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GeForce GTX 700
  • NVIDIA
  • 発表日:2013/05/23
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“GeForce GTX 780 Ti GHz Edition”!? 最大クロック1.2GHz超のGIGABYTEオリジナルカードを試す
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印刷2013/12/14 00:00

レビュー

“GeForce GTX 780 Ti GHz Edition”!? 最大クロック1.2GHz超のGIGABYTEオリジナルカードを試す

GV-N78TGHZ-3GD
メーカー&問い合わせ先:GIGA-BYTE TECHNOLOGY
メーカー想定売価:8万7980円(税込,2014年1月中旬発売予定)
画像集#002のサムネイル/“GeForce GTX 780 Ti GHz Edition”!? 最大クロック1.2GHz超のGIGABYTEオリジナルカードを試す
 2013年12月時点における最速のGPU「GeForce GTX 780 Ti」(以下,GTX 780 Ti)。11月上旬の発表からしばらくは,NVIDIAのリファレンスデザインを採用する製品が流通してきたが,ここにきて,カードメーカー各社のオリジナルデザイン採用モデルが発表され始めた。今回取り上げるGIGA-BYTE TECHNOLOGY(以下,GIGABYTE)製品「GV-N78TGHZ-3GD」もその1つだ。

 このGV-N78TGHZ-3GD,最大の特徴は,ベースクロックの時点で1100MHz弱と,相当に高い動作クロックが設定されていること。GIGABYTEは,ベースクロック1GHz超級のオリジナルクーラー採用モデル「GV-N78TOC-3GD」を別途用意しているにも関わらず,今回の製品をわざわざ「GeForce GTX 780 Ti GHz Edition」と位置づけていたりするほど気合いが入っているのだが,リファレンス仕様と比べてどれだけ速くなっているのか。実機で検証してみたい。


リファレンス比で動作クロックを2割以上引き上げ

3連ファンからなるWINDFORCCE 3Xを搭載


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搭載されるクーラーの側面に「GHz EDITION」の文字が躍っている
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ダイ上の刻印は「GK110-425-B1」。GHz Editionだからといって,特別なシリコンが採用されているわけではない
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OC GURU IIを実行したところ
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補助電源コネクタは8ピン×2
 GTX 780 Tiの製品概要は発表当時のレビュー記事を参照してもらえればと思うが,簡単にいえば,第2世代Keplerアーキテクチャを採用する「GK110」コアのフルスペック版だ。CUDA Core数は2880基。「GeForce GTX TITAN」の総数2688基を,演算ユニット「Streaming Multiprocessor eXtreme」にして1基分となる192基上回ってきた製品ともいえる。

 そんなGTX 780 Tiの「GHz Edition」と位置づけられるGV-N78TOC-3GDは,GTX 780 Tiのリファレンスクロックがベース875MHz,ブースト928MHzのところ,順に1085MHz1150MHzと,いずれも24%引き上げられているのが大きな特徴だ。

 なお,NVIDIAの規定するブーストクロックは,あくまでも,自動クロックアップ機能「GPU Boost 2.0」によって引き上げられるクロックの目安だ。手元にあるGTX 780 Tiリファレンスカードの場合,最大動作クロックは1019MHzだが,後述するテスト環境に差した状態で,製品付属のオーバークロックツール「OC GURU II」(Version 1.5.6)を用いて確認したところ,最大動作クロックは1215MHzまで上がるのを確認できたので,最大動作クロックはリファレンスカード比で約19%増しということになるだろう。

 これだけ動作クロックが引き上げられると,当然のことながら消費電力にも影響があるようで,GV-N78TOC-3GDでは,補助電源コネクタが8ピン×2と,GTX 780 Tiリファレンスデザインの6ピン×18ピン×1からスケールアップされている。ただ,推奨電源容量は最低600Wで,GTX 780 Tiリファレンスカードと変わらない。

 また,メモリクロックは7000MHz相当(実クロック1750MHz)と,こちらもリファレンスと同じところに据え置かれた。グラフィックスカードに採用されるGDDR5メモリでは7000MHz相当が最大クロックなので,こちらはやむを得ないところか。いずれにせよ,メモリバス帯域幅などといった足回りで,GV-N78TOC-3GDとGTX 780 Tiリファレンスカードとの間に違いはないわけだ。
 そのほか主なスペックは表1のとおりとなる。

