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HTC Vive国内店頭販売開始,VR版「装甲騎兵ボトムズ」などVR ZONEの新作も紹介された発表会レポート
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印刷2016/07/08 00:00

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HTC Vive国内店頭販売開始,VR版「装甲騎兵ボトムズ」などVR ZONEの新作も紹介された発表会レポート

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 2016年7月7日,HTC日本は都内でHTC Viveの発表会を開催した。Viveはすでに日本国内でも販売されているが,今回の発表会では新たに日本全国のPC専門店で店頭販売されることが発表された。
 ニュースリリースでお伝えしているように,ツクモドスパラパソコン工房などユニットコム系の全国36店舗で,Viveの店頭販売が本日より開始された。価格は9万9800円(税別,税込み価格10万7784円)だ。

玉野 浩氏
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 HTC日本代表取締役社長の玉野 浩氏は,Viveのコンシューマ向け販売について,これまで行っていた自社とデジカによるオンライン販売と並んで,PC販売会社3社を加えた販売体制で今後は展開していくとした。
 価格については,かなり努力したとのことで,ほぼオンライン販売と同じところに抑えてあり,オンラインは税込み10万7800円なので若干安いところに落ち着いている。オンライン版の発送が7月中旬以降なのに対して,店頭で即日持ち帰れるとなると,そちらをメリットと考える人もいるだろう。
 ただ,体験しないことには安心して購入できないことから,各店舗には体験コーナーを設け,オンラインで体験予約ができるシステムを導入していることを説明していた。

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 さらに,体験者を外から見たときに「この人はなにをやっているんだろう?」となちがちなVRデモで,グリーンバックMRのシステムが導入されるという。これは背景が緑色の小部屋でVRデモを行い,それを外部カメラから撮影した映像とVCG映像を合成したものを設置したディスプレイに表示することで,体験者がVR空間でどのような動作をしているのかを,外部からも確認できるようになっている。HTCやOculus VRのデモビデオではよく使われている表現なのだが,これは実際に見てもらったほうが理解が早いだろう。

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デモスペース全景
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コントローラ付きのカメラで撮影し,空間内の撮影位置を検出している

 こういった施設があれば見物している人にもVR体験についての理解が深まるかもしれない。黄緑色のところにCG画像を当てはめていくため,ガチャピンの着ぐるみを着てVR体験に行くのはお勧めしない。
 また,B2Bの需要も多いようで,今後もB2Bビジネスは発展していくと見ているようだ。玉野氏は,ルームスケールVRの優位性を改めて強調し,無限の可能性を持ったハードウェアであり,無限のビジネスチャンスが生まれてくるとの考えを示していた。

Jack Tong氏
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 発表会で,HTC 北アジア統括代表のJack Tong氏は,Viveの店頭発売を「日本のゲーム業界にとって新たなマイルストーンになる」ことだとし,その意義を強調していた。Tong氏は,Viveのロゴを取り上げ,その三角形はHumanity,Technology,Imaginationを表し,中央部はさまざまな体験が生まれてくる卵を意味していると語っていた。同時に,「人々による」「人々のための」「人々とともに」という世界の未来を表しているという。
 Tong氏は百聞は一見にしかず,と体験がもたらす世界の革新について言及し,例として手術用のアプリでもたらされたアイデアについて説明した。脳の中をウォークスルーしたり,血管や神経を可視化したり,疾患を解析したりといったものをVRで実現する。これは脳神経外科に衝撃的なチャンスをもたらすだろうと氏は示唆している。

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 これにはいろいろな事例があり,VRは言語では説明できないものを体験させ,新たな世界へのチャンネルを開くものになるとTong氏は語っていた。Viveで実現されているVRの実用例として,Audiは狭いショールームのスペースでも多くの種類のクルマやその内部を見せることができるようにしている。IKEAでは,さまざまな税量での家具の仕上げを確認できる。BMWではステアリングや内装のデザインを変えたり,シミュレーションやテストなどで使われている。中国の不動産屋ではViveを使って遠隔地から部屋の中を確認したりインテリアを変更したりできるようなシステムが作られているという。

