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「Sonic Rumble」合同インタビュー。バトルロイヤルというソニックシリーズの新たな試みについて詳しく聞いた[TGS2024]
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印刷2024/09/30 19:53

インタビュー

「Sonic Rumble」合同インタビュー。バトルロイヤルというソニックシリーズの新たな試みについて詳しく聞いた[TGS2024]

 セガは,東京ゲームショウ2024の同社ブースに「ソニック」シリーズの新規タイトル「Sonic Rumble」PC / iOS / Android)を出展していた。

画像集 No.001のサムネイル画像 / 「Sonic Rumble」合同インタビュー。バトルロイヤルというソニックシリーズの新たな試みについて詳しく聞いた[TGS2024]

 本作はソニックをはじめとするシリーズの人気キャラクターたちがオモチャの世界を舞台に,最大32人でバトルロイヤルを繰り広げるアクションゲームだ。現在は,2024年冬のサービス開始に向け,開発が進められている。

TGS2024のセガブース「Sonic Rumble」試遊コーナー
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画像集 No.003のサムネイル画像 / 「Sonic Rumble」合同インタビュー。バトルロイヤルというソニックシリーズの新たな試みについて詳しく聞いた[TGS2024]

 今回TGS 2024の開催にあたり,ソニックシリーズの総合プロデューサーの飯塚 隆氏と「Sonic Rumble」ディレクターの田勢 誠氏へのメディア合同インタビューが行われた。ソニックシリーズ初の多人数バトルロイヤルの開発経緯やゲーム内容,今後の展開などについて語ってもらっている。

ソニックシリーズ総合プロデューサー飯塚 隆
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「Sonic Rumble」ゲームディレクター田勢 誠
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シリーズで攻め切れていなかったマルチプレイタイトルをグローバルに展開


――ソニックシリーズでバトルロイヤルのゲームを企画するに至った経緯を聞かせてください。

飯塚 隆氏(以下,飯塚氏):
 ソニックシリーズはこれまでどちらかというとストイックに1人で遊ぶものが多く,マルチプレイタイトルが弱かったんです。
 本格的にモバイルに進出する場合は,ファン同士が楽しく交流できるような,パーティーゲームを考えていました。そこで弊社のモバイルチームとともに本作の開発に着手しました。

――企画当初からこのようなゲームデザインを考えられていたんでしょうか。

飯塚氏:
 はい,マルチプレイができるモバイルタイトルを作るにあたり,チームにアイデア出しをしてもらいました。多人数で遊べる最適なスタイルとして,バトルロイヤルというゲームデザインを選んだ形になります。

画像集 No.006のサムネイル画像 / 「Sonic Rumble」合同インタビュー。バトルロイヤルというソニックシリーズの新たな試みについて詳しく聞いた[TGS2024]

――カジュアルなミニゲームでバトルするという内容をデザインするにあたり,気をつけたところはありますか。

田勢 誠氏(以下,田勢氏):
 本作の場合はソニックたちが主役ですので,ゲームプレイにおける爽快感やスピード感は最低限担保したうえで,幅広いプレイヤーが楽しめる難度に落とし込みました。ただ,ステージには一気に加速できる場所を設けるなどして,展開にメリハリを付けています。

 ほかにも,アイテムなどを使って攻撃することで逆転できたり,ランダム性のある要素を入れたりして,うまい人が常に勝ち続けることがないようなバランスは意識して作っています。

 あと本作ならではの特徴として,ソニックシリーズの象徴でもあるリングを勝負のキーアイテムとしています。最終的に勝負を決めるのはリングを持っている数という設計にし,生き残りを目指すほかのバトルロイヤルゲームと差別化しています。

飯塚氏:
 難しい操作は極力入れないようにしています。ソニックたちがミニチュアになって可愛くデフォルメされているように,ゲームデザインやステージなどもすべてをデフォルメしているイメージですね。

――ゲームデザインでソニックらしさを意識したところはどこですか。

飯塚氏:
 プレイした人が「これはソニックだ」という手応えを感じしつつも,マルチプレイのゲームとして面白かった,気持ちよかったと感じられる設計を徹底してもらいました。

