インタビュー
「ICO」と「ワンダと巨像」のリマスター版を迎えて。上田文人というゲームデザイナーは,何を考えて作品を創るのか――日本が誇るゲームデザイナーがみっちり語る2時間
最後の微調整っていうのは,自分でやらないと伝わらない
――「良い感じの空気感」と言っても,自分も分からないんです
4Gamer:
ところでICOの時って何人で作ってらしたんですか?
上田氏:
ICOの時は約30人で,ワンダの時は約40人ですね。
4Gamer:
その2作品はあまり変わってないんですね。
上田氏:
トリコはだいぶ増えてますけど。倍くらいかな。
4Gamer:
そんなに。それで,人数が増えて時間も経って,作り方って何か変わりました?
上田氏:
うん,結構変わりましたね。
ICOとワンダの時は少数で,僕も含めてスタッフみんな,仕事をこう……「直列」っていうんですかね,電池で言うところの直列でつないで,期間は延びてしまうけど満足のいく仕事をするというやり方だったんです。
トリコは人が多い分,それが「並列」で動いてるようなイメージです。そこですね,一番変わったのは。
4Gamer:
ICO/ワンダ時代とトリコで,体制が大きく変わってるんですね。
上田氏:
そうですね。
チェックとかもICOとワンダの時は,チェックといっても結局自分で触って直しちゃうとかそういう感じでした。今もそれがゼロではないですけど,回数はずいぶん減ってます。それはこれまでの反省点を活かし……というより反省点を克服するためにしたんですけども。
4Gamer:
しかし上田さんご本人はたぶん全部見たいですよね。
上田氏:
もちろんそうですね。
4Gamer:
上田さんの頭の中にある,そのイメージなりゲームデザインなり空気感なりっていうものを,担当スタッフにどうやって伝えているんでしょうか。たぶんチェックのことをある程度人に任せるということは,その人達にコンセプトをキチンと伝えておかないといけないじゃないですか。
上田氏:
あ,いや,当然チェックはしてますよ。
これまではチェックしてリテイクも半分くらいは自分でやってたんですよ。でも,今は自分でやるリテイクの部分は減ってるってことですね。ただその代わり,もっと広くチェックしますってことですかね。
4Gamer:
しかしやはりどちらにしても,伝えることが重要になってきていますよね。
私は文字の世界なんですが「この原稿はダメだ」と思ったとき,伝え方が大変難しいんです。いつもそこで悩むんですけども。上田さんはそれをどのように伝えてるんでしょうか。
例えば普通のFPSとか,勇者が旅をするRPGとかは,みんなの中の共通言語として存在しているので「ここはこうじゃないじゃん」「ここもうちょっと強めの中ボスにして」とか,なんとなく伝わりやすいものもあると思うんですけれど,ICOやワンダ,ましてやトリコのような,そこらにあんまりないタイプのゲームだと,それもなかなか。
上田氏:
確かにICOのときはすごく苦労しましたね,そういう部分で言うと。初めてだったというのもあるし,それこそお手本がなかったゲームだったので。ただ,ワンダにはICOというお手本があったし,トリコにはICOとワンダというお手本があるんですよね。
4Gamer:
なるほど。ご自分の作品が「お手本」なんですね。
上田氏:
お手本というか,それをベースに共通認識を持てるという意味で言うならば,ICOのときよりは全然楽ですね。
4Gamer:
上田作品の特徴でもある「空気感」――正確にどういう言葉で伝えればいいのかちょっと悩んでるので,こういう言葉にさせてください――はどうやって伝えてるんですか。
上田氏:
空気感というか空気というか,結局そういうディテールは自分でやるしかないんです。フォグの調整をしたりとか,テクスチャの色味を調整したりとかですね。それはなかなか言葉では説明できないんですよね。
4Gamer:
パイロットムービーとかを作ってもやはり難しいですか?
