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ラジアントヒストリア パーフェクトクロノロジー公式サイトへ
  • アトラス
  • 発売日:2017/06/29
  • 価格:通常版:6480円(税別)
    限定版「ラジアントヒストリア パーフェクトクロノロジー PERFECT EDITION」:9800円(税別)
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「ラジアントヒストリア パーフェクトクロノロジー」プレイレポート。“面白さに誠実”に制作され,そして生まれ変わった名作RPG
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印刷2017/06/16 12:00

プレイレポート

「ラジアントヒストリア パーフェクトクロノロジー」プレイレポート。“面白さに誠実”に制作され,そして生まれ変わった名作RPG

画像集 No.001のサムネイル画像 / 「ラジアントヒストリア パーフェクトクロノロジー」プレイレポート。“面白さに誠実”に制作され,そして生まれ変わった名作RPG
 現在でも根強いファンを持つアトラスのファンタジーRPG「ラジアントヒストリア」のリメイク作「ラジアントヒストリア パーフェクトクロノロジー」(以下,パーフェクトクロノロジー)が,ニンテンドー3DSで2017年6月29日に発売される。
 実に7年の月日を経て復活した同作は,どのような進化を遂げているのだろうか。さっそく本稿で迫ってみたい。

「ラジアントヒストリア パーフェクトクロノロジー」公式サイト



“面白さに誠実なRPG”として生まれた

「ラジアントヒストリア」


 まずはオリジナル版をプレイしていない人のため,「ラジアントヒストリア」を簡単に振り返っておこう。

 「ラジアントヒストリア」は,アトラスが「アトラスはもう一度,考える。面白さに誠実なRPGとは,何か」というメッセージを掲げ,純粋な“面白さ”にこだわって制作したRPGだ。
 “時間移動”をテーマの1つとし,「時を行き来しながら,歴史をあるべき姿に正す」という使命を持った主人公ストックを中心とした物語が描かれた「ラジアントヒストリア」は,RPGとしての純粋な面白さを持ちながらも,その作風は剣と魔法の世界での物語が展開する,いわゆる“王道”のファンタジーRPGとは少々趣きが異なるものとなっていた。

2010年11月に発売された「ラジアントヒストリア」
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 “王道ファンタジーに時間移動の要素を加える”。言葉にすれば簡単だが,それはなかなか難しい挑戦であったと思う。ファンタジーの世界にタイムトラベルというSF的な要素を入れることで,整合性やまとまりを失ったストーリーになったかもしれないし,どちらかの要素を生かしきれずにそれが浮いてしまう可能性もあったはずだ。
 しかし「ラジアントヒストリア」は,違和感なく時間移動の要素を溶け込ませることに成功し,“誠実に作り込まれたRPG”としてファンからの好評を得た。筆者も当時プレイしたが,先鋭性こそ感じたものの違和感を覚えることはなかった。

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7年の時を経て登場するリメイク作「ラジアントヒストリア パーフェクトクロノロジー」のオープニングを飾るのは,A-1 Pictures制作によるアニメーションだ
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「白示録」が持つ“時を操る魔力”を用いて,

ストックは歴史を正しい結末へ導く


 さて,ここからはゲーム本編の軸となる,ストックが時間を行き来することになるまでの流れを簡単に紹介しよう。

レイニーとマルコの衝撃的なシーン。「パーフェクトクロノロジー」では,描き下ろしのイラストでイベントが展開する
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 神聖国家「アリステル」の情報部に所属するストックは,とある任務中に敵の罠に陥り,仲間のレイニーマルコを失ってしまう。
 絶体絶命の状況に陥ったストックは敵に追い詰められ,自ら橋の上から飛び降りるのだが,気がつくと見知らぬ場所にいた。

 そこは,時間と空間がねじ曲がった不思議な場所「ヒストリア」。そこで出会ったリプティティオという双子から,時を操る魔力を秘めた古の書「白示録」の正統な所持者であり,時間を行き来して歴史を正しい結末へ導く力を手に入れたことを告げられたストックは,自身の任務を続けながら,歴史をあるべき姿に戻すため動き出す。

