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ゲームライフを豊かにしてくれるかも? CES 2016で見かけた変わり種VR系デバイスをまとめてレポート
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印刷2016/01/18 20:37

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ゲームライフを豊かにしてくれるかも? CES 2016で見かけた変わり種VR系デバイスをまとめてレポート

CES 2016会場で,オレンジ色の奇妙なデバイスを頭に付けながらのし歩いていたおじさん。このデバイスは,「音の出ないゲーム」をユーザーがプレイし,その脳波を読み取ったものを両方の耳たぶに流し込むことで,耳の中で音楽を再生するものらしい
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 仮想現実(以下,VR)の話題に事欠かない印象があった「CES 2016」。真の意味で「VR元年」と呼べる年のスタートを切るイベントとして,来場者や業界の関心と期待値の高さをうかがえるものだったが,そうしたパワーの源は,聞いたこともないようなベンチャー企業が生み出す,さまざまなVR関連デバイスにあるのではないだろうか。

 4Gamerでもすでに,AR/VR統合型ヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)を謳うUSensの「Impression Pi」や,Samsung Electronicsの開発部門有志が製作したモバイルVRデバイス専用コントローラー「Rink」,そしてモバイルアプリのメーカーKrushが作り上げた全方位回転型の大型VR筐体「Moveo」などを紹介している。だが,これらのほかにも,1ネタで1記事にするほどではないかもしれないものの,VR関連デバイスとして可能性を秘めていそうなデバイスが多数出展されていたので,その中から面白そうなものを選んで紹介しておこう。


VR世界を歩き回れる円盤形デバイスがついに製品化

3DRudder


 過去のCESでも出展されていたフランス生まれの「3DRudder」は,VR世界内での移動を,キーボードやゲームパッドではなく足を使って行おうという試みで製作されたデバイスである。CES 2016では製品モデルが公開され,先進的な製品に送られる「CES Innovation Awards」の栄誉賞に選ばれたことで,以前にも増して注目を集めていた。

3DRudderの製品版サンプル。大きな円盤形で,オレンジ色の部分に足を乗せて使う
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 3DRudderの底部は,丸みを帯びていて,しっかりと踏む込まなくても足の動きを認識できる精度があるため,ちょっとした足の動きで移動できるというのが特徴である。そのため,VRデバイスとの相性が非常に良く,ユーザーは部屋の中を実際に歩き回ったりせず,ナチュラルにゲーム世界を移動できるというわけだ。

手でよく見えないかもしれないが,底面は緩やかな丸みを帯びており,足にかけた荷重に合わせて,前後左右に傾く仕組みだ
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来場者が使用している様子(※クリックすると全体像を表示します)。使用時は写真のように椅子に腰掛け,足置きのように3DRudderを置いて使う
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 3月には175ドルでの販売を開始する予定とのことで,すでに公式サイトでは,予約も受け付け始めている。

3DRudder 公式Webサイト(英語)



全身で羽ばたいて体を鍛える? 異色のVRデバイス

Icaros


公式Webサイトで公開されているIcaros
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 ドイツのミュンヘンにあるIcarosが開発した「Icaros」は,Samsung ElectronicsのVR HMD「Gear VR」などと連動して利用するフィットネス機器の一種だ。
 Gear VRを装着したユーザーは,なんとも形容しがたい形状の器具に四つん這いになって乗り,バランスを取りながら動くことで,VR HMDに表示されるバーチャル世界で空を飛ぶことになる。

Icarosを体験中の来場者。Gear VRを装着し,四つん這いになってまたがる
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 Icarosは360度自由に動き回るのだが,天秤のようにセンシティブなバランス感覚を要求されるので,この上で平衡を保ち続けるのは,非常に難しい。実際,体験者を見ていると5分もすれば額が汗で光り始めるほどで,「インナーマッスルを鍛えることを目的にしたデバイスである」とのことだ。
 Icarosの説明員は,いずれはサードパーティにゲームアプリを作ってもらいたいと抱負を述べていた。