上田氏:
パイロットムービーで伝わった部分もあるでしょうし,救われた部分もだいぶあるのかもしれないですけど,最後の最後の微調整っていうのは,自分でやらないと伝わらないですね。
4Gamer:
やっぱりそういうご苦労が。
上田氏:
うん,そうですね。「良い感じの空気感で」とか言ってもおそらく分かんないし,そもそも自分でも分からないんです,そういうものは。結局,周りから埋めていくしかないんです。それはキャラクターの動きであったり,建築物のディテールであったり,植物の色合いであったり。そういうもので詰めていって,最終的に作られるものが「空気感」みたいな漠然とした言葉だと思うので,「こういう空気感で」って言っても分からないというか,そんなの伝わりようがないですよね。
で,それをどうやって説明してるんですかって聞かれて困るのは,たぶん言葉では説明してないからだと思うんです。「もっとはっちゃけた感じで!」とかそういう(笑)。
(一同笑)
上田氏:
「もっと落ち着いた感じで」とか「もっと湿度が高い感じで」とか,そういうことは言わないですね。もうちょっと縦構造の情報量を増やしてとか,もうちょっと緑を足してとか,そういう感じで説明することが多いかも。
4Gamer:
割と具体的で細かい表現をするんですね。
上田氏:
そうですね。
4Gamer:
ということはつまり,上田さんの頭の中にある世界を作り上げるために,チームメンバーみんなでその世界をキチンと共有しておく必要がありますよね。
上田氏:
うーん,僕の頭の中に世界があるかって言われると……。
4Gamer:
……ない?
上田氏:
ないというか,あるのかもしれないですけれど,こういう絵を作りたいと思って,それをアウトプットしようとしてるわけではなくてですね。……なんでしょうね,えーと。
4Gamer:
いえ,分かります。以前のインタビューのときにも似たようなことをおっしゃってましたし。
上田氏:
そうそう。あのときも言ったと思うんですけれど,ゲームデザインから導き出される空間というものがあったとしてですね,その空間をいかに魅力的に見せるかって考えたときに,それは情報量であったり色味だったり,そういうもののバランスなわけですよね。で,僕が成すべきことは,それを調整していくっていう作業なんですよ。
なので,自分の中で確固たる形で,ここに柱があって,ここに緑があって……というものでは,決してないのです。
4Gamer:
はい。でも,調整の最後の天秤を握っているのは上田さんですよね。
上田氏:
そうですね。
4Gamer:
つまりそれは,結果として上田さんの考える世界を創造していることに他ならないと思うんですよ。
上田氏:
うーん,そうなんですかね。
4Gamer:
例えばこう,彼女が(といって同席している広報さんを指さす)「私はこの柱はこっちに置いたほうがいいと思います」って言ったときに,それは多分,普通に考えれば上田さんの中では許容されないものではないかと僕は思っていて,なぜなら上田さんご自身が今おっしゃったように,ゲームデザインから導き出される確固とした「何か」があって,それを取り出してキレイに組み上げていくために,必要なものが必要な場所にあるわけじゃないですか。
上田氏:
なるほど,そういう意味ならそうですね。であれば,そこは話し合いですかね。いまの例で言うと。
自分の好みでそこに柱が欲しいというのであれば,それは僕の見解を優先して下さいと思いますが,そこに柱が必要な理由というものがしっかりあって,それに僕が納得できれば,ではそこに置きましょうとなると思います。
4Gamer:
そういうことってよくありますか?
