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[TGS 2006#48]DDO,そして次回作の近況から今後まで:さくらインターネット&Turbine インタビュー
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印刷2006/09/24 22:59

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[TGS 2006#48]DDO,そして次回作の近況から今後まで:さくらインターネット&Turbine インタビュー

 「ダンジョンズ&ドラゴンズオンライン:ストームリーチ」(以下,DDO)を運営するさくらインターネットは,東京ゲームショウ2006にブースを構えており,そこでプレスカンファレンスを行ったことはすでにお伝えしたとおりである。その直後,さくらインターネットのCEO 笹田亮氏,およびDDO開発元 TurbineのCEOであるJeffrey Anderson氏,そしてTurbineおよびさくらインターネットの新作「The Lord of the Rings Online:Shadows of Angmar」(LOTRO)のアートディレクターを務める Yaming Di氏にインタビューを行った。
 いまのところ日本語での情報の露出が少ないLOTROについても聞くことができたので,その一部始終をお伝えする。



■DDO日本語版:サーバー人口の不均衡問題の解決法とは?

さくらインターネットCEO 笹田亮氏
4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。早速ですが,DDOについて教えてください。正式サービスが始まって少し経ったわけですが,現在の状況はいかがでしょうか?

笹田亮氏:
 だいたい予定どおりに進んでいます。無料期間を過ぎて課金を開始していただけたアカウント数が3万を超えました。だいたい一日100人から150人,週に1000人のペースです。滑り出しは好調,と言えると思います。

4Gamer:
 ええ,かなり良い数字ですね。DDOでは,βテスターの募集時に応募しやすさを重視して,メールアドレス以外のいわゆる個人情報を集めなかったので,どういった層の人が参加しているのか完全には把握できなかったとのことですが,正式サービスではそういった情報が集まってきていることと思います。それを見てみてどうでしょう。どの年齢層のプレイヤーが多いのでしょうか。また,コアプレイヤーとカジュアルプレイヤーの比率なども伺いたいです。

笹田亮氏:
 まず年齢ですが,これはとくに一定の年齢層に固まるということなく,平均的に分布しています。

4Gamer:
 え,そうなんですか。私は,D&D,赤箱・青箱などに対して思い入れのある,30歳代あたりがメインかと予想していたのですが。



笹田亮氏:
 ええ,そうではないんですよ。そしてコアかカジュアルかというところでは,私も完全には把握できているわけではないのですが,コア寄りかな? という印象です。
 というのもですね,今回βには4万人集まっていただいて,正式サービス登録者数が3万人なんです。つまり,β参加者の7割から8割が残っていただいている計算です。これがライトなMMOの場合,正式サービスに登録してくれるβ参加者の比率は,2割とかその程度ですよね。そう考えると凄く熱心な方,つまりコアな方が多いのではないかと予想できます。

4Gamer:
 なるほど,確かにそうですね。
 ちなみにみなさん,クライアントはどのように入手されているんですか? ダウンロードがメインなのでしょうか?

笹田亮氏:
 フロンティアグルーヴさんのパッケージ版が,おかげさまで1万本を売り上げました。

4Gamer:
 おお,それもかなりいい数字ですね。

笹田亮氏:
 ありがとうございます。初回に出荷した5000本がすぐに売れてしまって,5000本増産したんですよ。

4Gamer:
 順調ですね。さて,立ち上がって無料期間も過ぎて,そろそろアクティブなプレイヤーからの要望なども集まりつつあると思うのですが,どんな意見が出ていますか?

笹田亮氏:
 いま日本語版には三つサーバーがあるのですが,キャラクターを別のサーバーに移動させてほしいという要望が出ています。当初EmeraldとDiamondという2サーバーでスタートしたのですが,エメラルドのほうにプレイヤーが集中してしまっていたんです。確かに人が集まっているところで遊ぶほうがより楽しいですからね。
 しかし,“人が多すぎる”という状況になってしまったので,一時期EmeraldからDiamondにプレイヤーが次々と移動していったんです。その動きに合わせて,三つめのサーバー Carnelianを立ち上げたのですが,予想したようにはそちらに移動していきませんでした。現在比率で言えば,だいたいEmeraldが5,Diamondが3,そしてCarnelianが1といったところです。

4Gamer:
 うーん,Carnelianが寂しいですね。

笹田亮氏:
 そしていま要望として多いのは,「Emeraldから友人のいる他サーバーに移動したいが,ここで育てたキャラクターをナシにしたくはない。だからキャラクターをほかのサーバーに移動させてほしい」というものです。キャラクタートランスファーについては,今Turbineと話し合っているところで,すぐには無理ですが,いつか実現できそうです。

4Gamer:
 Turbineのほうも凄くフットワークが軽いですね。

笹田亮氏:
 Turbineでもそういったサービスをしたいと,もとから考えていたそうなんですよ。アメリカでは有料のサービスとしてスタートさせる予定のようですが,私は,いま日本でやるなら,有料にはしたくないと思っています。時期としては……モジュール3の適用以降になるでしょう。年内か,あるいはちょっと過ぎるか……というところでしょう。



■The Lord of the Rings Onlineは,どんなゲームなのか?

