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「ラブロマ」や「金剛寺さんは面倒臭い」で知られる漫画家・とよ田みのる氏。そのとよ田氏が月刊「ゲッサン」で連載中の青春漫画「これ描いて死ね」(ゲッサン少年サンデーコミックス/既刊10巻)は,「第70回小学館漫画賞」をはじめ,「マンガ大賞2023大賞」や「次にくるマンガ大賞」(2022年)など,数々の賞を獲得した人気作品だ。
というわけで,「そうだ アニメ,見よう」第268回のタイトルは同作をアニメ化した「これ描いて死ね」(毎週金曜23:30〜日本テレビ系ほか)。制作はシンエイ動画,シリーズ構成は「ふらいんぐうぃっち」(関連記事)や「地獄先生ぬ〜べ〜(2025)」の福田裕子氏が担当。監督は「からかい上手の高木さん」や「僕の心のヤバイやつ」(関連記事)の赤城博昭氏が務めている。
「これ描いて死ね」
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伊豆王島で暮らす安海 相(やすみあい,CV:関根明良)は,漫画が大好きな高校1年生。☆野0(ほしのれい)の漫画「ロボ太とポコ太」の大ファンで,漫画に登場する「ポコ太」(CV:日髙のり子)をイマジナリーフレンドとして,日々を送っている。
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ある日,☆野0が同人誌即売会「コミティア」で10年ぶりに新作を頒布すると知った安海は,東京へ渡ってコミティアへと足を運んだ。
そこで安海は,憧れの☆野0が自身が通う学校の教員である手島 零(てしまれい,CV:早見沙織)だと知り衝撃を受ける。早速,手島に漫画を教わろうと頼むが,まったく相手にされない。友人の赤福 幸(あかふくさち,CV:藤村花音)は,漫画研究会(漫研)の設立を思い立つ。
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難色を示す手島だったが,安海の情熱に打たれ,「プロを目指さないこと」を条件に設立を認める。新たに美術部員の藤森 心(ふじもりこころ,CV:仁見紗綾)を仲間に加え,安海の行きつけの「寺村貸本店」の2階を部室として漫研は活動を開始した。
顧問・手島の指導のもと,漫画制作への挑戦を開始する一同。そんな安海らの前に,東京からの転校生・石龍 光(せきりゅうひかる,CV:水瀬いのり)が現れる。彼女は「ストーンドラゴン」というペンネームで有名な同人漫画家だった。
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安海らは,光を漫研へ誘うが「そういうのはいいかな」と断られる。ところが手島が☆野0だと知った光は,漫研への参加を承諾し,「一緒にコミティアへ行こう」と言い出すのだった。
離島を舞台にした青春グラフィティ
アニメやゲームと共に,“日本の誇れる文化”として定着した「漫画(MANGA)」。ここ10年で爆発的に海外へ広がり,2025年時点では世界市場規模が約140億ドル(約2兆2000億円)とも推定されているという。
その漫画制作に情熱を燃やす少女たち,「王島南高校漫画研究会」の青春を描いているのが本作「これ描いて死ね」だ。
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画力は拙いが,溢れるほどの漫画への情熱を持つ安海 相と,確かな技術をベースに卓越した画力を備える藤森 心,2人の作品を一切妥協せずに寸評する赤福 幸の3人がペンネーム「赤福 想」を名乗り,コミティアを目指して奮闘する。
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ノートに下書きもせずにボールペンで描いていた安海の漫画が,藤森の画力や手島の指導を受けて成長していく。とはいえ同人作家の数は,日本では数百万人にのぼると推測されており,けっして甘いものではない。
漫研として初めて参加したコミティアで,安海はそれを思い知ることになる。だが彼女は相棒のポコ太に支えられ,「こんなとき,漫画の主人公ならどうする?」を合言葉に,さまざまな苦難を乗り越えていく。
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どんなときもくじけない安海の姿が,舞台となる伊豆王島の大自然と相まって,爽快な気分にさせてくれるのだ。少女たちのピュアさが胸に刺さって何度も涙ぐむ,手島先生の気持ちが大変よく分かる。
ちなみに,伊豆王島のモデルは原作者・とよ田みのる氏の故郷・伊豆大島だ。「三原山」や「泉津の切通し」といった実際の名所が登場し,ちょっとした観光気分を味わえるのもうれしい。聖地巡礼がはかどりそうだ。
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「漫画を描く楽しさ」が原動力
