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PalitのRTX 3080 Ti搭載カード「GeForce RTX 3080 Ti GameRock OC」を試す。消費電力は大きいがRTX 3090をしのぐゲーム性能は魅力だ
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印刷2021/09/06 19:00

レビュー

消費電力は大きいがRTX 3090をしのぐゲーム性能は魅力

Palit GeForce RTX 3080 Ti GameRock OC

Text by 宮崎真一


 NVIDIA製のハイエンド市場向けGPUである「GeForce RTX 3080 Ti」(以下,RTX 3080 Ti)は,GeForce RTX 30シリーズの最上位モデルとして君臨する「GeForce RTX 3090」(以下,RTX 3090)と,ゲームにおいて匹敵する性能を発揮することで注目を集めた。
 グラフィックスメモリ容量が24GBもあるRTX 3090と比べて,RTX 3080 Tiは同12GBで少ないといったビハインドはあるものの,実勢価格が29万円前後という最上位モデルに比べれば実勢価格が安く,ゲーマーにとって現実的な選択肢と言えよう。では,メーカーレベルで動作クロックを引き上げたRTX 3080 Tiのクロックアップモデルは,どの程度の性能を発揮するのだろうか。

 今回は,Palit Microsystems(以下,Palit)のRTX 3080 Ti搭載モデル「GeForce RTX 3080 Ti GameRock OC(以下,RTX 3080 Ti GameRock OC)を取り上げ,その実力に迫ってみたい。

GeForce RTX 3080 Ti GameRock OC
メーカー:Palit Microsystems
実勢価格:18万円(税込,2021年9月6日現在)
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 なお,GPUであるGeForce RTX 3080 Tiの説明は,関連記事1および関連記事2を参照してほしい。

RTX 3080 Ti GameRock OCの製品ボックス(左)と同梱物(右)。グラフィックスカード本体以外に,PCI Express補助電源コネクタの6ピン×2を8ピン×1に変換する電源ケーブルと,カードのLEDイルミネーションをマザーボードのそれと同期させるための「ARGB Sync Cable」が付属する
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ブーストクロックは1725MHz

テスト中に確認した最大クロックは1920MHz


GPU-Zの実行結果
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 まずは,RTX 3080 Ti GameRock OCの動作クロック設定を見ていこう。
 本製品のブーストクロックは1725MHzと,これはリファレンスの1665MHzから60MHz分引き上げられている。一方,ベースクロックは公開されていないものの,「GPU-Z」(Version 2.41.0)で確認すると1365MHzで,これはリファレンスと同じだ。

NVIDIAコントロールパネルからシステム情報を確認したところ
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 後述するテスト環境において,テスト中の動作クロックをGPU-Zで追ってみたところ,1950MHzまで上昇しているのを確認した。RTX 3080 Ti Founders Editionでは1920MHzまでしか上がっていなかったので,RTX 3080 Ti GameRock OCはより高いクロックで動作すると言って差し支えない。ただ,メモリクロックは19GHz相当なので,こちらはリファレンスから変わりはない。
 なお,付属アプリケーションの「Thunder Master」(Version 4.9)を用いれば,各種オーバークロック関連の設定を行うことが可能だ。具体的には,

  • ブーストクロック:−1000〜+1000MHz(1MHz刻み)
  • メモリクロック:−1000〜+3000MHz(1MHz刻み,4Gamer表記では16MHz刻み相当で−2000〜+6000MHz相当)

の範囲で調節できる。そのほかに,GPUのコア電圧も,現在値に対する%表記で+100%(1%刻み),つまり倍の電圧まで高められる。

付属アプリケーションのThunder Master
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VBIOS切り替え用のDIPスイッチ。ブラケット側の「P」がPerformance Mode,逆側の「S」がSilent Modeとなる
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 RTX 3080 Ti GameRock OCは,「Performance Mode」と「Silent Mode」という2つのVBIOSを搭載しているのも特徴の1つだ。VBIOSの切り替えは,カード裏面のブラケット側の一番手前に実装されたDIPスイッチで行う。工場出荷時設定はPerformance Modeで,Silent Modeに変更すると,ブーストクロックが1680MHzに低下するのをGPU-Zで確認した。
 Silent Modeでも,ブーストクロックがリファレンスを超えているのは,押さえておきたいポイントだ。