上田氏:
ありますね。今(トリコ開発時)は特にそういう話が多いです。ICOやワンダのときはあんまりなかったんですけど。……というか,そこまで理詰めで作ってなかったのかもしれませんけど。でも今はそういう話し合いが多いですね。
4Gamer:
先ほどの話で言うのなら,作り方が少し変わったというのも影響しているのでは。
上田氏:
そうですね。まずそのレベルを完成させてからビジュアルを詰めていきましょう,という形に変えたので。昔はね,同時に作ってたんですよ。ビジュアルも詰めるし,同じタイミングでレベルも詰めるし。
4Gamer:
同時だったんですか。
上田氏:
はい。まぁほぼ同時ですね。だからレベルの変更があればビジュアルまでいじらないといけないっていう。でもたぶん,あの当時の国内のゲーム会社さんはほとんどそういう作り方をしていたんじゃないかと思うんです。
今はレベルエディタとかで組んで,その後はテスターに投げて,っていうのが一般的な作り方だと思うんですけれど。
4Gamer:
PC関係のゲームだと,割と昔からレベルデザインは重要視されてきたので,ちょっと意外でした。レベルデザインって,それだけで職人芸ですよね。レベルデザイナー出身のゲームデザイナーなども,海外には普通にいますし。
上田氏:
当時はあんまり,そこは重要視されてなかったということなんですね。FPSとかTPSがメジャーになって,そういう部分を重要視しないといけないという流れになったと思うんですけれど,それ以前は,さほどレベルデザインの重要性が求められてなかったんだと思います。
4Gamer:
しかし力技でああいう作品を作り上げたのはすごいですね。
上田氏:
でも結局のところ,幸いにも評価されたことによってやりやすくなった部分はありますね。ICOのときが本当に大変でしたというのはまさにそこで,なんでこんなに「ヨルダ」にこだわるんですか,みたいな。
本質的な話をすると,「ヨルダ」はついてきてくれさえすれば,ゲームの進行にはあまり関係ないんですよね。鳥に興味を持ったりとか,箱の上に乗ったりとか。
4Gamer:
しますね,確かに。
上田氏:
あと座り込んだりとか。そういったものはゲームの進行に一切関係ないんです。
それで,ゲームが円滑に進行するように作りましょう,みたいな議論はしたかもしれません。だけど今は,ゲームの進行とは関係のないところもゲームの演出としては大事なんだということは,多くを言わなくても理解されるようになったんじゃないかと思います。
4Gamer:
自らの作品が規範や模範を作り出したわけですね。
上田氏:
それもあるかもしれませんが,ICOみたいなタイトルやワンダみたいなタイトルっていうのはあの当時はたしかに珍しかったと思うんですけど,今はそういうタイトルに対しての理解が,あの当時に比べたら断然あるんじゃないかと思うんですよね。
4Gamer:
しかしそれもまた自らの作品のおかげですよね。
上田氏:
まぁICOやワンダが大失敗してたら理解されなかったのでしょうけど,運良く周りの評価が高かったこともあって,ああいう方向性のものが作りやすくなったっていうのはあると思うんですけど。
4Gamer:
とくにSCEさんは,大手の会社にしてはとりわけ変なモノよく作りますしね(笑)。
上田氏:
うん,そうですね。
4Gamer:
だからそういう意味で,話がずっと戻っちゃうんですけど,上田さんとSCEが出会ったことは,僕らプレイヤーとしても非常に幸運なことだったと思うんです。
上田氏:
そうですね,僕的にも幸運なことですね。
4Gamer:
ほかの会社だったら,ICOとワンダが生まれていたかどうか。
上田氏:
まぁほかの会社にいたら,きっとその会社に合ったモノを作ってると思いますよ。うーん,例えばバーチャファイターみたいなゲームとか。
4Gamer:
ここでもバーチャファイターが(笑)。
上田氏:
フレームレートにこだわって,戦いの駆け引きとかにも凝ってみたり(笑)。
エンターテイメントは,プラスになるものでなくてはならない
――商売の本質として,お客様に後悔させてはいけないと思う
4Gamer:
話がちょっと戻っちゃうんですけど,実は4GamerでICOやワンダの話をするのは初めてでして。
上田氏:
あれ,そうでしたっけ。
4Gamer:
はい,実は。コンシューマゲーム情報を扱い始めたのは,ここ3年くらいのことなので。
というわけで改めて聞いておきたいのですが,ICOで見せたかった「ゲームデザイン」というのは,どういうものなんでしょうか。
上田氏:
ゲームデザイン,ですか。
4Gamer:
ゲームデザインっていうかルールっていうか。
上田氏:
繰り返しになってしまいますけど,それはモニターの向こうにちゃんと世界が存在してるもの,ですかね。コンピュータで生成されて,そこにさも存在してるように錯覚させるもの,です。
4Gamer:
でもそういうものであれば,ああいう世界でああいうキャラクターじゃなくても作れますよね。コンピュータの中に,まるでそこにあるかのような世界を,というお話であれば。ICOといいワンダといい,なぜああいう世界なんでしょう。
上田氏:
それは例えばお城であったりとか,っていう話ですよね。日本人の固定観念というかイメージという意味では,ヨーロッパ調の古いお城イコール美しい,って感じると思うんです。
あれがSFの,キューブリックの「2001年宇宙の旅」みたいな,ほんとに研ぎ澄まされた空間をCGで作りましょうとなったら,膨大なコストがかかります。あの当時のスタッフのスキルであったり,ポリゴン数,テクスチャの容量,光源処理の技術,そういうものを組み合わせたとしても大変難しい。
そういう条件の中で表現できるもので,最も魅力的な世界ってどういうモノだろうって考えると,ああいうものが出来上がるのは必然なんですよ。
4Gamer:
やはりどこまでもロジカルですね。
上田氏:
そうですね。
4Gamer:
「イコ」や「ヨルダ」はどうでしょう? パッと見るだけだと気づかない人もいそうですけど,実はこういうヒーローの方があからさまに小さいパターンって,あまり見かけないですよね。
上田氏:
そうですね。それも意図したものです。見かけないと思うと,引っかかりますよね。
4Gamer:
考えすぎだったら笑ってくださって結構なんですけど,ICOやワンダは「生と死」がメインテーマとして入っているような気がしてるんです。
上田氏:
というと?
