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[インタビュー]距離を超えて,一緒に狩る。「モンスターハンターNow」の新機能 フレンドリンク開発の狙い
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印刷2026/04/17 08:30

インタビュー

[インタビュー]距離を超えて,一緒に狩る。「モンスターハンターNow」の新機能 フレンドリンク開発の狙い

 Nianticがサービス中の「モンスターハンターNow」iOS / Android)は,位置情報を活用したAR狩猟ゲームとして,屋外での狩猟体験を提供してきた。

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 2026年3月に実装された「フレンドリンク」は,遠く離れた場所にいるフレンドと一緒に狩猟を楽しめる機能だ。一見するとシンプルなリモートマルチプレイ機能のようだが,開発チームの狙いはそれだけではない。

 4Gamerでは,「モンスターハンターNow」のリードプランナーを務めるシン・サンソク氏(Niantic)にメールインタビューを実施し,企画の背景にある課題意識,開発中の葛藤などについて答えてもらった。


4Gamer:
 フレンドリンクはどのような課題意識から企画された機能なのでしょうか。既存のマルチプレイ体験と比べて,どのような価値を提供することを目指しましたか。

「モンスターハンターNow」リードプランナー,シン・サンソク氏
画像ギャラリー No.001のサムネイル画像 / [インタビュー]距離を超えて,一緒に狩る。「モンスターハンターNow」の新機能 フレンドリンク開発の狙い
シン・サンソク氏:
 「モンスターハンターNow」をもっと楽しいものにしていくうえで,私たちは「ソーシャル」を大きな鍵のひとつだと考えています。
 これまでのマルチプレイは,近くにいる人と,その場で一緒に遊ぶ体験が中心でした。それは「モンスターハンターNow」らしい魅力でもある一方で,「一緒に狩りたい相手がいても,距離やタイミングの都合で遊べない」というもどかしさもありました。

 フレンドリンクは,そうした課題に応えるための機能です。コンセプトはとてもシンプルで,「距離が離れていても,フレンドと一緒に遊べる」こと。
 ただ,単に便利なリモート機能を作りたかったわけではありません。誰と遊ぶかを意識したり,助け合ったりすることで,そこから関係性が育っていくような,より「人と遊ぶゲーム」に近づけていく第一歩になる機能として考えました。

 既存のマルチプレイ体験を置き換えるのではなく,外で集まって遊ぶ魅力はそのままに,その楽しさをさらに広げていく。フレンドリンクには,そうした価値を持たせたいと考えています。

4Gamer:
 フレンドリンクにはトークン制を採用していますが,その背景にはどのような検討や議論があったのでしょうか。重視したポイントも教えてください。

シン・サンソク氏:
 フレンドリンクは,招待してくれる人がいないと成立しない機能です。ですから,参加する側だけでなく,「招待する側にもきちんと動機が必要だ」というのが出発点でした。
 そこで,招待して狩猟に成功するとトークンを獲得でき,それを使ってフレンドリンクに参加できる,という循環型の仕組みにしています。単なる参加コストではなく,「招待すること自体が次の参加につながる」ようにしたかったんです。

 もっと単純で分かりやすい方法にする案もありましたが,多少難しくても,モンスターを見つけてフレンドを招待し,その結果としてトークンを得て,今度は自分がフレンドの狩猟に参加する。そうしたソーシャルなサイクルを作ることを重視しました。

 また,始めたばかりのハンターさんを積極的に助けてほしいという意図から,星7以下のモンスターについては,毎日9回まで無料で参加できるようにしています。
 フレンドリンクで大事にしているのは,あくまでソーシャルな体験です。今後も「フレンドと遊ぶ楽しさ」を広げられるように,アップデートを進めていきたいと思っています。

4Gamer:
 開発の過程で,仕様や設計において大きく見直した点はありますか。また,想定外だったユーザーの行動には,どのように対応しましたか。

シン・サンソク氏:
 大きく見直した点はいくつかありますが,最初の段階では,機能を継続的に成立させるための経済設計も含めて,かなり幅広く検討していました。
 コストを重くすることでビジネス的な成果を狙う選択肢もありましたが,最終的にこの機能で実現したかったのは,「今は近くにいなくて遊べないフレンドとも,距離を超えて一緒に狩れるようにすること」だったので,そこがぶれてしまうと,フレンドリンクらしさが失われてしまうと考えました。

 想定外のユーザー行動については,まだリリース直後でもあり,引き続き分析を進めている段階です。
 ただ,この時点でもはっきりしているのは,現状の1日の上限では足りないと感じている方がいらっしゃることです。これまでの1日のバトル数などを見ながら,ある程度余裕を持たせたつもりでしたが,実際には上限までしっかり遊んでくださっているハンターさんを確認しています。
 
 数値面については,無制限に家で遊べるような形を目指しているわけではありませんが,実際のプレイ状況やデータを見ながら,柔軟に調整していきたいと考えています。

4Gamer:
 とくに難しかった点や判断に悩んだことはなんでしょうか。また,「実現したかったが,今回は断念した要素」があれば教えてください。

シン・サンソク氏:
 記憶に残っているのは,「フレンドを増やすための施策」をどうするか,という点です。
 周囲にハンターが少ない地域もあり(とくに海外),フレンドを増やすこと自体が難しいケースがあります。そうした方々のために,どんな形なら支えられるかはかなり悩みました。

