インタビュー
魏呉蜀の戦いがはじまる「三國志 覇道」インタビュー。昨日の敵は今日の友,ハドウは新たな戦乱に予定どおり突入
2021年3月10日のアップデートでは,ゲームのルールが大きく変わる「勢力争覇」が適用され,新たに「UR武将」なども実装される。
次から次へと送り出される新要素の数々は,いずれも当初から目指していた枠組みとのこと。これは予定されていた戦乱のようだ。
「三國志 覇道」配信後インタビュー。直球で応える運営スタイル,12月の武将技能や武具,その先の話題も?
コーエーテクモゲームスのスマホ向けシミュレーションゲーム「三國志 覇道」のサービス開始から約2か月,プロデューサーの伊藤幸紀氏へのインタビューをあらためて設けた。直球で応える運営スタイルから,12月の新要素まで話題も盛りだくさん。
「三國志 覇道」は“真のNo.1”に挑んでもらうゲーム。伊藤幸紀氏へのプロデューサーインタビュー
コーエーテクモゲームスの新作スマホゲーム「三國志 覇道」について話を聞くべく,プロデューサーの伊藤幸紀氏にインタビューを試みた。本作が目指すのは“真のNo.1”に挑んでもらうゲームだというが,その言葉に込められた想いとは?
「三國志 覇道」公式サイト
「三國志 覇道」ダウンロードページ
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※本稿で使用しているゲーム画像はすべて開発中のものです。
同時実装にしたかった「部隊6の1日開放パス」
4Gamer:
覇道がまもなくサービス半年とのことで,心境はいかがでしょう。
伊藤幸紀氏(以下,伊藤氏):
大変ありがたいことに,プレイヤーの皆さんのおかげでサービス運営は昨年から引き続き好調です。それがうれしい反面,我々に足りていないこと,プレイヤーの細かな期待にまで応えきれていないこと,やるべきことはまだまだあるので,2021年も気を引き締めていきます。
4Gamer:
2020年のコーエーテクモゲームスのモバイルゲームは,この覇道の存在をもって市場で大きな存在感を発揮しました。反響については社外のみならず,社内でもいろいろ耳にするのではないでしょうか。
伊藤氏:
私の肌感ではありますが,「コーエーテクモの三國志のスマホゲーム」という命題には答えられたかな,という印象はあります。
それと近々で,アプリ「真・三國無双」もリリース予定ですので,そちらにも期待していただきたいです。
4Gamer:
なら,初の年末年始はいい気分で迎えられたり?
伊藤氏:
いえいえ,年末年始は「無事にアップデートできてるかな」「不具合ないかな」などと心配で,運営タイトルらしく気が気ではなかったです。
1月1日になった瞬間も,明けましておめでとうの気持ちより,運営面に問題がないかというほうが気になってしまいました(笑)。
4Gamer:
スマホゲーム従事者のあるあるですね。
それではまず前回のインタビューを振り返り,2020年12月に実装した「装備品」や「武将調整」の手応えからお聞かせください。
伊藤氏:
装備品に関しては,ゲーム的にも運営サービス的にも,ひとつの育成コンテンツとして受け取っていただけたと思っています。
SSRやSR武将の技能追加を目的とした武将調整のほうも,目的どおり使用率が低かった武将に目を向けてもらえるようになったので,固定化されはじめていたプレイ環境に刺激を加えられました。
4Gamer:
間を置かず,早い段階で手を入れたのがよかったんですかね。
伊藤氏:
環境を放置していたらできることも限られて,どのプレイヤーも同じようなゲーム画面になり,その結果モチベーションも下がります。どんどん新要素を追加する,既存の内容にも必要に応じて手を加える。そうして初心者の方々にハードルを感じさせない作りをと心がけてきました。
武将の使用率に関しては,新武将「袁紹」「董卓」などの存在も大きいですが,それらも含めて環境を動かそうとがんばっています。
4Gamer:
ではその「占術」や「新武将」についてはいかがでしょう。
伊藤氏:
占術は2020年12月の実装時には,いろいろと渋すぎてプレイヤーの皆さんから意見・要望をいただいてしまいましたが,今は「袁紹も董卓も☆7です」といった方が出てきているように需要を生み出せました。
4Gamer:
また,近々で触れずにおけないのは「VIP8の部隊6」の導入です。こちらは発表当初からいろんな声がありますが,所感はどうですか?