 デフォルメされたソニックたちの見た目から想像できる範囲のスピードで走るとか,ソニックだと一目で分かるギミックを組み込んでいるとか,カジュアルに遊べるゲームデザインに則った範囲内で,ソニックらしさを追求しています。

 ほかのタイトルは,どちらかというとアクションにあえて組み込んでいるストレス要素を我慢して1位になるようなものが多いんです。ただ,それはソニックらしさと相反するものですから,“気持ちよさ“にこだわっています。

画像集 No.008のサムネイル画像 / 「Sonic Rumble」合同インタビュー。バトルロイヤルというソニックシリーズの新たな試みについて詳しく聞いた[TGS2024]

田勢氏:
 “気持ちよさ”については我々も徹底していて,高速でループを走り抜けたり,爽快なホーミングアタックを繰り出したり,リングをたくさん取ったときの音が軽快だったりと気持ちよく感じてもらえる瞬間をたくさん組み込んでいます。
 ほかのバトロワゲームでは味わえないような気持ちいい要素を入れながら,パーティーゲームとして成り立たせることを念頭に置いて開発を進めています。

飯塚氏:
 一番最初に作ってもらったステージは,ソニックらしいところがまったくなかったんですよね(笑)。ソニックチームから繰り返しリクエストを送っていたんですが,今はこちらが何も言わなくてもソニックらしく作ってくれるようになりました。

――今回のTGSでは,3つのステージをプレイして勝ち残りを目指す「リングサバイバル」を遊べました。1回のプレイ時間はどのぐらいを想定しているのでしょう。

田勢氏:
 1プレイ10分程度を想定してステージを設計していますが,途中で脱落してしまうなど,プレイの状況により,それより短い時間で終わることもあります。モバイルで遊ぶ機会が多くなるタイトルですので,1回のプレイ時間はなるべく長くならないようにしています。

――ソロプレイモードもあるそうですが,内容やストーリーはどのようなものになりますか。

田勢氏:
 ソロプレイモードは「ステージチャレンジ」という,バトルに登場するステージを所定のお題のもとにプレイしていくものがあります。こちらはマルチプレイもできるので,友達とワイワイ楽しみながら練習ができます。

 ずっと対戦していると疲れてしまうので,その息抜きのような感じで遊んでいただければと思います。
 ステージチャレンジは,報酬として課金アイテムがもらえることもあり,無課金の方でもある程度遊べるようにしています。

飯塚氏:
 ゲーム自体はバトルロイヤルですぐに遊んで終わるものですので,ストーリーは入れていません。こういったゲームで本格的なストーリーを入れてしまうと,ファンが限定されてしまうんです。
 今回はキャラが可愛いから遊ぶ,みたいなカジュアルな雰囲気で多くの方にプレイしてほしいので。

画像集 No.009のサムネイル画像 / 「Sonic Rumble」合同インタビュー。バトルロイヤルというソニックシリーズの新たな試みについて詳しく聞いた[TGS2024]


フィギュア化されたソニックシリーズのキャラクターが,敵味方問わず多数登場


――プレイヤーが選べるキャラクターはどのようなラインナップになるのでしょうか。

飯塚氏:
 「Sonic Rumble」はオモチャの世界という設定で,登場するキャラクターはフィギュアなんです。
 ソニックが何体いてもおかしくないですし,ほかの仲間もエッグマンもソニックと同じスピードで走ります。オモチャの世界ということを生かした自由度の高いチョイスをしています。

 とにかくたくさん出したいと思っていて,これまでのシリーズに登場したマイナーなキャラクターまで掘り下げます。エッグマンのような,ヴィラン側のキャラクターもちろん出しますし,これまでプレイアブルになったことはないけど,人気のあるヴィランも登場させたいです。

――ローンチのタイミングでのボリューム感を聞かせてください。ステージ数や実装キャラクターなど,決まっている範囲で教えてください。

田勢氏:
 現在のプレローンチ段階ではステージが35ありまして,正式ローンチのタイミングではもう少し増やして40以上のステージを用意する予定です。
 それに加えてチームプレイモードや週末のイベントとして,既存ステージのルールを変更したもの,32人全員で協力してクリアするモードなどが遊べるようにします。

