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クローズドβテストで「LORD of VERMILION ARENA」はどう変わる? 4月実装予定の新要素について,開発運営陣に詳しく聞いてきた
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印刷2015/03/28 00:00

インタビュー

クローズドβテストで「LORD of VERMILION ARENA」はどう変わる? 4月実装予定の新要素について,開発運営陣に詳しく聞いてきた

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 2014年末に2度にわたるαテストが実施され,好評のうちに次なるテストを待つ状態となっているスクウェア・エニックスの新作PC用オンラインゲーム「LORD of VERMILION ARENA」(以下,LoVA)。先日3月26日には,公式Twitterにてさらなる動きを予感させる告知もあり,期待に胸を膨らませている人も多いことだろう。

 そこで今回4Gamerでは,4月中の実施が予定されているクローズドβテストがαテストからどう変るのか,開発運営チームに話を聞いてみることにした。一体どんな新要素が追加されるのか,はたまたαテストで物議を醸したあの使い魔はどうなるのか。細かなゲーム内容にまで踏み込んで話を聞いているので,本作に期待する人は,ぜひご一読をいただきたい。
 インタビューに応じてくれたのは,前回の記事に引き続いての登場となる,スクウェア・エニックス タイトルプロデューサーの和賀 潤氏と,ディレクターの黒木 崇氏だ。

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「LORD of VERMILION ARENA」公式サイト



二度にわたるαテストを振り返って


4Gamer:
 二度にわたるαテストを経て,次期クローズドβテスト(以下,CBT)が4月に開始となります。公開済みテストレポート(その1その2)と被る部分もあると思いますが,まずは改めて総括をお願いできますか。

スクウェア・エニックス タイトルプロデューサー 和賀 潤氏
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和賀 潤氏(以下,和賀氏):
 はい。二度のαテストでは,毎回参加者にアンケートを取らせていただきましたが,回答者の94%の皆さんから「面白かった」との評価をいただけました。テスター約1万人のうち,実際にプレイしてくれたのが約7割。そしてアンケートに答えてくれたのがその4割強程度なので,少なくとも3000人以上が本作をポジティブに評価してくれたことになります。この結果は,社内タイトルの中でもとても良い数値ですし,またコンセプトに対して好意的な意見が多いことなど,我々としてはとても良い手応えを感じております。

黒木 崇氏(以下,黒木氏):
 第2回αテストでは,初回時に多く寄せられた不満点――マナ取得方法のバランスが悪いため,プレイヤーキルを重視した戦いになりがちで,スノウボールが起こりやすいといった部分に手を入れました。結果,プレイヤーからは「レーン戦の重要度が上がった」といった評価をいただき,チューニングの方向性を示せたという意味でも手応えを感じています。

※スノウボール……成長速度争いにおいて初期に先行したプレイヤーにリソースが集中し,雪だるま式にキャラクターが強化されていくこと。ほかのプレイヤーに逆転の機会が与えられないため,歓迎されない傾向にある。

和賀氏:
 ただ,使い魔のバランスについては,まだまだ調整の余地があると考えています。例えば一部ご指摘をいただいている“精霊獣デッキ”などは,開発内でも物議を醸していた組み合わせでもありました。

4Gamer:
 第2回αテストレポートでも報告されていた,ルールーのパッシブスキルとのシナジーを活かしたデッキですね。

ワンオアエイト ディレクター 黒木 崇氏
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黒木氏:
 ええ。これは,プレイヤーの皆さんの間で,どれぐらいの速度で情報が伝播するかを確かめる意味であえて残した部分だったのですが,一瞬で大流行してしまいました(苦笑)。とはいえ,本当に多くの方にプレイしていただいたおかげで,スキルやデッキの問題点を洗い出すことができました。「HUDをカスタマイズできるようにしてほしい」「もう少し攻撃が当たっている感を出してほしい」といった改善要望も吸い上げられ,とても有意義なテストだったと思っています。

4Gamer:
 プレイヤーの反応として,予想外だったものはありますか?

和賀氏:
 レートの受け止められ方ですね。テストが24時間になりましたが,まだサービスイン時の物量がありませんので,多少でもプレイする人のモチベーションになればと思い,第2回αテストで試験的に表示するようにしました。ですが,思った以上にレートを気にしてプレイされる方が多かったですね。

黒木氏:
 テストが終わればリセットされるものなので,あまり気になさらないだろうと思っていたんです。でも蓋を開けてみたら,皆さん想像以上にガチで戦うようになってしまって。低いレートの人とマッチングしたらキャンセルして落ちる人が出てきたり,使用されるデッキにも偏りが生まれたりしたのは予想外でした。

4Gamer:
 ということは,想定していたよりもコアなプレイヤー層が多かった?