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WINDFORCE 3Xの概要。450Wクラスの発熱にも対応できるとされる
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 カード長は実測で約286mm(※突起部除く)。リファレンスカードが同266.7mmだったことを踏まえると,20mmほど長くなってしまっている。しかし,これはGIGABYTEオリジナルとなる2スロット仕様のGPUクーラー「WINDFORCE 3X 450W」(以下,WINDFORCE 3X)がカードの後方へはみ出す構造になっているためで,基板長自体は同267mmと,リファレンスカードとほとんど変わらない。

 一方,横方向では,GPUクーラー側面の前後中央部分が18mmほど盛り上がった構造になっているが,これは見る限り,強度の確保用だ。WINDFORCE 3Xクーラーは,それぞれ角度を変えて最適なエアフローを生成するようになっているとされる80mm角相当のファンを3基搭載しているのだが,それによって共振などが生じたりしないよう,カバー部の面積を広めに確保した結果だと思われる。

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カード長は実測約286mm。カード後方へWINDFORCE 3Xクーラーがはみ出るデザインだ
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横から見たところ。分かりにくいかもしれないが,ファンを囲む金属カバー部に若干の傾斜が付けられている
WINDFORCE 3Xクーラーは,「WINDFORCE」ロゴ部分が本体横方向へ膨らんだ形状になっている。何かが埋め込まれているわけではないので,純粋に強度の確保用だろう。なお,本体背面には,やはり強度確保用とされる金属製の補強板も取り付けられていた
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WINDFORCE 3Xクーラーを取り外したところ
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 GPUクーラーの取り外しはメーカー保証外の行為であり,外した時点でメーカー保証は失効する。その点はくれぐれも注意してほしいが,今回は特別にクーラーを外してみると,WINDFORCE 3Xクーラーのヒートシンクが,GPUだけでなく,熱伝導シート経由でメモリチップとも接触するようになっているのが分かる。
 なお,4Gamerでは先に,WINDFORCE 3X搭載のGIGABYTE製「GeForce GTX 780」グラフィックスカード「GV-N780OC-3GD」をテストしたことがあるが(関連記事),GV-N78TGHZ-3GDのWINDFORCE 3Xでも基本設計は大きく変わっていない印象を受けた。

WINDFORCE 3Xを外すと,同時に本体背面の補強板も外せる(左)。ネジ穴を通じた熱伝導機能はあるかもしれないが,基本的には純然たる補強板という理解でいいだろう。右は補強板を外したカード背面で,これといったチップは載っていないのが見て取れる
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WINDFORCE 3Xを分解してみた。8mm径が2本,6mm径が4本というヒートパイプ構成になっているのが分かる
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GPUコア側のヒートシンク部には,傾斜を付けることでエアフローを整える「Triangle Cool」技術が採用されている

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 続いて基板である。GPUの周りに12枚のGDDR5メモリチップが並ぶあたりはリファレンスデザインと変わらないが,電源部は,リファレンスデザインで6+2フェーズのところ,GV-N78TGHZ-3GDでは8+2フェーズ構成へと規模が引き上げられている。動作クロックの大幅な引き上げに伴って,電源部の強化もなされているというわけだ。

電源部に寄ったところ(左)と,搭載されるメモリチップ(右)。メモリチップはSK Hynix製のGDDR5「H5GQ2H24AFR-R2C」(7.0Gbps品,2Gbit)なので,リファレンスカードから変わっていないことになる
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GTX 780 Tiにどれだけのスコア差を付け

GTX 690にどこまで迫るか?


