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[G★2007#54]「Tabula Rasa」のリチャード・ギャリオット氏に現在の心境や今後についてインタビュー
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印刷2007/11/11 15:22

インタビュー

[G★2007#54]「Tabula Rasa」のリチャード・ギャリオット氏に現在の心境や今後についてインタビュー

画像集#001のサムネイル/[G★2007#54]「Tabula Rasa」のリチャード・ギャリオット氏に現在の心境や今後についてインタビュー
リチャード・ギャリオット氏
 G★2007の3日目に行われた,「Richard Garriott's Tabula Rasa」のアジアプレミア(関連記事)では,リチャード・ギャリオット氏本人による,本作の解説/質疑応答が行われ,その中で日本語版のクローズドβテストが2007年内に,完全にローカライズされた最終バージョンが2008年初頭にはテストできるとの情報を得られた。

 ギャリオット氏が同じ会場にいるという機会を逃す手はなく,4Gamerではさっそくインタビューを実施。ちなみに,インタビュー会場に日本語の通訳がいなかったため,英語を韓国語に,韓国語を日本語にするという,なかなか大変なインタビューになってしまった。そんな状況ではあったが,ギャリオット氏はいろいろな質問に丁寧に答えてくれたのだ。


画像集#002のサムネイル/[G★2007#54]「Tabula Rasa」のリチャード・ギャリオット氏に現在の心境や今後についてインタビュー
4Gamer:
 よろしくお願いします。まずは,長きにわたる開発お疲れ様でした。

リチャード・ギャリオット氏(以下,ギャリオット氏)
 ありがとうございます。

4Gamer:
 満足度は何%といったところですか。

ギャリオット氏:
 「Tabula Rasa」の満足度は非常に高いです。

4Gamer:
 2001年に発表され,2007年にようやく正式サービスとなったわけですが,何度も年単位で遅れが出てしまった理由とはなんでしょうか。

画像集#003のサムネイル/[G★2007#54]「Tabula Rasa」のリチャード・ギャリオット氏に現在の心境や今後についてインタビュー
ギャリオット氏:
 最初のバージョンは,NCsoftで「リネージュ」を作ったJake Song副社長と共に開発しました。しかし,お互いに気を遣っていたこともあり,イメージしていたものとは完全に違うゲームになってしまったのです。そこで1年半が過ぎたあと,すべてを新しく,1から作り直し始めたのです。そのときから今のバージョンを作るのに,3年半程度の期間がかかりました。

4Gamer:
 なるほど,この規模のMMORPGを,1から作り直したことが影響したわけですね。ところで,選択できる種族が人間しかいないのは,「Tabula Rasa」という名前を意識してのものですか?

ギャリオット氏:
 現在プレイ可能な種族は人間だけですが,追加種族はすでに開発中です。

4Gamer:
 人間以外の種族も登場するんですね。

画像集#004のサムネイル/[G★2007#54]「Tabula Rasa」のリチャード・ギャリオット氏に現在の心境や今後についてインタビュー
ギャリオット氏:
 ええ,これは近未来に“Tabula Rasa”という出来事が起こるという仮定のもとに,すべてのプレイヤーキャラクターは自分自身(人)だと考えることが重要なのです。Tabula Rasaでは,道徳的な決定をゲームを通じて行うことになるのですが,その決定は自分が行い,その決定に責任を負うということを,自身に投影できる点で人間という種族が大変重要だったんです。

4Gamer:
 たしかに,ストーリーを考えれば人間が始まりであるのは当然ですしね。では,2006年のE3で語っていた「オリジナリティ溢れる革新的な世界」になったと思いますか。

画像集#005のサムネイル/[G★2007#54]「Tabula Rasa」のリチャード・ギャリオット氏に現在の心境や今後についてインタビュー
ギャリオット氏:
 そうですね,“革新的で独創的なゲームを作ること”には成功したと考えています。現存する大部分のMMORPGのほとんどは,「EverQuest」に基づいたゲームデザインになっています。 つまりいろいろなゲームがグラフィックス的には発展しているけれど,おもしろいミッションプレイなどはEQのゲームデザインと同一なんですよ。しかし,Tabula Rasaの場合はほかのMMORPGと違うということを確信しています。

4Gamer:
 では,「ストーリーテリング」についての要素はどうですか?