4Gamer:
どちらの作品も「死」から始まりますよね。生け贄で死を待つのみの主人公と,魂の抜けた女の子を禁断の術で生き返らせようとする主人公と。そして「生」のためにゲームを進めて行って,最後はまた「死」で終わります。
上田氏:
死で終わってましたっけ。
4Gamer:
厳密には違うかもしれませんね。あえて言うなら「死のイメージ」でしょうか。さらに言うなら,「死」で終わって,「生」への希望で終わります。
上田氏:
あぁ,なるほど。まぁ希望で終わらせる必要はないんですけどね。ああいう展開であれば。
4Gamer:
確かにそうですね。しかしあれは,意図的にそうしているんでしょうか。例えば,上田さんがああいうお話が好みであるとか。
記憶に残るモノを作るという意味では,ストーリーは割と大きな要素を占めていると思うので,聞いてみました。
上田氏:
一概にこうだからこう,というのはちょっと言いづらいですね。例えば「記憶に残る」という意味で言うなら,最後はハッピーエンドじゃない……というか,ああいう終わり方じゃないほうが記憶に残るかもしれませんよね。
4Gamer:
確かに,記憶には鮮烈に残るでしょうね。
上田氏:
ですよね。でもだからってそうすればいいという話ではなく,そこはやはりエンターテインメントなので「楽しくて終わり」という単純な意味ではなく,やはり現実世界で生きる上で,何かしらプラスになるようなものじゃなくちゃいけないと思うんですよ。エンターテインメント(=娯楽)の存在する意味として,の話ですね。
4Gamer:
とてもよく分かります。
上田氏:
「娯楽」が楽しすぎたので,例えば仕事を休みましたとか,そういうものではないですよね。少なくとも,今僕がやりたいものとは違います。現実世界で,みんな働いたり勉強したりしなくちゃいけないわけじゃないですか。娯楽というものは,それに対して,少なからずプラスになるものじゃないといけないと思うんですよ。
4Gamer:
もうちょっと具現化できるイメージはありますか。
上田氏:
プラスになるといっても,英単語が覚えられるとかそういう意味ではありません。例えば……そうですね,例えば今回PS3版の「ICO」「ワンダ」の発売がありましたけど「そういえば今週はICOとワンダが出るからがんばろう」とか思ってもらえるのもそうですし,ゲームをプレイして,終わって,ちょっと気持ちが前向きになったとか,そういうものでもいいと思います。
明日からまた真面目に学校行こうと思ってもらえるとか,そういうものじゃないと――最低限そういうものじゃないといけないと思うんですよ。
4Gamer:
エンターテインメントの末席に携わるものとして,久しぶりに聞いたとても素晴らしい見解だと思います。
上田氏:
まぁでも10年後にはまったく違うことやってるかもしれないですけど(笑)。
4Gamer:
いやまぁ,年月は人の考えを変えますから。
上田氏:
ですね。
まぁでも,今はそういうものを作っていかないといけない,と思いますね。それは,別にビデオゲームに限りませんし,もっと言うと娯楽に限った話でもないですね。商売の本質として,お客様に後悔させちゃいけないと思うんです。
その瞬間はいいかもしれませんが,何年後かに「なんであんなもの買ったんだろう」とか「なんであんなものに時間を使ってしまったんだろう」とか思わせてはいけないと思います。少なくともそれに向かって努力はしていきたいんです。
4Gamer:
聞いたら耳の痛い人が多そうな話です。
上田氏:
ちょっと話が戻っちゃうんですけど,ご存じのように僕はこの10年間で,ICOとワンダの2作品しか出していないんですけど,今回リマスターという形で,まだビジネスとして成立するわけです。瞬間的に「売る」ことがどれくらい正しいのか,実は自分の中で疑問ではありますね。売れてしまえばそれでいいんだろうか,とか……。
