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【PR】MSIのゲームノートPC「GE76 Raider 11U」をチェック。360Hz表示液晶と最新の高性能GPU&CPUで快適にゲームを楽しめる
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印刷2021/08/28 12:00

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【PR】MSIのゲームノートPC「GE76 Raider 11U」をチェック。360Hz表示液晶と最新の高性能GPU&CPUで快適にゲームを楽しめる

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 PC用のFPSやTPSにおいては,1フレームでも多く描画して,ほかのプレイヤーより有利に立ち回るというのが大きなトレンドになっている。とある液晶ディスプレイメーカーの話では,ゲーマー向けでは高解像度よりも,高リフレッシュレート対応モデルのほうがユーザーのニーズが高いという。実際,市場を見ても,ゲーマー向け液晶ディスプレイは最大リフレッシュレート120Hzや144Hzに対応するのはもはや当たり前で,中には300Hzを超える製品も登場してきている。

 その流れはゲーマー向けノートPCも同じ。今回紹介するMSIの「GE76 Raider 11U」は,最大リフレッシュレート360Hzに対応した液晶パネルを搭載していることと,ハイエンドのCPUおよびGPUを搭載するのが最大の特徴だ。

GE76 Raider 11U(型番:GE76-11UH-595JP)
メーカー:MSI
問い合わせ先:supportjp@msi.com
税込実勢価格:47万円前後(※2021年8月28日現在)
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 GE76 Raider 11Uは,どのようなPCなのか? 高スペックのPCとして十分な性能を備えているのか? 実際にテストを行って確かめてみたい。

MSIのGE76 Raider 11U製品情報ページ



i9-11980HK+ノートPC向けRTX 3080というハイエンドな構成


CPU-Z(Version 1.96.1)の実行結果
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 まずは,GE76 Raider 11Uのスペックから紹介していこう。
 本製品は,CPUにノートPC向け第11世代Coreプロセッサの最上位モデルである「Core i9-11980HK」(以下,i9-11980HK)を採用している。i9-11980HKは,8コア16スレッドタイプのCPUで,ノートPC向けながらもTurbo Boost適用時には,動作クロックが最大5GHzまで上昇するのがポイントだ。また,24MBの共有L3キャッシュを備える一方で,Configurable TDPは最大65Wと若干高めである。また,PC内部の拡張インタフェースとしてPCI Express 4.0(以下,PCIe 4.0)をサポートする点も,トピックスとして挙げられよう。

GPU-Z(Version 2.41.1)の実行結果
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 一方でGPUには,NVIDIAのAmpere世代ノートPC向けGPU「GeForce RTX 3080 Laptop GPU」(以下,ノートPC向けRTX 3080)を搭載する。グラフィックスメモリも16GB搭載しており,ノートPCながらも高い描画性能が期待できるはずだ。
 また,ノートPC向けRTX 3080は,デスクトップ向けRTX 30シリーズと同様に,内蔵するリアルタイムレイトレーシング向け演算ユニット「RT Core」が第2世代に,AI推論エンジンアクセラレータ「Tensor Core」が第3世代へとそれぞれ進化を遂げている。そのためGE76 Raider 11Uは,ノートPCながらもゲームにおけるリアルタイムレイトレーシングとAIベースの超解像技術「DLSS」(Deep Learning Super-Sampling)を利用可能だ。

 これらのCPUとGPUを効果的に冷却するため,GE76 Raider 11Uでは「Cooler Boost 5」と称する独自の冷却システムを搭載している。Cooler Boost 5は,2基のファンに対して6本のヒートパイプを組み合わせることで,CPUとGPUの両方を総合的に冷却するというものだ。たとえば,GPUだけに負荷が偏った場合,GPUに近い位置のファンだけでなく,CPU側の冷却ファンも利用してGPUの冷却が行えるというわけだ。

Cooler Boost 5の構造を示すイメージ画像(左)と,本体底面。底面側には吸気孔となるスリットが多数用意されている
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 さらに,GE76 Raider 11Uでは,付属の統合設定アプリケーション「MSI Center」(Version 1.0.20.0)を用いて,「Extreme Performance」「Balanced」「Silent」「Super Battery」「User」という5つのユーザーシナリオを選択して,CPUやGPUの動作設定を変更できる。
 工場出荷時設定はBalancedで,MSIの説明によると,Extreme Performanceは,CPUとGPUの自動オーバークロック上限を引き上げた性能重視のシナリオで,Silentは,ファンの動作音を抑えた静音向けシナリオとのこと。なお,Super Batteryはバッテリー駆動時間を重視した低消費電力のシナリオで,Userは性能とファン回転速度のバランスをユーザーが任意に設定するカスタムシナリオとなる。