外部出力インタフェースはDual-Link DVI-D,Dual-Link DVI-I,DisplayPort,HDMI各1。GTX 780 Tiのリファレンスデザインと変わりない
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 テスト環境に話を移そう。
 今回,比較対象には,GTX 780 Tiのリファレンスカードと,SLIが有効に機能する限りにおいては現時点で最速のGeForce搭載カードとされるデュアルGPUソリューション「GeForce GTX 690」(以下,GTX 690),そして,2013年12月時点におけるRadeonの最上位モデルである「Radeon R9 290X」(以下,R9 290X)を用意した。R9 290Xでは,2つ用意された動作モードから,より高い性能が期待できる「Uber Mode」のみを利用することとし,以下「R9 290X Uber」と表記する。

 そのほかのテスト環境は表2のとおりだ。導入したグラフィックスドライバは,テスト開始時の最新版となる「GeForce 331.93 Beta Driver」および「Catalyst 13.11 Beta9.4」。テストの開始後,Radeon用には,より新しい「Catalyst 13.11 Beta9.5」が登場したが,リリースノートの記載内容からして,ベンチマークスコアを左右するものではないと判断されたため,13.11 Beta 9.4ドライバをそのまま使うことにした。
 なお,CPUの自動クロックアップ機能「Intel Turbo Boost Technology」は,テスト状況によって効果に違いが生じる可能性を排除すべく,UEFI(BIOS)から無効化している。

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 テスト方法は基本的に4Gamerのベンチマークレギュレーション14.0準拠だが,同15世代を先取りする形で,今回は「Far Cry 3」「SimCity」「F1 2012」の代わりに,「Battlefield 4」(以下,BF4)と「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」(以下,新生FFXIVベンチ キャラ編),「GRID 2」のテストを追加した。追加されたタイトルの具体的なテスト方法は,12月7日に掲載したデュアル「GeForce GTX 760」カード「MARS760-4GD5」のレビュー時と完全に揃えてあるので,興味のある人はそちらを参照してほしいと思う。

 ちなみに同じといえば,テスト解像度として,1920×1080ドットと2560×1600ドットに加え,1920×1080ドット解像度の液晶ディスプレイを縦置きで3枚並べた3240×1920ドット環境も用意し,1920×1080ドットと2560×1600ドットでは「高負荷設定」(およびそれに準じた設定,以下同)でのみテストを行い,3240×1920ドットでは「標準設定」と高負荷設定のテストを行っている点も,MARS760-4GD5のレビュー記事と同じだ。「3DMark」(Version 1.1.0)と「BioShock Infinite」では3240×1920ドットがサポートされていないため,同解像度のテストを省略する点も変わらずである。

 付け加えるなら,上の表2で示したテスト環境も,グラフィックスカード以外は変わっていない。そこで今回,比較対象となるGTX 780 Ti,GTX 690,R9 290X Uberのスコアは,MARS760-4GD5のレビュー記事から流用するので,この点はここであらかじめお断りしておきたいと思う。


GTX 780 Ti比でスコアは1割以上向上

メモリ負荷が高い局面ではGTX 690を上回る場面も


 順にテスト結果を見ていこう。グラフ1は3DMarkの結果だが,「Fire Strike」テスト,そしてその「Extreme」プリセットのいずれにおいても,GV-N78TGHZ-3GDは最も高いスコアを示した。GTX 780 Tiとのスコア差は13〜14%程度と,動作クロックほどのスコア差はついていないが,それでもGTX 690を上回ってきたのは注目に値しよう。

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 続いてグラフ2,3にまとめたBF4のスコアを見てみると,対GTX 690において,高負荷設定の2560×1600ドットまでだとGTX 690比で96〜98%程度のスコアなのに対し,3240×1920ドットでは逆に約103%と逆転しているのが目を引く。
 GTX 780 Tiも3240×1920ドットでGTX 690とのスコア差を縮めることからすると,GV-N78TGHZ-3GDとGTX 780 Tiが持つ336.0GB/sのメモリバス帯域幅の広さは,このクラスの解像度で大いに効いてくるということなのだろう。
 なお,GV-N78TGHZ-3GDとGTX 780 Tiのスコア差は13〜15%程度で,3DMarkから大きくは変わっていない。