伊藤氏:
まず,反響の大きさが想定外だったのは確かです。当初,全プレイヤーの開放要素としても考案していたのですが,それだと単純にプレイの手間が増えます。現実問題として,お金を使ったぶんの優位性を感じていただきたかったという理由もあります。そう思ってのことでしたが……。
実はこれ,「追加要素の開発が遅れたから」も大きくて。
4Gamer:
というのは。
伊藤氏:
部隊6の開放は実のところ,VIP機能限定ではなくて「部隊6の1日開放パス」と同時に提供するつもりだったんです。
4Gamer:
ああ,そういう。なら手のひらを返せそうです(笑)。
伊藤氏:
こちらのパスは3月を目途に,開放期限は1日か数日か,詳細は調整中なものの,無償宝玉でも買えるアイテムとして実装します。
必要そうなときにピンポイントで使ってもらう想定です。
4Gamer:
実際,部隊6の影響はゲーム的に大きいですか?
伊藤氏:
効果のほどは人によって大小あるかと思いますが,私個人としてはそうでもないのではと考えています。もちろん,プレイヤー同士の1vs.1なら1部隊追加の存在は大きいですが,攻城戦などになるとごちゃ混ぜですから。使っている本人以外は気づかないのではないでしょうか。
機能はするが影響の大小は人や場面でそれぞれ,という感じです。
4Gamer:
部隊の絶対数には確実に影響があるものの,「なら軍団員ひとり多くぶつけよう」で済むという計算も,まあなくはないですね。
伊藤氏:
利点には違いありませんが,どちらかというと採集や防衛といった1人プレイの部分で便利さを感じていただけると考えています。
とは言うものの発表から先,一部のプレイヤーには心労をおかけしてしまいましたので,部隊6の開放パスは早急に用意します。
4Gamer:
分かりました。次に,SSランク都市の決戦について。ゲームとしてもひとつのゴールだったと思いますが,実際に目にした感想は。
伊藤氏:
そこに至ってもらうのが最大の目的だったので,我々もようやくたどり着けたと感慨深いです。ただ,サーバーによっては予想以上に陥落するのが早かったですね(笑)。ギリギリで落とせて面白い,くらいの調整で進めましたが。やはり一部の方々は我々の想定の上をいきました。
現在,サーバーによっては同一軍団が占拠し続けていたり,複数軍団が積極的に奪い合っていたりと状況はさまざまですが,おおむねプレイヤーの皆さんには最終目標にしてもらえているようです。
4Gamer:
占拠時の利権のバランスはいかがでしょう。
伊藤氏:
利点を感じていただけていると思います。とはいえ,洛陽占拠中は武将などの戦力は強まるものの,このゲームらしい戦略的な戦いとなると絶対ではありません。なので軍団同士で協力すれば奪還できます。
そうやって軍団同士で協力しないとなかなか取れないものの,それでいて「友軍に取られるかも……」といった疑心暗鬼もあり,譲るにも気軽に渡せるようなものじゃないのもありと。このあたりのご不満についてもきちんと認識していますので,やり方はまだまだ考えていきたいです。
4Gamer:
ときに覇権軍団の崩壊は,戦いと内部とどちらが多数派ですかね。
伊藤氏:
軍団にもよると思いますが,内部崩壊の話はちらほら聞こえてきますね。あとは「やりきった」となった有力プレイヤーたちの影が薄くなり,その隙を狙い洛陽を奪っていった,なんて話も耳にします。
4Gamer:
そこですよねえ。やりきった感を与えるのはゲーム的にはいいことですが,運営サービスとしては引退と背中合わせ,となる部分。
伊藤氏:
運営型のゲームの課題ですね。1人用ゲームなら「何年もストーリーを続けて引きとめる」といった手法がありますが,本作で延々ともったいぶっても「なんだこれ?」となってしまいますので,ゲームデザイン的にクリアできる目標を置く形は必要になります。
そのうえで我々がすべきは,その先を用意することです。洛陽を落としてサーバー内で最強になれた先,ほかのサーバーの軍団との決戦でさらなる高みを目指していただくなど,より強さを求めたくなる仕組み作りです。これらの要素についてはずっと考えていますので,タイミングを見計らってうまく取り入れたいですね。
4Gamer:
ああでも。本人が明確に手応えを感じられて,自身でエンディングを決められる洛陽の存在は,終わりがない,あるいは「一区切りな終わり」に収まりがちなスマホゲームとしては,なかなか粋かもしれません。
伊藤氏:
ゲームとしての収まりはいいですよね。そんなこと言いつつ,我々としてはできれば続けていただきたいのが本音ですが(笑)。
そういう方々が「また洛陽おとしてやるか」となるようなゲーム作りを,これからも続けていきます。
昨日の敵は今日の友。シーズン制の「勢力争覇」
4Gamer:
