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今さらだけど「Slay the Spire」を通じて“デッキ構築ローグライク”の死ぬほどおもしろい魅力を伝えたい
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印刷2024/01/31 08:00

企画記事

今さらだけど「Slay the Spire」を通じて“デッキ構築ローグライク”の死ぬほどおもしろい魅力を伝えたい

「このゲームに出会って人生が変わった」
 皆さんにはそう思える作品があるだろうか?

 程度の差こそあれ,ゲームは人生に多大な影響を与える。最高におもしろかった。とても感動した。何千時間と遊んでもやめられない。
 誰しもそうした作品が1つはあるだろう。

 私にとってはそれが「Slay the Spire」(以下,StS)だった。

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 MEGA CRIT GAMESが2017年に公開した本作は,PC / PS4 / Xbox One / Switch / iOS / Androidで遊べる“デッキ構築ローグライク”だ(ジャンル名はローグライクカードゲームなどとも呼ばれる)。

 ゆったりと遊べるターン制カードゲームにして,無限の奥深さが味わえる本作は,同ジャンルの火付け役であり,超有名なインディーゲームの1本にも数えられるため,ご存じの人も多いだろう。

 私も当時はそのゲーム性の虜となり,家ではPCで,外出時はSwitchで遊んでいた(クロスプラットフォーム未対応により,PC版とSwitch版でデータ共有はない,ただ,いつでもやりたかっただけ)。
 そうしてStSに死ぬほどハマって以来,Steamセールの時期にデッキ構築ローグライクを探し回る“デキロージャンキー”と成り果てた。

 そこで本日は,StSがなぜおもしろいのか。デッキ構築ローグライクの魅力とは。これらの解をデカめの感情を込めつつ伝えていきたい。もしプレイしたことのない人がいたら,読まずにいいから今すぐやってみてほしい。クセだらけの絵柄さえ乗り越えられれば――。


 マジ神ゲーなんですよっ!!!


本稿ではPC版を紹介。機種ごとに一部用語が違うので注意(↑は参考のSwitch版)
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StSってなんじゃい?


 まずはStSの概要から紹介していこう。

 本作はターン制カードバトルにローグライク要素を加えた,シングルプレイ専用のゲームだ。挑戦するたびに構造が変化するマップのなかで,塔の最深部にいるボスを撃破すればクリア。そして,勝利しても敗北してもまたイチからスタートとなる。なのにジャンキーになる。

ゲームクリアしてもまたニューゲーム。「なんにも得られないのに,なんで繰り返し遊んでるの?」なんて言われても,おもしろいからに決まってる!
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 まずは魅力の核となる「バトル」について解説する。

 下の画像の見方は,左側に表示されているのがプレイヤーキャラクターで,右側に表示されているのが倒すべき敵だ。基本はターン制バトルで,自分のターンが終了したあとに敵が行動する。

 攻防の計算式は「与ダメージ−ブロック値=HPへの被ダメージ」と単純で,ゲームオーバー条件も「HPが0になれば終了」とシンプル。

 自ターンでは“敵の次ターンの予定行動”も見られるので,攻撃するか防御するかを考慮し,攻防をかみ合わせるのが大切だ。

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 ターンが回ってきたら,手札となるカードをデッキから5枚補充され,行動力に相当する「エナジー」も最大値(初期値3)まで回復する。
 カードには必要エナジーが表記されているため,限られたリソースの組み合わせで,いかに最適解を導き出せるかがカギとなる。

 TCGやDCGにおけるマナの概念を知っていれば,理解はたやすい。

 手札はターン終了時にすべて捨てられるが,デッキ切れと同時にそれまでの捨て札が回収され,シャッフル後に配り直しとなる。いわば永久サイクルだ。デッキ枚数が少ないことがデメリットにならないため,“デッキ枚数を抑えて,強力なカードで固める”のも戦略となる。