付属アプリケーションのMSI Center。CPU使用率などのリアルタイムモニタリング機能も用意されている
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MSI Centerでは,User Scenarioから5つのシナリオが選択できる
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CrystalDiskInfo(version 8.12.6)を実行した結果
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 メインメモリにはDDR4-3200メモリを32GB搭載しており,ゲーム用途では十分すぎる容量を誇る。また,評価機はストレージにSamsung Electronics製M.2 SSDの「PM9A1」を採用しており,記憶容量は1TBである。
 なお,PM9A1は,PCIe 4.0をサポートしており,第11世代Coreプロセッサを採用したアドバンテージも活きているわけだ。そのほかにネットワーク周りは,2.5GBASE-Tに対応した有線LAN機能や,Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)対応のIntel製無線LAN機能を装備する。

 そんなGE76 Raider 11Uの主なスペックをで示しておこう。

表 GE76 Raider 11U(GE76-11UH-595JP)の主なスペック
CPU Core i9-11980HK(8C16T,定格2.6GHz,最大5GHz,共有L3キャッシュ容量24MB,TDP 45W)
メインメモリ DDR4 32GB(16GB×2)
グラフィックス GeForce RTX 3080 Laptop GPU(グラフィックスメモリ容量 16GB)
ストレージ SSD 容量1TB(M.2/PCIe接続)×1
液晶パネル 17.3インチ液晶,解像度1920×1080ドット,最大リフレッシュレート360Hz,ノングレア(非光沢)
無線LAN Wi-Fi 6対応
Bluetooth 5.2対応
有線LAN 2.5GBASE-T
外部インタフェース Thunderbolt 4(USB Type-C)×1USB 3.2 Gen 2 Type-C×1,USB 3.2 Gen 2 Type-A×1,USB 3.2 Gen 1 Type-A×2,Mini DisplayPort出力×1HDMI Type-A出力×1,4極3.5mmヘッドセット×1
キーボード 日本語配列106キー(SteelSeries製,電源ボタンを含む)
スピーカー 2.2ch
インカメラ 搭載(約207万画素)
バッテリー容量 容量6250mAh
ACアダプター 定格出力280W(20V 14A)
公称本体サイズ 約397(W)×284(D)×25.9(H)mm
公称本体重量 約2.9kg
OS 64bit版Windows 10 Pro


視野角広めの液晶パネルの色彩は良好

SteelSeries製キーボードの打鍵感は上々


 GE76 Raider 11Uの外観を見ていこう。天板はグレーに近い金属的な質感のブルー「チタニウムブルー」で,MSIのシンボルマークであるゲーミングドラゴンのロゴが彫り込まれている点が印象的だ。

GE76 Raider 11Uの全景。背面が黒ではなく,金属的な質感のブルーという今までにないカラーとなっているのが魅力だ
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 17.3インチサイズの液晶パネルは,光沢のないノングレアタイプで,詳細な仕様は公開されていないものの,横から覗き込んだ限りでは色ムラも見られず,視野角は広めのようで,非常に精彩なイメージを受けた。
 また,パネル両サイドのベゼル幅は,実測で約6mmしかなく,画面を開いたときのインパクトは大きい。実際にゲームをプレイしてみても,その大画面から得られる没入感はかなりのものだ。

GE76 Raider 11Uのディスプレイ部。左右や上側のベゼル幅は狭く,没入感がある
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テストパターンを表示した画面の角度を変えながら撮影。左から正面,左30度,左60度の状態だ
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MSI CenterのTrue Colorには,5つの表示品質設定モードが用意されている
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 さらに,MSI CenterにはTrue Colorという液晶パネルの表示設定機能があり,「Game」「Anti-Blue」「sRGB」「Office」「Movie」という5つのプリセット表示品質設定が利用できる。なお,本機の液晶パネルは最大リフレッシュレート360Hzに対応しているものの,解像度は1920×1080ドットだ。

 キーボードは,SteelSeries製の日本語配列106キー(※電源ボタンを含む)タイプのものを採用している。キーピッチは実測で約18mm,キーストロークは同1.8mmほどだ。アームレストが広く確保されていることもあり打鍵感は上々で,CPUやGPUの熱をキー越しに感じることもなかった。なお,Windowsキーは,MSI Centerから無効化することが可能だ。