来る3月10日のアップデートは,かなりの規模だそうで。
伊藤氏:
ええ。ゲームルールがガラッと変わる節目となります。
4Gamer:
では順に聞きます。まず「勢力争覇」とはなんでしょうか。
伊藤氏:
3月10日からはじまる勢力争覇は,全サーバーに適用するシーズンイベントです。これから数か月間は「サーバー内の全プレイヤーが魏・呉・蜀の3勢力に分かれて所属し,従来の軍団単位よりも大きな勢力単位で,中国大陸の覇権を目指してもらう」といった内容になります。
これに伴い,サーバー内の拠点状況は一度リセットとなり,またあらためて時限式の段階を踏んでもらいます。それと今後の都市攻略の制限や制約については,個々人ではなく“勢力側にある”ので,これまでとは違った観点で戦略を詰めていく必要があります。
4Gamer:
その間,通常のゲームモードと両立したり,サーバーや資産移動が必要だったりはしないと。実施期間は3か月くらいですか?
伊藤氏:
期間は各サーバーの攻略状況を見てから最終判断する予定ですが,基本は3か月で考えています。
あとプレイヤーの皆さんが一番気にされている「勢力の振り分け」ですが,運営側で3勢力のどれかに全プレイヤーを割り振ります。途中で勢力替えはできません。これは開発内でも相当もめましたが,勢力替えができるとサーバー内の流れが偏りそうですので決めました。
4Gamer:
勢力がある一方で,軍団のコミュニティも健在なんですよね。
伊藤氏:
そこは従来と変わりありません。自城周辺の小競り合いなど,ミクロな戦いは今までどおりです。それでいて勢力というより大きな枠組みに所属し,勢力を拡大することのメリットを追っていただくわけです。
なお軍団については,すでにいろんな人間模様が渦巻いていそうですから,イベント開始時に「同じ勢力になりたい軍団」「なりたくない軍団」を選び,それがうまいこと反映されるアルゴリズムを構築中です。サーバーごとに三国志らしい人間ドラマがあるはずですし,対立している軍団とは引き続きバチバチやっていただくのがいいと思います。
4Gamer:
マップの勢力図は,三国鼎立のように分かれますか。
伊藤氏:
分けないです。今までどおり自由ですので,当日ログインしたら周辺が敵勢力の蜀だらけになっていたり,一緒の勢力になりたくないと入力しなかったばかりに,宿敵軍団と同じ呉として手を取ることになったりと。適用直後はお祭りになるかもしれません。
ただ,勢力争覇中のマップには「北の地方だと魏の部隊の性能が強化される」などの特徴を勢力ごとに設けています。強制はしませんが,自然と“そっちに寄りたくなる”ようになっているので,全体的になんとなく寄りはするかと思っています。
4Gamer:
勢力争覇がはじまると,本物の「魏の劉備」が生まれますね。
伊藤氏:
そうですね。軍団名だけではなく,三国志の勢力名も関連してくるので。といっても,我々はもとから「覇道はそういうゲーム」と考えて作ってきましたし,今はプレイヤーの皆さんも「覇道はそういうもの」と認識されているはずなので,混乱は懸念していません。
言わば,大本のコーエーテクモ「三國志」もそういうものですので。
4Gamer:
勢力争覇の意図は,やはり“洛陽の先の遊び”ですか。
伊藤氏:
はい。それとサービス半年という節目のタイミングもあってです。既存のルールで楽しんでいただく方法も考えていますが,こうした変化を思いきってつけるにはいい時期だなと考えました。
当然,細かなゲーム内イベントは引き続き配信していきますので,勢力争覇はひとつ上のレイヤーの大型イベントと捉えてください。
4Gamer:
まだ言いにくそうですが,勢力争覇から先もゲームルールを大きく変えるようなシーズンイベントを,継続的に提供するんでしょうか。
伊藤氏:
勢力争覇の結果次第ではありますが,構想はしています。
単純な予想としても「もっと勢力を増やしてほしい」といった声は上がるはずですので,勢力の名や数を変えるだけでもやり様はあります。今回のフィードバックを参考に,違う形も詰めていきたいです。
4Gamer:
想像が広がります。続いて「UR武将」はどうでしょう。
伊藤氏:
UR武将も,既存のSSR武将だけで編制を固定化させないためにと,開発当初から予定していた環境を刺激するための施策です。
UR武将の第1弾は「劉備」「趙雲」の2武将で,SSR武将よりも戦法や技能が強力になっています。さらに特筆すべきは“限界突破せずとも1枚で高水準な能力”というところで,将星ランクアップをせずとも前線に出しやすくなっています。当然,ランクを上げれば強くなりますが,上昇幅は大きくありません。大事なのは「1枚でも運用しやすい」ことです。
4Gamer:
限界突破できずとも戦力にしやすいんですね。入手方法は?