 これもまたTCGなどのデッキ構築における,圧縮の概念と同じだ。

カードにはコモン(白),アンコモン(青),レア(黄)のレアリティが設定されており,基本的にレア度が高いほど効果も強力になる
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ゲーム内通貨を“支払って”カードを消す機能もある。はじめのうちは「こっちがカード売るのに金取んの!?」と思ったものだが,弱いカードはドローすること自体がロスになるので,ぜい肉を取り除くのは大切。近年の人気作で言うと“ヴァンサバのシール”に近い
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 カードには「アタック」「スキル」「パワー」の3種がある。

 アタックは,敵にダメージを与える札。スキルは,被撃を防ぐブロック(防御値)を増加したり,バフ・デバフをかけたり,ドローエンジンになったりする札。パワーはその戦闘中のみ永続効果を付与する札だ。

 当のカードは,ゲーム開始時に約10枚の初期デッキが与えられ,敵の撃破やイベントを通じて増やしていく。そうしてボスまでの道のりでデッキを強化していく。この点は実にローグライクな楽しさだ。

 なお,初期デッキはめちゃくちゃ弱いので,序盤はとにかくカードを拾ってデッキを整えなければならない。まともな札を拾えないときは本当に地獄で,新聞紙の剣で百獣の王に挑む気分を味わえる。
 まさに理不尽と言うほかないサイコーの楽しさだ。楽しいよね?

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カード入手時は,3枚の候補カードから1枚を選ぶ。必要ないときはスキップを使うのも重要。まさにローグライクらしい,ランダム性のある取捨選択のお時間だ
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 ゲームをはじめると,プレイヤーはランダムな初期ボーナスを獲得したあと,乱数生成されたマス目方式のマップに放り込まれる。全50階層からなるマップは一定区間で区切りがあり,レベル1のボスを倒したらレベル2に,レベル2のボスを倒したら最終レベル3へと移っていく。

 自由に選べるスタート地点はいくつかのルートに枝分かれしており,最奥のレベルボスに向かって収束していく。道は点線でつながる進路のみ移動可能で,1マスずつしか進めず,後戻りもできない。
 地図全体を眺めて,最善と思わしきルートを選び抜くのが定石だ。

 ゲーム進行に関してはつまり,ボードゲーム的なものである。

下の画像が選べるスタート地点。上の画像が最奥地のボス
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 マスの種類は「未知」「商人」「財宝」「休憩」「敵」「エリート」,そして「ボス」の7種だ。移動して踏むとそれぞれの展開が発生する。

 ザコの敵,中ボスのエリート,各レベル目標のボスは戦闘マスだが,道中の敵の大半はけっこう強いので,戦闘自体が油断できない。

エリートは最初の関門。序盤で強いカードを拾えていなければ,あっさり負ける
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 商人マスでは,敵を倒すなどして獲得した「ゴールド」を使い,カードやレリック(常在効果のアイテム)やポーション(使い切りの特殊効果)を購入したり,デッキの不純物になるカードを削除したりできる。

 財宝マスでは,レリックとゴールドを入手。休憩マスではHP回復かカードのアップグレードを選択。そして未知マスではランダムイベントが発生するか,敵・商人・財宝のいずれかの展開が発生する。

未知マスのイベントはメリットもデメリットもさまざま。基本はいいこと多め
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 商人や財宝,あるいはエリートやボスから入手できるレリックは,所持しているだけでさまざまな恩恵をもたらしてくれる。

 RPGで言うところの装備品に近いこれらは,戦闘をまあまあ有利にしてくれるものから,めちゃくちゃ強力なものまで多種多様。
 とくにボス討伐で得られる「ボスレリック」は,ゲームチェンジャーと言ってもいい性能で,その後のレベル攻略に大きく影響する。

ボスレリックは,ターン終了時に手札を捨てなくなるもの,エナジーが1増える代わりにデメリットがあるものなど,強力なアイテムが多い
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 続けて,プレイヤーキャラクターについて紹介しよう。

 キャラはゲーム開始前に選べるが,種類は4人。たった4人だ。しかし,それぞれの特性は大きく異なり,独自のギミックも備えている。カードの取捨選択によるデッキ構築もプレイごとに毎回変わるため,少なくとも「キャラが4人しかいなくて飽きる」と思うことはない。

