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[GDC 2009#21]「バイオハザード5」を彩るインゲームムービー制作。技術がどんなに進んでも“最後の10%は手作業”
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印刷2009/03/27 19:20

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[GDC 2009#21]「バイオハザード5」を彩るインゲームムービー制作。技術がどんなに進んでも“最後の10%は手作業”

 パンフレットや小冊子に書かれているタイトルが,実際のレクチャーではしばしば変更されてしまうことで有名(?)なGDCだが,カプコンが現地時間3月25日に行った「Resident Evil 5」こと「バイオハザード5」PLAYSTATION 3/Xbox 360)のレクチャーも,当初は「Designing Terror: Inside the RESIDENT EVIL 5 Production Process」(恐怖をデザインする。RESIDENT EVIL 5のプロダクションプロセス)とあったのだが,現場では「RESIDENT EVIL Making Stories」というシンプルなものに変更されていた。内容は,ゲームに登場するムービーがどのようにして作られたか――というものである。

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カプコン
平林良章
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 説明に当たったのはカプコンの平林良章氏で,ゲームを彩る高品質なムービー制作のスーパーバイザーとして,バイオハザード5に携わってきた。2005年には「バイオハザード4」のリードデザイナーとして,GDCでレクチャーを行った経験もある。

 平林氏はまず,日米共同で作業することの難しさを話題にした。バイオハザード5のインゲームムービーが,ハリウッドのクリエイターとのコラボレーションで作られたのは有名な話だが,その裏では当然のように言葉や文化,習慣の違いというものに直面したという。
 ちなみに,ムービー制作にはカプコンのインハウスのチームと,日本の社外チーム,そしてロサンゼルスのチームが関わっているが,比率で見ると写真のように,ほとんどがロサンゼルスで制作されていることが分かる。なお,余計なお世話かもしれないが,写真にある“MoCap”とは,モーションキャプチャーのことだ。
 
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 こうした日米の共同作業を円滑に行うため,平林氏は「Middleman」(ミドルマン)という役職を新たに設けた。単数形だが実は一人というわけではなく,双方の間に立ってさまざまな折衝や交渉を行うチームの名称だ。アメリカ側のスケジュールが遅れ,アニメーターの増員が必要になった際,ミドルマンに依頼することでスカウトおよび人員配置が問題なく行えた例もあったとのことで,彼らの存在がポイントの一つになったと語る。

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 バイオハザード5では,新たにPre-Visualization(以下,プレビズ)という手法が採用されている。これは,複雑かつ資金のかかるものになったハリウッドの映画制作現場で始まったもので,絵コンテだけなく,あらかじめさまざまなものをビジュアル化して検討するやり方だ。プレビズによって日米の意志統一も図りやすくなり,また修正作業も減って作業時間の短縮にもなるとのこと。ただ,プレビスの導入はクリエイター側からすれば正解だったのだが,トータルの経費は上昇してしまい,効率化という観点からは問題を残したようだ。今後は,どうやって経費を削減していくのかが課題になるとのことだった。
 プレビズの素材となったのは,モーションキャプチャー時のビデオや簡単なCGなど多種多様で,ほとんどすべてのシーンがビジュアル化されたという。

 さらにバーチャルカメラやフェイシャルアニメーションといった最新技術に関するトピックが登場したが,いかにも日本的だと思えたのは平林氏の「オートメーションで90%までいけるが,残りの10%は手作業」というところだろう。これは写真にあるフェイシャルアニメーションの自動化に関して語られたもので,こうした自動化操作を経てなお,最後はデザイナーが微調整するというのだ。

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 これはまた,キャラクターの光と影に関してもそうで,「カッコいい影と,カッコいい光は違う」のだという。例えば,レンダリングによって生成される物理的に正確な影は,必ずしも望んだものではなく,逆に影を理想どおりにすると,今度は光の当たっている部分が不満になる。そのため,影を作る光源と,オブジェクトに当たっている光源を微妙にずらすというのだ。
 これがプロデザイナーの間では常識だったら申し訳ないのだが,このこだわりはやはり日本の職人芸だという印象を受けた。

 「ラスト レムナント」でUnreal Engine 3に挑戦したスクウェア・エニックスの苦労話を昨日紹介したばかりだが(関連記事),ここでも日本とアメリカの協力の必要性と難しさが語られていたのが印象的だった。それにしても――昨年(2008年)からコンシューマ機を扱うことになった4Gamerの編集者としては,機会がなかっただけだが――サンフランシスコで日本人のレクチャーを受けるのは筆者的にはかなり新鮮だった。そういう時代なのであるって,いまさらですか。
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