――モバイル版とPC版が同時リリースということで,クロスプレイはありますか。

田勢氏:
 はい。モバイル版とPC版は同時ローンチされ,マッチングもクロスで行います。
 モバイルとPCって,バーチャルパッドとコントローラで操作感覚が結構違っていて,対戦ゲームを遊ぶなら後者のほうが有利なんですが,本作はそこまでガチの競技をするのではなく,パーティーゲーム感みたいなものを楽しんでもらうことを重視しました。またモバイル版のデータを使って,PC版を遊べるような機能も用意します。

――モバイルとPC以外への展開する予定はありますか。

田勢氏:
 まだ具体的に申し上げられる段階ではないですね。もちろん,タイトルを広げるための手段として,マルチプラットフォーム展開はプラスなことですので,機会があれば検討していきたいと思っています。

――スキンやエモートなどのアイテムはどのような形で入手できるようになるのでしょうか。

田勢氏:
 アイテムについては,いろいろな入手手段を考えています。
 具体的に考えているのは,1か月半程度を1シーズンとしたシーズンパス形式です。コスメアイテムなどを定期的に配布しつつ,パスの後半に目玉となるスキンが手に入るといったプランを検討しています。

 そのほかにもガチャやアイテムショップも盛り込む予定です。アイテムショップは,定期的に更新され,リングがたまったときにユーザーが欲しいものを買う形式です。

 ガチャはルートボックスの形で,1日に何度か無料で引けるものからは「ソニックフォース」のアバターのようなスキンを多数用意することを検討しています。またそれ以外魅力のあるスキンが手に入るボーナスのようなものも用意します。

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――現時点で決まっている課金要素はどんな仕組みになりますか。

田勢氏:
 まず断言しておきたいののは,課金をすると強くなるような要素は一切ありません。ベースとしては,先ほどの話に出たシーズンパスのような,最初に買うと権利が続いて,プレイを重ねることでいろいろな要素がアンロックされていくといった仕組みを用意する予定です。

 もちろん特別なスキンやコスメなど,個別の課金要素もありますが,それも確率ガチャみたいなものでなく,ほしいものがあったらその場で買えるようにして,少額や定額の課金で楽しめるような設計を目指しています。
飯塚氏:
 グローバルで見ると,日本の重課金のシステムはちょっと異質なんです。とくにこういうアクションゲームの場合は,参加している人全員がイーブンで楽しめないといけませんからね。
 このプロジェクト自体がグローバルで売れるモバイルタイトルへのチャレンジなので,企画開始の段階から課金モデルはグローバル基準で設定しています。

――事前の海外でのベータテストの手応えはいかがでしたか。

田勢氏:
 ベータテストにはファンの方も多数参加してもらい,おおむね良い評価をいただけたので,我々としても大きな手応えを感じています。
 一方で,最後に逆転しにくい,全体の展開が似通っているといった声もあり,幅広い人が楽しむためにバランスが悪い部分があることも認識しました。

 ベータテスト以降はそのあたりのバランスを見直して,最後にちょっとした逆転ができる仕組みを導入したり,複数のルールを設けたりするなどして,もっとパーティー的に楽しめるバランスへと近づけています。

――ベータテストでは,本作の音楽が話題になっていました。収録曲の選定やアレンジはどのようなオーダーをされたのでしょうか。

田勢氏:
 本作のステージのモチーフが過去のソニックシリーズから選んだステージですので,そのBGMをベースに,ゲーム性に合わせて楽曲をアレンジしています。

飯塚氏:
 皆さん馴染みのある懐かしいソニックミュージックを,アップテンポで競争を盛り上げるような楽しい雰囲気のアレンジで仕上げてもらいました。


「Sonic Rumble」では,他タイトルとの積極的なコラボレーションを目指す


――ソニックシリーズはグローバルに展開され盛り上がっていますが,国内では若年層向けのリーチが難しい状況にあるように思えます。本作はその層にもリーチできるよう想定されているのでしょうか。

飯塚氏:
 確かにソニックタイトルは,まだアジア地域に弱い部分があります。「Sonic Rumble」はこれまで訴求できていなかった可愛いデザインで,しかもFree to playでみんなで遊べますから,アジア地域のとくに日本の方にも楽しんでもらえるのではないかと思っています。
 年末公開予定の映画も「ソニック×シャドウ TOKYO MISSION」というタイトルどおり,日本が舞台ですので,これ機会に盛り上げていければと思います。

