［プレイレポ］ローグライクシューティング「The Light Brigade」をPS VR2で体験。世界に光をもたらす存在として，自動生成された戦場に挑め

　FUNKTRONIC LABSは本日（2022年2月22日），新作VRタイトル「The Light Brigade」（PS5 / Meta Quest / Steam ※Quest2とSteam版は2月23日発売）を発売した。本作はPlayStation VR2のローンチタイトルのひとつで，銃や魔法を駆使し，自動生成された戦場を突き進んでいくローグライクシューティングゲームだ。本稿では，PlayStation VR2でのプレイフィールをお伝えする。

世界を救うため，何度でも過酷な戦場に挑む戦士の物語

　ゲームの舞台は永遠の暗闇に包まれた世界。主人公は人類を守る最後の要，「光の連隊」のメンバーだ。倒れた仲間たちの魂を解放するため，記憶の断片により作り出された戦場を旅し，世界を破滅に導いた原因を追っていくことになる。

　記憶のなかで仲間の魂を解放することが，どう世界の救済につながるのか，光の連隊とはどういう組織なのかなど，プレイ開始直後は分からないことだらけだが，記憶の冒険を進めていくにつれて，これらの謎が明らかになっていくのだろうか。

皆は“マザー”と呼ぶ女性に導かれる。光の連隊を率いる人間だろうか？

具体的な手順はわからないが，地下に閉じ込められた魂を解放すれば，皆が救われる……ということらしい

　プレイヤーは拠点にある「フクロウの間」から，自動生成された戦場に挑んでいく。「古い森-1」が最初のステージで，白い霧に覆われ見通しが悪いなか，木の幹や岩陰などに隠れながら，敵のせん滅を目指す。

　最初から使える武器は，ライフルの「ゲヴェーア43」だ。両手でこれを握り，照準を合わせて撃ち，弾が切れたらリロードをする。空になったマガジンを捨てて，腰のアモバッグに入れたマガジンを装着し，コッキングをするというリロード手順はリアルで，実際に銃を操作している感覚を味わえる。「PS VR2 Senseコントローラー」の握りこむような手のポジションが，銃身を持つ感覚とマッチしているので，自然に動作を受け入れられる。


　動作がリアルに設定されているからこそ，慣れないうちは瞬時のリロードが難しいかもしれない。フクロウの間の手前に，ライフルや無限に取得できるマガジンなどが置いてあり，遠近さまざまな的も用意されているので，冒険を始める前にここで補給・練習をしておくといいだろう。

ライフルのマガジンは，忘れずに補給していきたい

　ライフルのほかにもゲームを進めていくと，ピストル，マジックワンドといった武器種が開放される。どれも，使用手順や有効な場面が違うので，状況に応じて使い分けていこう。
　また，ステージでは武器につけられるアタッチメントを拾うこともある。ライフルの狙いを定める手助けをしてくれるスコープや，弾にホーミング機能を付与するものなど，あれば便利なものばかりだ。

正しい位置にアタッチメントをセットする。この何気ない動作もリアルで楽しい

　基本操作は，左スティックで移動し，進行方向は右スティックで変更。体の向きは，自身が実際に頭を動かすことで変えられる。しゃがんだり，左右に移動したりすることで弾や矢を避けることもできる。この点はPS VR時代から，大幅に動きの精度が良くなったと感じる。特に高さの認知に関しては安定していて，VR酔いしにくくなっている。

　地形によっては離れ小島になっていたり，歩きでは登れない段差がついていたりするのだが，そんなときは，テレポートを使って進もう。右スティックを前に倒すことでテレポート先の地点を決定し，離すことでそこまで瞬時に移動する。これは，移動のためだけでなく，敵に囲まれそうになったときの緊急回避，遮蔽物から次の地点へ安全に移動するときなどにも活用できるため，ぜひ戦術に取り入れていきたい機能だ。

慣れてくれば，素早く移動するための手段としても有効かもしれない

　ステージ内には，足を取られダメージを受けるトラバサミや，直上から大きな石が落ちてくる罠なども設置されている。よく周りを見ていれば回避できるので，敵の位置だけでなく，罠の存在も頭に入れて進む必要がある。自キャラだけでなく，敵も罠にかかるので，うまく利用できればこちらの有利に働いてくれるだろう。