 これまで1000時間以上は遊んでいるが,思ったことはない。
 ※アイアンクラッド以外はアンロック条件アリ


■「アイアンクラッド」

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 鉄仮面の狂戦士。与ダメージを上乗せできる筋力を高めて,攻撃回数の多いカードでコンボを狙ったり,自傷ダメージ付きのカードで大ダメージを与えたりと,火力に優れているファイター系。

 スターターレリック「バーニングブラッド」の効果で,戦闘終了時にHPが6回復するため,道中のザコ戦も火力によるゴリ押しがしやすい。ただし,リスク管理が難しいので意外と上級者向け。


■「サイレント」

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 女の殺し屋。ダメージを毎ターン与える毒や,手数を重視する持久戦が基本戦術。ブロック値に上乗せされる敏捷性を高めることで,出自のイメージにそぐわぬ高い防御性能を得られる。

 アンコモンのパワーカード「フットワーク」はサイレント屈指の強カード。ドローカードが豊富で,攻防ともに対応力に優れているので,一部ボスを除いて立ち回りやすく,誰にでも扱いやすい。


■「ディフェクト」

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 戦闘用ロボット。独自要素「オーブ」を中心に戦う,持久戦向きのスタイル。オーブは専用スロットで管理され,ターン終了時に敵を攻撃したり,ブロックを増やしたりと自動効果を発生させる。

 オーブ生成数が上限を超えると,最も古いオーブが強力な解放効果を発揮し,消滅する。オーブを活用するためのパワーカードには強力なものが多いため,下準備に時間はかかるが,強手札をそろえてボスに当てるときの無双感はとても気持ちいい。一方,ザコにHPを削られがち。


■「ウォッチャー」

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 盲目の苦行者。独自要素「スタンス」を切り替えて戦う。スタンスには,スタンス解除時にエナジーが2回復する“平静”。与ダメージ&被ダメージ2倍の“憤怒”。1ターンしか持続しないが,スタンス発動時に3エナジー回復+与ダメージ3倍を得られる“神聖”の3種がある。

 説明のとおり神聖がやけに強力だが,こちらの発動には専用バフのスタックをためる必要があり,余分な下準備が求められる。憤怒による高火力とダメージ計算を駆使すれば,戦闘をノーダメージで切り抜けやすく,ゲームへの理解が深まるほどクリアしやすくなる。


一言で言うと,おもしろい!


 肝心のおもしろさについては,個人的には「すべてがおもしろい!」と叫んで終わらせたいくらいだが,それだと話にならないので,おもしろポイントをいくつかピックアップしていこう。

 とはいえ,TCGやローグライクに理解のある彼・彼女タイプな人なら,「ランダムなデッキ構築で右往左往し,プレイングで状況を切り抜ける」という構図を理解した時点で,片足が沼に入っているだろうが。カードデッキありのSLGやボードゲームが好きな人も同じ穴のムジナだ。

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 あらためて,初プレイの人はずば抜けたセンスでも持っていない限り,序盤のエリートに負けて終わるだろう。私も最初は「ブロックカードないのにダメージ24はしてきちゃダメじゃない?」「このゲーム,バランス悪くない?」と思っていたし,そのまま憤って死んだ。

 本作には新カードのアンロックこそあるものの,次のプレイが有利になる育成要素はない。遊び続けて,もっと先に進めるようになり,「もしかして俺,StSうまい?」の達成感を少しずつ摂取していくだけ。
 なのにそれが,とんでもなくジャンキー成分なのである。

ベテランだろうと,カードの引きが悪いと序盤から苦しく,簡単に死ねる
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 バトルに奥深さを生んでいるのは「敵の次の行動を確認できる」という点だ。敵が攻撃してくるのか,防御してくるのか,はたまた特殊な動きを見せるのか。事前に確認できることで完璧に対応したくなる。

 攻略中はHPの回復手段が乏しく,HPが減るほどに次のバトルも厳しくなる。そのため,敵の攻撃時に防御しなかったり,カードを選び間違えたりすると大変なことになる。その緊張感がミソというわけだ。