4Gamer:
全然レベルが低い話で申し訳ないんですけど,私も同じようなことを考えます。Webメディアがページビュー稼ぐのは簡単なんですよ。どんな人にだって出来ます。「ページビューを稼ぐ」だけなら,の話ですけどね。
上田氏:
あぁ,なるほど。その瞬間はいいんですけどね。
4Gamer:
ええ。でもそれでいいのかという話です。「それでいい」と考える人もいるだろうし,実際に実践している人もいるかもしれませんけど,少なくとも私は「それだけではよくない」と思っています。
話のレベルがだいぶ違いますが,おそらくはそれと同じようなことをお考えになっているのかな,という気がしました。
上田氏:
そうですね,確かにそうかもしれません。
4Gamer:
「記憶に残る作品」「エンターテインメントは何かプラスの効果を」などのお話を聞いていて思いだしたことがあるんですけど,3月の大震災のときに,我が家でも緊急避難袋を作ろうと思って,それに伴って「本当に大事なものだけを残そう」と決めて掃除を兼ねて荷物整理を始めたんです。でもやってて気付いたんですけど,究極の状態でもなお持っていたい本当に大事なもの,ってほとんどないんですよね。
上田氏:
意外とそういうものかもしれませんね。
4Gamer:
ほとんどのものを「これ要らない」「これも要らない」と処分していった結果,最終的に残ったものは,家族や犬の写真が入ったUSBメモリと,影響を受けた何冊かの本だけです。そして本当に捨てられない何本かのゲームソフトは,Wizardry,EverQuest,そしてICOとワンダでした。
上田氏:
お気遣いいただかなくても(笑)。
4Gamer:
いえ(笑),上田さんを前にしているから言っているわけではなく,選ばれたものを眺めてみると,「強い記憶」にまつわるものだけなんですよね。また遊ぶから,とかそういう話ではなくて(笑)。ちゃんと整合性が取れているんです。
上田氏:
ありがとうございます。もしみなさんがそうやって言ってくださるのであれば……。
4Gamer:
……あれば?
上田氏:
とても良い中古対策になりますね(笑)。
(一同笑)
4Gamer:
まぁでも,中古対策も難しい問題ですよね。中古対策のもっともイージーかつ効果的な手法っていうと,どうしてもボリュームを稼ぐしかないというか,プレイ時間を無理矢理にでも延ばしていくしかないような気もしますし,実際にそうしている作品も多々見受けられます。
上田氏:
かもしれませんね。でもそういう方向っていうのが,ビデオゲームの進んでいく方向として正しいのかというと,それは自分たちの首を絞めているようにも感じるんですよね。そういう話ではなくて,その商品の魅力によって,お客さんが手元に置いておこうって思うようなものを目指さないといけないんじゃないかなと思うんですよね。まだまだ満足には出来ていませんが,そういう部分でも何か違ったものを打ち出したいな,とは思っています。
……まぁちょっと言いづらいことなんですけどね。
4Gamer:
言いづらいですか?
上田氏:
だって,実際ICOだってワンダだって中古に流れていないわけではないですし。カッコいいこと言ってるだけで,100%実践できているわけではないんです。
4Gamer:
いや,実現出来ている/出来ていないという問題と,それを目指しているか否かという問題は,まったく別なことですし。
キーワード
(C)Sony Computer Entertainment Inc.
(C)2001 Sony Computer Entertainment Inc.
(C)2005 Sony Computer Entertainment Inc.
(C)2016 Sony Interactive Entertainment Inc.