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「アルゴナビス」3rd LIVE“CROSSING”ライブレポート。キャラクターやバンド,観客たちが“クロッシング”した,幸せに満ちた空間

 2021年3月12日と13日,パシフィコ横浜国立大ホールにて,「ARGONAVIS 3rd LIVE『CROSSING』」が行われた。これは新型コロナウイルス感染症対策の影響により,2020年4月の予定から延期されていたライブイベントの振替公演だ。この延期を受け,昨年4月には演奏するはずだったセットリストや演出を元にした,サウンドオンリーライブ(SOL)「ARGONAVIS 3rd LIVE CROSSING “Sound Only Live”」が配信されている。そして今回は,そのSOLを再現する……という試みで行われた。

 本稿では,1日目と2日目,異なるセットリストで行われたライブの両日をレポートしていこう。

画像集#001のサムネイル/「アルゴナビス」3rd LIVE“CROSSING”ライブレポート。キャラクターやバンド,観客たちが“クロッシング”した,幸せに満ちた空間

※以下,リアルライブはキャスト名(敬称略),ボイスドラマはキャラクター名で表記しています
※ソロ写真はすべて1日目の写真になります


Day1〜唯一無二のロックバンド,GYROAXIAここに参上!


 波の音が響き渡り,暗いホールをわずかな光が照らす。観客たちのペンライトが夜空に浮かぶ星のように煌めくなか,Argonavisのボーカル,伊藤昌弘(七星 蓮役)の力強く伸びやかな歌声が響く。その声を引き継ぐように「行くぜ横浜!」とギターの日向大輔(五稜結人役)が出航の合図を叫び,ベースの前田誠二(的場航海役),キーボードの森嶋秀太(桔梗凛生役),ドラムの橋本祥平(白石万浬役)がステージに現れた。

 オープニングを飾るのは「STARTING OVER」だ。ファンは歓声を上げられない代わりに,拍手やペンライトでバンドの熱量に応える。
 そして「Steady Goes!」,メンバーたちの自己紹介ののちに届けられた「流星雨」と続き,歌うのが楽しくて仕方ないといった初々しい笑顔を浮かべる伊藤や,メンバーたち全員の揺るぎない安定感に,この日を迎えるまでに彼らはどれだけの努力をしてきたのだろうと考えた。
 演奏が終わると,雨の音だけが残った。再び伊藤のアカペラが重なり,「雨上がりの坂道」が披露された。晴れ間がパッと広がるように,その音は空気を明るく変え,空に虹さえもかけてしまう。これが,Argonavisだ。

 「男子,いけますか? 女子,いけますか?」――ライブではお馴染みの伊藤の掛け声から,曲は「ゴールライン」へ。ここでは前田と日向がフロントに立ち,“Argonavisの始まりの2人”の姿にじんとさせられた。森嶋がメインボーカルとなる箇所もあり,Argonavisは“全員が歌える”バンドであることを見せつけ,橋本が配信用カメラに向かってコールをアピールする。そして,力強くリズムを刻んだ「AGAIN」,ラストに「星がはじまる」を披露し,5人は実に爽やかに,音楽が持つポジティブなパワーで観客を魅了。にこやかに手を振りながらステージを後にした。

画像集#002のサムネイル/「アルゴナビス」3rd LIVE“CROSSING”ライブレポート。キャラクターやバンド,観客たちが“クロッシング”した,幸せに満ちた空間

 続いて,GYROAXIAのスタジオ練習の様子を描くボイスドラマがスタート。いつものように一方的な那由多に反発する礼音と,そんな礼音をなだめる賢汰,涼,深幸。一方,ひとりカラオケを終えた蓮は道端で偶然那由多に出会い,Argonavisのメンバーと一緒にバンドができているのも,那由多に出会えたのも「運命だ」と言うのだった。

 ステージが照明で赤く染まり,観客たちが“彼ら”の登場を期待しながらペンライトを振る。すると,ドラムの宮内告典(界川深幸役)のカウントからギターの真野拓実(美園礼音役)のリフ,ギターの橋本真一(里塚賢汰役)のピックスクラッチからベースの秋谷啓斗(曙 涼役)の重低音が重なり,最後にボーカルの小笠原 仁(旭 那由多役)が短く叫び,爆発するかのような「MANIFESTO」が投下された。

