お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

LINEで4Gamerアカウントを登録
HW短評:Razer「Razer Leviathan」(3)
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のムービー

メディアパートナー

印刷2015/02/27 00:00

テストレポート

HW短評:Razer「Razer Leviathan」(3)

総試用時間:4時間
短評(2)短評(1)

Razer Leviathan
メーカー:Razer
問い合わせ先:MSY(販売代理店)
予想実売価格:2万9200円前後(※2015年2月27日発売)
画像集 No.002のサムネイル画像 / HW短評:Razer「Razer Leviathan」(3)
 Razer製サウンドバー「Razer Leviathan」(以下,Leviathan)の短評3回めは,米Audessey製のアルゴリズムを採用した伊IK Multimediaのルームイコライザ「ARC 2」を用いて,実機の周波数特性を計測してみたい。
 今回は「Mac Pro(Late 2013)」に接続した独RME製オーディオインタフェース「Fireface UCX」の入出力を用い,Leviathanの音楽プリセットにおける計測を行う。音楽プリセットを用いることにしたのは,ゲームと映画のプリセットと異なり,Dolby Laboratoriesのサラウンド関連機能が標準では有効になっておらず,Razerがステレオ再生を前提にチューンしたと考えられるためである。

画像集 No.003のサムネイル画像 / HW短評:Razer「Razer Leviathan」(3)
 というわけで,さっそくだが,下がその結果だ。
 もちろん,計測される周波数特性は環境によって変化するため,この結果が絶対というわけではない。あくまで筆者宅のホームスタジオで計測したものだとお断りしておくが,40Hzくらいから上がちゃんと再生されているのは立派と言っていいだろう。しかし,とくに気になるのは120Hz付近が異常に高く,逆に180Hz付近が異常に低いという点だ。180Hzというのはクロスオーバー周波数(≒複数のスピーカーで分担する周波数の境界)なので,要するに,サブウーファとサウンドバー本体の出力周波数が連続していないということになる。

計測結果はオレンジ色の波形で,左から順に左スピーカー,右スピーカーのものとなる。ARC 2を使うと,緑色の波形で表示される「理想の周波特性」と,実際の計測結果がどれくらい乖離しているかが分かるのだが,120Hz付近は7dB程度高く,逆に180Hz付近は9dB程度も低い。なお,左右で計測結果が異なるのは,環境(=部屋の音響)が原因だ。簡単にいうと,右スピーカー側のほうが壁に近い
画像集 No.004のサムネイル画像 / HW短評:Razer「Razer Leviathan」(3)

 なぜこんな結果になっているのか,だが,おそらくは,サウンドバー側の下限を180Hzまで落とせず,かつ,サブウーファ側での再生可能周波数帯域上限を180Hz以上にすると音質が悪く聞こえるため,やむなく谷をそのままにしたのではないかと考えられる。なら120Hzの山はというと,これは単に,サブウーファが最も強く再生できる周波数帯ということだ。133mm系のスピーカードライバーと容積を考えれば,まあ妥当だが,ちょっとピークが強すぎる。

床の材質にも寄ると思うが,サブウーファの出力は120Hzがピンポイントで強い。これが,サブウーファの音が大きすぎるように聞こえる原因だろう。サブウーファはご覧のとおりバスレフ設計で,台形型の構造といい,恐らくハードウェア的にギリギリいっぱいまで低音の再生能力を確保したのだと思われるが,120Hz付近のピークはもう少し弱くあるべきだった
画像集 No.005のサムネイル画像 / HW短評:Razer「Razer Leviathan」(3) 画像集 No.006のサムネイル画像 / HW短評:Razer「Razer Leviathan」(3)

 一方,サウンドバーが担当している周波数帯域に目を移すと,1kHzに若干の膨らみがあるものの,3kHzくらいまでまずまずフラットな印象で,6kHz付近と12kHz付近で理想に対して+3dB程度の山が生まれ,15kHz以上で落ち込み始める。

ニュース記事で「PCとマッチする小型サイズ」という表現があるとおり,Leviathan本体は,サウンドバーとしては小さい。通常,クロスオーバー周波数では,サウンドバーのようなサテライトスピーカー側の下限を広げ,むしろ山にすることで周波数帯のつながりを自然にするのだが,おそらくはサウンドバー本体サイズが小さすぎてそれができなかったのだと思われる。かといってサブウーファの周波数上限を引き上げると音が不自然になるということで,谷が生まれたのではなかろうか
画像集 No.007のサムネイル画像 / HW短評:Razer「Razer Leviathan」(3) 画像集 No.008のサムネイル画像 / HW短評:Razer「Razer Leviathan」(3)

画像集 No.009のサムネイル画像 / HW短評:Razer「Razer Leviathan」(3)
 総じて,周波数特性は,いわゆるマルチメディアスピーカーにしては優秀な部類と言っていいであろう。

 ただ,「ではホームオーディオメーカーの製品に比肩するか?」というと,そこまでは至っていない印象がある。今回のテストで具体的に120Hz付近と帯域まで分かったわけだが,とくにサブウーファのここが強すぎるのが痛い。サテライトのほうは,180Hz以下まで周波数帯域を確保できていないのを除けば優秀なだけに,残念だ。

関連記事:Razer初のサウンドバー「Razer Leviathan」が2月27日に国内発売。PCとマッチする小型サイズがウリ

RazerのLeviathan製品情報ページ(英語)


※HW短評に関する注意
  • HW短評は,各執筆者が,テスト経過時点でのインプレッションをまとめたものです。最終的な評価の掲載を目的とするわけではないため,次回以降のHW短評,もしくは別途掲載されるレビュー記事などとは異なる評価が掲載されることもあります
  • HW短評について,お気づきの点や,「こんな追加テストをしてほしい」という要望があれば,問い合わせフォームの「記事について(掲載情報の間違いや修正依頼など)」からお伝えいただければ幸いです。ただし,ご要望にお応えできない場合もありますので,この点はご容赦ください
  • 関連タイトル:

    Razer

  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:04月23日〜04月24日