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「有翼のフロイライン」プレイレポート。ヒロイックな空中機動を簡単操作で実現できるフライトシューティングアクション
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印刷2021/06/02 12:00

プレイレポート

「有翼のフロイライン」プレイレポート。ヒロイックな空中機動を簡単操作で実現できるフライトシューティングアクション

 クラウディッドレパードエンタテインメントは,日本のインディーズデベロッパ,Production Exabilitiesが手掛ける新作タイトル「有翼のフロイライン Wing of Darkness」PC / PS4 / Nintendo Switch)を,2021年6月3日に発売する。

 本作は,発表された当初からインディーズ作品とは思えないほどに美しいビジュアルで話題を集めたフライトシューティングアクションだ。本稿では,PS4版のプレイレポートをお届けしよう。


「有翼のフロイライン Wing of Darkness」公式サイト



2人の少女を中心としたストーリー。シナリオパートでは演出の工夫が光る


 まずは,軽く本作のシナリオに触れておこう。「有翼のフロイライン Wing of Darkness」の舞台となるのは,正体不明の敵性存在「ブランカー」の侵攻によって,人類が生存圏を追われつつある世界。ブランカーは圧倒的な性能の兵器を用い,またたく間に人類から“空”を奪い去っていった。

 それに対抗するため,人類は対ブランカー専用装備を開発する。しかし,それを装着できるのは特別な才覚を持った少女たちだけ。機械の翼で空を守る少女たちを,人は“フロイライン”と呼んだ。

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シナリオは3Dキャラクターモデルを使った1枚絵で表現される。動きを付けないぶん,ライティングやカメラワークの演出を工夫してクオリティを高めている印象だ
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 そんな本作の主人公「クラーラ・エルンスト」は,ひょんなことから素質を見いだされて,フロイラインになることを選んだ少女だ。クラーラは新設のフロイライン部隊“アーベント・フリューゲル”の一員となり,人類を守る戦いに身を投じることになる。

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 ゲームはクラーラを中心としたストーリーが語られるカットシーンパートと,その後に展開されるシューティングパートの繰り返しで進行する。シナリオの語り手は,主人公のクラーラと,もう1人のヒロインである「エーリカ・レールツァー」のいずれかが務め,それぞれの視点から物語を楽しめる。

 活発で負けん気の強い田舎娘のクラーラと,軍人となることを選び,育ってきたエーリカという,まるで水と油のような2人の少女が,幾多の戦いを乗り越える中で互いの欠点を補い合う仲間として認め合う存在になっていく“ガール・ミーツ・ガール”的なストーリーは,見どころの1つといえるだろう。

主人公のクラーラ・エルンスト。最初は戦争に参加することに抵抗を感じていたが,次第に部隊の一員としての自覚を持ち,いっぱしのフロイラインへと成長していく
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クラーラの僚機として共に戦う,先輩フロイラインのエーリカ・レールツァー。軍人気質の堅物で,民間人あがりのクラーラの能力を疑っていたが,共に戦う中で友情を育んでいくことになる
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 シナリオはナレーションベースで進行するためセリフは存在せず,いわば“地の文”だけで物語が進む。対してミッション中は,キャラクターによる直接の会話だけでストーリーが展開していく。
 比較的平和な日常が描かれるシナリオはナレーションベースで落ち着いた時間感覚を,逆にミッション中は会話による進行を採用することでリアルタイム感を演出しているといった印象だ。内心と言動がどう相互に影響しているか,といった部分を演出の切り替えによって表現するのは,なかなか面白いと感じた。

各シナリオはそれなりに長さがあるが,ボタン長押しでスキップすることもできる
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難しいリソース管理要素はいっさいナシ。アクションの爽快感を最大限に引き出した戦闘システム


 ミッション前のブリーフィング画面では,作戦目標や出現する敵の情報を参照できるほか,持ち込む兵装の選択が可能だ。兵装には「プライマリ兵装」「セカンダリ兵装」「ターシャリ兵装」があり,それぞれの兵装を1つずつ装備できる。

 触れてみて驚いたのは,基本的にすべての武器が最初から解放されているという点だ。アンロック要素などは存在せず,プライマリは4種,セカンダリとターシャリは各3種から自由に組み合わせられる。
 最初から選択肢が多いと戸惑ってしまいそうなものだが,各ミッションには内容に合った“推奨ロードアウト”が用意されているので,初挑戦のミッションでは頼ってみるのもアリだろう。

プライマリ兵装は,フロイラインが手に持つ主兵装だ。クセがなく扱いやすい武装が多く,ほとんどのミッションで中心的な役割を果たしてくれる
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セカンダリ兵装は,主翼に吊り下げる形で装備するサブ兵装にあたる。威力や範囲,発射レートなどに特化した武装が用意されており,ミッションの特徴に合わせてチョイスすれば大きな活躍が期待できる
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ターシャリ兵装はロックオンが必要な特殊兵装で,長押しすることで相手を追尾する弾を発射できる。ほかの兵装の射撃中でもロックオンを維持できるので,適切なターシャリ兵装を選べば時間単位のダメージを大幅に向上させられる
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ブリーフィング画面ではミッションの概要を確認できるが,出現する敵の情報がすべて網羅されているわけではない。推奨ロードアウトの構成はかなり的確,かつシナリオごとに違うものが提示されるので,とりあえず推奨に従っておけば用意されているほぼすべての装備に触れられる
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 操作システムもスッキリしており,細かな操作を習得せずともスティック1本と視点移動だけで直感的に空を飛び回ることが可能だ。