ギャリオット氏:
 大部分のMMORPGが,ストーリーに関しては重視していません。しかし,Tabula Rasaは良い話をどのように伝達するかという方法論に関しても,新しいシステムが導入できたと思います。
 ストーリーは戦場から始まりますが,一つ一つのストーリーのエンディングはインスタンスダンジョンで迎えることになります。インスタンスダンジョンを利用することになるのに伴い,ソロプレイヤーやグループのために,オリジナルストーリーを提供することになりますが,これを通じてカスタム化されたパズルを提供したり,視覚的/聴覚的な感動を与えるほどのフィナーレを,インスタンスダンジョンを通したミッションで提供することになります。

4Gamer:
 昨今のMMORPGでのお約束といえば,「攻城戦などの大規模PvP」「ペット」「ハウジング」「RAID」などがありますが,Tabula Rasaの将来的展開の中で,優先的に考慮しているコンテンツはどれになりますか?

ギャリオット氏:
 すでに,企画中のものや今後の計画に含まれているのもありますが,考えていないものもあります。その理由として,Tabula Rasa自体がほかのゲームとは明らかに異なる点が存在するからです。
 PvPは,今後アップデートを通じて拡張していくでしょう。ペットシステムはすでに実装していますが,今後は騎乗できるようにします。しかし,ハウジングに関しては今のところ企画していません。

4Gamer:
 それは,たまたま今は考えていないというだけでしょうか。

画像集#006のサムネイル/[G★2007#54]「Tabula Rasa」のリチャード・ギャリオット氏に現在の心境や今後についてインタビュー
ギャリオット氏:
 いえ,エヌ・シー・ジャパンのCEOキム・テクホン氏をはじめとするスタッフの皆さんは,一般的なMMOに近づくような機能を追加しないでくれと言っています。なぜなら,ほかのMMORPGと違うという点がTabula Rasaの長所だと考えているからです。プレイヤー興味を引くために,ほかのゲームと同じシステムを追加するつもりは,まったくありません。

4Gamer:
 それは,先ほどの「オリジナリティ溢れる革新的な世界」であり続けることを指しているわけですね。ところで,日本でウルティマシリーズが成功したということが理由で,アジアでは日本でのサービスを先行して行うということですよね。

ギャリオット氏:
 ええ,日本のプレイヤーがウルティマシリーズを愛してくれたことを非常に光栄だと思っています。ウルティマをプレイしてくれていた人々に,Tabula Rasaを見てもらいたかったことと,個人的にも親近感がある市場が日本なので,アジア市場の橋頭堡として,最初に日本でTabula Rasaを公開することにしました。

4Gamer:
 たしかにUOは,今でも日本に大勢のプレイヤーがいます。その中には,Tabula Rasaを楽しみにしている人も多くいることでしょう。

ギャリオット氏:
 今後は数か月の間,アジア市場に関して勉強し,アジアのプレイヤー,とくに日本のプレイヤーの好みに合う要素を捜し出して,ゲームに反映できるように努力するつもりです。

4Gamer:
 そこまで言われると,なんだか恐縮してしまいますね。では時間がありませんので,最後に,本作をどういう作品に育てていきたいと思っているか教えてください。


ギャリオット氏:
 今後2〜3年の計画は,すでに企画文書上にあり,いくつかの惑星を提供する予定になっています。この惑星は各々が完全に別のストーリーラインを持っていて,それを通じて新しいストーリーを伝えます。プレイヤーは宇宙の秘密をより多く知ることになるでしょう。ほかの惑星へ渡りながら,本作の面白さを感じてもらいたいですね。

4Gamer:
 本日はお忙しいなか,ありがとうございました。


画像集#007のサムネイル/[G★2007#54]「Tabula Rasa」のリチャード・ギャリオット氏に現在の心境や今後についてインタビュー
 韓国メディアを含め,分刻みでインタビューを行っていたギャリオット氏。二人の通訳を通したうえに,時間にしてわずか30分ということで,まだまだ聞きたいことは山ほどあったのだが,今回はここまでとなった。

 ギャリオット氏が語ってくれたことは,GC 2007での「こちら」の記事にあるStarr Long氏の言葉と多くが重なっている。そのなかに「ギャリオット氏はあまり大きなことを考えないこと」という項目があった。にもかかわらず,ほかにはないものを作り出すために,壮大にアイデアが広がっていき,収集つかなくなってしまい,開発期間が延びてしまったようだ。それほどに,どこまでも貪欲にオリジナリティを追い求めているギャリオット氏が,今後Tabula Rasaにどんな仕掛けを用意してくるのかが楽しみで仕方がない。

  • 関連タイトル:

    Richard Garriott's Tabula Rasa

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