和賀氏:
 そうですね。アンケートの結果を見ても,日常的に対戦ゲームを遊んでいる人が7割ほどを占めています。中でも「League of Legends」などのMOBAタイトルを遊んでいる人は多いですね。アーケードの「LORD of VERMILION」シリーズのファンもいますが,こちらは3割ほどでした。

4Gamer:
 MOBAに対する理解が深いプレイヤーが多かったと。前回のインタビューでは,柴プロデューサーが「MOBAの要素をうまく使った新しい対戦ゲーム」と言っていましたが,本作がターゲットと考えているプレイヤー層はどのあたりなんですか?

和賀氏:
 それはやっぱり,対戦ゲームを求めるコア層を中心に考えています。こういったタイトルは,面白さを周囲に伝えてくれる上級者がいてこそ,広がっていくものですから。

4Gamer:
 まさに,今回のαテストに参加してくれたような。では,対戦ゲーム好きのコア層を取り込んだとして,その次のターゲットは?

和賀氏:
 MMORPGやTPSなど,オンラインゲームを遊ばれているプレイヤーだと思っています。日本のPCゲーム市場では,この層がかなり厚いんです。LoVAの操作体系やTPS視点のカメラ,デッキビルディングやスキルの使い勝手などは,かなりこの層を意識して作っています。

4Gamer:
 なるほど。MOBAにはMMOPRGにおけるPvPやGvGに近い側面もありますし,相性は悪くなさそうです。ちなみに,そういったオンラインゲームのプレイヤーというのは,どの程度含まれていたでしょうか。

和賀氏:
 アンケートでMMORPGの経験ありと答えたのは,全体の4割近くでした。でもゆくゆくは,この層がもっと増えて欲しい。というのも,対戦ゲームの面白さって,結局プレイヤーの数で決まる部分があるじゃないですか。

4Gamer:
 おっしゃるとおりだと思います。

和賀氏:
 なので,これからスタートするCBTでは,そういったオンラインゲームのプレイヤーさんにもぜひ参加してもらいたいです。MMORPGにおける対人戦って,傍目には何が起こっているのか分かりづらい事が多いですが,競技性を重視した本作の場合,その辺りは少し分かりやすい。それでいて,あのごちゃっとした集団戦の醍醐味も楽しめる。作っている側としては,どっちに振るかのさじ加減が難しいのですけど。

4Gamer:
 ああ。本作には使い魔がいる分,ほかのMOBAと比べて集団で戦っている感がありますね。キルもガンガン取れたりしますし。ところで,αテストではインフラ周りのトラブルなどはなかったのですか。外から見ていると,とても安定しているようでしたが。

黒木氏:
 いや,逆にそれで困っているくらいでして。αテストではハードウェアのトラブルこそ少しありましたが,負荷はほとんど感じませんでした。問題発生時の対処をするためにも,CBTでは,たくさんの人にプレイしてもらえたら嬉しいですし,CBTでは強制的に障害を発生させて負荷調査を行おうとも思っています。

現在開発が進んでいる最新版のゲーム画面。インタビュー中で語られている以外にも,インタフェースなどに様々な改善が見られる
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競技性重視の5vs.5がいよいよ登場。新たな使い魔も多数追加に


4Gamer:
 では,そのCBTで追加される新要素についてお聞きします。先にいただいた新要素のリストによれば……いよいよ5vs.5のマップが実装されるとのこと。いったいどんなゲームモードになるのか,改めてお聞かせ願えますか。

和賀氏:
 前回のインタビューでも少し触れましたが,5vs.5は競技性を重視したゲームモードになります。チーム対戦では人数が少ないほど個々の責任が重くなってきますから,当然7vs.7と比べてコア向けのコンテンツになります。合わせてフレンドと一緒に戦えるグループマッチ機能も実装されて,より高度な連携が楽しめるようになります。

4Gamer:
 カジュアルな7vs.7と,ガチ対戦の5vs.5という感じに分かれるわけですね。

和賀氏:
 はい。7vs.7というのは,カジュアルでありながらも,MOBAとしてのプレイフィールを損なわない最大の人数なんです。個々人の責任が比較的薄いので,いわゆる“野良”で飛び込むのもそれほど難しくない。7vs.7というのは,初心者がプレイするにあたってのハードルを下げるための,いわば入口として用意したモードなんです。