 攻撃に関しても,適正距離で敵をレティクル内に入れて射撃ボタンを押せば自動で敵に向けて射線を調整してくれるので,基本的には敵を視界の中央に捉えるようにしておけば問題ない。そこにブーストボタンを使った機動を織り交ぜれば,それだけで空中を自在に舞って戦う爽快感を味わえる。

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 ブーストボタンを短く押せば回避行動を取る「クイックマニューバ」が,長押しすれば超高速移動ができる「ドラッグブースト」が発動する。いずれも発動にはブーストゲージが必要だが,ゲージは時間の経過ですぐに回復するのでガンガン使っていこう。

クイックマニューバは移動量に対してブーストゲージの消費量が多いが,そのぶん瞬間的な加速を得られる。ミサイルなどの追尾性能の高い弾を回避する時に有効だ
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ドラッグブーストを発動すると,現在スティックを倒している方向にダッシュする。敵に囲まれそうな時に距離を取るなど,敵との距離の調整に役立ってくれる
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 敵を見失ってしまいそうな時は,特定の敵を自動で視界の中心に置く「フォーカスターゲット」が便利だ。大量の敵の中にいる撃墜目標を狙う時など,ターゲットが分散しやすい場面でも役に立ってくれる。
 ただし,特定のターゲットではなく多数の敵と同時に戦う場面では,フォーカスターゲットを使うと逆に敵を狙いづらくなってしまうこともある。先述の通りレティクル内に敵を入れておけば自動で相手を狙ってくれるので,状況に応じて使い分けよう。

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 ダメージ関連のシステムも特徴的で,本作にあたるHPは「シールド」と呼ばれる数値で表現されている。被弾するとシールドが減少し,シールドが0の状態でさらにダメージを受けると撃墜されてしまうのだが,一定時間(2秒程度)ダメージを受けずにいればすぐに全回復する。

 つまり,連続して被弾しなければ被弾は“なかったこと”になるのだ。1度の被弾が後の戦闘に影響を与えないので,すべての弾を避けようとする必要はない。なんなら「ブーストを吹かして敵陣奥深くで暴れ回り,危険な状況になったらブーストで戦線を離脱する」といったヒロイックな戦い方が普通にできるのが,本作の機動戦の魅力と言える。

ブーストゲージが尽きるとオーバーヒート状態となり,さらにブーストを使用するとシールドが減少する。ブーストゲージの回復はかなり早いので,適当なタイミングでブーストを切って回復しよう
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 遊んでいて楽しかったのは,敵を撃破したときなどに発生するスロー演出だ。敵を連続して撃破すると“バレットタイム”のようなシチュエーションが発生し,映画のように美しいアクションをじっくりと体感できる。こういったシングルプレイに特化した作品ならではの表現を,しっかり盛り込んでいるのも見どころの1つだ。

Unreal Engine 4によるグラフィックス描写と,透明感のあるリアルな空の表現は非常に美しく,ゲームプレイの爽快感を増してくれている
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 総合すると本作は,フライトシューティングの系譜にロボットアクションの文脈を取り込んだ,ロマンの詰め合わせのような作品だ。しかし,同時に複雑で難しい要素を排除し,手軽に楽しめる工夫が随所に施されている。自働で回復する弾薬やシールドの仕様など,難しい操作やリソース管理要素は排除して“格好良く空を飛び回ること”に全力を注いでおり,それらの配慮がしっかりとゲームの爽快感につながっている。

 ただ,ゲーム全体で見ると,シナリオもミッションもボリュームが控えめなのは気になった。同じマップがひとつとして存在せず,個々のミッションが作り込まれており,かつシナリオやキャラクターも魅力的なために満足感はあるのだが,終わった後の「もっと遊びたかった!」という気持ちは拭いきれない。

 リザルト画面でもしっかり情報を提示してくれるので,やり込むのであればスコアアタックやタイムアタックを楽しむことになるだろう。その辺りが専用モードとしてサポートされれば,より遊びごたえが出てくるのではないだろうか。

 光彩を活かした各種の演出には少々クセがあるが,刺さる人にはたまらない要素を備え,ゲーム部分は誰でも楽しめるよう巧みな調整が施されている。スクリーンショットやPVを見て食指がそそられた人や,自由に空を飛び回って戦う爽快感あるアクションを求めている人には,ぜひオススメしたい1本だ。

シナリオやミッションは,後からチャプターごとに選択できる。ゲーム部分を先に遊んでシナリオをまとめて見たい人や,特定のミッションをやり込みたい人は活用しよう
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難度はゲーム初起動の際に選択でき,その後はチャプター選択時に変更可能だ。オプションメニューには含まれていないので注意
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「有翼のフロイライン Wing of Darkness」公式サイト

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