カード長は約302mmとかなり大きめ

TurboFan 3.0仕様の独自ファンを採用


 それでは,RTX 3080 Ti GameRock OCのカードそのものについて見ていこう。

RTX 3080 Ti GameRock OCの外観。クリスタルを模したようなデザインが印象的だ
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 カード長は実測で約302mm(※突起部除く)で,RTX 3080 Ti Founders Editionが同287mmだったのと比べると,15mmほど長い計算になる。ただ,基板自体は約215mmほどの長さしかなく,GPUクーラーが87mmもカード後方にはみ出た格好だ。

カード長は実測で約302mm
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実測重量は約1584g(左)。基板は中央のファンやや右側あたりまでの長さしかない(右)
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カードを別の角度から見ると,ブラケットから上側に30mmほどもクーラーが突出しているのが分かる。RTX 3080 Ti Founders Editionより一回りも二回りも大きいといった印象だ
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 なお,本製品をマザーボードに装着すると,垂直方向にブラケットから29mmほど背が高くなっており,カードサイズはかなり大きい印象を受ける。

 GPUクーラーは,表面が半透明なアクリルを用いたクリスタルの結晶を模したようなデザインとなっているのが特徴的だ。内部にはLEDイルミネーションが搭載されており,アクリルを通して光る様子はかなり派手だ。LEDの有無については意見が分かれるところだと思うが,イルミネーションで高揚感を得ようと考えているなら,このRTX 3080 Ti GameRock OCのLEDは打ってつけだ。
 なお,LEDイルミネーションの発光色や発光パターンは,Thunder Masterからカスタマイズ可能だ。

Thunder Masterには,常時点灯となる「固定」を含めて,7種類の発光パターンが用意されている
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 本機のGPUクーラーは,2.7スロット占有タイプで,90mm径相当のファンを3基搭載している。これらのファンは,ボールベアリングを採用した「TurboFan 3.0」というもので,Palitによると,ファンの振動を低減して,長寿命化を実現しているという。また,「0-dBテクニック」という機能により,アイドル時にファンの回転を停止する機能も用意されている。

カードを横から見たところ。2.7スロット占有タイプだけに厚さはなかなかのものだ
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3基の90mm径ファンを装備。ファンブレードには線状の突起が施されており,エアフローの向上を図っている
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 Thunder Masterを用いれば,両端にある2基のファンと中央にある1基の回転数を個別に設定可能だ。設定内容は,1%刻みで30〜100%の間で回転数を固定できるほか,GPUコアの温度と回転数の対応を示したグラフから,ユーザーが任意の温度における回転数を指定することも可能となっている。

Thunder Masterのファン制御では,左の項目で両端の2基,右の項目で中央の回転数をそれぞれ設定できる
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 そのほかにも,「アルミ合金アーマー」と称するプレートが,基板を完全に覆う形で装着することによって,基板がたわまないように保っているほか,放熱効果の向上も得られているという。それに加えて,RTX 3080 Ti Founders Editionが採用していたカード後端側を前面から裏面へ空気が流れる構造を,RTX 3080 Ti GameRock OCも踏襲している。

裏面にはバックプレートを装着しており(左),カード後方側は,前面からの空気が抜ける構造になっている(右)
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3つの補助電源コネクタは,切り欠きのようになった一段低い位置に実装され,ケースへの干渉がないようにしている。右側には,LEDイルミネーションの同期に用いるコネクタが見える
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 Palitによると,RTX 3080 Ti GameRock OCの電源部は,MOS FETとドライバICを1パッケージに収めた「DrMOS」を採用しているという。
 PCI Express(以下,PCIe)補助電源コネクタは,一般的な8ピンタイプを3つ備えている。RTX 3080 Ti Founders Editionが8ピン×2だったのに比べると,8ピン1基分,つまり電力供給を150W分増強されているというわけだ。

 映像出力インタフェースは,DisplayPort 1.4a×3と,HDMI 2.1 Type A×1という構成で,このあたりはRTX 3080 Ti Founders Editionから変わりはない。

DisplayPort 1.4aが3つ,HDMI 2.1が1つ並ぶブラケット。ハニカム構造の通気孔も開いている
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Performance ModeとSilent Modeを切り替えてテストを実施