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 それまでのステージの空気を瞬時に塗り替えてしまう5人の姿は,GYROAXIAが新バンドとして発表されて間もなく,サプライズで登場して観客の度肝を抜いた最初のライブ(2019年12月5日Argonavis 2nd LIVE「VOICE -星空の下の約束-」)を思い出す。今日の彼らはあの日と同じ衣装を身にまとってはいるが,やはりその存在感も貫禄も,当時よりはるかにスケールアップしている。

 曲終わりからつながるように始まった「GETTING HIGH」は,“宇宙人”を自称する涼がテーマの曲だ。SOL当時は知り得なかった情報だが,このプロジェクトを追いかけているファンにとっては,いまやどの曲にどんなテーマや想いが込められているかを理解した上で聴けることがとても楽しい。演奏は間髪入れずダンサブルな「LIAR」と続き,あっという間に3曲が終わってしまったことに驚く。体感時間が短すぎるのは,あまりにも彼らの演奏に夢中になっているからなのだろうか。

 橋本が観客に向かって挨拶し,メンバーがそれぞれ自己紹介をする。短いMCタイムのあとに演奏されたのは,「Rage on」! まさかこれが聴けるとはという喜びで,客席からたまらずといった様子の歓声が漏れた。それにしても面白いのは,両バンドのフロントマンであるボーカリストのパフォーマンスだ。伊藤が“蓮スマイル”を見せながら,メンバーたちと顔を合わせ,コミュニケーションを取りながら一緒に音楽を作り上げているのに対し,小笠原は楽器隊とほとんど目を合わせない。軽く一瞥することはあっても,「自分が満足できる音だけがあればいい」とでもいう那由多らしい表情で,それが視覚的に両バンドの違いをくっきりと際立たせているように感じられるのだ。

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 再びドラマパートが始まり,GYROAXIAのとある一日を描く物語が始まった。礼音と涼がスタジオを間違えてしまい,彼らの到着を待つ那由多と賢汰。準備を始めた賢汰をよそに,那由多が悪態をつく。そしてステージには小笠原が1人で登場し,「狂乱Hey Kids!!」を熱唱。状況的に「那由多が全力を出していない」シチュエーションではあるが,こうやってボーカルのみに集中できる状況だと,歌の技術が進化していることがよく分かる。ドラマパートに戻ると,那由多と賢汰のもとにようやく深幸が登場する。さらに,これもスタジオを間違えてしまったArgonavisの航海と凛生が現れ,深幸の提案で1曲演奏をすることになる。

 そして実際のステージで披露されたのは,小笠原・橋本・宮内・前田・森嶋による「READY STEADY GO」だ。この日のライブは「SOLの再現」と公言されてはいたものの,まさかこれも聴けるとは……! プロジェクトとしても初となる混合バンドの生演奏は,空気感がArgonavisともGYROAXIAとも全く違い,未知数のエネルギーを感じるのが興味深い。というか目が足りない。ボイスドラマを挟み,次は小笠原と橋本による「コンプリケイション」のアコースティックバージョンが披露された。元曲はエモーショナルなバンドサウンドだが,こうしてギターとボーカルだけになると,那由多と賢汰というキャラクターの間にある,言葉には表さない信頼関係のようなものが伝わり,胸が熱くなる。

 ボイスドラマでは礼音と涼,2人を迎えにいった深幸がスタジオに到着し,ようやく5人がそろった。練習開始は遅れたが,那由多はあまり怒っていない。この流れ,実際の演奏を観て聴いたことで,観客にとってもより納得できる流れになったのではないだろうか。顔には出さないまでも,那由多たちは本当に楽しそうに見えたから。

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 ステージは再びGYROAXIA,5人のターンへ。「REVOLUTION」「SCATTER」と続き,またたく間に再び空気を熱く燃え上がらせる。ごく個人的な感想ではあるが,彼らの存在感や熱量は圧倒的ではあるものの,バンドとしての演奏は正直まだまだ荒削りなところもあると思う。けれどライブ後半に入り,本編最後の「MANIFESTO」まで力を振り絞るようにしてパフォーマンスする姿は,間違いなく我々が知っているGYROAXIAそのものだ。
 ……と,そんなことを考えていたのだが,アンコールに応えて初披露された新曲「WORLD IS MINE」を聴いて,考えていたことがいい意味でどうでもよくなってしまった。始まりの「MANIFESTO」から,彼らが今たどり着いたこの曲はあまりにも熱すぎたし,5人はただただ“GYROAXIAという唯一無二のロックバンド”であることを証明していたからだ。