Turbine CEO Jeffrey Anderson氏
4Gamer:
 せっかくJeffrey AndersonさんがいらしているのでLOTROについても質問させてください。英語版の現在の開発状況はいかがですか?

Jeffrey Anderson氏:
 すでにクローズドβテストが始まっています。このテストは3週間ほど行って一旦終了し,第4四半期にはオープンβテストを行う予定です。βテストには,すでに20万人の応募者がありました。1月くらいまでにこの数を50万人にまで上げるのが目標です。

4Gamer:
 βテストに50万人ですか,それはかなり大きな数字ですね。

Jeffrey Anderson氏:
 オープンβを開始するとなれば,多くの人の耳にその情報は届くはずです。そうなれば年末くらいまでに30万から40万人くらいまでに増やせると思っています。そして年が明けたらさらに10万人,合計で50万人というイメージです。そしてテストが終わって,正式サービスが開始できるのは3月末から4月頭くらいとなりますね。

4Gamer:
 もうそこまでスケジュールが出ているんですね。さて,そうなると,日本語版のリリース時期が気になるのですが。

笹田亮氏:
 4月中に出せるといいですね。

4Gamer:
 うわ,それもまた早いですね。だとすると,もうローカライズ作業を始めたいくらいの時期だと思うのですが。

笹田亮氏:
 実は,最初の何十万ワードかの翻訳に,いま入ろうとしているところです。

Jeffrey Anderson氏:
 すでに私達には,DDOでさくらインターネットさんとの共同作業を行ったときのノウハウがありますので,LOTROで行う作業もスムースにいくのではないかと予想していますよ。

4Gamer:
 分かりました,こちらもまた楽しみです。
 では,ゲーム内容について質問させてください。まずはクラスについてです。英語版の公式サイトなどの情報を見ると,LOTROはクラスの名前が独特ですよね。Fighter,Wizerd,Bard……といったものではなく,Guardian,Lore-master,Minstrelなどといった,ちょっと変わったものが用意されています。この理由を教えてください。

Jeffrey Anderson氏:
 一言で言えば,「原作者トールキンの世界をより生かすため」というのが理由です。原点の中から言葉やアイデアを抽出して,できあがっていったのがそれらのクラスなんです。

笹田亮氏:
 例えば「ウィザード」などは,あの世界では誰もがなれるものではなく,世界に数人しかいないようなレアな存在ですよね。

Jeffrey Anderson氏:
 ビルボは,きっとほかのゲームのルールではRogueなんでしょう。ですがこのゲーム世界ではBurglarと呼ばれるのです。

4Gamer:
 なるほどなるほど,言われてみれば確かにそうですね。数人に一人がウィザードと呼ばれるような世界になってしまうと,ファンには興ざめかもしれません。
 ところで,とても気になっていたのですが,DDOとLOTROはどちらもファンタジーベースのMMORPGですよね。さらに開発会社も同じということで,ターゲットとする層がかなりかぶってしまうような気がするのですが……。

笹田亮氏:
 確かに一見そう見えます。しかし,これは直接プレイをしてみると分かるのですが,実際にはあまりかぶらないようなんですよ。

4Gamer:
 といいますと?

笹田亮氏:
 ご存じのようにDDOは,一般的なMMORPGと比べるとちょっと変わっています。冒険は基本的に専用のインスタンスで行われ,戦闘はアクション性がとても高い。
 それと比べると,LOTROは非常に“一般的なMMORPG”的です。ほとんどの冒険はパブリックなエリアで行われて,戦闘もいかにもMMO的。あと生産スキルを使ったクラフトなどもあります。ゲームとしての性質が結構違うんですね。さらにグラフィックス的にも手がけているデザイナーが違うので,それぞれ個性があります。どちらのゲームにも需要があると考えています。

4Gamer:
 この点についてAndersonさんはどうお考えですか?