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 日本のゲーム業界について,Tong氏は,世界でもリーダー的な実績を持っており,Viveの登場で,より強力なエコシステムを構築できると説明する。コラボレーションなどで,業界を加速させ,さまざまなメリットを提供できるとし,日本を起点に世界を驚かせるようなコンテンツを発信することに自信を見せていた。とくに東京オリンピックを大きなチャンスだと見ているようだ。HTCは東京オリンピックのスポンサーではないので直接的な展開は無理だろうが,自社アピールにVRデバイスを使いたいと考えるところは出てきそうなのは確かだ。最後にTong氏は「一緒に夢をかなえていきましょう」と呼びかけていた。

Raymond Pao氏
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 続いて,HTCのVR担当副社長であるRaymond Pao氏から,Viveの特徴やコンテンツが改めて説明された。氏にとってVRはイマジネーションを広げ,生活を変えるものであるという。
 Viveを構成する3要素については,基本となるヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD),は高精細で90Hz動作をし,フロントカメラで周りも確認できる。しかし,HMDでVR空間に入っても,コントローラがないとなにをしていいのか分からない人が大半なのだという。コントローラはきわめて重要な要素だと述べていた。そしてHMDとコントローラを組み合わせて,ようやくVR空間を探検に出かけることになる。そこでベースステーションによる高精度かつルームスケールのトラッキングが重要になってくるわけだ。

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 Viveの使い方としては,ルームスケールVRについても当然ながら紹介されたのだが,最初に座った状態で楽しむSeating Experienceが紹介されていた。日本を始め,住居が狭いアジア4国ではきわめて重要なものとなると見ているという。座っても立っても体験できることから,柔軟性ではViveが最高だと,その優位性を語っていた。

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 Viveを使いたいというのはゲーム業界のみに限ったことではなく,技術支援やマーケティングサポートなどコンテンツ制作者を支援するものとして,包括的な支援プログラムとなる「Vive X」が紹介された。現在,台北,北京,サンフランシスコで展開されており,メンターシップ,テクニカルサポート,さまざまなテスト設備の提供などが行われているという。そこには現在,世界中から30か国,1100プロジェクトの開発チームが集まっているという。

 さらに,VRコンテンツの拡充で資金面での支援が重要だと語り,HTCはVRVCAというファンドを展開しており,多くの企業に支援していることを説明した。

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 では,VRが普及するとなにが変わるのか? Pao氏は,多くのものが変わってくると語り,最初にエンターテイメント,さらにソーシャルメディア,教育,買い物,旅行,インテリアデザインなど多くの例を挙げた。Viveが発売されて数か月だが,すでに開発者は5000人を超え,アプリケーションは310本以上に上っているという。
 ここでPao氏は,中国で2000人以上を対象に行われたという調査の結果を挙げて,人々がVRに求めているものを示していた。曰く,ゲームや360度動画,360度映像のライブ配信,教育などが上位になっている。これは男女でも異なり,男性はゲームを,女性は教育などに期待するところが大きいことが分かったという。こういった傾向は国によっても異なるとし,将来的にはいろんな国で調査をしたいと語っていた。

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ジャック・モモセ氏
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 今回の店頭販売ではHTCとともにViveの流通などを行うデジカの代表取締役社長ジャック・モモセ氏は,VR元年に向けて同社の役割を説明していた。
 まず,VRは体験しないと分からないということで,体験の場を設けることに注力するという。これは今回の店頭販売においても重視された事項である。次に,VRコンテンツ自体が作られないことにはVRデバイスも普及しない。そこでUnreal EngineおよびUnityを中心に開発イベントなどへも積極的に参加し,開発者を支援していくという。