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 “素”の姿に戻ったキャストたち全員がステージに集まり(演奏を終えた小笠原と宮内が拳どうしをぶつけあっていたのが胸アツだった),伊藤が「ジャイロの新曲最高だね!」と絶賛。初公開された情報のおさらいののち,代表としてGYROAXIAの橋本が「ライブの延期などいろいろなことがありましたが,それらを乗り越え,みなさんとこの空間を共有できていることがキャスト・スタッフ一同とても幸せです!」と挨拶した。最後に,ArgonavisとGYROAXIAの両バンドによる「AAside」が披露され,Day1は終演となった。

【ARGONAVIS 3rd LIVE「CROSSING」Day1】
01.STARTING OVER/Argonavis
02.Steady Goes!/Argonavis
03.流星雨/Argonavis
04.雨上がりの坂道/Argonavis
05.ゴールライン/Argonavis
06.AGAIN/Argonavis
07.星がはじまる/Argonavis
08.MANIFESTO/GYROAXIA
09.GETTING HIGH/GYROAXIA
10.LIAR/GYROAXIA
11.Rage on(カバー)/GYROAXIA
12.狂乱Hey Kids!!(カバー)/旭 那由多
13.READY STEADY GO(カバー)/CROSSING session sideA
14.コンプリケイション Acoustic Ver.(カバー)/旭 那由多×里塚賢汰
15.REVOLUTION/GYROAXIA
16.SCATTER/GYROAXIA
17.MANIFESTO/GYROAXIA
-encore-
En1.WORLD IS MINE/GYROAXIA
En2.AAside CROSSING Ver./Argonavis×GYROAXIA



Day2〜ますます安定感を増し,
次のステージへと進むArgonavis


 「CROSSING」ライブDay2は,土砂降りに強風おまけに雷という,ここ最近では珍しいほどの荒れ模様の天気となった。フロントマンの小笠原がステージ上に組み上げられた台の上に立ち,ゆっくりと炎が広がっていくような「SCATTER」でステージは幕を開けた。衣装はDay1とは異なっており,2日間参加したファンにとってもうれしい驚きだっただろう。
 次の「曇天」は偶然とは言え,この日の悪天候にぴったりでなかなか憎い。今日はDay1以上に,5人がホールの広さをものともしない,堂々とした演奏を聴かせている。続く「EGOIST」は,内に秘めた炎の熱さに圧倒される1曲だ。これこそが王者,GYROAXIAなのだと。

 橋本の短いあいさつとメンバーの自己紹介の後,「CORE PRIDE」「狂乱Hey Kids!!」と続く。こうしてカバーを聴くと,はじめからジャイロのために用意された曲のような錯覚に陥るというか,いまや完全にジャイロの音楽になっていることに舌を巻く。次の「GETTING HIGH」は,Day1とは導入が異なり,よりダンサブルなアレンジが施されている。真野が観客に手拍子を促し,橋本が客席を指差し,秋谷が縦ノリでシンセベースを奏で,宮内はにこやかな笑顔を浮かべ,小笠原は「銀河の果てまで」と天を指差す。問答無用のぶち上がりナンバーで,いつになく挑発的なGYROAXIAが最高だ。
 そしてこの日のジャイロパートのラストに届けられたのは,昨年春のSOLではまだ完成していなかった「IGNITION」だった。旭 那由多という圧倒的なカリスマの,ごくパーソナルな部分がテーマとなったこの楽曲は,何にも染まらない真っ白な照明に照らされるメンバーの姿が印象的だった。すべてを燃やし尽くしてしまうイメージではなく,新しい何かが生まれたような――そこには「黎明」という言葉を思い起こさせるまぶしさがあった。極めてストレートで,音楽への渇望や愛をも感じさせる演奏は,まさにこの日のGYROAXIAのハイライトだったように思う。