4Gamer:
 つまり5vs.5からが本番だと。

和賀氏:
 そうなります。あと,7vs.7だとチームが組みにくいだろう,というのもありますね。フレンドを毎回7人揃えてパーティを組むのって,練習時間も考えると大変じゃないかと。少しの差かもしれませんが,そういう意味でもフレンド機能と相性の良いモードだと思います。

4Gamer:
 ちなみに,マップの構造は違いがあるのでしょうか。

黒木氏:
 見た目こそガラッと変わりますが,基本的なマップの構造はどちらのモードも共通しています。開発当初は別にすることも考えましたが,そうすると2つのマップを覚える必要が生じますし,7vs.7で覚えた知識も活かせない。7vs.7を入口にしても,それでは意味がありません。

和賀氏:
 とはいえ,正式サービス時にどうするかはまだ未決定ですので,この点についてもCBTで皆さんからフィードバックをいただければと思っています。

5vs.5マップ
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4Gamer:
 分かりました。となると気になるのは,ゲームバランスをどちらのゲームモードにフォーカスして調整しているのか,という点です。とくに使い魔のパラメータやスキルは,参加人数によって大きな影響があるように思えますが,いかがですか。

黒木氏:
 これは5vs.5でのゲームバランスを基本と考えています。もちろんテストプレイは両方のルールで行っていますが,現状ではルールごとに調整を変えるほどではない,という判断です。

和賀氏:
 ゲームモードについてもそうですが,バランスの調整は,プレイヤーが密に連携して動くことを前提にディテールを詰めるようにしています。ボイスチャットを使い,チームが一丸となって動くことで初めて大きな効果を発揮するスキルもありますから。

4Gamer:
 なるほど。そういう意味でも,LoVAの真骨頂は5vs.5にあるわけですね。

和賀氏:
 ええ。ただし,ソロでは7vs.7が十分に楽しめるようにも調整しています。今回CBTで新たに実装されるソロアリーナモード――いわゆるソロ用のランクマッチにあたるモードは,7vs.7です。今後チームアリーナモードも実装されますが,ソロプレイヤーの皆さんにはぜひこのCBTでやり込んでもらいたいですね。

アフロディーテ
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4Gamer:
 CBTでは,新たな使い魔も20体追加されるとのこと。とくに注目の使い魔というと,どれになるでしょう。例えばαテスト時には,「今後登場してほしい,LoVシリーズの使い魔は?」というアンケートもありましたが。

和賀氏:
 アンケート上位だった使い魔で,今回のテストで初参戦となるアフロディーテは,シリーズファンには大いに喜んでもらえるんじゃないでしょうか。

黒木氏:
 あと,タイプ「五影剣」の面々――ガラティン,ハバキリ,ダーインスレイヴ,トリシューラ,ティルフィングもぜひ試してみてほしいです。それぞれが自身を含む五影剣を対象としたバフスキルを持っているので,五影剣のみでデッキを構成することで,かなり特殊な戦い方ができるようになります。例えば,攻めるときは通常攻撃にスプラッシュダメージを追加し,逃げるときは移動速度を上昇させて離脱するなど,シチュエーションに合わせてバフを切り替えられるんです。

4Gamer:
 LoVIIIでの五影剣の特性を踏襲しながらも,LoVAらしい遊び方ができるわけですね。

五影剣デッキ
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和賀氏:
 ええ。第2回αテストでは精霊獣デッキがありましたが,五影剣のほかにもタイプを合わせることでシナジーを発揮する使い魔が続々増えますので,デッキ構築には大いに頭を悩ませてほしいですね。それから,今回はストーリーモードの一部が実装されるので,そちらも見どころですよ。

4Gamer:
 というと?

和賀氏:
 LoVAの世界にはプレイヤーの出身世界として,“ヴァーミリオン”と“ライズ”,そしてCBTで新たに追加される“ブレイズ”が選べるのですが,その世界ごとに“とある使い魔”が登場します。その使い魔を従えて進めていく,フルボイスのストーリーが展開されるんです。

CBTで追加される第3の並行世界“ブレイズ”。どうやらスチームパンク的な雰囲気を持つ世界のようだ
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4Gamer:
 とある使い魔ですか。それが新規の使い魔として登場する?

黒木氏:
 そうです。CBTでは出身世界ごとに1体,計3体の使い魔が登場します。これまでのシリーズには登場していない新規の使い魔で,ストーリーモードをプレイすることで入手できます。

4Gamer:
 ということは,出身世界ごとに手に入る使い魔が違うわけですね。出身世界の異なる残りの2体は,入手不可能ということですか?