敵の攻撃には防御を合わせる。基本にして永遠に大事
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 ゆえに最重要は「最終的に被ダメージが最も低くなる行動を選ぶ」ということ。例えば,敵が12ダメージの攻撃を予定しているとき,“1エナジーで5ダメージを防げるカードが3枚ある”とする。

 このとき,ただ守るのではなく「防御×2で2ダメージはHPで受けつつ,敵を削っておくほうがいいかも」「デッキの残り枚数的に次ターンで倒せるから,ここは防御」「この敵はダメージを底上げしてくるから,全部受けてでも削りたい」などと,いろいろな選択肢が思い浮かぶ。

 といったように,目の前の状況に応じるだけでなく,次の次まで考慮するプレイングが重要であり,楽しさを加速させてくる。さまざまな可能性に思考をめぐらせられるところが,StSの奥深さなのだ。

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 次に,ジャンル名にもなった「デッキ構築」の魅力を挙げたい。

 ゲームを始めたばかりのころはあまり意識しないでいいが,StSのデッキは“カード比率のバランス感”が極めて重要だ。
 アタックがないと敵が倒せない。スキルでブロックしないと被弾がかさむ。パワーがないと持久戦で勝てなくなる,などなど。

 こうした状況に対応すべく,デッキに追加していくカードはバランスよく差していくのが勝利の鉄則である。本当に,カードゲームらしさとローグライクらしさのバランス感がすばらしい。

デッキを眺めて,タイプで並び替えをし,種別の比率をチェックするのが大事
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 実際にデッキ構築したときのカード比率は人それぞれだろうが,とくにおろそかになりがちなのはブロックカードである。
 こちらはアタックカードと比べて爽快感がなく,ほかのカードとのシナジーも薄いので,どうしても後回しにしがち。けれど,不必要な急死から救ってくれるのは,いつもブロックになりがち。

 強いアタックと,大して強くないブロックが並んでいるとき,1度デッキを見よう。そこで「アタックは十分だからブロックを拾おう」と自らを律し,判断をする力を鍛えることが最大の命綱となる。

スキルを使うたびに火力が上がる敵もいる。スキルばっかりだと痛い目見るぞ!
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 カードバトルという幅広い選択肢を与えられているStSは,攻略法も多様である。例えば,手札にきたら不利益しかない「呪い」のカードも,それと引き換えにメリットを得られるレリックがあるため,喜んで呪われにいくというプレイスタイルもしばしば発生する。

 また,一見すると明らかに使えない“強烈な効果の代わりに激烈なデメリット”があるカードも,コンボシナジーを突き詰めるとその限りではなく,一転して有用さが光り出したりする。
 こうした「使いにくいカードをどう使ってやろうか」という好奇心をくすぐられることで,うまく使えたときの快感はひとしおだ。

高レアのカードはクセ強めなのが多い。使いこなせればカッコイイがスルーしがち
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 そして個人的に,StSの一番おもしろい点は「ランダム性の高さ」だと思っている。本作はカード要素とローグライクを組み合わせているからこそ,10回プレイすれば10回違うデッキができるし,マップも異なるから道のりも展開もガラリと変わる。これが本当によくない。

 序盤から強いカードを引きまくり,最強コンボを決めまくる快楽指数最大のときもあれば,ゴミカードしか引けずにエリートに蹂躙されるときもある。そして,たとえボロ負けしても“超気持ちよかったとき”が忘れられず,「もう一度,味わいたい……」と何度も挑戦してしまう。

 StSはもはや,買い切り型のパチンコだと思っている。

36ダメージを11回与えるとかいうロマンコンボ。きもちーに決まってるよね!
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 そのうち,遊びすぎてクリアが余裕になっても「アセンション」をいじればいい。アセンションはプレイにさまざまな縛りを与える機能で,全レベル20まで存在する。適用時は該当レベル以下の要素もすべて反映されるため,レベル20となれば“20個の制約”が課せられる。

 ここまでいくと,どんなに慣れていてもそう簡単にはクリアできなくなり,常に困難な目にあえる。しかも,どれだけアセンションを盛ったとしてもゲーム性が破綻することはない。設計面も優れているのだ。