――本作はグローバルマーケティングをロビオ・エンタテインメントが担当するそうですが,開発におけるシナジーはありましたか。

田勢氏:
 モバイルタイトルで強いノウハウを持っているロビオ・エンタテイメントには,どうすれば広いユーザーに受け入れられるのか,どうすれば伝わりやすいのかといった部分を助言いただいています。
 ソニックはシリーズを通して欧米で人気を得ていますが,我々はどうしてもコアゲームを作りがちな会社でもあるので(笑),

 この後のローンチに向けてマーケティングやPR,コミュニティ運営など,どうしても我々が弱かった部分をカバーしていただけるよう,協力いただく予定です。

飯塚氏:
 セガのモバイルチームは,優れたタイトルを国内を中心にリリースして,いくつもの成功を収めていますが,欧米でヒットしたモバイルタイトルがまだありません。そこが弱みでもあり,ロビオ・エンタテイメントがグループ会社になった大きな理由の1つでもあります。

 「Sonic Rumble」で,国内でヒット作を輩出している優秀な開発チームと,世界で成功を収めているロビオ・エンタテイメントのマーケティングチームが組んだら一体どうなるかというのは,チャレンジの1つですね。

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――「アングリーバード」なども含め,ロビオ・エンタテイメントが持つタイトルとのコラボ予定はありますか。

田勢氏:
 確定的なことはまだお伝えできませんが,タイトルをより広げていくために,社内IPやグループ会社,あるいは他社のIPと積極的にコラボレーションすることは想定しています。
 違うゲームのキャラクターとソニックが一緒に走っているとか,ほかのゲームをモチーフとしたステージをソニックたちが走るというような,今までにない表現ができそうなので,続報をお待ちいただければと。

飯塚氏:
 舞台がオモチャの世界ですから設定を広げやすいんですよね。これまではマッチングが難しかったキャラクターもフィギュアにすれば登場させやすいですし,幅広くコラボ先を探していこうと思います。

――今年はゲームや映画とシャドウの年でもあります。それについての期待などがあればお聞かせください。

飯塚氏:
 今年は,存分にシャドウを楽しんでいただきたいと思います。「ソニック×シャドウジェネレーションズ」も映画に合わせて作りましたし,先日追加コンテンツ「ソニック × シャドウ TOKYO MISSION ムービーパック」を配信することも発表しました。映画のコンテンツを使ってプレイができますので,年末の映画と合わせて遊んでほしいですね。

田勢氏:
 ゲーム「ソニック×シャドウジェネレーションズ」,映画「ソニック×シャドウ TOKYO MISSION」とシャドウの年として盛り上がりそうなタイミングで,我々も近しい時期に「Sonic Rumble」をリリースすることになります。IPとしてすべての足並みが揃ったことは喜ばしいことですし,今からどんな盛り上がりを見せるのか楽しみですね。

――最後にサービス開始に向けて,ファンへのメッセージをお願いします。

田勢氏:
 日本ではベータテストもなく,ファンの方をちょっとお待たせしている状況で,大変申し訳なく思っています。各国での事前のテストを重ねて,設計やゲームバランスを最適な形に調整して,最も完成度を高めたグローバルローンチで皆さんにお届けすることになります。
 ちょうど同じころに映画にゲームとシャドウが盛り上がっているタイミングで,今までになかった新しい形のソニックタイトルが始まります。これまで触れる機会がなかった友達を誘って,ソニックの輪を日本中に広げていただければ嬉しいです。

飯塚氏:
 ダウンロードしていただいた方が幅広く楽しめるよう,たくさんのステージやモードを用意しています。ルームを作って周りにいる人限定で遊べるモードなどもありますので,年末年始の集まりでゲーム大会を開いていただくのもいいかもしれません。

 また今年はシャドウの年ということで,我々も寝る間を惜しんで全力でコンテンツ作りに力を注いできました。年末の映画「ソニック×シャドウ TOKYO MISSION」の公開に向け,配信アニメやコミック,ゲームのダウンロードコンテンツなども用意しています。我々の渾身のコンテンツをぜひ楽しんでください。

――ありがとうございました。

「Sonic Rumble」公式サイト

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