GeForce RTX 3090 GamingPro OC
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 それでは,テスト環境の構築に話を移そう。
 今回,比較対象には,RTX 3080 Ti Founders Editionと,RTX 3090搭載カードとしてPalit Microsystems製の「GeForce RTX 3090 GamingPro OC」を用意した。ただ,GeForce RTX 3090 GamingPro OCは,メーカーレベルで動作クロックが引き上げられたクロックアップモデルであり,ブーストクロックをリファレンスに落とすとベースクロックも同時に下がってしまうため,同カードを素の状態でテストを実施し,表記も「RTX 3090 OC」としている点は注意してほしい。
 また,RTX 3080 Ti GameRock OCは,2つのVBIOSを搭載しているが,今回はPerformance ModeとSilent Modeの両方でテストを行っている。

 グラフィックスドライバには,「GeForce 471.68 Driver」で,これはテスト時に最新バージョンとなるものだ。それ以外のテスト環境はのとおり。

表 テスト環境
CPU Ryzen 9 5950X(16C32T,定格クロック3.4GHz,最大クロック4.9GHz,共有L3キャッシュ容量64MB)
マザーボード MSI MEG X570 ACE(AMD X570,BIOS 7C35v1D2)
メインメモリ G.Skill F4-3200C16D-16GIS PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB×2(DDR4-3200の16-16-16-36設定で利用)
グラフィックスカード Palit Microsystems GeForce RTX 3080 Ti GameRock OC
(GeForce RTX 3080 Ti,グラフィックスメモリ容量12GB)
Palit Microsystems GeForce RTX 3090 GamingPro OC
(GeForce RTX 3090,グラフィックスメモリ容量24GB)
GeForce RTX 3080 Ti Founders Edition
(グラフィックスメモリ容量12GB)
ストレージ Samsung Electronics SSD 850 EVO(MZ-75E500,500GB)
電源ユニット Corsair CMPSU-1200AX(定格1200W)
OS 64bit版Windows 10 Pro(Build 19042.1165)
チップセットドライバ AMD Chipset Drivers 2.13.27.501
グラフィックスドライバ GeForce 471.68 Driver

 テスト内容は,4Gamerのベンチマークレギュレーション24.0に準拠している。ただ,今回はNVIDIA製GPU同士の比較となるため,「3DMark」(Version 2.20.7252)において,レイトレーシングのテストとなる「Port Royal」と「DirectX Raytracing feature test」,それにDLSSのテストである「NVIDIA DLSS feature test」も加えた。
 なお,NVIDIA DLSS feature testについては,DLSS 2.0を選択したうえ,DLSS modeはQualityに設定し,テストを行っている。さらに同じ理由から,「Watch Dogs Legion」において,オプションでDLSSの項目を「品質」に設定したうえで,「精細度の向上」を「100%」に変更している。

 そのうえで,レギュレーション25.0を先取りして「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」(以下,FFXIV漆黒のヴィランズ ベンチ)に代わり,「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」(以下,FFXIV暁月のフィナーレ ベンチ)を採用した。なお,FFXIV暁月のフィナーレ ベンチのテスト方法は,これまでのFFXIV漆黒のヴィランズ ベンチと変わりはない。
 テスト解像度は,いつもどおり3840×2160ドット,2560×1440ドット,1920×1080ドットの3つを選択している。


RTX 3080 Ti Founders Editionから2%前後向上

2つのVBIOSで性能差はほとんどない


 グラフ内では,軸ラベル部分に表示可能な文字数の制限を踏まえて,テストに用いるグラフィックスカードとモードを以下のように略表記で示すことを断ったうえで,テスト結果を見ていこう。

  • RTX 3080 Ti GameRock OCのPerformance Mode:Palit - Performance
  • RTX 3080 Ti GameRock OCのSilent Mode:Palit - Silent
  • RTX 3080 Ti Founders Edition:RTX 3080 Ti FE
  • GeForce RTX 3090 GamingPro OC:RTX 3090 OC

 まずは3DMarkの結果から,Fire Strikeの総合スコアをまとめたものがグラフ1となる。

画像集#025のサムネイル/PalitのRTX 3080 Ti搭載カード「GeForce RTX 3080 Ti GameRock OC」を試す。消費電力は大きいがRTX 3090をしのぐゲーム性能は魅力だ

 RTX 3080 Ti GameRock OCは,Performance ModeでRTX 3080 Ti Founders Editionに1〜2%の差を付けたうえ,ごくわずかではあるものの,RTX 3090 OCを上回っている点は評価できよう。一方,Silent Modeは,Performance Modeから若干スコアは低下するものの,その差は1%にも達しておらず,ほぼ横並びと言っていい。

