,当ジャンルにあるべきシステムがなかったりして,不便さを感じることもあるかもしれません。しかし,圧倒的な自由度によって,その不便さが許されているところが,リネージュMの面白さなんですよ。

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4Gamer:
 スマホ向けのMMORPGも数多くリリースされていますが,その多くは,手軽さを重視したものが大半だったりしますからね。

大河内氏:
 そうですね。若い世代,あるいは,かつてPCでMMORPGに熱中した世代に,あらためてリネージュの面白さをお届けしたいというのは,大きな命題ですね。

4Gamer:
 となると,やはりベースになるのはPC版の本家「リネージュ」ということになりそうですね。

大河内氏:
 ええ。以前リネージュを遊んでいたなら,「あのリネージュです」と説明すれば理解してもらえると思います(笑)。最新のスマホ向けMMORPGとは異なる「リネージュ」が持つ魅力や面白さを表現することを追及しています。

4Gamer:
 なるほど。最新の技術を使って,「リネージュ」を表現していくというのも面白い試みですね。

大河内氏:
 ゲームシステムに関しては,進化の過程で大衆向けではない部分を削っていって,失われてしまったものがMMO業界的に少なからずあるんですね。PKだったりデスペナルティだったり。では,これらの要素があったらどうなるのか。あらゆる要素を精査したうえで開発されたのが,このリネージュMなんです。今の時代だからこそ,オンリーワンになれるタイトルだと思っています。

4Gamer:
 スマホ向けMMORPGの流行に流されず,リネージュであることを貫き,結果としては韓国で絶大な人気を獲得しました。その人気のワケはどのあたりにあるのでしょうか。

大河内氏:
 ゲーム内経済を含めて世界がきっちりと構築され,プレイヤーはゲーム内で“生きている実感”を得られる。これが大きな要因ではないかと分析しています。

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4Gamer:
 確かに,黄金期のMMORPGは,狩りをするだけ,クランで仲間と会話するだけでも,その世界の中で生きているような感覚がありました。帰宅したらすぐにログインして,ご飯を食べるときもお風呂に入っているときもログインしっぱなしだった頃を思い出しますね(笑)。

大河内氏:
 もちろん,そうした長くログインして楽しむ需要があることは考慮しています。最低限のオート機能もありますので,スマホでも快適な「リネージュライフ」を楽しめると思いますよ。
 自由度の高いMMORPGなので,ログインしているといろいろな事件が起こるでしょう。その事件の当事者や,目撃者になることで得られる体験は,ほかのゲームでは味わえない本作ならではの醍醐味です。

4Gamer:
 さきほどの話にあった“生きている実感”に通ずる面白さですね。
 リネージュをプレイしたことがない人もいると思うので,ゲームサイクルについてもお聞きします。リネージュMでも,狩りを中心にキャラクターをレベルアップしていき,強化していくのが基本になりそうですか。

大河内氏:
 はい。狩りがゲームサイクルの軸になるのは間違いないです。狩りで経験値を稼いで,どんどんキャラクターを強くしていってください。この部分だけみれば単純明快で,おそらく,ここまでシンプルなものはリネージュMでしか遊べないかもしれません。

4Gamer:
 リネージュだからこそのシンプルなシステムといったところでしょうか。新作タイトルとしては,どこかにオリジナリティを入れたくなりますからね。
 ちなみに,韓国版のリリースから日本版の発表まで時間がかかったようですが,この間は水面下でどんなやり取りが行われていたのでしょうか。実は日本版をリリースしない可能性もあったとか?

大河内氏:
 いろいろありましたね……。詳しいことはいずれ話せる機会があるかもしれませんが,今は春にリリースすることを決定し,皆さまに満足していただけるものをお届けするべく,準備を進めています。

4Gamer:
 分かりました。日本の独自仕様などが盛り込まれるのかも気になるところですが,いかがでしょうか。

大河内氏:
 日本仕様に変えてしまうと,リネージュがリネージュでなくなってしまう危険があると重く考えていますので,海外でヒットしたリネージュMのバランスは極力変えないつもりです。
 ただし,リネージュならではの文化が根付いている国とそうでない国があり,日本は残念ながら根付いていない国に含まれていると私は判断しています。なので,日本版では,細かいゲーム内仕様をしっかりと説明するように調整しております。また,完全新規でゲームを始めても迷わないようにチュートリアルも手厚くしています。