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 そして,同社自身もVRコンテンツを開発し,またパブリッシングにも力を入れていく。同社はViveのソフトウェア供給元であるSteamの日本パートナーとしても知られており,日本産のインディーズコンテンツを英語化するなど,Steamでリリースするための支援も行っている。個人であれ会社であれ,VRコンテンツを作ってみたはいいが,配信するノウハウがないといった場合は,その道の専門家であるデジカを頼ってみるのもいいだろう。

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さまざまな分野で活用されるVive


 ここでパートナーによるケーススタディということで,すでにViveを使ってVRコンテンツを展開している国内パートナー6社によるプレゼンテーションが行われた。

小山順一郎氏
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 まず最初はバンダイナムコエンターテインメントでVR ZONE Project i Canなどを進めているエンターテインメントAM事業部エグゼクティブプロデューサーの小山順一郎氏が展示でViveを使った所感などを紹介していた。
 VR ZONEでは17台のViveを使って1万5000人以上にサービスを提供してきたという。その間に壊れたのは1回だけだそうで,その頑丈さには驚きを示していた。また,メガネに寛容なこと,脱着が簡単なことなどを挙げて製品としての完成度の高さを絶賛していた。

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 また小山氏は,同アトラクションの新作として「MAX VOLTAGE」と「装甲騎兵ボトムズ」の2本を紹介していた。MAX VOLTAGEは,大物ミュージシャンのコンサートをテーマにしたアトラクションだ。以前,ギターヒーローのVR版で観客を目の前にして小規模なギグをやったことはあるのだが,十数人の観客でもかなり臨場感のある体験ができた。MAX VOLTAGEでは2000人の観客を動かしているという。
 奈落から部隊にせり上がるところから始まり,マイクパフォーマンスで観客を沸かせるという得がたい体験が提供されるとのこと。公式サイトにはすでにプレイできそうな感じで掲載されているのだが,7月15日から公開される予定とのこと。体験したい人は早めに予約しておこう。

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 装甲騎兵ボトムズについては,「アストラギウス銀河を二分するギルガメスとバララントの陣営は互いに軍を形成し……」と誰もがそらんじるアレなので説明の必要はないと思うが,アトラクションは身長4mのスコープドッグと呼ばれる小型パワードスーツ(AT:Armored Trooper)に乗り込んで戦闘を行うATシミュレーションゲームになっているようだ。狭苦しいAT内が表現されているそうで,Viveのコントローラが取り付けられた専用筐体は,筐体の動きと画面が完全にシンクロして臨場感を盛り上げるという。格納庫では,好きな角度からATを眺めることもできるそうだ。

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山上慎太郎氏
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 続いて,コロプラネクスト代表取締役社長の山上慎太郎氏は,親会社であるコロプラのVRへの取り組みを紹介するとともに,同社の業務であるファンド事業でのVR分野の投資状況などを説明した。7月6日に発表された8社以外にも,合わせて20数社に投資が行われているという。同社独自のファンド以外でも,HTCが主導するVRVFAにも出資しており,VR開発機業への支援を続けていく。

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寺本 誠氏
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 電通のデジタルクリエーティブセンターでクリエイティブ・ディレクターを務める寺本 誠氏は,同社がサンシャイン60で行っているViveを使った2つのアトラクション「TOKYO弾丸フライト」「スウィングコースター」について説明していた。
 TOKYO弾丸フライトは,サンシャイン60の展望台から大砲で撃ち出されて東京の空を遊覧するといったアトラクションで,Viveを使ったVRによるものとなっている。スウィングコースターも同様に東京の空を楽しむものだが,こちらは4人乗りの空中ブランコのように動くものとなる。
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 こういったアトラクションは老若男女(13歳以上)が楽しむものとあって,やはりVRデバイスの扱いやすさやホスピタリティについては重要だとし,寺本氏はViveの装着しやすさを高く評価していた。
 広告代理店にもVRを使って何かできないかという問い合わせは増えているそうで,今後もViveを使った展開はいろいろと出てきそうだった。