 なぜ世界が,正しい歴史となるよう修正を必要としているのか? そして,なぜストックが,この不思議な力を持つ白示録の正統な所持者なのか? とても気になるところだろう。

物語の重要人物であるリプティとティオ。果たして彼らの正体は……
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 そうして歴史を正しい方向へ導くために動き出したストックは,歴史の流れを決定付けるような,重要な選択を迫られる場面を何度も迎えることになる。

 その際,間違った選択をしてしまうと,歴史は悲惨な方向に進んでしまい,ゲームを進められなくなってしまうのだが……そこで“バッドエンディング”とはならない。
 白示録の力を使って歴史の分岐点へと戻り,正しい選択を選び直して歴史を作り上げ,先に進んでいくというのが「ラジアントヒストリア」の基本的な流れだ。

 重要な選択を迫られた際に誤った選択肢を選んでしまい,何回も同じ場面に立ち会うことは少なくない。しかし,一度見たイベントはスキップできるので,ストレスが溜まるようなことはないだろう。慎重に,そしてより良い選択肢を選び,世界を正しい歴史へと導こう。

過去に戻って最善の選択をした結果,レイニーとマルコを死の運命から救うことができた
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 なお,この選択次第で命を落としてしまうキャラクターもいるのだが,レイニーとマルコをはじめ,歴史を正すことによって助けることが可能だ。
 親しい者を死から救えた際は,何物にも代えがたい達成感がある。このような物事を描いたタイムトラベル作品は,アニメや映画,小説などでは決して珍しくないと思うが,ゲームでここまで「自分の手で歴史を変えた」という格別な思いを感じられる作品は多くはないだろう。

 ストーリーは悲劇的な展開をみせるシナリオも多く,さらに戦争や政治といった要素も多く含んでいるため,全体的に重たい印象だ。しかし魅力的なキャラクター達による熱い展開や,ホロッときてしまうような要素も多分に含まれており,それらが組み合わさることによって重厚なものに仕上がっている。
 しっかりとしたストーリー性やボリュームのあるRPGを望んでいる人ならば,きっと満足できるだろう。


「グリッド」が生み出す

深い戦略性が魅力のバトルシステム


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 バトルシステムにも一工夫が施されているのが本作の特徴だ。基本はターン制のコマンド選択式だが,「グリッド」と呼ばれる独特のシステムが採用されている。

 3×3のマスに区切られたグリッド内に敵が出現し,バトルはスタート。攻撃した際のダメージは,敵がグリッド上の前列にいればいるほど大ダメージを与えられ,逆に,後方にいるほどダメージが与えにくくなるといったように,どの位置にいるかで大きく変化する。

 では,どのように戦えばいいのかというと,敵の配置をこちらの攻撃範囲に呼び込むように,スキルを使用して敵を強制的に移動させればいいのだ。

 敵を後方に吹き飛ばす「プッシュアサルト」,前方に引き寄せる「プルグラップ」,右に吹き飛ばす「ライトアサルト」,左に吹き飛ばす「レフトアサルト」などのスキルを用いて,最初はバラバラに配置されている敵を1つのマスに集めてみよう。

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 敵を1つのマスにまとめた状態で攻撃すると,一度に複数の敵にダメージを与えられるというのが本作の面白いところだ。このグリッドの仕組みを理解してスキルをうまく使いこなし,さらに攻撃を連続でヒットさせることで発生するコンボを生かした戦い方が身につけば,効率良く敵を倒すことができるだろう。

 少し難しそうな印象を受ける人もいるかもしれないが,コツさえ掴んでしまえばなんてことはない。逆に,グリッドが秘めている深い戦略性が面白くて仕方なくなるはずだ。

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 ここで,本作から加わった要素である「サポートスキル」にも触れておきたい。バトルに参加できる人数は3人までだが,バトル中に一定確率で,サポートスキルを所持している控えのメンバーが飛び込んできて,敵を追撃したり仲間を補助したりしてくれる。
 仲間の「運」パラメータが高いほど発生確率も上がるので,サポートスキルを意識した仲間の育成も,戦術面に影響を与えるものとなるだろう。

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新シナリオ「亜伝」では,

プレイヤーもストックも驚きの連続?