伊藤氏:
期間限定で提供する新ガチャ「超求賢令」で,ピックアップのラインナップを変えつつ,月1回程度の提供をと考えています。
超求賢令は有償宝玉での利用だけでなく,“36時間ごとに1回無料”を付与するほか,累計50回の利用でUR武将を確定入手できる機能もあります。このカウントはガチャ内容が更新されても持ち越しとなります。
4Gamer:
つまり,無料プレイでもUR武将を入手できると。
伊藤氏:
無料で入手できます。お金を使わなくても,単純計算で“75日でUR武将を確定入手”できます。それに実装記念として無料チケットも配布予定ですので,予定日数を縮めることは可能です。
それでも,今回の劉備と趙雲の確定入手には間に合わないかと思うので,再来月以降の超求賢令のラインナップに期待してください。
4Gamer:
率直に聞きますが,SSRの代わりにUR一極化になる懸念は?
伊藤氏:
SSRと比べても“そこまでじゃない”といった塩梅です。ランクを上げれば「戦法連鎖率が上昇」「4つめの技能を獲得」といった特性があるので,完全に育成しきった場合は選択肢に入りますが。
主な意図は「1枚でも強い」「固有の技能が面白い」ですので,初心者は主将や副将に,上級者はそれ以外での起用にも光るかと思います。
4Gamer:
1枚だけでも運用できるのは,初心者には心強そうですね。
ちなみに,なぜ今,UR武将を実装したんでしょうか?
伊藤氏:
UR武将の構想は開発時には固めてあり,提供時期こそ決まっていなかったものの,勢力争覇でプレイ環境もガラッと変わるので,そこにちなんだ形です。あとは半周年の目玉のひとつにしたかったからですね。
ついでに,次の話題になりそうな「覚醒SSR武将」も同様です。
4Gamer:
では,ついでに話題にしていただければ(笑)。
伊藤氏:
覚醒SSR武将は,既存のSR武将が“SSR武将になったアッパーバージョン”です。SRの顔ぶれを考えると,天賦は850止まりになりそうなものの,能力は通常の天賦850のSSRと同じで,仕様の格差もなしです。
こちらはガチャからの直接排出のみならず,交流で集めた同一のSR武将を足がかりに覚醒させることができます。第1弾の覚醒対象は「関興」「張苞」の2名となり,今後も随時追加していきます。
4Gamer:
これもまた武将調整と同じく,SR武将の地位向上のためですか。
伊藤氏:
そうです。「SR武将が(環境的に)使いづらい」「もっと育てる意味がほしい」などの声をいただいていたので,それに対処した形です。
それに覚醒SSR武将は,SR武将を集めることで獲得できるので,SSRの戦力に乏しい方々の戦力増強に役立つと言えます。上級者にしても,さまざまなSR武将を抱えておくことのメリットになりますしね。
4Gamer:
そのお,覇道のSSR武将の顔ぶれは三国志的にも花形で,「真・三國無双」なら無双武将化している,そういうスター人材ですよね?