久永一郎氏
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 大日本印刷デジタルアーカイブビジネス開発部部長の久永一郎氏は,同社が手がけるフランスの図書館BnFが所蔵する地球儀,天球儀コレクションのデジタル化について紹介していた。同図書館が所有するコレクションは世界でも有数のものだが,研究者への提供が不十分ということでデジタルアーカイブとするプロジェクトが大日本印刷に持ち込まれたようだ。そこから,天球儀の見方などを教えるVRコンテンツを作る動きが起きたとのこと。
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 天球儀は球体の表面に星の位置をマッピングしてあるものだが,外側から見ても星の位置は分かりにくい。ある星の右斜め上にある星は天球儀では左斜め上に描かれるからだ。そこで,天球儀の中に入った状態で,天球儀の情報を全天にマッピングしたVRコンテンツが作られている。星座名などは左右反転してしまうが,昔の星の位置を再現するタイムマシン的なコンテンツとして提供しているとのこと。

江本真一氏
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 グリーのVR Studio副部長江本真一氏は,同社とフジテレビが進めているF×G Worksの成果として,VR空間におけるソーシャルビューイング環境を紹介していた。VR空間内に15畳程度の部屋が用意され,200インチ相当の大型テレビを設置してみんなでそれを見るといった環境だ。これでオリンピックのバレーの試合を見たりするわけだ。Viveについては,「当たり前のことが当たり前にできる」ことが凄いと評価していた。このシステムでは,Viveのコントローラで観戦時に手に持つバルーンスティックを表現しているわけだが,バルーンスティックを置いて拾うといった動作に対して,まったく無理なく対応できるシステムはほかに存在しない。フジテレビと組んだのはVRを広めたいからだが,試した人に絶対嫌な思いはしてもらいたくないとのことで,そういった細かい部分でストレスを感じさせないシステムを評価しているようだ。
 グリーではソーシャルという点に重きを置いているそうで,VRであれば隣に座るのが芸能人やスポーツ選手で会話したりといったことが実現できる。今後はAIキャラクターなどの導入も視野に入れつつ開発を続けていくとのこと。

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加島直弥氏
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 最後に登壇したのはスクウェア・エニックス第10ビジネスディビジョンプロデューサーの加島直弥氏だ。氏は,乖離性ミリオンアーサーのイベントで使われたVRデモについての紹介を行った。それは3Dボスバトル部分をVR化したもので,その世界に入り込むことができ,体験したユーザーには大変好評だったようだ。
 Vive(Vive Pre)の日本初公開ともなったイベントは大変注目を集めたようだが,加島氏がViveについて高く評価しているのは,コントローラで手をトラッキングできることだった。VR空間内で手があるだけで没入感は飛躍的に高まるため,デモでは手を使ってカードを選択したり,剣を振り回したりといった使い方をしていたとのこと。
 当日はベースステーション1セットで同時に5人プレイを問題なくこなしたとのことだが,そのトラッキング範囲の広さも高く評価していた。少々頭を動かしてもトラッキングが外れないことで没入感が阻害されないというのはVR体験では重要なことと言えるだろう。

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 以上,非常に多彩な分野から数多くのゲストを招いての発表会は盛況のうちに終了した。

 今回発表された店頭発売により,普通に店頭で入手できるVRHMDとしてはGear VRに続くものとなったViveだが,コンシューマ市場での需要自体は正直言って読みにくい。約10万円という価格と要求スペックによる導入障壁,キラーコンテンツ不在の状態ではまだまだ物好きな人が買うだけのものにすぎないかもしれない。
 その一方でB2B分野ではかなりViveが普及してきている。Oculus VRのRiftは供給が安定しないこともあって,VRの実用的展開ではViveが多くの分野で前面に出てきており,現状ではVRの主役と言っていい位置を占めている。今回紹介されたように多くのバートナーとの協力体制が確立されていくと,いま以上にVRを代表する存在になっていくのかもしれない。

HTC Vive公式サイト

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