こんな姿勢でグリングリンと動き回るのは,なかなか怖そうな気もするが……
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 デバイス自体が場所を取るうえに,カロリー計算も行える専用アプリがセットで価格はおよそ1万ドルとのことなので,一般家庭で利用するようなデバイスではない。おそらくは,スポーツジムなどに納入することを目標にしているようだが,他人の汗の臭いが染み付いたVR HMDを装着することが気になる人も多いだろう。まだまだ改善すべき点は多そうだ。

Icaros 公式Webサイト(英語)



センサー搭載でユーザーの動きを検知するサラウンドヘッドセット 3D Sound One


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 2015年末に299ドルで販売を開始したという「3D Sound One」は,「世界初のスマート3Dオーディオ搭載」を謳うBluetooth接続対応のワイヤレスヘッドセットだ。開発したのはフランスの3D Sound Labsである。対応機種は,Windows 8.1以降を搭載するPCまたはiOSとのこと。

 バーチャルな7.1chサラウンド再生に対応したヘッドセットというのは珍しくもないが,3D Sound Oneは,ヘッドセット内にジャイロセンサーや加速度センサー,地磁気センサーといった3種のセンサーを内蔵することでユーザーの動きを検知し,映画を視聴しながらユーザーが動き回っても,リアルなサラウンドサウンドを再生できることを特徴としている。

3D Sound Oneの実機。上側写真で手前に写っているのが右エンクロージャだ。基本はBluetoothによるワイヤレス接続で使用する製品だが,3.5mmミニピン
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 この仕組みは,VRデバイスとの相性がバツグンに良いと,3D Sound Labsではアピールしていた。同時に25か所の音源を再現できるので,たとえばFPSで,さまざまな方向からゾンビが襲いかかって来ても,迷わず的確に仕留めていけそうだ。
 「2016年こそが3D Sound One飛躍の年になる」とメーカーの担当者は期待を隠せない様子。日本を含めた販売対象国の拡大も楽しみとしたい。

3D Sound Labs 公式Webサイト(英語)



家庭のソファを振動対応体感ソファに変えるデバイス

Immersit


 テーマパークにあるような振動する座席の機能を,家庭でも簡単にできることを目的に開発が進められているのが,フランスのImmersitが開発中の社名と同じデバイス「Immersit」だ。4台1組の空気圧で動作する下駄のようなデバイスが,ゲームや映画の動きに合わせて上下に動くことにより椅子を傾け,映像をよりリアルに楽しめるようにするという。

脚の下にImmersitを取り付けたデモ用ソファ。これらが空気圧で動くことで,ソファを動かす仕組みだ
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脚の下に置かれたImmersit。空気を出し入れするパイプと制御用のケーブルがつながっている
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 振動する体感型チェア自体は,以前から存在するものだ。それらに対してこのImmersitは,下駄部分と制御装置のみで構成されるので,家庭にあるソファやリクライニングチェアなど,4本脚の家具なら大抵のものに対応できるというのが大きな特徴であると,開発チームは説明していた。
 実際,ソファ以外の家具,たとえばベッドやダイニングテーブルにも利用できるようだが,とくにVRデバイスではベッドに寝そべりながら振動を体感できるようになると話していた。

Immersitブースに掲げられたイメージボード。ゲームの動きに合わせて,赤いソファが左右に傾いている(写真奥)
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 Immersitブースでは,レーシングゲームを体験できるようになっていたが,現時点では下駄から空気が開放される量が多過ぎるようで,滑らかに体勢が戻らずにガクガクとソファが音を立てて動くなど,決して座り心地が良いものではないかった。Immersit側も問題は把握しており,今後はこうした問題点を調整したうえで,2016年内に製品版をリリースしたいとのことだった。

Immersit 公式Webサイト(英語)


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