10キー付きの日本語配列キーボード。一部のキーが隙間なくつながっているのは慣れが必要かもしれない
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 さらに,キーボードにはバックライトLEDが搭載されており,付属アプリケーションの「SteelSeries Engine 3」(以下,Engine 3)から発光パターンや発光色などを設定可能だ。

※アップデートにより,Engine 3の後継となる新ソフト「SteelSeries GG」に更新できる。本稿ではSteelSeries GGの画面を掲載している。

キーボードのバックライトは,キーの周囲に光が漏れるタイプなので,光が見えすぎて集中を乱すことはない
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[Windows]キーの無効化は,MSI Centerで行える(左)。キーボードバックライトの設定変更は,SteelSeries GGを利用する(右)
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 また,GE76 Raider 11Uの本体手前側面にもLEDイルミネーションが搭載されており,ここもSteelSeries GGが設定できるようになっている。

筐体の手前側にもLEDイルミネーションがあり,SteelSeries GGで発光色や発光パターンを設定できる
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左右側面の手前側にはスピーカーが1基ずつ組み込まれている
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 サウンド周りも確認しておこう。GE76 Raider 11Uは,Dynaudio Acoustics製のステレオスピーカーのほか,2つのウーファーを装備している。
 それに加えて,MSI製品では定番のオーディオプロセッサソフトウェア「Nahimic」(Version 1.8.6)がプリインストールされており,バーチャルサラウンドサウンド再生や音源の位置を映像上で示す「サウンドトラッカー」といった機能が利用可能だ。

ウーファーはキーボードの両端に1基ずつ備える
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 さらに,MSI Centerから「MSI AI ENGINE」という機能によって,スピーカーやマイクのデバイスを選ぶだけで,ノイズキャンセリング(ノイズリダクション)機能を使えるようになる。ゲームでもボイスチャットの音声からノイズを除去するのに使えるかもしれない。

定番のオーディオプロセッサソフトウェアNahimicをプリインストール(左)。MSI Centerには,AIにより自動で設定されるノイズキャンセリング機能がある
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 インタフェースもチェックしておきたい。GE76 Raider 11Uは,USB 3.2 Gen 2 Type-Cに加えて,Type-C形状のThunderbolt 4も1つ装備している点は特筆すべきポイントだろう。また,筐体右側面にUSB 3.2 Gen 1 Type-Aを2つ,左側面にUSB 3.2 Gen 2 Type-Aを1つ備えている。マウスやキーボードを接続することが多い右側面も,USB 2.0ではなく,すべてUSB 3.2でまとめられている点は評価できる。

左側面には,左からUSB 3.2 Gen 2 Type-AおよびType-Cが1つずつと,ヘッドセット用の4極3.5mmミニピン端子が並ぶ
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右側面は,左からUSB 3.2 Gen 1 Type-A,SDカードリーダー,USB 3.2 Gen 1 Type-Aの並びだ
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背面にあるのは,左からMini DisplayPort出力,Thunderbolt 4,有線LANポート,HDMI Type-A出力,電源コネクタだ
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ドライバには471.68を利用

3つのシナリオでテストを実施


 GE76 Raider 11Uのテストでは,グラフィックスドライバとしてテスト時点の最新版である「GeForce 471.68 Driver」を使用している。前述したように,MSI Centerでは5つのシナリオを選択できるが,今回はACアダプタを接続してテストを行うことから,標準設定であるBalancedのほかに,高性能重視のExtreme Performanceと,静音性重視(=性能は低くめ)のSilentでもテストを行うことにした。

 テスト内容は,4Gamerのベンチマークレギュレーション24.0に準拠したものだ。ただ,GPUがノートPC向けRTX 3080であることを考慮して,「3DMark」(Version 2.19.7227)の「Port Royal」「DirectX Raytracing feature test」,それに「NVIDIA DLSS feature test」のテストを追加した。NVIDIA DLSS feature testは,解像度1920×1080ドットを,DLSS modeには「Performance」をそれぞれ選択している。さらに,同様の理由から「Watch Dogs Legion」でもDLSSを「品質」に設定したうえで,精細度の向上を100%に設定している。
 また,レギュレーション25.0を先取りする形で,「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」に代わり,「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」(以下,FFXI暁月のフィナーレベンチ)を採用する。なお,そのテスト方法はこれまでと変わりはない。
 テスト解像度は,GE76 Raider 11Uのディスプレイ解像度である1920×1080ドットと,1600×900ドットを選択した。