4Gamer:
 ゲーム内のデータ,数値などは変わりがないと。

大河内氏:
 ええ。リネージュらしさが失われることは絶対にしません。それがいまリネージュというゲームの新作として楽しみにしている皆さまが一番気になるところだと思いますし,守るべきところと考えています。


自由度の高さを象徴する「取引所」システム


4Gamer:
 それでは,細かいシステムについてもお聞かせください。ゲーム内経済の話題も出ましたが,「取引所」システムとは具体的にどういったものなんでしょうか。

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大河内氏:
 自分の手に入れたアイテムを,自分で値付けしてほかのプレイヤーに買ってもらうシステムですね。MMORPGとしては基本的な機能ですが,値付けの自由度などが進化の過程で失われていって,昨今のスマホ向けMMORPGしか遊んでいない人には,逆に新鮮に感じるかもしれません。

4Gamer:
 取引所があるとレアドロップの価値が分かりやすくていいですよね。


大河内氏:
 そうですね。資産を増やすゲームプレイも大変楽しいですよ。例えば新キャラクターが実装されたら,その関連装備が飛ぶように売れたりして,かなり活性化するので,うまく立ち回れば資産を一気に稼げるんです。

4Gamer:
 取引所は,リネージュの自由度の高さを象徴するシステムと言えそうですね。ゲーム内で成り上がるべく,あらゆる手段を使って奮闘していた日々再び,といったところでしょうか。思い返せば,ほかのクランをスパイするためのキャラクターを作ったこともありました(笑)。

大河内氏:
 ソロでコツコツレベルを上げていくだけでも,十分に楽しめるゲームになっていますが,闘争心をむき出しにして,上位を目指すのもいいでしょう。

4Gamer:
 原則,PC版準拠であると。逆にスマホ版ならではの要素というのは,オート戦闘くらいなのでしょうか?

大河内氏:
 イベントにワンボタンで参加できるなど,細かいところでは便利になってますが,リネージュとして失ってはいけないものは,削っていない感じです。

4Gamer:
 PC版リネージュで得た知見はそのまま使えるイメージで大丈夫ですか。

大河内氏:
 基本的にはPC版の経験が生かせるものになってますが,アイテムの入手タイミングが違っていたりしているので,経験がある人は,「あの装備はどこで手に入るんだ」と悩むことも少なからずあるかもしれません。その試行錯誤も新しいプレイヤー達と共に楽しんでいただけますと嬉しいです。

4Gamer:
 リネージュプレイヤーとしては,楽しみでしょうがないのですが,運営として,現状で認識している課題はどういったところでしょうか。

大河内氏:
 ゲームの中と外に課題があると認識してます。ゲーム内の課題は,リネージュであることを重要視している中で,グローバル版のゲームバランスそのままで,いかに日本のプレイヤーに楽しんでもらうのか。これについては,開発運営を交えて最終調整を行っている最中で,チュートリアルの改修をするなど,導線をしっかり作っていく必要があると感じています。

4Gamer:
 リネージュは,ある程度継続してプレイしないと本来の面白さにたどり着けないですからね。

大河内氏:
 そうですね。ゲーム内の課題として,より早い段階で「リネージュ」本来の面白さが体感できるよう開発と協力して準備しておりますので,ご期待ください。ゲーム外の課題は,リネージュというタイトルの認知度をいかに上げていくか。ゲーム外への露出も積極的にしていき,友達と「リネージュMをやってるんだ」と会話できるようにしたいですね。

4Gamer:
 若い世代でもリネージュの名前だけは知っているという人は結構いると思うので,リネージュMのリリースタイミングで,ぜひ実際にプレイしてみてほしいですね。

大河内氏:
 今後はリネージュをプレイした経験のある人に,リネージュの昔話をSNSで発信してもらうような企画も考えています。ぜひ皆さまには自身のアカウントで参加いただけますと幸いです。

4Gamer:
 なるほど。残念ながらもうお時間のようですので,最後に4Gamer読者へのメッセージをいただきたいです。

大河内氏:
 皆さんのリネージュに対するイメージを崩さないように,また,リネージュの良さを多くの人にお伝えするため,社内全体が一丸となって頑張っています。公式Twitter(@LineageM_JP)をフォローしつつ,周りの人に,あのリネージュがスマホ向けのリネージュMになって帰ってくるぞ,と声をかけてくださると我々も嬉しいです。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

──2019年2月21日収録。



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