「リネージュ2M」にワールド単位で参加可能なコンテンツが次々と実装。新領地「アデン」の話も聞けたプロデューサーインタビューを掲載

　NCSOFTの“次世代オープンワールドRPG”「リネージュ2M」（iOS / Android / PC）は，PC向けMMORPG「リネージュ2」の“正統後継モバイルリメイク作品”として2021年3月24日にリリースされたタイトル。そろそろハーフアニバーサリーを迎えようとしている現在は，新領地「オーレン」が追加されたほか，大規模対戦コンテンツ「攻城戦」もスタートしている。

　2021年8月18日には大型アップデート「クロニクルII.ベオラの遺跡」を通じて，（いくつかのサーバーをひとまとめにした）ワールドのプレイヤーを対象とした「ワールド ダンジョン」“ベオラの遺跡”が実装され，続く9月には新領地「アデン」も追加予定となっている。そんなタイミングで，同作の日本プロデューサーである柴田優輝氏にインタビューする機会を得たので，その内容をさっそくお伝えしよう。

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待望の大規模対戦コンテンツ「攻城戦」実装から

はや1か月。プレイヤーの反応は？

4Gamer：
　本日はよろしくお願いいたします。まずは2021年7月に実装された大規模対戦コンテンツ「攻城戦」の振り返りからお聞かせください。


柴田優輝氏（以下，柴田氏）：
　実装にあたっては大きな不具合がなくてほっとしていましたが，「攻城戦」の開催時間については多くのご意見をいただきましたので，1時間繰り下げの21：00開始に変更をいたしました。プレイヤーの皆さまがアクティブな時間帯をあらためて確認し，開催時間の変更を行うという判断となりました。

4Gamer：
　攻城戦への参加率はどれくらいなのでしょうか。

柴田氏：
　サーバーや週によってまちまちなので，一概には言えないですね。攻城戦に向けて血盟や連合メンバー全体でレベルを上げている血盟もあれば，「攻城戦」を盛り上げるためにあえて「攻城戦」を仲間と繰り広げる連合もあるなど，スタンスはさまざまなようです。最強と謳われた血盟がさらなる高みを求めて激戦区のサーバーへと引っ越し，元々サーバーで所持していた城は明けわたすというようなこともありました。

4Gamer：
　ちなみに，プレイヤーがもっともアクティブな時間帯はどのあたりなのでしょうか。

柴田氏：
　18：00〜24：00がいわゆるコアタイムで，中でも21：00〜22：00は活発です。昼間や朝方にログインする人も多く，通勤/通学前に放置狩りを仕込み，お昼休みにアイテムを整理して仕事/勉強に戻るというプレイスタイルの方もたくさんいらっしゃいます。

4Gamer：
　8月4〜10日の期間には初のサーバー移動も行われました。この施策にはどういった狙いがあったのでしょうか。

関連記事：https://www.4gamer.net/games/401/G040106/20210804044/

柴田氏：
　サーバー移動には，サーバー内の状況に変化をもたらすという狙いがありました。移動を決める方々の目的も，気軽なものから大きく動くものまでさまざまでした。

　ほかのサーバーでプレイしている友人と合流する，ほかのサーバーの状況を見てみるために移動するといった方もいれば，攻城戦やPvPでより強い相手と戦うために，あるいは強い血盟がすべてを独占するサーバーから新天地を求めて移動する，それら以外にも別のサーバーから強者をスカウトして仲間に迎えるというケースもあったようです。

4Gamer：
　なるほど。

柴田氏：
　例えば強い血盟を作るにしても，1つのサーバーだけで募集していたのでは人材に限りがあります。今後は定期的にサーバー移動を行えるようにしますので，うまく使っていただきたいと思います。

4Gamer：
　8月18日には大型アップデート「クロニクルII.ベオラの遺跡」が実装されました。目玉の新要素である「ワールド ダンジョン」について，あらためて教えてください。


柴田氏：
　「ワールド ダンジョン」は，同じワールドに属する6サーバーのプレイヤーが一緒に遊べるダンジョンです。
　ワールドとは，サーバーの集まりです。ゲームにログインする際などに「バーツ01」「ジグハルト02」というようなカタカナ＋数字の名前を目にすると思います。この「バーツ」や「ジグハルト」がワールド名ですね。

　1つのワールドは6つのサーバーから成り立っています。例えば「バーツ」ワールドは「バーツ01」〜「バーツ06」という6つのサーバーの集まりであるわけです。そして「ワールド ダンジョン」では，同じワールドに属する6つのサーバーのプレイヤーが一緒に遊べます。「バーツ」ワールドの場合は「バーツ01」〜「バーツ06」，「ジグハルト」ワールドなら「ジグハルト01」〜「ジグハルト06」といった具合ですね。普段は別々のサーバーにいるプレイヤーが一堂に会するのが「ワールド ダンジョン」というわけです。


　そんな「ワールド ダンジョン」である“ベオラの遺跡”は，レベル55以上のキャラクターが1日に2時間だけ入場できる場所です。ベオラの遺跡には「風」「水」「地」「闇」の属性を持つモンスターが登場するエリアと，新ボスモンスター「シェリーホドン」が棲む場所の合計5つのエリアが存在します。モンスターの属性に対応した「プロテクション リング」を用意するなど，属性対策が重要になっています。

