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  • NVIDIA
  • 発表日:2008/06/02
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印刷2009/06/27 10:30

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NVIDIAのMichael Rayfieldゼネラルマネージャーに聞く,Tegraの現在と今後

Michael Rayfield氏(General Manager of Mobile Business, NVIDIA)
 意外に思うかもしれないが,現在,NVIDIAが最も力を入れているのは,携帯型インターネット端末向けのメディアプロセッサ,「Tegra」(テグラ)だ。4Gamerでは,そんなTegraの開発を統括するNVIDIAのMichael Rayfield(マイケル・レイフィールド)ゼネラルマネージャーと,COMPUTEX TAIPEI 2009のタイミングで,Tegraの技術的背景や,今後の展開について聞く機会が得られた。本稿では,その内容をまとめてみたいと思う。

COMPUTEX TAIPEI 2009のタイミングで,Tegraのリファレンスボードを披露した,NVIDIAのJen-Hsun Huang(ジェンスン・フアン)CEO。その基板サイズはSO-DIMMと同サイズというコンパクトさだ
Tegra Tegra


Tegraで実現されているもの


Atomや,最近話題のSnapdragonと比べて,バッテリー持続時間が桁違いであるとアピールするスライド
Tegra
 Tegraという製品の存在が発表されたのは,COMPUTEX TAIPEI 2008の前日となる2008年6月2日のこと。あれから1年が経って,COMPUTEX TAIPEI 2009では複数のTegra端末が公開されたが,その省電力性能は,既存の携帯型インターネット端末向けプロセッサ搭載製品と比べて飛び抜けている。例えば,一般的なNetbook用バッテリーユニットを使えば,音楽の再生なら連続25日間,1080p仕様の高解像度ビデオの再生でも連続10時間のバッテリー駆動が可能といった具合だ。

 この驚異的な低消費電力性能を実現したのは,「使われていない機能は,極力OFFにする」(Rayfield氏)というアプローチである。

24WHr(24 Watt-Hour,1時間あたり最大24Wの電力を供給できる容量)の場合。一般的に,バッテリーユニットそのものの性能は,1時間当たりに消費可能な電流量を示す「mAh」で示されるが,端末ごとに利用する電圧は異なるため,バッテリー性能を比較するときにはWHrがよく用いられる。

Tegraに搭載される8種類のプロセッサ
Tegra
 Tegraには,ARM11およびAMR7ベースのマイクロプロセッサを合計2基と,3Dグラフィックスを担当するGPU,2Dグラフィックスエンジン,HDビデオエンコーダ,HDビデオデコーダ,オーディオコーデック,(カメラ制御などを行う)イメージングプロセッサという,8基の独立したプロセッサが1チップに統合されている。
 これらプロセッサ群が,待機モードで常に電力を消費していては,トータルの消費電力はバカにならない。同時に,複雑なIC回路の一部をオフにするという制御は容易でないはずだが,しかしRayfield氏は「PCアーキテクチャに縛られなければ,そこにブレイクスルーがある」と述べる。

COMPUTEX TAIPEI 2008時点の資料より。PCのアーキテクチャにとらわれることなく,必要な機能をワンチップ化することで,圧倒的な小型化と省電力化を実現したと謳われる
Tegra
Tegra
 「(PCアーキテクチャの延長線上でシステムを開発すると)CPUやチップセットは常にアクティブな状態でなければならず,電力を消費し続けることになる」とRayfield氏。例えばIntelの「Atom」プロセッサをベースとするプラットフォームだと,CPUがさまざまな機能を担うとともに,特定機能を実現するコントローラ群も制御する形を取っている。
 「しかしTegraでは,“独立したプロセッサ”を統合したことにより,特定機能のみを使う状況において,ARMコアを含めたほかのプロセッサはオフ状態に移行できる」(Rayfield氏)。PCアーキテクチャにとらわれない設計を行ったことにより,消費電力の劇的な低減を可能にした,というわけだ。

 冒頭でさらりと紹介したように,Tegraはメディアプロセッサにカテゴライズされる製品だが,NVIDIAはそれをわざわざ,「Complete Mobile Computer on a Chip」(ワンチップの完全なモバイルコンピュータ)と言い直している。それだけ,単なる「プロセッサ」だと見てほしくない,ということなのだろう。