黒木氏:
 いえ,デッキ構築が何よりも重要なゲームですから,手に入らないことはありません。選んでいない出身世界の使い魔は,ショップで購入できるようにする予定です。ゲーム開始直後からチュートリアルを含めたストーリーがスタートしますので,ぜひお試しいただければと。

“ヴァーミリオン”のストーリーモードに登場する使い魔,アンネローゼ
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オブジェクトの戦略的価値が向上し,ゲームバランスが大きく変化


4Gamer:
 CBTバージョンの目玉の部分は分かりました。では,もう少し細かい部分について聞かせてください。ゲームバランスについては,具体的にはどんな調整が行われるのでしょうか。

黒木氏:
 クローズドのテストは今回が最後の予定ですから,実験的なことはここですべて盛り込むようにしたいと考えています。例えばアクティブスキルのダメージに関わっていたPOW(魔法攻撃力)というパラメータは,すべての使い魔で初期値が0になりました。こうしたスキルのダメージを強化するには,ユニットのPOWを向上させるパッシブスキルを持った使い魔を,真化/超真化させる必要があります。

4Gamer:
 かなり思い切った調整ですが,その狙いは?

黒木氏:
 本作の面白さは,使い魔とスキルの性能を眺めながら,デッキビルドに頭を悩ませるところにあります。POWに関わるパッシブスキルを持った使い魔の役割が,これまで以上にハッキリしますので,より一層ビルドで悩んで欲しい,というのが狙いですね。また真化/超真化の戦闘に及ぼす影響も大きくなるため,マナというリソースの重要性も増しています。

4Gamer:
 なるほど。αテストで物議を醸していた精霊獣デッキ,それからバランスブレイカーとされたアクアナイトといった使い魔はいかがですか。

黒木氏:
 フィードバックをいただいたものに関しては,ちゃんと常識の範囲内に落ち着いているハズです。また,ゲーム全体でATK(打撃攻撃力)を下げる方向で調整しました。人獣はどの使い魔もATKが高かったですが,特性に応じて強弱をつけるようにしています。

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和賀氏:
 マップやオブジェクトにも調整を加えましたので,レーン戦の重要性がさらに増しています。それから,フレンドと組んで戦えるグループマッチの実装によって,タンク役の神族,サポート&ヒーラー役の海種も活きてくるでしょう。

4Gamer:
 いわゆるロールによる役割分担がはっきりしてくると。マップやオブジェクトにも調整が入るそうですが,これは具体的にどう変わるのでしょうか。

黒木氏:
 それぞれのガードタワーの位置を,少しだけ自軍拠点側に近付けたので,レーンの距離が長くなり,敵ガードタワーに攻撃を仕掛けるリスクが増えました。その代わりに,ガードタワーを破壊するとチーム全員にマナが入り,大きなリターンが得られるようになります。さらに,今回はプレイヤーをキルしても戦力ゲージがほとんど削れませんので,オブジェクトを破壊する行動の重要性が増しているんです。

和賀氏:
 それから,これまでのミニオンアークは,いつでも占拠できる中立のオブジェクトでしたが,今回からは占拠に成功すると一定時間は自軍のものとなります。こちらも占拠成功時にチーム全員へのマナボーナスがあるため,戦略的価値が大きく増しています。

黒木氏:
 そのため一定時間でミニオンアークが開放され中立に戻るたび,その周辺で集団戦が起こりやすくなり,オブジェクトが試合の流れを作り出す役割を担うようになりました。中立モンスターを倒したときもバフがかかるようになったので,中立モンスター狩り――いわゆるジャングリングのメリットも向上しています。

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中立モンスター撃破によるバフ効果
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生まれ変わったミニオンアーク

4Gamer:
 ジャングルといえば,αテストでは「近くにいる敵プレイヤーが壁から透けて見える」ために,奇襲が成立しにくいように感じました。

和賀氏:
 壁が透けて見えるのは,味方チームが視界をとっている場合に限られるので,仕様は変っていませんが,今回はプレイヤーの視界がかなり狭まっています。視界の範囲外の相手は当然見えませんので,奇襲はかなり決まりやすくなっているはずです。また,中立拠点は制圧時に限り視界を確保できるよう変更しました。その影響もあり,とくに味方と連携を取りやすい5vs.5では,“中立モンスターに強い使い魔を集めたジャングラーデッキ”や,“タワー破壊や周囲のミニオンを強化する対オブジェクトデッキ”といった特殊なビルドも成立しやすくなるでしょう。