 グラフ2は,総合スコアから「Graphics score」を抜き出したものだ。

画像集#026のサムネイル/PalitのRTX 3080 Ti搭載カード「GeForce RTX 3080 Ti GameRock OC」を試す。消費電力は大きいがRTX 3090をしのぐゲーム性能は魅力だ

 これは総合スコアを踏襲しており,RTX 3080 Ti GameRock OCは,Performance ModeでRTX 3080 Ti Founders Editionはもちろん,RTX 3090 OCを上回る結果を残している。また,Performance ModeとSilent Modeの差はここでも1%未満で,明確な違いは確認できない。

 続いてグラフ3は,ソフトウェアベースの物理演算テスト結果を「CPU score」として抜き出したものだが,CPUを統一していることもあり,スコアはほぼ横一線だ。

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 グラフ4はGPUとCPU両方の性能が効いてくる「Combined test」の結果をまとめたものだ。

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 ここではCPUの影響が色濃くなるものの,RTX 3080 Ti GameRock OCのPerformance Modeの優位性は変わらない。Performance Modeでは,RTX 3080 Ti Founders Editionに最大2%,RTX 3090 OCに最大1%と,クロックアップの効果がスコアにハッキリと表れている。Silent ModeとPerformance Modeのスコアがあまり変わらない点も,これまでと同じ傾向だ。

 続いては,DirectX 12世代のテストである「Time Spy」の結果を見ていこう。まずは総合スコアをまとめたグラフ5からだ。

画像集#029のサムネイル/PalitのRTX 3080 Ti搭載カード「GeForce RTX 3080 Ti GameRock OC」を試す。消費電力は大きいがRTX 3090をしのぐゲーム性能は魅力だ

 ここでも,Performance ModeとRTX 3080 Ti Founders Editionとの差は1〜2%程度で,Fire Strikeと同じ結果が得られている。RTX 3090 OCに対しても,1〜2%程度の差を付けており,まさに上位モデルを食っていると言っていい。なお,やはりPerformance ModeとSilent Modeとでは,スコアに差が見られない。

 次のグラフ6はTime SpyのGPUテスト結果,グラフ7はCPUテストの結果をそれぞれまとめたものだ。

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 まず,GPUテストからだが,Performance Modeがやはりトップの座に着いた。とくに,Time Spy Extremeでは,唯一,1万を超えている点は注目に値する。Silent Modeのスコアは,Performance Modeから1%も低下していない。
 一方のCPUテストだが,CPUを統一しているため,Fire Strikeと同様にスコアは横並びだ。

 続いては,リアルタイムレイトレーシングの性能を計るPort Royalの結果(グラフ8)を見てみよう。

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 レイトレーシング性能でも,Performance Modeが優位なようで,RTX 3080 Ti Founders Editionに約3%,RTX 3090 OCに約2%の差を付けた。クロックアップがレイトレーシング性能にも影響を及ぼしていることが,この結果から見て取れる。
 なお,Silent ModeとPerformance Modeとの差は,やはり1%もない程度で,スコアはほとんど低下していない。

 もうひとつのレイトレーシングテストとなるDirectX Raytracing feature testの結果がグラフ9となる。

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 ここでは,Performance ModeはRTX 3080 Ti Founders Editionに約2%の差を付けるものの,RTX 3090 OCにはわずかに届いていない。とはいえ,その差は1fpsにも満たないものであり,ほとんど横並びと言って差し支えないだろう。それは,Silent Modeも同様で,Performance Modeとほとんど変わらない結果となっている。

 DLSSの性能を見るNVIDIA DLSS feature testの結果(グラフ10)を見ていこう。

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 DLSS有効時のスコアを比べると,Performance ModeとRTX 3080 Ti Founders Editionとの差は2〜3%で,RTX 3090 OCとの差も約2%ほどと,Performance Modeが良好な結果を示している。一方のSilent Modeは,Performance Modeから1%ほどのスコア低下に留まっており,これまでと同じく,Silent Modeの必要性をあまり感じない結果だ。