 続いては「パーフェクトクロノロジー」で追加された要素に触れていこう。本作では,先ほど紹介したバトルのサポートスキルのほか,キャラクターデザインの一新,ボイスの追加,新キャラクター,新シナリオの追加といった多数の新要素が盛り込まれている。

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 本作とボイスとの相性は良く,キャラクターが活き活きと声を出して話していると,ストーリーへの没入感も変わってくると感じた。
 とくに悲痛なシーンなどでは,声優陣の迫真の演技がプレイヤーを刺激する。

 一方でクスリと笑えるシーンなどでは,ボイスのなかったオリジナル版とは違う印象があって面白かった。「ああ,ここはこういうニュアンスで話していたのか」と,妙にニヤけてしまうのだ。

ボイス導入によって,さらに魅力を増したキャラクター達
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 「パーフェクトクロノロジー」から追加されたシナリオ「亜伝」も,新要素を語るうえでは外せない。
 「ラジアントヒストリア」には「正伝」「異伝」という2つの時間軸が存在しており,正伝はストックが情報部に残った歴史が,異伝ではアリステル軍の士官で親友でもあるロッシュの誘いを受け,かつて在籍していた軍に戻った歴史がそれぞれ描かれていた。

 そこに追加されたシナリオが,第三の歴史「亜伝」だ。亜伝では,ロッシュが将軍に昇進したり,同じアリステルの人間でロッシュの直属の上司でもあるラウルが,ストックのことを知らなかったり,正伝では死んでしまう“とある”人物を救えたり……と,正伝や異伝とはガラリと異なる世界が描かれている。

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 もちろん初めてプレイする人も楽しめる内容となっているが,とくにオリジナル版をプレイした人にはおススメだ。想像できない物語の展開に,強烈なインパクトを受けることになるだろう。

 注目の新キャラクターで,亜伝の存在を提示する謎の歴史学者ネメシアも深く関わってくるので,こちらも気になるポイントだ。

 なおゲームスタート時には,正伝と異伝をクリアしたのちに亜伝がプレイ可能となる「アペンドモード」と,正伝と異伝,亜伝のすべてを最初から楽しめる「パーフェクトモード」のどちらかを選択できる。好きなほうを選んでゲームをプレイしよう。

中にはハイパースマッシュが通用しない敵もいるので注意しよう
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 また,本作は難度の調整も可能になっており,最も低い難度「FRIENDLY」では,敵シンボルを斬っただけで倒したことにできるフィールドスキル「ハイパースマッシュ」を使える。
 RPGのバトルがあまり得意ではないという人や,ストーリーが気になるからサクサク進めたいという人におススメしたい。


RPG好きなら迷うことなくプレイすべし

正統な進化を遂げた「ラジアントヒストリア」


 プレイレポートは以上になるが,この「ラジアントヒストリア」がリメイクされたことは,当時オリジナル版をプレイしたファンの1人として喜びたい。
 そして,久しぶりに触れた「ラジアントヒストリア」はやはり面白かった。新要素ももちろんだが,オリジナル版の要素も当時と変わらない楽しさがあり,とくに白示録を用いた時間移動と歴史改変のインパクトは,今プレイしても「凄い要素をファンタジーRPGに取り入れてきたな」と,あらためて感心させられる。

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 「ラジアントヒストリア」が発売から7年経った今でも支持されている理由は,時間移動という特別な要素がある前に,まずストーリー,システム,バトルの完成度が非常に高かったからだと思う。だからこそリメイクに対する,オリジナル版のファン,そしてRPGのファンが寄せる期待値は非常に高いはずだ。
 一足先にプレイさせてもらった筆者から言えるのは,本作はその期待を1ミリも裏切ってはいないということ。まさに絶賛の評価だが,これが本作をプレイして感じた筆者の正直な意見なのでしかたがない。

 この記事が掲載されるころには,すでに発売まであとわずかとなっていることだろう。本稿を読んで気になったという人は,ぜひ購入を検討してみてほしい。

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