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 会場が暗転,函館の大学生たちのほのぼのボイスドラマに続いては,いよいよArgonavisのターンだ。5人が登場してまず気づいたのは,皆の衣装が「CROSSING」ライブが本来行われるはずだったころのものであること。こうしてみると,その姿はいまや懐かしくもあるのに,バンドの熱量は確実に当時よりも高まっていることに驚かされた。
 オープニングの「星がはじまる」では,曲はじまりで大きな音玉が鳴り,さながらビッグバンのようだった。ArgonavisはここまでにGYROAXIAが作り上げた熱量を,弾けるようなエネルギーと音で,すべてを輝きに昇華していく。5人は歌うのが,演奏するのが嬉しくて仕方ないといった笑みを浮かべ,次の「逢のうた」を届ける。これはもう,観ているこちらまで思わず笑顔になってしまう。

 日向がMCを仕切り,メンバーの自己紹介のあとは「Starry Line」が披露された。過去に何度か似たようなことを記事に書いたが,Argonavisの楽曲は“あざとさ”を感じない,ごく正統派のロックではあるが,ふと涙が出そうになる瞬間がある。ひょっとしたらそれは蓮が言うように,Argonavisというバンドが運命そのもので,彼らが音楽を奏でられるのも,我々がその音を聴けるのも,そうした運命の延長線上にあることに心を動かされるからなのかもしれない。

 橋本がドラムスティックで手拍子を促し,前田と伊藤がリズムに合わせて飛び跳ねる。次の曲は「*〜アスタリスク〜」だ。伊藤と日向が掛け合いのラップを披露し,そこに森嶋が低音ラップで入り込み,存在感を示す。ジャンプする観客たちに合わせて揺れるペンライトが,また星空のように目に映った。カバー曲でもやっぱり,涙が出そうになってしまった。

画像集#010のサムネイル/「アルゴナビス」3rd LIVE“CROSSING”ライブレポート。キャラクターやバンド,観客たちが“クロッシング”した,幸せに満ちた空間

 続くドラマパートは,Day1のボイスドラマでも描かれていた「ArgonavisとGYROAXIAのスタジオ間違え事件」のアナザーサイドだ。蓮がスタジオで皆を待っていると,礼音と涼が現れる。間違いが判明した礼音たちが連絡を取っている間,蓮は「みんなが来るまで声出しを……」と,軽く歌うことにする。

 ステージに伊藤が現れ,蓮の大好きな特撮のテーマソング(という設定の)「超夢宙閃隊〈スターファイブ〉より愛を込めて」を熱唱。伊藤ははじめこそキリッととした表情だったものの,歌っていくうちにどんどん笑顔になってしまうのがとても蓮らしい。TVアニメでもおなじみになった,かざす手で戦隊の5人を表した“スターファイブポーズ”もバッチリと決める。聴き終わったこちらがふと冷静になり,「声出しでこの強さなんだ……」という驚きに包まれてしまったのは,きっと筆者だけではなかっただろう。そういうところもとても蓮らしい。

画像集#011のサムネイル/「アルゴナビス」3rd LIVE“CROSSING”ライブレポート。キャラクターやバンド,観客たちが“クロッシング”した,幸せに満ちた空間

 舞台はボイスドラマに戻り,練習スタジオに万浬と結人,さらにはGYROAXIAのスタジオで合同演奏を終えた航海と凛生,深幸がやって来る。こちらも何か演奏しようということになるのだが,1つしかないドラムは深幸がとってしまった。そこで今回は,万浬が蓮とツインボーカルで歌うことが決まる。

 そして実際のステージには伊藤・橋本・日向・真野・秋谷・宮内が登場し,「GO!!!」を披露! この2日間で「まさかこれが聴けるとは」という曲はいくつもあったが,これはその決定打と言えるかもしれない。「Bang!」の歌詞では,伊藤と橋本が示し合わせて会場のあちこちを撃ち抜くポーズを決めてアピールする。楽器隊の皆も実に楽しそうだ。真野と日向がそろって中央の台に立ち,ギターを披露する姿に感動がこみ上げる。Day1の混合バンドも見応えがあったが,ボーカル2人の雰囲気のおかげか,こちらは多幸感に満ちた明るいステージとなった。

 続いて,伊藤と日向の2人による「天地ガエシ」のアコースティックバージョンが届けられた。彼らはこれまで何度も2人だけの演奏を披露してきたが,「蓮と結人」はやはり特別で,彼らだから生まれる小さな奇跡のような音は,何度聴いても格別だ。何も傷つけない優しい優しい音で,言葉がひとつひとつ心に届く。春から始まる伊藤と日向のアコースティックライブツアーも,きっと素晴らしいものになるに違いない。……というかあらためて,声量がすごすぎた(と思った人もたくさんいたに違いない)。