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 「Crysis 3」のテスト結果がグラフ4,5となる。BF4と比べ,グラフィックスメモリ性能よりもGPU性能がスコアを左右しやすいCrysis 3では,ドライバの不具合によってGTX 690のスコアが大きく落ち込む高負荷設定の3240×1920ドットを除き,GV-N78TGHZ-3GDはGTX 690に届かない。
 Crysis 3では,描画負荷が高まるにつれて,動作クロックよりもCUDA Core数などの基本スペックがスコアを左右する傾向が高まることから,GV-N78TGHZ-3GDとGTX 780 Tiのスコア差は高負荷条件ほど縮まっていく。R9 290X Uberが,同条件ではメモリバス帯域幅で優れるものの,GPUコアそのものの地力でGV-N78TGHZ-3GDやGTX 780 Tiに追いつかれ,結果として3製品のスコアが3240×1920ドットの高負荷設定で揃った点にも注目したいところである。

画像集#028のサムネイル/“GeForce GTX 780 Ti GHz Edition”!? 最大クロック1.2GHz超のGIGABYTEオリジナルカードを試す
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 ハイエンドクラスのGPUからすると描画負荷の低いタイトルであるBioShock Infiniteのテスト結果がグラフ6だ。先にお断りしたとおり,ここでは2560×1600ドットまででの比較となるが,GV-N78TGHZ-3GDはGTX 780 Tiよりも9〜14%程度高いスコアを示し,対GTX 690では約96%のところに収まった。1920×1080ドットでGTX 780 Tiとのスコア差が約9%に留まるのは,十分なフレームレートが出ていて,高いブーストクロックに入らなかったからではないかと考えられる。

画像集#030のサムネイル/“GeForce GTX 780 Ti GHz Edition”!? 最大クロック1.2GHz超のGIGABYTEオリジナルカードを試す

 グラフ7,8は,「The Elder Scrolls V: Skyrim」(以下,Skyrim)のスコアだ。公式の高解像度テクスチャパックを導入済みとはいえ,ハイエンドクラスのGPUにとってSkyrimはもはや負荷が低すぎるタイトルとなっているため,高負荷設定の2560×1600ドット以下では,GeForceの3製品でCPUボトルネックによるスコアの頭打ちが見られる。3240×1920ドットでさえ,標準設定のGV-N78TGHZ-3GDは頭打ち気味だ。
 そこで3240×1920ドットのUltra設定を見てみると,スコア傾向は3DMarkとよく似たものとなった。グラフィックスメモリ周りの負荷が高いことを受けてスコアを落とすGTX 690に対し,GV-N78TGHZ-3GDは約6%のスコア差を付けている。

画像集#031のサムネイル/“GeForce GTX 780 Ti GHz Edition”!? 最大クロック1.2GHz超のGIGABYTEオリジナルカードを試す
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 新生FFXIVベンチ キャラ編の結果がグラフ9,10となる。ここでは高負荷設定の1920×1080ドットでCPUボトルネックが近いことを窺わせる“スコアの丸まり”が見られるものの,全体としてはBF4に近いスコア傾向にあるといえるだろう。
 ちなみに高負荷設定の2560×1600ドット以上で比較すると,GV-N78TGHZ-3GDは対GTX 780 Tiで112〜113%程度,対GTX 690で90〜103%程度,対R9 290X Uberで125〜131%のスコアとなっている。

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 4〜5桁の整数では今ひとつ掴みにくいという人のため,新生FFXIVベンチ キャラ編における平均フレームレートもグラフ9’,10’として示しておくので,必要に応じて参考にしてほしい。

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 グラフ11,12はGRID 2のテスト結果だ。CPUボトルネックが発生したと見える高負荷設定の1920×1080ドットを除くと,スコアの傾向はBF4や新生FFXIVベンチ キャラ編に近い。ただ,GV-N78TGHZ-3GDとGTX 780 Tiのスコア差が最大で17%程度に広がっているあたりからは,グラフィックスメモリ負荷,描画負荷とも相対的に低いケースにおいて,GPUクロックがスコアを左右しやすくなる気配も見て取れよう。

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消費電力はGTX 780 TI比で最大56W上昇

GPUクーラーは冷却性能・静音性ともに優秀


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 GIGABYTEは,GV-N78TGHZ-3GDの動作に必要となる電源ユニットの容量を定格600W以上としている。これは,GTX 780 Tiリファレンスカードから変わっていないということでもあるのだが,リファレンスを大きく上回る動作クロックが設定されている以上,消費電力が増えていることは想像に難くないところでもある。実際のところはどの程度なのか。ログの取得が可能な「Watts up? PRO」を用いてシステム全体の消費電力を測定してみることにした。

