インタビュー
「荒野行動」「Identity V」などで勢いに乗るNetEase Gamesが日本を重視する理由は? 本社訪問でパブリッシングディレクターに話を聞いた
そんな「荒野行動」の配信元であるNetEase Gamesは,非対称型ホラーアクションゲーム「Dead by Daylight」(PC
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— 【公式】Identity?第五人格 (@IdentityVJP) 2018年11月10日
今回4Gamerでは,飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進を続けるNetEase Gamesの本社を訪問し,新作ゲームの情報を得たほか,海外パブリッシングディレクターのMatt Liu氏に日本市場を重視する理由などを聞いてみたので,本稿で紹介しよう。
2019年には複数のタイトルをリリース予定
注目作は「ディアブロ イモータル」
NetEase Gamesの母体であるNetEase.comは,中国内でポータルサイトや電子メールサービスなどを手がけている企業で,1997年に設立されたのち,2000年にはNASDAQへの上場を果たしている。現在では従業員数が全世界で2万人以上いる大企業へと成長を遂げている。
またゲーム部門は,2000年代前半からオンラインゲームの運営などを行っている老舗で,Blizzard Entertainment,Mojang AB(マイクロソフトの子会社)と協業するなど,NetEase.comの中でも注力されている事業だ。
そんな同社は,「荒野行動」「Identity V」に続く作品として,「Cyber Hunter」「Legend:Rising Empire」,そして「Diablo」シリーズ最新作「ディアブロ イモータル」(iOS / Android)の日本配信を発表している。
「Cyber Hunter」は,未来の量子仮想世界を舞台にしたバトルロイヤルゲームだ。“クライミング”や“滑走”といった要素により立体的な戦闘が行えるほか,監視塔や医療機器など,戦闘中にさまざまなものを作成できるのが特徴となっている。
また,SMG,ライフル,狙撃銃,ショットガン,投擲物といった5種類の武器が用意されているほか,陸海空に対応する乗物も用意され,広大なフィールドでのバトルを楽しめそうだ。
「Legend:Rising Empire」は,一国の王となり,資源を確保して労働力となるユニットを生産し,さまざまな施設を建てて城下町を豊かにしていくストラテジーゲームだ。自身の城下町を地道に発展させていくだけでなく,騎兵,歩兵,射手,泥棒,包囲兵器を使役して,ほかのプレイヤーの城下町を侵略して資源を奪うこともできる。もちろん,自身の城下町が襲われることもあるため,しっかりとした防衛施設の建設は必須と言えるだろう。
「ディアブロ イモータル」は,先日開催された「BlizzCon 2018」で発表された「Diablo」シリーズの最新作だ。
スマホで楽しめる本作は,プラットフォームの良さを活かした大人数参加型オンラインアクションRPGで,ワールドストーンが破壊されてしまった「ディアブロII:ロード オブ デストラクション」と「Diablo III」の間をつなぐ,知られざる24年間が描かれるという。詳細については,以下の関連記事でチェックしてほしい。
「Diablo」のスマホ版「ディアブロ イモータル」は,「ディアブロII」終了後の,知られざる24年を描く
Blizzard Entertainmentは,開催中のイベント「BlizzCon 2018」で,「Diablo」シリーズの最新作となるスマホ専用タイトル「ディアブロ イモータル」を発表した。発表後のパネルディスカッション「Diablo: What’s Next」で時代背景やキャラクター,ゲーム世界の詳細などについてが説明されたので,お伝えしたい。
これは確かにディアブロだ! スマホで遊べる「ディアブロ イモータル」のファーストインプレッションをお届け
Blizzard Entertainmentのファンイベント「BlizzCon 2018」のオープニングセレモニーで大々的に発表されたスマホ向けタイトル「ディアブロ イモータル」。デモ版が会場に出展されていたので,さっそくプレイしてみた。これは確かにディアブロだ。
「Diablo Immortal」開発者インタビュー。プレイしてもらえれば「Diablo」だと分かるはず
北米で開催中のBlizzard Entertainmentのファンイベント「BlizzCon 2018」で,スマホ向けアプリ「ディアブロ イモータル」が発表されたのは既にお伝えした通り。本稿では,開発スタッフであるMatthew Berger氏とRichie Marella氏へのインタビューをお届けしよう。
今回4Gamerでは,そんな注目作が控えているNetEase Gamesで,パブリッシングチームのディレクターを務めるMatt Liu氏に話を聞くことができた。
実際に現地で話を聞いてみて感じたのは,日本のプレイヤーが満足するレベルならば問題ない,日本のリテラシーの高さは中国の比にならないなど,“日本のプレイヤーを高く評価し,意識している”ということだ。もしかすると,日本から遠路はるばる来た我々に気を遣ってくれたのかもしれないが,それを加味したとしてもその印象を強く受けた。
以下に,話を聞いたときの模様をまとめておくので,Matt氏がどのようなイメージを持っているのか,ぜひともチェックしてみてほしい。
日本市場を重視する理由は?