 では,実際のゲームではどうなのだろうか。Watch Dogs Legionの結果(グラフ11〜13)から見ていこう。

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 若干のバラつきはあるものの,いずれもスコアが横並びの結果になった。平均フレームレートで見ると,Performance Modeは,RTX 3080 Ti Founders Editionとほとんど変わらない。RTX 3090 OCに対しては,1920×1080ドットこそトップを譲ったものの,その差は0.5fpsしかなく,肩を並べていると言っている。Silent Modeも
Performance Modeとほとんど変わらない結果だ。

 次に「バイオハザード RE:3」の結果がグラフ14〜16となる。

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 Performance Modeは,RTX 3080 Ti Founders Editionに平均フレームレートで1〜3%程度の差を付け,RTX 3090 OCを安定して上回る性能を見せた。とくに注目したいのが,1920×1080ドットにおける1パーセンタイルフレームレートの結果で,Performance ModeはRTX 3080 Ti Founders Editionとの差を約6%にまで広げている。
 Silent Modeは,ここでもやはりPerformance Modeと大差ない結果となった。

 グラフ17〜19は,「Call of Duty: Warzone」(※グラフ内ではCoD Warzone)の結果だ。

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 Call of Duty: Warzoneでも,バイオハザード RE:3と同様にPerformance Modeの結果は良好だ。Performance ModeとRTX 3080 Ti Founders Editionとの開きは,平均フレームレートで3〜6%程度あり,高解像度になるにつれて差が広がっているのは特徴的だ。1パーセンタイルフレームレートを見ると,これらの差は10〜18%程度にまで広がっており,体感で差が分かるレベルだ。もちろん,RTX 3090 OCにも明確な差を付けており,本製品のPerformance Modeは,より快適なプレイができることは誰の目にも明らかである。
 なお,Silent ModeとPerformance Modeがほとんど変わらないのは,ここでも同様だ。

 続いては,「Fortnite」の結果をグラフ20〜22に示そう。

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 Fortniteでは,Performance ModeとRTX 3080 Ti Founders Editionとの差は,平均フレームレートで2〜3%程度といったところで,すべての解像度においてRTX 3090 OCを上回っている点も押さえておきたい。
 Silent ModeがPerformance Modeとあまり変わらない傾向は,ここでも同様だ。

 グラフ23〜25は「Borderlands 3」の結果だ。

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 ここでも,Performance Modeは,RTX 3080 Ti Founders EditionとRTX 3090 OCを上回る性能を発揮した。1パーセンタイルフレームレートを見ると,Performance ModeとRTX 3080 Ti Founders Editioとの開きは3〜6%程度と,明確な差が付いている点は評価できよう。
 なお,やはりSilent Modeは,Performance Modeとスコアがあまり変わらない。

 グラフ26はFFXIV暁月のフィナーレ ベンチの総合スコアをまとめたものだ。

画像集#050のサムネイル/PalitのRTX 3080 Ti搭載カード「GeForce RTX 3080 Ti GameRock OC」を試す。消費電力は大きいがRTX 3090をしのぐゲーム性能は魅力だ

 Performance ModeとRTX 3080 Ti Founders Editionとの差は,3〜4%程度といったところ。RTX 3090 OCを安定して上回っているあたりも見逃せないポイントだ。なお,ここでもSilent ModeとPerformance Modeの差は見られない。

 そんなFFXIV暁月のフィナーレ ベンチにおける平均フレームレートと最小フレームレートをまとめたものがグラフ27〜29だ。

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 平均フレームレートは,総合スコアを踏襲した結果となっており,Performance ModeがRTX 3090 OCを凌駕しているのが確認できる。一方の最小フレームレートは,CPU性能が色濃く表れるためか,いずれも横並びとなっている。

 グラフ30〜32に,「Project CARS 3」の結果をまとめている。

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 ここでも,Performance ModeがRTX 3080 Ti Founders EditionとRTX 3090 OCを上回る性能を発揮しており,クロックアップの効果はしっかりとフレームレートに表れている。その一方で,やはりSilent ModeとPerformance Modeで,スコアの差は確認できない。


消費電力はカード単体で400Wを超える場面も

RTX 3080 Ti Founders Editionから30W以上も増加


 グラフィックスカードのクロックアップモデルとなると,どうしても消費電力の増加が懸念されるところ。とくにRTX 3080 Ti GameRock OCは,PCIe補助電源コネクタを3つも備えているので,実際の消費電力がどの程度なのかは非常に気になるところだ。
 そこで,NVIDIAが開発した消費電力計測ツール「PCAT」(Power Capture Analysis Tool)を用いて,グラフィックスカード自体の消費電力を計測してみた。今回も,3DMarkのTime Spyにおいて,消費電力が高くなる傾向が出たGraphics test 2実行中の結果(グラフ33)をまとめている。