「漫画」をテーマにした作品は,これまでにも藤子不二雄氏の「まんが道」をはじめ,「バクマン。」や「かくかくしかじか」など,数々の名作が世に送り出されている。学生時代から漫画家を目指してプロデビューし,その後の作家活動を描いたそれらの作品と本作の違いは明確だ。
漫画家を目指す以前の「漫画の楽しさとは何か」にウェイトが置かれているのが本作なのだ。「漫研の活動はあくまで趣味の範囲で」という手島の教えもあるが,漫画で身を立てていくという目標ではなく,面白い漫画を描きたい気持ちが物語を進める原動力となっているわけだ。
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そして,本作最大の特徴となっているのが,手島の過去を描いた「ロストワールド」の存在だ。第7話のサブタイトルにもなっているが,これは本作が発表される前に「週刊ビッグコミックスピリッツ」に掲載された前日譚。漫研顧問の教員「手島 零」がどのようにして「☆野0」となり,そして挫折したかが描かれている。
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この作品が本編に組み込まれており,無垢な安海たちのポジティブさと,過去の手島が自分の限界を知るネガティブな部分が,対比される形で存在しているのだ。
原作では,完全に本編ストーリーとは別仕立てで進行していたが,アニメ化にあたって,監督の赤城氏は物語に溶け込むよう苦心したという。
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この「ロストワールド」は,とよ田氏自身の体験をベースにフィクションを織り交ぜて構成されているそうだ。このエピソードによって,本作には漫画制作の“光と闇”が表現され,物語に深みが生まれている。
なお,第1話の「来るべき世界」とこの「ロストワールド」は手塚治虫氏の漫画のタイトルオマージュなのだとか。
あれは手塚先生昔の漫画のタイトルオマージュなのと(初期のSF三部作で『来るべき世界』(第一話サブタイトル)というのと『ロストワールド』というのがありまして)未来に進む若い子達と挫折の経験のある先生の対比をタイトルでもしたかったんですね。
— とよ田みのる (@poo1007) May 17, 2022
その二つの軸でお話が進むと思うので。 https://t.co/JWaZpXAJk0
シンエイ動画のこだわりの演出
本作のタイトル「これ描いて死ね」は,とよ田氏がいつも自分自身に言い聞かせる言葉だ。そこには,漫画に全力を注ぐ作者の熱量が見て取れる。
「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」などを手掛ける老舗「シンエイ動画」は,そんな熱い物語に,ポップなアニメ表現とこだわり抜いた美術(背景)を添えて盛り上げている。第7話のネーム状態から完成原稿まで,漫画の工程になぞらえた演出もおもしろい。
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漫画を描く楽しさを原動力に,仲間たちと成長していく少女たちの姿を描いた本作。漫画への愛情と青春のまぶしさが詰まった,爽やかな作品に仕上がっている。公式サイトを見る限り,9月25日放送の第12話での完結が予定されているが,どのような結末を迎えるのか。できれば続編も観てみたいところだ。
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| 放映データ |
|---|
| 2026年7月〜毎週金曜23:30〜日本テレビ系列ほか |
| キャスト | |
|---|---|
| 安海 相:関根明良 | |
| 手島 零:早見沙織 | |
| 藤森 心:仁見紗綾 | |
| 赤福 幸:藤村花音 | |
| 石龍 光:水瀬いのり | |
| ポコ太:日髙のり子 | |
| 寺村 七:種﨑敦美 | |
| 金剛寺 華:ゆかな | |
| へびちか先生:井上喜久子 | |
| スタッフ |
|---|
| 監督:赤城博昭 |
| シリーズ構成:福田裕子 |
| 脚本:福田裕子、伊丹あき、加藤還一 |
| キャラクターデザイン:瀬川健寿 |
| 色彩設計:柳澤久美子 |
| 美術監督:春日礼児 |
| 撮影監督:浜尾繁光 |
| 編集:肥田 文 |
| 音楽:堤 博明 |
| 音響監督:天野龍洋 |
| 音響制作:ビットグルーヴプロモーション |
| OPテーマ:キタニタツヤ「遺書」 |
| EDテーマ:リーガルリリー「コニファー」 |
| アニメーション制作:シンエイ動画 |
| 製作:王島南高校漫研 |
| (C)とよ田みのる/小学館/王島南高校漫研 |






