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 ラストのボイスドラマを挟み,ステージにArgonavisの5人が戻り「AGAIN」「ゴールライン」が披露された。結成当初からずっと演奏している曲を聴くと,彼らの成長がよく分かる気がする。歌が終わると,伊藤が観客に向けて語りかけた。「まだまだこのArgonavisの5人で進み続けていきたい。僕は,僕たちは,この運命の出会いを信じています」と。これは“蓮として”の言葉ではあったが,おそらくは,伊藤をはじめとしたキャストたち全員の想いなのだろう。そして,最後に届けられた楽曲は「VOICE」。メンバー全員がかわるがわる歌い,声が重なり,つながり合って広がっていく。「Argonavisって本当にいいな……」と胸がいっぱいになり,いつまでもこの時間が続けばいいのにと,ここまでずっとこらえていた涙が流れた。

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 楽しい時間はもう少しだけ続く。アンコールに応え,ライブTシャツに着替えたArgonavisメンバーが披露したのは,この日が初の生演奏となる「What-if Wonderland!!」だ。これは以前に伊藤がインタビューで「この曲ができたらまたレベルアップできる難しい曲」と話していたもので,早く聴きたい! と思っていたファンも多いだろう。たしかに,聴いている分にはとてもワクワクするような曲だが,ところどころに難度の高い技巧が仕込まれているように感じる。しかし,曲のフィニッシュでは思わず「お見事!」と喝采を送りたくなるすてきな演奏だった。Argonavisはますます安定感を増しつつも,次の新たなステージへと進んでいるようにも感じられた。

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画像集#015のサムネイル/「アルゴナビス」3rd LIVE“CROSSING”ライブレポート。キャラクターやバンド,観客たちが“クロッシング”した,幸せに満ちた空間

 ステージにはGYROAXIAのメンバーも登場し,最後に全員からひと言ずつメッセージが送られた。

宮内告典(GYROAXIA・界川深幸役):
 スタッフさんもバンドメンバーも本当に素晴らしいチームで,「ああ,GYROAXIAでいて良かった」ってドラムを叩きながら途中で感動して……泣きそうにはならなかったんですけど(笑)。すごく楽しかったです!

秋谷啓斗(GYROAXIA・曙 涼役):
 この1年間,プロジェクト全員でこの日を楽しむために頑張ってきました。こうやってみなさんと楽しさやうれしさを共有できて,今とても幸せです。これからも困難があるかもしれませんが,一緒に乗り越えて笑顔でいけたらと思います。

真野拓実(GYROAXIA・美園礼音役):
 ライブが開催できてめちゃくちゃうれしかったです! 最初の予定から1年経って,有観客で配信もありでライブを行えたことが本当にうれしいです。次は富士急,初の野外ライブです。盛り上がるライブにしますので,また一緒に楽しんでください!

橋本真一(GYROAXIA・里塚賢汰役):
 僕らとみなさんがここで出会って,同じ空間と同じ音を共有できたこの時間が,とてもとても幸せでした。またこんな幸せな時間を一緒に作って,一緒に幸せを感じられるように,僕たちも精一杯頑張っていきたいと思います。

小笠原 仁(GYROAXIA・旭 那由多役):
 ライブが延期になって,肩を落とさなかったと言えば嘘になります。僕らはとにかくパフォーマンス力を上げて,より“楽しい”を届けることを頑張るしかないんですが,みなさんが“楽しい”を求めて会いに来てくださらない限りは何もできません。こういうイベントに来るには勇気がいることだったかもしれないけど,みなさんに楽しさを与えたかった僕らが,それを実現できたのが感無量です。至らないところやミスもありましたが,みなさんの熱がすごく伝わって幸せな2日間でした。

橋本祥平(Argonavis・白石万浬役):
 去年やるはずだったライブより,今回届けられたライブのほうがずっといいものを届けられたって,自信を持って言えます。ArgonavisとGYROAXIAの距離も,去年の比じゃないくらいクロッシング(両手をクロスさせる橋本さん)してます! みんなと一緒に演奏できて,心から幸せです。

森嶋秀太(Argonavis・桔梗凛生役):
 去年1年間,すごく不安な気持ちでさまよっていた僕たちに光を与えてくれたのは,(観客の)みなさんです。あらためて,たくさんのナビゲーターのみなさんがこの船に乗ってくれてたんだなって実感しました。次もまたたくさんの笑顔が見られるよう,僕たちも全力で演奏してまいります!