2010年には現行世代比4倍の性能を実現へ


 Tegraは携帯インターネット端末の3Dゲーム性能を大幅に引き上げる存在としても期待されている。

Tegraのロードマップ。2010年には,現行製品と同じ消費電力のまま,4倍のパフォーマンスを実現する計画だ
Tegra
 その観点で最も気になるTegraの3Dグラフィックスエンジンは,発表当初,「GeForce FX」相当とされていたが,実際にはGeForce FXと「GeForce 6」の中間的な存在のようで,今回のインタビュー中,Rayfield氏は「GeForce 6シリーズ相当」と述べていた。そのパフォーマンスは「Quake(※『Quake III Arena』のことだと思われる)を46fpsで走らせることができる」(Rayfield氏)程度とのことだ。
 もちろん,ビジュアルコンピューティングのリーディングカンパニーを名乗るNVIDIAが,“10年以上も前のゲーム”が動くレベルで満足しているはずはない。Rayfield氏は,次世代のTegraが「(現行のTegraと)同じ消費電力で,4倍のパフォーマンスを果たす」と予告する。

Tegra
MobinnovaのTegra搭載Netbook「élan」
Tegra
Compal CommunicationsのTegra搭載Netbook「CN88」
Tegra
ASUSTeK ComputerのODM部門から分社化して誕生したPegatron TechnologyのTegra搭載Netbook「VIVID」
 氏のいう「4倍」には,CPU性能や,そのほかの機能向上も含まれるほか,「消費電力を半分にすると同時にパフォーマンスを2倍に引き上げることで,よりコンパクトな携帯端末への搭載を可能にする」というアプローチも含まれる。現にRayfield氏も,「チップサイズや消費電力を維持するという意味では,一足飛びに最新のGeForceエンジンを実装することは不可能だ」と釘を刺しており,いきなり3D性能が4倍になるという話ではない。
 ただ,氏は同時に,「ビデオ品質やグラフィックス性能の向上は,次期製品における重要な課題の一つ」とし,「最新の半導体製造プロセスを採用するなどして,(システムのバランスを見ながら)より高性能なグラフィックスコアを徐々に統合していく」という見通しは示している。

 ところでもう一つ,携帯インターネット端末をゲーム用途で使うという観点で,避けては通れないのが,アプリケーション環境の整備である。ARMコアをCPUとして統合するTegraでは,x86 CPUプラットフォームとのソフトウェア互換性がまったくないからだ。

 現在,TegraはWindows CE 6.xベースの環境が整備されており,「LinuxやそのほかのOS環境への対応も進めている段階」(Rayfield氏)。次期TegraでDirectX 10以降に対応したグラフィックスコアを統合したとしても,簡単にPCゲームを移植できるというわけではない。
 発表時点でQuake III Arenaを動かして以降,NVIDIAがTegraを説明するに当たって,ゲームパフォーマンスを声高に叫ばないのは,「魅力的なゲームコンテンツ環境を実現するためには,OSやアプリケーション開発のサポートが必要不可欠である」ことを,NVIDIAが一番よく理解しているからである。
 NVIDIAは現在,同社のいう「Netbook」におけるゲームのサポートはIONプラットフォームの役割と位置づけている。Tegraが魅力的なゲームプラットフォームになり得るかを議論するためには,もうしばらく時間が必要だろう。

Tegraを含むNVIDIA製プロセッサでAdobe Flashのアクセラレーションを有効にする
Tegra
 その一方でNVIDIAは,Adobe Systemsと共同で,Adobe Flash(以下,Flash)のアクセラレーション機能をTegraに実装した。これにより,「FlashベースのカジュアルゲームコンテンツやYouTubeなどのオンラインビデオ再生などを,快適に動作させられる」とRayfield氏。現在,携帯電話向けのゲームコンテンツの多くがFlashかJavaベースであることを踏まえるに,携帯型インターネット端末向けの機能実装としては正しいアプローチだといえそうだ。


 「日本でTegra搭載システムが発売されるのか」という,日本のユーザーにとっては肝心要の部分がまだ明らかになっていないこと,そして,NVIDIAが現時点ではTegraのゲーム端末化を急いでいないことからすると,4Gamer的に期待できるようになるのは,まだ先の話になると思われる。
 ただし,“世代が上がると性能が4倍に”というのが,テクノロジー的な側面から見ると相当面白いのは確かだ。ゲームに関連した技術に興味があるなら,今後も追いかけておいて損はないだろう。
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