 そのほかに,ゲーム用途以外の性能も知るべく,「PCMark 10」(Version 2.1.2519),「CINEBENCH R23」,「ffmpeg」(Auto-Build 2021-08-19 12:20)を用いたトランスコード,それに「CrystalDiskMark」(Version 8.0.4)によるストレージテストも行った。なお,それぞれの具体的なテスト方法は,各項目で説明する。


Extreme Performanceの上積みは小さいものの

SilentではCPU性能が大きく低下


 それでは,3DMarkの結果から順に見ていこう。Fire Strikeの総合スコアをまとめたものがグラフ1となる。なお,一部のグラフでは,Extreme Performanceが「Extreme」と略されていることをお断りしておく。

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 ここでは,Extreme PerformanceはBalancedから最大で約1%しかスコアを伸ばしていないものの,Silentとでは最大で約20%もの差が付いた。テスト解像度が4KとなるFire Strike Ultraで,BalancedとSilentとの開きが1%未満にまで縮まることから,シナリオの変更はGPU性能よりCPU性能への影響が大きそうだ。

 それを裏付ける形となったのが,総合スコアから「Graphics score」を抜き出した結果(グラフ2)だ。

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 ここでは,スコアにCPU性能の影響がなくなるので,GPU性能の比較ができるのだが,Extreme PerformanceとBalanced,BalancedとSilentとのいずれも,差が1%に達しておらず,ほぼ横並びの形となっていることからも分かる。

 続いてグラフ3は,ソフトウェアベースの物理演算テスト結果を「CPU score」として抜き出したものだ。シナリオの変更がCPU性能に大きく影響することは,このCPU scoreでよく分かる。

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 Extreme Performanceは,Balancedから最大で約3%の差を付けたが,解像度が高まるにつれて両者の差は詰まっている。一方,BalancedとSilentとでは8〜15%程度の差が付いており,SilentはCPU性能を大きく変動させる設定になっているようだ。

 グラフ4は,GPUとCPU両方の性能が効いてくる「Combined test」の結果をまとめている。

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 ここではCPU性能の影響も大きいため,Extreme PerformanceとBalancedの差は1〜2%程度となった。BalancedとSilentの差も1〜2%程度と,GPU性能が加味されるためかCPU scoreほどの開きは見られない。

 続いては,DirectX 12世代のテストである「Time Spy」の結果を見ていこう。まずは総合スコアをまとめたグラフ5からだ。

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 Time Spyでは,総合スコアにおけるCPU性能の影響が大きくなるので,それゆえBalancedとSilentとでは5〜14%程度と明確な差が付いた。その一方で,Extreme PerformanceとBalancedとの差は1〜2%程度と,それほど大きくない。

 次のグラフ6はTime SpyのGPUテスト結果,グラフ7はCPUテストの結果をそれぞれまとめたものだ。

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 まずGPUテストだが,Fire StrikeのGraphics scoreと同じくCPU性能が加味されないため,スコアがきれいに並んだ。やはり,シナリオの変更は,GPU性能にあまり影響しないようだ。
 次にCPUテストだが,シナリオによりスコア差が大きく広がった。Extreme PerformanceとBalancedとの差は4〜5%程度となり,BalancedとSilentとでは差が24〜68%程度にまで広がっている。SilentはかなりCPU性能を絞っているようだ。

 リアルタイムレイトレーシングの性能を計るPort Royalの結果がグラフ8だ。ここでは,Extreme PerformanceがBalancedに1%ほどの差を付けてはいるものの,SilentはBalancedとほとんど変わらないスコアとなっており,シナリオの違いがレイトレーシング性能に与える影響はあまりなさそうだ。

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 それは,グラフ9のDirectX Raytracing feature testでも明らかだ。ここでは,スコアがきれいに肩を並べた。

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 続いて,グラフ10のNVIDIA DLSS feature testの結果を見ていく。

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 ここでは,Extreme PerformanceとBalancedの差はほとんどないものの,Silentは,Balancedから若干低いスコアとなった。とくにDLSS onのスコアが,Silentではあまり向上しておらず,シナリオがDLSSにも影響を及ぼしていることが窺い知れる。

 では,実際のゲームではどうなのだろうか。グラフ11〜12はWatch Dogs Legionの結果となる。

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 Extreme Performanceは,Balancedからあまり性能を伸ばせていないものの,Silentはそれらから若干差を付けられる形となった。レギュレーションでは平均60fps以上を合格点としているが,Balancedは1920×1080ドットでもそれを満たすのに対して,Silentでは届いていないことは押さえておきたい。