 テストにあたっては,ゲーム用途を想定し,無操作時にもディスプレイの電源がオフにならないよう指定したうえで,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時としている。

 その結果がグラフ13だ。GV-N78TGHZ-3GDのスコアは,アイドル時こそGTX 780 Tiと変わらないものの,アプリケーション実行時には27〜56Wも大きくなってしまった。正確を期すと,先に「十分なフレームレートが出ているため,高いブーストクロックに入らなかったのではないか」と指摘したBioShock Infiniteで27W差を記録したほかは,軒並み40W以上高い。
 OC GURU IIで確認してみると,手元のGTX 780 TiではGPUコア電圧の最大値がテストを通じて1.161Vだったのに対し,GV-N78TGHZ-3GDは1.175V。動作クロックの引き上げに合わせてコア電圧の引き上げもなされているのだから,消費電力が大幅に増大するのも,さもありなんといったところである。

画像集#037のサムネイル/“GeForce GTX 780 Ti GHz Edition”!? 最大クロック1.2GHz超のGIGABYTEオリジナルカードを試す

 最後に,3DMarkの30分間連続実行時点を「高負荷時」とし,アイドル時ともども「GPU-Z」(Version 0.7.4)からGPU温度を取得した結果がグラフ14となる。テスト時の室温は24℃。システムはPCケースに組み込まないまま,いわゆるバラック状態で机上に置いてある。

 カードごとにGPUクーラーが異なり,温度の計測方法も異なるため,横並びの比較にあまり意味はないのだが,それでも,GV-N78TGHZ-3GDでアイドル時の温度が全テスト対象中唯一の20℃台を示し,さらに高負荷時にも70℃台前半に留まっている点は特記しておく必要があるだろう。
 ちなみにGV-N78TGHZ-3GDの場合,GPU Boost 2.0における「この温度に達するまでは動作クロックを引き上げる」基準となる「Temperature Target」(温度ターゲット)が82℃に設定されていた。450Wクラスの発熱に堪えるとされるWINDFORCE 3Xクーラーにはまだまだ冷却能力に余裕が8℃分はあるというわけだ。

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 気になるGPUクーラーの動作音だが,例によって筆者の主観であることを断ったうえで続けると,かなり静か。少なくともGTX 780 Tiリファレンスカードに搭載されているNVIDIA自慢の静音志向クーラーより動作音は低く聞こえる。冷却能力だけでなく,静音性も相当に高いと述べていいだろう。


とにかく性能重視なら一考に値する

最大のネックは「年内に買えない」こと!?


画像集#021のサムネイル/“GeForce GTX 780 Ti GHz Edition”!? 最大クロック1.2GHz超のGIGABYTEオリジナルカードを試す
 GV-N78TGHZ-3GDは,リファレンスデザインのGTX 780 Ti比で,おおむね12〜16%程度のスコア向上が得られており,シングルGPU仕様のグラフィックスカードとして現時点における最高性能クラスの性能を期待できる製品であることに疑いの余地はない。しかも,超高解像度帯ではデュアルGPUカードであるGTX 690すらしのぐフレームレートを発揮することもあるわけで,その点に魅力を感じる人もいるはずである。
 消費電力は確かに上がっているものの,熱周り,動作音周りに心配はないと言ってよく,ウルトラハイエンド級としては扱いやすいカードと述べて差し支えない。

 ちなみに,GIGABYTEによれば,メーカー想定売価は8万7980円(税込)とのこと。GTX 780 Tiカードは,リファレンス仕様であれば7万円程度から購入できるようになっているので,それと比べるとさすがに高いものの,とにかく性能重視なのであれば一考の価値ありだ。

 ……とまとめたところで,GIGABYTEから,国内発売が2014年1月中旬予定という情報が入ってきた。年内であれば,自分へのご褒美とか何とか理由を付けられる人も,年明け,正月休みが終わって一息付いたタイミングだと冷静になっている可能性もあるだろう。その意味では「年内に買えないこと」が,GV-N78TGHZ-3GDの持つ,最大のネックかもしれない。

GIGABYTEのGV-N78TGHZ-3GD製品情報ページ(英語)

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