黒木氏:
 ミニオンも視界を持つようになったので,レーンにいる敵の把握は楽になっています。それからアニュイの「フフ みえてるぞ」のような視界確保用アクティブスキル,それから“使い魔の設置”といった行動にも,大きな意味が出てくると思いますよ。

4Gamer:
 レーンをプッシュする意味合いが増していると。

黒木氏:
 はい。あとはプレイヤーキャラクターの武器の性質にも手を加えています。デッキに合わせて武器を選んで欲しいので,基本的な性質は武器タイプごとに固定しています。

4Gamer:
 αテスト時は,後ろ側に攻撃できる武器なんかもありましたね。

黒木氏:
 あれはちょっと使い勝手が悪かったですし。今回は,片手剣がキャラクターの前方を円弧の形に範囲攻撃するスタンダードなもの,両手剣は円弧の範囲が広い代わり,根元部分に判定がないバームクーヘン型,杖はより遠方を攻撃できる代わりに,近い間合いを攻撃できないなど,特性がよりハッキリしています。

和賀氏:
 新たな武器タイプの銃――クロスボウと火打石式長銃も追加されます。銃タイプはキャラクター前方に長射程の攻撃が可能ですが,距離が離れるとダメージの減衰が発生するので,ダメージを取りたければ近づかなくてはなりません。進軍してくるミニオンを一掃するのに向いているので,ミニオン処理を重視したデッキを選ぶなら,銃タイプはかなりオススメですね。

銃タイプ
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黒木氏:
 CBTにおける調整の狙いは,取れる戦略の選択肢を増やしつつ,デッキごとのロール分けをよりハッキリさせる方向で考えています。ゲームとしてはちょっと難しくなったかもしれませんが,その分奧も深くなったと思うので,ぜひ色々な戦略を試してみてほしいです。

4Gamer:
 分かりました。では最後に,CBTを心待ちにしているファンに向け,メッセージをいただけますか。

和賀氏:
 第2回αテストが終わってすぐに,「早く遊びたい」といった声を数多くいただきまして,そうした期待を裏切らないゲームにするため頑張っています。我々としては,とにかく全力で面白くなるように作ってきたつもりですので,あとはプレイヤーの皆さんに判断していただき,ここは面白い! つまらない! と,どんどん意見をいただければと思っています。まずはぜひ一度プレイしてみてください。

黒木氏:
 先ほどもお話しましたが,思いっきりゲームバランスを弄ることができる機会としては,今回のCBTが最後のチャンスなんです。第2回αテストとはまったく違うゲームと感じられるくらい,今回は色々と弄らせてもらいました。なので,第2回αテストの印象が悪かった人も,この機会にもう一度触っていただいてフィードバックをいただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

4Gamer:
 本日は,ありがとうございました。



 4月中に予定されているCBTに向け,さまざまな情報が得られた今回のインタビュー。とくにゲームバランスの調整については,開発チームが目指す方向性がハッキリしたのではないだろうか。簡潔にまとめるなら「オブジェクトの価値を高め,ロールによる役割分担を強化する」ということになるが,実現されるならば確かにαテストとはガラッと変ったゲームバランスになりそうだ。
 筆者としては,プレイヤーキルの価値が高いため,火力重視でデッキを組まざるを得ない――つまり役割分担をする意味が薄かったことがαテストの問題点と感じていたが,どうやらこの点は改善されそうである。

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 ちなみに,インタビュー中に開発中の本作を映像で見せてもらったのだが,αテストでもう一つ気になっていた「画面の見やすさ」についても改善が見られた。多くの使い魔が入り乱れての集団戦になると,スキルエフェクトで画面が被われてしまい,なにが起こっているのか把握しずらかったのだが,これが少し抑えめになっている。
 ただ個人的な感覚では,正直に言ってまだ見づらい。ここはインタビュー中にも話題となった,ビジュアルと競技性のさじ加減なのかもしれないが,「良く分からないうちに全滅していた」なんてことでは,上達しようにも何が悪かったのか判断しようがない。ここはもう少し競技性に振って欲しいと感じている部分である。

 あとは使い魔の性能がどうなるかだが,両氏曰く「CBT中も随時調整をかけていく」とのことなので,コアなMOBAプレイヤーはどしどしフィードバックを送ってみてはいかがだろうか。間もなく新たな動きも聞こえてきそうな「LORD of VERMILION ARENA」。続報に期待しておこう。

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