アセンション20となると,縛りの数が多すぎて内容を覚えていられない
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 こうしたおもしろさはStSのみならず,後続のデッキ構築ローグライクゲームたちも同じだ。どれも「上振れを引いたときの快感を楽しめ!」という醍醐味を前提に作られているものが多い。

 極端に言えばそれは“運ゲー”なのだが,彼らは単なる運と思わせず,蓄積した知識や経験が生かされる側面と,思考をフル回転させてピンチを切り抜ける極上の感覚を強く味わわせてくれる。そこがすばらしい。これが同ジャンルで共通して培われてきた魅力の核なのだ。
 私も原則,「負けたときは運が悪い。勝ったときは俺がうまい」と超自己中心的に楽しんでいるし,それがこのジャンルの楽しみ方における自分なりの,デキロージャンキーなりの正解だと思っている。

 そこで最後に“StS以外のデッキ構築ローグライク”もいくつか紹介しておこう。いずれも独自のおもしろさがてんこ盛りだ。


★「クロノアーク」

 StSフォロワーな作品としてまずオススメしたいのが「クロノアーク」だ。本作はJRPGらしさのある,パーティ戦闘が特徴のデッキ構築ローグライクとなる。アニメ調の絵柄がかわいらしく,ストーリーも濃いめなので日本のゲーマーには取っつきやすい。システムが複雑で難度もしっかりしているので,デキロージャンキーにこそオススメだ。

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★「Backpack Hero」

 デッキ構築ローグライクにおいて“カバン整理”というジャンルを生み出したのが,この「Backpack Hero」。デッキではなくカバンにアイテムを詰め込み,その中身を使って攻略していく。強力な物はサイズが大きかったり,しまう場所によって効果が異なったりと,カバンの中身に無限の可能性を感じるだろう。1人用ストーリーモードもあり。

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★「Alina of the Arena」

 ヘックスとポジショニングの概念が特徴の「Alina of the Arena」は,敵の攻撃を避けて同士討ちさせたり,遠距離攻撃をメインに戦ったりと,さまざまなバトルスタイルを駆使できる。決闘場が舞台なので,逃げてばかりいると観客から罵声を浴びせられたり,お金やアイテムが投げ込まれたりするが,それもまた本作ならではの演出だ。

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★「One Step From Eden」

 名作「ロックマンエグゼ」をリスペクトした「One Step From Eden」では,自陣4×4と敵陣4×4の計32マスで戦闘が行われる。他作品と比べて圧倒的なスピード感とアクション性がウリゆえに難度も高めだが,デッキ構築ローグライク特有の「上振れでぶっ壊せる」ところは生きている。アクションも好きという人にはこちらをおすすめしたい。

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★「スーパーバレットブレイク」

 「美少女系はねーのか!?」と言われたら「スーパーバレットブレイク」の出番だ。戦闘ではコスト相当の行動ゲージを管理し,キュートなバレットたちを撃ち出して戦う。強力な行動=ゲージ高消費で行動機会が減る=敵の動きの回転率に影響といった流れのため,手番の熟慮が楽しい。カードシナジーも明確で,理想のデッキが完成すれば快感も倍増。

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 デッキ構築ローグライクは現在も,日々さまざまなジャンルと融合し,新鮮な新作タイトルが送り出されている。

 ただ,新鮮でありながらもルールがある程度は共通しているおかげで,新たに学び直さずともセオリーを使い回せる。細分化されたサブカテゴリだからこそ,肝心のコンセプトが際立っていると言える。
 だから同じような快感を,新たな感覚で得たいがために,私はデキロージャンキーとして類似作品を遊びまくってしまうわけだ。

 デッキ構築ローグライク。意識せずとも触れて楽しんできた人もいるだろうが,この機会にあらためてジャンルとして再認識し,遊んだことがない人ともどもドップリ浸かってみてほしい。
 さすれば,気付いたころには1000時間は余裕で遊ぶはめになり,随まで虜になっているはず。さあ,一緒にデキロー沼にダイブしよう!

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