 続いて,「バイオハザード RE:3」の結果がグラフ13〜14となる。

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 レギュレーションでは平均70fps以上をハイエンドGPUの合格点としているが,GE76 Raider 11Uは,Silentでもそれを満たしており,1920×1080ドットでも常時60fpsを余裕で上回る性能を発揮している点は,かなりインパクトが大きい。

 グラフ15〜16は「Call of Duty: Warzone」(※グラフ内ではCoD Warzone)の結果だ。

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 これもバイオハザード RE:3とよく似た傾向だ。Balancedと比べてExtreme Performanceの伸びは小さく,Silentが若干落ち込む形となっている。とはいえ,Silentの1920×1080ドットでも,事実上の最小フレームレートである1パーセンタイルフレームレートは110fpsほどと,レギュレーションの合格点である平均120fpsを簡単に上回っているあたりは,ノートPC向けRTX 3080が真価を発揮していると言ってよさそうだ。

 「Fortnite」の結果をグラフ17〜18に示す。

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 Extreme Performanceは,Balancedに対して1600×900ドットの平均フレームレートで約4%,最小フレームレートで約2%の差を付けた。その一方,Silentではあまりフレームレートは低下せず,1920×1080ドットでも常時120fps以上の性能を発揮した。Fortniteにおいて,CPU性能の影響はさほど大きくないようだ。

 グラフ19〜20は「Borderlands 3」の結果だ。

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 ここでも,Extreme PerformanceとBalancedとの差はほとんどなく,Silentが若干離される形となった。レギュレーションでは平均60fps以上を合格点としているが,GE76 Raider 11UはSilentでもそれを満たしており,快適にプレイできることは間違いない。

 グラフ21は,FFXI暁月のフィナーレベンチの総合スコアをまとめたものだ。

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 1920×1080ドットでは,Extreme PerformanceとBalancedはほとんど変わらないが,相対的にGPUへの負荷が低くなる1600×900ドットでは,4%程度の差が付いた。一方で,BalancedとSilentとでは19〜20%程度と,かなり明確な差が付いている。CPU性能の影響が大きいベンチマークだけに,シナリオの違いが結果に色濃く表れたようだ。
 ちなみに,スクウェア・エニックスの指標ではスコア15000以上が最高評価となっているが,GE76 Raider 11Uは,Silentでも1920×1080ドットでそれを満たしているので,プレイに支障はなさそうだ。

 そんなFFXI暁月のフィナーレベンチにおける平均フレームレートと最小フレームレートをまとめた結果がグラフ22〜23だ。

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 平均フレームレートは,基本的に総合スコアを踏襲したものとなっているが,ここでは最小フレームレートに注目してほしい。Balancedは,総合スコアでは指標の最高評価を満たしているが,最小フレームレートは1600×900ドットでも60fpsを切ってしまっている。Extreme Performanceであれば,1920×1080ドットでも常時60fps以上を実現しているので,より快適さを求めるのであればExtreme Performanceにシナリオを変更してプレイしたい。

 ゲームの最後となる「Project CARS 3」の結果がグラフ24〜25だ。

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 ここでは,Silentが大きく差を付けられる結果となった。レギュレーションでは平均60fps以上を合格点にしているが,GE76 Raider 11Uは,Balancedなら1600×900ドットでそれを満たしている。だがSilentは,1600×900ドットでも届いておらず,快適にプレイするのであればBalancedかExtreme Performanceを利用するのが妥当だろう。


シナリオによりCPU性能の違いが顕著


 それではゲーム以外の性能も確認しておこう。まずは,PCMark 10から,無償版でも利用可能なPCMArk 10“無印”のテストを実行したものがグラフ26となる。

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 総合スコアでは,Extreme PerformanceがBalancedに約4%の差を付け,Silentは逆に約8%ほど低下した。CPU性能がしっかりとスコアに影響を及ぼしている。続いてスコアの詳細を見ていくと,Extreme Performanceは,Balancedを1%も引き離せていない。その一方で,SilentはEssentialsで約26%もスコアが低下したほか,ProductivityとDigital Content Creationでも9〜10%程度のスコアが落ちてしまっている。SilentがCPU性能を絞っているのがはっきり分かる。