 実際,次元リンクや大連続狩猟,古龍迎撃戦などをきっかけにフレンド申請できる仕組みも検討し,一度は実装寸前まで進めたものもありました。
 ただ,最終的にはリリース直前で見送る判断をしました。

 私たちが目指しているのは,ハンターの皆さんに外で集まってもらい,「モンスターハンターNow」ならではの楽しい体験を提供することです。
そのために,マルチプレイやフレンドリンク,今後追加していくソーシャル要素を通じて関係性が深まり,自然に一緒に遊ぶようになったり,オフラインイベントや大型イベントに一緒に参加したくなったりする流れを作りたいと思っています。

 その観点から見ると,関係性のないランダムなフレンドが一気に増えすぎると,「フレンド」という存在の意味が薄れてしまい,長い目で見ると逆効果になる可能性があると判断しました。
 リリース時点では,フレンドを増やす施策を入れ込むことはできませんでしたが,今後も重要なテーマとして検討を続けています。別の形でのアップデートも考えていますので,ぜひ楽しみにしていただければと思います。

画像ギャラリー No.003のサムネイル画像 / [インタビュー]距離を超えて,一緒に狩る。「モンスターハンターNow」の新機能 フレンドリンク開発の狙い

4Gamer:
 ユーザーの反応をどのように受け止めていますか。印象的だった使われ方,想定と異なる楽しみ方があれば教えてください。

シン・サンソク氏:
 リリース後は,本当にたくさんのフィードバックをいただいています。ポジティブな声も多く,とてもうれしく受け止めています。
 その一方で,足りない要素やご要望についても一つひとつ確認し,今後の改善につなげていくつもりです。いまは,たくさん遊んでいただいていることに感謝の気持ちでいっぱいです。

 印象的だったのは,普段から3人で集まって遊んでいる方のお話です。
 フレンド同士のバトルで報酬を揃えたことで,同じ目標に向かって同時に進めるのがすごく楽しかったと話してくださいました。これまでは,誰かの武器強化が先に終わったり,逆に誰かがドロップに恵まれず,足並みが揃わなかったりして,「今日はこのへんにしようか」と切り上げることもあったそうです。

 今回,みんなで同じグレードまで一緒に強化できて,「じゃあもう1本,作ろうか」という流れになり,気づけば終電近くまで遊んでいたそうです。さらに別れたあとも,フレンドリンクでまた一緒に遊べたことがすごく楽しかったと聞いて,本当にうれしかったですね。
 フレンドリンクが実現したかったのは,まさに「一緒に遊ぶ時間がつながっていく体験」だったので,すごく印象に残っています。

4Gamer:
 フレンドリンクにはどのような思いを込められたのでしょうか。そして,プレイヤー同士の関係性や体験がどのように変わることを期待していますか。

シン・サンソク氏:
 ここまでの話と重なるのですが,やはり「モンスターハンターNow」のもっとソーシャルな楽しさを広げていきたいと考えています。
 バトルに参加してくれたフレンドも,最初はまだあまり近く感じない相手かもしれません。でも将来的には,単なるゲーム内フレンドではなく,「いつもフレンドリンクに来てくれる人」「装備が変わったね」「この重ね着,センスいいね」「いつもこの時間に遊んでいるよね」といったように,少しずつ相手のことが見えてきて,関係性が深まっていくといいなと思っています。

 そして,関係性が深まることで,さらに一緒に遊ぶ理由や楽しみが増えていく。そこから新しい楽しみや遊べるコンテンツが広がって,もっと仲良くなれる,もっと楽しい体験ができるようにしたいです。

 その延長線上で,オフラインイベントに参加したときに「せっかくだから一緒に遊ぼう」と声をかけたくなるような,「モンスターハンターNow」ならではの楽しさも提供していきたいと思っています。
 もちろん,そのために必要な機能や体験は,これからもしっかり開発していきます。

4Gamer:
 今後,フレンドリンクをどのように発展させていきたいと考えていますか。また,プレイヤーに対して「こういう使い方をしてほしい」といったメッセージがあればお願いします。

シン・サンソク氏:
 今後のフレンドリンクは,もっと遊びやすく,もっとソーシャルな体験にしていきたいと考えています。
 たとえば,バトルが終わったとき,そのまま解散するだけではなく,ちょっとしたコミュニケーションができたり,その流れでもう一度同じメンバーで遊べたりする。フレンドとのバトルだからこそ追加できる機能は,まだいろいろあると思っています。

 使い方については,皆さんそれぞれのスタイルで自由に楽しんでほしいです。いろいろな遊び方ができるよう,機能面の改善やアップデートを続けていきます。新米ハンターさんを積極的に助けてもらえるとうれしいですね。

 フレンドリンクを通じて,強いモンスターを一緒に狩るだけでなく,誰かを支えたり,一緒に成長したりする楽しさも広がっていってほしいと思っています。
 フレンドリンクをぜひ,「つながりを育てる機能」としても使っていただけたらうれしいです。
 遠くにいても一緒に狩れる。そして,ともに成長していく喜びを感じられる。そんな体験を,これからもっと広げていきたいと思っています。

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