風の祭壇	水の祭壇
地の祭壇	闇の祭壇

シェリーホドンの祭壇

4Gamer：
　ドロップはどのような感じになっているのでしょうか。

柴田氏：
　モンスターからはコレクションに使えるアイテムや，最高等級である「伝説級（紫色)」や「英雄級（赤色）」アイテムをドロップします。6サーバーのプレイヤーが一堂に会するので，どこかの狩り場を独占するような血盟も出てくるかもしれません。とくに「シェリーホドン」のようなボスモンスターは，さまざまな「伝説級（紫色）」や「英雄級（赤色）」のアイテムをドロップするので，こちらも狙い目です。

4Gamer：
　強力なアイテムは自分で使いたいですし，コレクションに登録できるアイテムは取引所で売るか，コレクション用にストックするか。非常に悩ましいことになりそうですね。

柴田氏：
　新たな英雄級アイテムについては，ドロップ以外にも入手方法が存在します。“ベオラの遺跡”で入手できるアイテム「ベオラの印」をコツコツためて交換するというものです。

4Gamer：
　英雄級アイテムが交換で手に入るというのは大きいですね。

柴田氏：
　アイテムにもよるのですが，「ベオラの印」の必要量が結構多いものもあります。

4Gamer：
　それでもドロップ頼みだけでないというのは，モチベーションが上がると思います。今後は“ベオラの遺跡”以外の「ワールド ダンジョン」が増えていくのでしょうか。

柴田氏：
　もちろん，新たな「ワールド ダンジョン」が実装される予定です。高レベルのキャラクターに向けたものや，新しい遊び方をご提供するものなど，さまざまなものが予定されています。こちらも詳細な時期についてはお伝えできないのですが，今後の情報を楽しみに待っていてください。

4Gamer：
　「ワールド ダンジョン」が実装されるとなると，次に気になるのは，かねてから噂があった「ワールド攻城戦」がいつになるかということですね。

柴田氏：
　9月ごろの大型アップデート「クロニクルIII.豊穣の時代」で実装される予定です。「ワールド ダンジョン」と同様に，ワールド単位で「アデン城」を奪い合うというもので，実装以降は「攻城戦」と「ワールド攻城戦」が交互に開催されるようになります。

4Gamer：
　すでに攻城戦で城を手に入れた血盟もワールド攻城戦に参加できるのでしょうか。

柴田氏：
　参加可能です。税収も「攻城戦」の城と，「ワールド攻城戦」の“アデン城”の両方から受け取れます。“アデン城”はワールドに属する6サーバーすべての「アデン領」から税収を得られるのも見どころです。


4Gamer：
　“アデン城”内部のマップはどのような形状となりますか。

柴田氏：
　6サーバーの血盟が集まることになるだけに大規模です。城門が5つあり，この奥にある「守護石」を破壊すれば，内城へのポータルが4つ開きます。攻撃側，防御側ともに5つある城門に戦力をどう割り振るかが重要になってきます。

　攻撃側は城門を突破し，守護石さえ突破できれば，4か所のポータルで多くの戦力を内城へと送り込めます。防御側が1つの血盟だけで守り切るというのは難しいので，ほかの血盟に声をかけて連携することが必要になるかと思います。受け持ちを決めたり，ほかのサーバーの血盟にも声をかけてサーバー単位で単位で部隊を組んだりと，戦術の幅がこれまで以上に広がります。実装が近くなりましたら，あらためて公式サイト内にガイドを公開しますので，ぜひご注目ください。


4Gamer：
　他サーバーの血盟との連携も視野に入れていったほう良さそうですね。

柴田氏：
　さまざまなサーバーにキャラクターを作るのが手っ取り早いでしょうか。「連合」機能で各連合の人数を調べたり，サーバー移動を利用したり，Twitterで情報を収集したりするのも“あり”だと思います。

4Gamer：
　新領地となる「アデン」はどのようなロケーションとなっているのかもお聞かせください。

柴田氏：
　新領地「アデン」は，自然豊かな土地で，滝や森，平原といった新たな狩場が用意されています。前回の「オーレン」領地と同様に，アイテムの入手経路が増えたりもしていますので，取引所など，ゲーム内のさまざまな状況に変化が生まれるでしょう。


4Gamer：
　ありがとうございました。……もうお時間のようなので，最後にプレイヤーと読者へのメッセージをいただきたいです。

柴田氏：
　これからの「リネージュ2M」は，「ワールド ダンジョン」や「ワールド攻城戦」によって，サーバーの枠を超えた戦いへと変化していきます。今後はご自身のサーバーにいる血盟だけでなく，ほかのサーバーの血盟との合流なども視野に入れ，新たな「リネージュ2M」を楽しんでみてください。
　このインタビューが公開された翌日となる9月1日より，先ほどお話した大型アップデート「クロニクルIII.豊穣の時代」の事前登録が開始予定です。「クロニクル I.象牙の塔の賢者たち」のように，事前登録を行うとクーポンの発行もできるので，ぜひ明日の情報公開を楽しみにお待ちいただければと思います。


──2021年8月10日収録。

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