 さらに,CINEBENCH R23において,Multi CoreとSingle Coreをそれぞれ実行したスコアをまとめたも結果がグラフ27だ。

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 Extreme PerformanceはBalancedに,Multi CoreとSingle Coreのどちらも約1%の差を付けた。Extreme PerformanceはCPU性能が向上はしているものの,その上昇幅はあまり大きくない。一方,SilentはBalancedからMulti Coreで約39%,Single Coreで約15%低下している。SilentでのCPU性能低下は,かなり大きいことがここでもうかがえるので,処理性能が必要なときはBalanced以上を選ぶべきだろう。

 次に,ffmpegを用いて,動画ファイルをH.265/HEVCとH.264/AVCにそれぞれトランスコードするのに要する時間を測定したものがグラフ28だ。今回用意した動画ファイルは,FFXIV漆黒のヴィランズをプレイした7分弱のもので,解像度が1920×1080ドット,動画フォーマットはMotionJPEGである。

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 その結果だが,Extreme PerformanceはBalancedと比べて1〜2%程度時間の短縮を実現した。おおよそ20秒ほどの短縮だが,それをありがたいと感じる人もいるのではないだろうか。一方,SilentではBalancedから34〜36%程度も時間が伸びており,あまり現実的ではないと言える。

CrystalDiskMarkの実行結果
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 CrystalDiskMarkの結果も見てみよう。シナリオはストレージ性能にほぼ影響しないはずなので,Balancedでのみテストを実行しているが,逐次読み書きは最大で約6600MB/s,ランダム読み書きは最大で約720MB/sと,非常に高い性能を発揮した。SSDがPCIe 4.0に対応していることが奏功した形で,ゲームの起動やデータのロードなどでも,ストレスを感じにくいはずだ。


Silentでは消費電力がきちんと減っている


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 ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の最大消費電力のみを計測した結果も見てみよう。各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点をタイトルごとの実行時,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」としている。
なお,今回はバッテリーをフル充電した状態なので,消費電力において充電の影響はないはずだ。
 その結果はグラフ29のとおり。

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 Balancedにおける各アプリケーション実行時の消費電力は,おおむね250W前後といったところ。Extreme Performanceは,そこから消費電力が最大約9W上昇しており,逆にSilentでは最大30W,消費電力が減っていた。Extreme Performanceは消費電力もあまり増えておらず,積極的に利用してもよさそうだ。一方,Silentはしっかりと消費電力を抑えており,電力と騒音を低減したいなら,使う価値があるだろう。

 さらに,温度約27℃の室内で,GE76 Raider 11Uを机上に置いた状態から,3DMarkのTime Spyを30分間連続実行した時点を「高負荷時」として,「Core Temp」(Version 1.17.1)でCPU温度を取得したものがグラフ30,GPU-ZでGPU温度を取得したものがグラフ31となる。

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 端的に言ってしまえば,どのシナリオも温度に大きな差異は見られなった。これは,負荷に合わせてファンの回転数が変わるためだが,それでも高負荷時はCPUが100℃弱,GPUが90℃弱と,かなり温度が高めだ。高性能なプロセッサを省スペースに詰め込んでいるためだろう。

 最後に,筆者の主観であることを断ったうえで,GE76 Raider 11Uの動作音について述べると,一般的なゲーマー向けノートPCほどの爆音ではなく,このクラスの製品としては比較的静かな印象を受けた。もちろん,それなりの動作音はするのだが,ヘッドセットを装着しているとまったく聞こえないレベルだ。少なくとも,ゲームをプレイするうえで,本機の動作音がうるさくてプレイに集中できないことはない。


ゲームだけでなく,コンテンツ制作でも活躍できる高い性能。性能重視なら選ぶ価値あり


 これまでのテスト結果から明らかなように,GE76 Raider 11Uの性能は,ノートPCとしてはかなり高い。ディスプレイ解像度の1920×1080ドットであれば,ほとんどのゲームが快適にプレイできるのは間違いない。さすがに360Hzのリフレッシュレートを生かしきれるのは,グラフィックス負荷を低く設定した場合に限られるだろうが,負荷が高めの設定でも,200fps近いフレームレートでしっかりとゲームがプレイできる点に魅力を感じる人は多いはずだ。
 ゲーム以外での性能も非常に高く,動画の編集や写真のレタッチといったコンテンツ制作でも,GE76 Raider 11Uが活躍することは間違いない。

 GE76 Raider 11Uの実勢価格は43〜47万円前後と決して安価ではないものの,リフレッシュレート360Hzに対応した液晶パネルや高性能なCPUとGPUを搭載している点を考慮すると,お買い得感の高いノートPCと言っていいだろう。

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MSIのGE76 Raider 11U製品情報ページ

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