※グラフ画像をクリックすると,横に引き伸ばした拡大版を表示します
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 結果を見ると,Performance ModeとSilent ModeといったVBIOSの違いを問わず,RTX 3080 Ti GameRock OCの消費電力は,RTX 3080 Ti Founders EditionとRTX 3090 OCと比べて,悪い意味で一線を画している。400Wを超えた回数を数えてみると,RTX 3080 Ti Founders EditionとRTX 3090 OCはどちらも0回であるのに対して,Performance Modeが279回,Silent Modeが184回と,消費電力の大きさがハッキリと表れた。

 そこで,このグラフから中央値を求めたものがグラフ34となる。

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 グラフを見れば一目瞭然だが,RTX 3080 Ti GameRock OCのPerformance Modeは,RTX 3080 Ti Founders Editionから30W以上も消費電力が増えてしまっている。Silent Modeでは,若干だが消費電力が下がるものの,それでも390W近い値を示しており,クロックアップの代償は決して小さくない。

 さらに,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いたシステム全体の最大消費電力のみを計測してみた。なお,テストにあたっては,Windowsの電源プランを「バランスに設定」。さらに,ゲーム用途を想定して,無操作時にもディスプレイ出力が無効化されないよう指定したうえで,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点をタイトルごとの実行時,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」としている。
 その結果がグラフ35だ。

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 このテストでは,ピーク値をスコアとして採用するため,どうしても差が広がる傾向にある。RTX 3080 Ti GameRock OCは,RTX 3080 Ti Founders Editionとの差がPerformance Modeで30〜62W程度と非常に大きく,消費電力の増加は看過できない。なお,こちらでもSilent Modeで消費電力が低減しているが,その幅は3〜7Wとあまり大きくない。性能差もほとんどないことを考えると,Silent Modeは存在意義に乏しいのではないだろうか。

 最後に,GPU-Zを用いて計測したGPU温度も確認しておきたい。ここでは,温度約24℃の室内で,テストシステムをPCケースに組み込まず,いわゆるバラックに置いた状態から,3DMarkの30分間連続実行時を「高負荷時」として,アイドル時ともども,GPU-Zから温度を取得することにした。
 その結果は,グラフ36のとおり。

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 GPUによって温度センサーの位置が異なる可能性があるうえ,ファンの制御方式も同一ではないため,横並びにあまり意味はない。それを踏まえて見ていくと,RTX 3080 Ti GameRock OCは高負荷時でも70℃台前半と,消費電力が高いわりには低い温度を維持しており,GPUクーラーの冷却性能は申し分ないと言ってよさそうだ。

 なお,RTX 3080 Ti GameRock OCの動作音について,筆者の主観であることを断ったうえで述べると,静音性が優れるとは言えないまでも,ケースに入れてしまえば聞こえない程度だった。ヘッドセットを着用すれば,ゲーム中にグラフィックスカードの動作音が耳障りに感じることはまずないはずだ。


価格は実売で18万円と相応に高価

消費電力が高さがウィークポイント


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 ここまでのテスト結果を見るに,RTX 3080 Ti GameRock OCは,クロックアップモデルにふさわしい高性能が得られるモデルであることは間違いない。ベンチマーク結果は,上位モデルであるRTX 3090を上回る場面が多く,ゲーム用途を考えたときに,RTX 3090よりもRTX 3080 Ti GameRock OCのほうが,得られるメリットは大きい。
 実勢価格は税込18万円と,万人にお勧めできるものではないことは確かだが,RTX 3090搭載モデルの価格が28〜30万円であることと比べると,かなりお買い得感は高い。

 その一方で,消費電力の高さは無視できない。RTX 3080 Tiのレビュー記事で,筆者は同GPUのことを「電力喰い」と称したが,RTX 3080 Ti GameRock OCは,さらに輪をかけた大食漢と言っても過言ではない。
 RTX 3080 Ti以上に電源ユニットに対するハードルは高くなるが,それをクリアでき,なおかつ1フレームでも高い性能が欲しいというコアなゲーマーにとって,このRTX 3080 Ti GameRock OCは魅力的な選択肢になり得るだろう。

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