マーケティングディレクターから見た日本市場
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。ここ最近のNetEase Gamesは,「荒野行動」や「Identity V」などにより,日本のスマホ市場で存在感が大きくなっている印象です。
Matt Liu(以下,Matt):
そうですね,「荒野行動」と「Identity V」は日本の市場をメインに考えています。とくに「荒野行動」は日本のプレイヤーの熱量が高く,2019年に行う日本独自の施策なども着々と計画が進んでいます。
4Gamer:
日本独自の要素という点では,記憶に新しいところだと「進撃の巨人」コラボが行われましたよね。日本で人気のIPをチョイスするあたり,日本市場を重視してもらっている印象を受けるのですが。
Matt氏:
中国市場や北米市場などはもちろんですが,日本市場はとくに大切にしています。というのも,日本のプレイヤーは幼い頃からゲームに触れており,ゲームリテラシーが非常に高いため,良いものを作ればその分だけしっかりやり込んでくれるのです。
4Gamer:
なるほど。
Matt氏:
また,最初は1人で遊ぶようなRPGが好きだと思っていたんですが,現在はほかのプレイヤーと遊べるようなオンラインゲームが人気を博していますね。少し前まではPvPなどの対戦ものは流行らないと言われていましたが,今では対戦ものがメインストリームと言えます。変化の移り変わりが早い市場なので,調査を随時行いつつ,環境にあった作品を出していければと思います。
4Gamer:
中国とは異なる環境なのでしょうか。
Matt氏:
基本的には大きく変わらないのですが,局地的に見てみると違いが出てきます。例えば,デジタルカードゲームであれば,日本では30〜40代がよくプレイしていますが,中国では10代に人気のジャンルなんです。
それと,中国は特定のジャンルに強い人はいますが,日本のプレイヤーほど広いジャンルに対する知識がないところも違いますね。
4Gamer:
となると,中国とはマーケティング戦略も変わってきそうですね。
Matt氏:
そうですね,日本のプレイヤーはゲーム内のバグや運営のミスに対して,的確な指摘をしてくれるので,中途半端な情報が出せません。速度よりも精度を重視し,細かい部分を綿密に調整してから情報を出すなど,情報発信には細心の注意を払っています。
4Gamer:
確かに,荒野行動で行われたHigh杯の“盛り上がり”は記憶に新しいですね……。
Matt氏:
その節はプレイヤーのみなさまにご迷惑をおかけしてしまい,申し訳ありませんでした。想定していた数を大きく上回ってしまったので,しっかりとした事前調査と,サーバーの強化などで対策してきたいと思います。
4Gamer:
ちなみに,日本以外のアジアで注目している地域はありますか。
Matt氏:
香港,マカオ,台湾などの東南アジアはダウンロード数などが安定してるので,これからも注目していきたいですね。また,韓国も視野に入れているのですが,ゲームの歴史がある国なので,日本同様にしっかりと調査してから進出したいと思っています。
4Gamer:
そもそも中国はゲームに対する縛りが厳しいとよく耳にしますが,それも日本市場を重視する理由のひとつなのでしょうか。
Matt氏:
それが日本市場を重視している理由というわけではないですね。繰り返しとなってしまいますが,日本は純粋に良い物を提供すればしっかりと遊んでくれる,それが大きな理由です。
ゲームを作る側からすると,クリエイター冥利につきるといいますか,日本で受け入れられる作品を作ることができれば“認められた感”があるので,単純にやりがいがありますね。
4Gamer:
中国で新作を配信するのが難しいということは,海外向けに配信することも視野に入れていますか。
Matt氏:
それをおこなっている会社もありますが,中国市場とは属性が大きく異なる国が多いので,NetEase Gamesはまだ検討段階です。現状では,プレイヤー間でコミュニケーションが取れるタイトルを中心に取り扱っていますが,今後は別ジャンルのタイトルも配信予定です。
4Gamer:
例えばどういったタイトルでしょうか。
Matt氏:
王道のMMORPGを始め,戦車を題材にしたSF作品,ガッツリと考えて戦うSLGなどの準備を進めています。2019年の前半には発表できると思いますが,まずはいろんな国でテストをおこなって相性の良い国で本格的に力を入れていく予定です。
4Gamer:
ふとした疑問なのですが,配信タイトルの数は事前に決まっているのでしょうか。もしくは,状況に応じて変わるものなのでしょうか。
Matt氏:
NetEase Gamesでは,時期を決めてリリースすることはほとんどありません。プレイヤーに受け入れられるクオリティに達したものを市場に投入しています。また,タイトルごとにきっちりとチームが分けられていて,配信時期はチームのプロデューサーが決めているので,会社から指示が出ることはほとんどありません。
4Gamer:
最後となりますが,NetEase Gamesが目指すものを教えてもらえないでしょうか。
Matt氏:
NetEaseとしては,国や年齢,性別を問わず,すべての人が楽しめるような新しいジャンルを作りたいと思っています。気軽に遊べることはもちろんですが,やりこんで極めることもできる,そんなジャンルですね。「Identity V」はかなり理想に近いですが,今はこれを超えるタイトルを考えています。
また,アジアの文化を西洋の人にも理解してもらえるような作品を増やそうとしていて,北京にある博物館とのコラボなどで,中国の文化をいろんな国に知ってもらうきっかけを作りたいですね。
もちろん,既存タイトルをないがしろにするつもりはありません。どうすればその作品を好きになってもらえるのか,ということを常に考えているので,今後の動向にご期待ください。
4Gamer:
ありがとうございました。
――2018年10月19日収録
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