Jeffrey Anderson氏:
 彼の言うとおりです。戦闘を中心とするDDOのゲーム展開はとてもスピーディで,チームを組んで冒険/戦いに赴くという部分では,まるで「Counter-Strike」「Battlefield 1942」のプレイのような勢いを持っていました。

4Gamer:
 FPSが比較に出されるMMORPGなんて,かなり珍しいですよ(笑)。

Jeffrey Anderson氏:
 そんなDDOに比べて,LOTROは広大な世界の中を思うままに探索することに重点を置いています。もちろんそれに加えて,ソロやグループでの戦闘も可能ですが,DDOとはやはり全体的な雰囲気が違います。
 いま我々MMORPG関係者が無視できない作品として,「World of Warcraft」があります。ご存じのように,DDOはWoWとはかなり異なった作品です。そしてLOTROは,言うなれば次世代のWoWと呼べるかもしれません。

4Gamer:
 さきほど,ほとんどの冒険はパブリックなエリアで行われるといった話がありましたが,インスタンスダンジョンも存在するんですよね?

Jeffrey Anderson氏:
 ええ,もちろんインスタンスはあります。ですが,基本的にはオープンなエリアで,ストーリーを楽しみながら冒険を進めていきます。
 インスタンスはグループ――LOTROの場合はフェローシップと呼びますが――を組んだときに行くところですね。そこにはドラマチックなストーリーが用意されています。一般的なプレイでは,大体プレイ時間の9割はパブリックエリアで過ごし,1割程度の時間をインスタンスで過ごすことになると思います。

4Gamer:
 確かに,WoWの延長線上にあるようですね。ところで,私はDDOを楽しんでいるとき,よくソロプレイにも挑戦したのですが,正直なところなかなかうまくいきませんでした。LOTROではソロプレイも楽しめますか?

Jeffrey Anderson氏:
 ええ,申し上げましたように,この二つは異なったゲームです。LOTROではほぼ最初から最後まで,全部ソロで冒険を進めることもできます。

4Gamer:
 え,全部ですか。それはそれで,MMORPGとしては珍しいですね。

Jeffrey Anderson氏:
 もちろん,仲間と協力してプレイを進めたほうが,ゲームの進行は何倍もスムースではありますけれどね。

4Gamer:
 難しいけれど,選択の一つとしては用意されているということですね。それでは,システムについて最後の質問です。LOTROのパブリックエリアを冒険しているときに,ほかのプレイヤーに殺されてしまうことはありますか?

Jeffrey Anderson氏:
 それはありません。プレイヤーキリングはPK用のエリアに行かないとできません。

4Gamer:
 なるほど,ずいぶんイメージができてきました。 作品に実際に触れられる日が楽しみです。



■LOTROはシネマティックなゲーム

Turbine アートディレクター Yaming Di氏
4Gamer:
 ではここからは,Diさんにお話を聞きたいと思います。LOTROのアートディテクションを担当しているDiさんが,プレイヤーに対して「とくにここを見てほしい」というデザイン上のポイントはどこでしょうか。

Yaming Di氏:
 この作品には重厚な原作があって,さらにとてもクオリティの高い映画があります。そのため,必然的にゲームでも同じようなハイクオリティを期待されるでしょうから,そういった期待に応えられるように心を砕きました。
 より具体的には,「リアリスティックであり,かつシネマティックであること」に注力しました。

4Gamer:
 「ゲーム画面が映画的」とは,どういうことでしょう?

Yaming Di氏:
 画面の中にある色の配置やライティングにとても気を遣うことで,なにげない1シーンでも印象的に見えるように工夫しました。

4Gamer:
 なるほど,“職人芸”的な細かな部分にも力が入れられているわけですね。
 ところで,LOTROがベースとしているのは映画ではなくて原作小説ですよね。ということは,例えば映画に登場するクリーチャーでも,ゲームでは姿が異なっていたりするのでしょうか。



Yaming Di氏:
 一概には言えませんが,私も,そして映画のアートディレクターも,同じ原典にあたって,それぞれの解釈でクリーチャーを形作っています。同じものをベースとしているので,共通の特徴を持ったものになるのは自然なことだと思います。
 私の手がけるゲームのアートに関して言えば,いくつか自分なりに手を加えた部分ももちろんあります。例えば,指輪物語の世界には「バルログ」という怪物がいますよね。そのバルログからインスピレーションを得て生み出されたモンスターで,「ログ」というのがゲームに出てくるのですが,彼らの見かけなどは私の発想が大きく反映している部分ですね。

4Gamer:
 小さいバルログですか,それは早く見てみたいですね(笑)。
 今後の展開には本当に期待しています。本日はありがとうございました。



 DDOの運営に関する笹田社長の言葉を聞いていると,「ほんとにこの人はユーザー本意なんだなぁ」という印象を受ける。そういった笹田社長の要求にできる限り応えていくTurbineも懐の深い会社であるように思えた。
 現在のところ,この二社の動きは,その多くが日本のゲームプレイヤーにとって興味深く,また喜ばしいことであることが多い。ゲームショウ以降の動きにも要注目,である。(ライター:星原昭典)

  • 関連タイトル:

    Dungeons & Dragons Online: Eberron Unlimited

  • 関連タイトル:

    The Lord of the Rings Online

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