罠だけではなく，アイテムの入った壺がぶら下がっていることも。ぜひ撃ち落として中身をいただこう

　ステージには次の戦場へつながる出口があり，これを通過することでクリアとなる。出口の近くには，クリスタルの入ったモニュメントがあり，手をかざして回収したソウル（倒した敵などから得られる魂）を浄化することで，XPに変換できる。規定数のXPが貯まると，レベルや階級がアップするので，忘れずに行おう。

手をかざすモーションをとると，ハプティックフィードバックの繊細な振動が伝わって気持ちいい

コツコツと自身を強化し，じょじょに奥へと進んでいけるようになる楽しさ

　基本操作に不慣れで，主人公の強化もされていない最初の段階では，高難度だと感じるプレイヤーが多いかもしれない。筆者も，VRでシューティングゲームを遊んだ経験はそれなりにあると自認していたのだが，初回プレイでは始めのステージで倒れてしまった。

　倒れると，主人公は瀕死状態となり，それまで倒した敵などから取得していたソウルをその場に残して，倒れたステージの初めからリトライとなる。リトライ時の主人公は霊体となっているようで，手が透けているなどグラフィックスに変化が見られる。この状態でステージをクリアすると，再度生身に戻ることができる。しかし，霊体の状態で再度やられてしまうと，死亡となり，ステージから離脱。拠点のマザーの目の前まで戻され，始めからやり直しとなる。

はい，私もそう思います……

　ただ本作において，「一度も倒れずにクリアする」ということは，メインの遊びかたとしては想定されていないだろう。というのも死亡して拠点に戻ると，レベルアップしたときに得られる「ランクポイント」を使って，新たな武器やパッシブスキルを開放し，自身を強化できるからだ。
　体力の上限を上げたり，新たな武器を開放＆強化したりしていくことで，じょじょに安定したプレイになっていく。戦場は，新たに挑むたび，毎回自動生成で作り替えられ，まったく違う地形，敵の配置になる。ガラリと形を変えるステージを攻略しつつ，キャラの性能や自身のスキルが高まっていく楽しさを味わえるのだ。

どれかひとつのクラスを一段階アップしただけで，多少ではあるが，確実にプレイが楽になったことを実感できる

　また，死亡するとなくなってしまう一時的なものだが，1ステージ内にひとつずつ置かれている宝箱には，3枚のカードが封入されていることがある。この中から1枚を選び，カードに書かれた効果を自身に付与することができるのだ。敵にスタンや速度低下の効果を与えるなど，嬉しい効果がそろっているので，コツコツと集めていけば，戦闘の力強い助けになるだろう。


　一定数ステージを進めるとボス戦があり，ボスを倒せば，その続きからコンティニューできるようにもなる。まずはボスの撃破を目指して腕を磨き，武器やキャラを強化していこう。

手首を回して甲の部分を自分側に向けると，集めたソウルの数，お祈り（一定時間，敵の場所がマーキングされる）のリキャスト時間などを含めた，各種ステータスを確認できる

　人類を守る最後の人間が，記憶の断片により作り出された戦場で，倒れた仲間たちの魂を何度も救っていく……。入るたびに形を変えるローグライクダンジョンというシステムは，この不思議な世界設定のストーリーや，静けさやもの悲しさを湛えた幻想的なデザインにマッチしていて，今までになかったVRタイトルとしての個性を放っている。操作感も快適で，下に落ちたものや少し遠くのものを瞬時に取れる点は，リアルとゲーム的な利便性の間がうまくとれている点だと感じた。

　気になるVR酔いに関しては，快適な操作感なのでそこまで感じることはなかったが，短時間でテレポートを多用したとき，操作を間違えて視点を変えてしまったときなどに発生することがあった。繰り返しのプレイで進めていく作品ではあるが，休憩をこまめに挟みつつプレイしていこう。

　難度は高めだが，コツコツプレイを続けていればXPやランクポイントなど，必ず得られるものがあるので，比較的とっつきやすい作品だ。PlayStation VR2の基本的な機能の進化を体感するにも適している。あなたも，記憶の世界に飛び込み，ファンタジー世界の戦士になりきってみてはいかがだろうか。

「The Light Brigade」PlayStation Store