前田誠二(Argonavis・的場航海役):
 みなさんを笑顔にすることができて,本当にうれしい気持ちでいっぱいです。まだまだ難しい情勢ではありますが,アルゴナビスは絶対に負けません! 体調を崩してる暇はないですからね。アコースティックライブに野外ライブに舞台と,これからもプロジェクトは進んでいきます!

日向大輔(Argonavis・五稜結人役):
 この1週間,「アルゴナビスとは何だ?」ということを考えていました。このステージに立ててまた素敵な景色を見ることができて幸せです! みなさんもArgonavisの絆,僕たちの音や想い,受け取ってくれたでしょうか?(観客の拍手を受け,メンバーに向けて)……だって,みんな! 嬉しいね!

伊藤昌弘(Argonavis・七星 蓮役):
 去年ライブが延期になってから,まったく同じものを届けるのは嫌だなって思ってました。技術的な上達だけじゃなく,それプラスアルファをお届けしたいと。1つは“七星 蓮としてステージに立つ”うえで,これまでの正解を一度壊して,新たに構築することをしました。今日のライブでみなさんに会って,蓮くんが自分のなかにいる感覚をすごく強く感じて,この1年間は無駄じゃなかったなって思えました。演奏をミスらないことと,みなさんと楽しさを共有したいって気持ちのバランスを取るというチャレンジをしたライブでもありましたが,GYROAXIAのみんながいるおかげで,キャラクターとしてライブをすることにも刺激を受けて,僕は蓮くんやバンド,そしてみなさんとたくさん“クロッシング”できたライブだと思ってます。まだまだいろんな景色をキャラクターに見せたいし,みなさんにその場所にいてほしいです。大変な状況ですが,これからもよろしくお願いします!


 最後にオールキャストの演奏・歌唱による「AAside」が届けられ,演奏後は全員が一列に並び,生の声で観客に感謝の言葉が届けられた。手を振りながらキャストがステージから捌けていくと,最後に日向がもう一度「ありがとうございました!」と叫び,すべての演目が幕となった。

画像集#016のサムネイル/「アルゴナビス」3rd LIVE“CROSSING”ライブレポート。キャラクターやバンド,観客たちが“クロッシング”した,幸せに満ちた空間

 ARGONAVISプロジェクトの有観客ライブは,去年の秋の「ライブロワイヤルフェス2020」以来となったが,あらためて思ったのは,やはり生の音が持つパワーの強さだ。楽曲の素晴らしさとキャストたちの演奏への熱量は,配信でももちろん伝わるものではあると思う。けれど,もしまだ生で彼らのライブを観たことがない人がいるならば,その迫力と熱さは想像を遥かに超えるものだと伝えたい。このご時世ではなかなか現地に足を運ぶのは難しい人も多いと思うが,いつかすべてのナビゲーターが,この音を生で体験してほしいと心から願う。キャストたちは技術も存在感も熱量も,ますます進化している。その成長をぜひ,多くの人に見守ってほしい。そんなことを思いながら会場から出ると,外はすっかり雨が上がっていた。

【ARGONAVIS 3rd LIVE「CROSSING」Day2】
01.SCATTER/GYROAXIA
02.曇天(カバー)/GYROAXIA
03.EGOIST/GYROAXIA
04.CORE PRIDE(カバー)/GYROAXIA
05.狂乱Hey Kids!!(カバー)/GYROAXIA
06.GETTING HIGH/GYROAXIA
07.IGNITION/GYROAXIA
08.星がはじまる/Argonavis
09.逢のうた/Argonavis
10.Starry Line/Argonavis
11.*〜アスタリスク〜(カバー)/Argonavis
12.超夢宙閃隊〈スターファイブ〉より愛を込めて/七星 蓮
13.GO!!!(カバー)/CROSSING session sideG
14.天地ガエシ Acoustic Ver.(カバー)/七星 蓮×五稜結人
15.AGAIN/Argonavis
16.ゴールライン/Argonavis
17.VOICE/Argonavis
-encore-
En1.What-if Wonderland!!/Argonavis
En2.AAside CROSSING Ver./Argonavis×GYROAXIA


「ARGONAVIS from BanG Dream!」公式サイト


「アルゴナビス from BanG Dream! AAside」公式サイト

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