伊藤氏:
ええ,そうですね。
4Gamer:
一方でSR武将の面子って,SSRに昇格させるには人選の判断が求められませんか? 端的に言って,絶妙に逸話を知られていないおじさん感というか,逆にフリークが多そうな開発内では「俺この武将めっちゃ好きだから!」みたいな推しのバトルが起きていそうというか(笑)。
伊藤氏:
ありますね(笑)。三国志的にいぶし銀な面子がそろっているだけに,三国志ファンのスタッフから「これSSRにしてほしい!」という各々の願望をよく投げられます。それに無双シリーズを比較に出すと「曹丕や曹仁もSSRだろ!」となるので,難しいところです。
基本は“SRのなかでも有名どころ”を優先しそうです。おそらく李厳が覚醒しても,多くの人がピンとこなかったりしますし。
4Gamer:
ですよねえ。なら,今回の選別はどんな理由で。
伊藤氏:
関興と張苞については,URが劉備と趙雲なので,蜀つながりですね。関羽と張飛はすでにSSRですから。
4Gamer:
あくまでタイミングのせいですが,蜀武将のピックアップ時期とあって,勢力を蜀にする人が優勢になりそうな気配も。
伊藤氏:
そういう決め方もありですね。ただ,今後もこうやって勢力ごとなどで新武将を投入しますので,じっくりと考えてください。
4Gamer:
続いては「研究分野」について教えてください。
伊藤氏:
今回の更新に伴い,既存の研究ツリーの名称が「序論」となります。これを一定以上進めると,研究分野「初級都市開発」「初級歩兵術」「初級弓兵術」「初級騎兵術」のなかからツリーをひとつ選び,同時に進められるようになります。いずれも“選択中のみ効果を発揮”します。
4Gamer:
都市か兵科か,強化先を任意で選ぶんですね。
伊藤氏:
研究分野のツリー内には「マスター技術」も存在し,該当の技術を取得すると,ほかのツリーを選んでいるときも効果が発揮されます。「弓兵術の選択中も,歩兵術のマスター技術は発揮」といったことです。
ちなみに序論は,全項目がマスター技術の扱いとなります。
4Gamer:
マスター技術の効果はいかほどですか。
伊藤氏:
基本的に特定兵科の常時強化です。任意で使用するアクティブスキルなどはありません。純粋な能力値ボーナスと考えてください。
なお,研究分野の進行にかかるコストはこれまでの序論と同じくらい,研究後半についてはそれ以上となります。名称に“初級”とついているとおり,その先も踏まえて調整していくつもりです。
4Gamer:
ひとつ毛色の違う,都市開発の効果はいかがでしょう。
伊藤氏:
都市内政や自城防衛に適した効果です。「銅銭の調達量が増加」するなど,研究することのメリットは小さくないです。
とくに武将の育成が進み,都市が陥落しやすくなってしまった現状では,防衛力の向上に魅力を感じてもらえるはずです。
4Gamer:
個々人の事情を除けば,都市開発は必修になりそうですね。
また「研究分野を変更するときのコスト」はあるんですか。
伊藤氏:
現在進行で検討中です。「数日に1回無料で変更可能」,かつ宝玉の使用でいつでも変更可能にしようと考えています。
常時ノーコストの切り替えでは専攻してもらう意味もなく,ただ操作量が増えるだけになり,ゲームとしての面白みに欠けるのでやりません。
4Gamer:
小耳にはさんだ話,研究分野の特色に応じて「都市の見た目」が変化するとか。こちらも3月アップデートで追加されますか。
伊藤氏:
そちらも同時実装を考えていたものの,現状では「特徴づけが難しい」となりまして。いったんお預けとしました。
4Gamer:
パッと思い浮かぶのは「南蛮」ですが……たしかに,思い当たる先が少ないかも。コンシューマ版の都市発展の要素はすでにエッセンスが取り入れられていますし,ファンタジーやスチームパンクといった飛び抜けた雰囲気にするってわけにもいかなそうですしねえ。
伊藤氏:
今回はとくに基礎研究の項目ともあって,歩兵や騎兵が都市にあふれている,といった絵面にもしづらかったんです。
しかし「パッと見でその人の特色が分かる」ほうが楽しいので,グラフィックスやエフェクトで差異をつける方法は引き続き模索します。
4Gamer:
となると,残りの新要素は「陣形」ですね。
伊藤氏:
陣形については研究分野に絡んだもので,それぞれの研究を進めていくと“特定の陣形を取得”できます。都市開発なら防衛的な陣形,各兵科術ならそれらを強化する陣形となります。
現時点では研究分野の専攻と同じく,1兵科にしか影響しない取捨選択となっていますが,今後は「どの兵科でも使える陣形」なども追加して,選択肢のバリエーションを増やしていきたいです。
4Gamer:
陣形は,三國志シリーズにおける「魚鱗の陣」や「鶴翼の陣」といったものですよね? それで攻撃力や防御力が上がったりと。
伊藤氏:
厳密には,過去の三國志のような「その陣にしたら効果が発揮」といったものではなく,陣形選択時に“部隊内に特定の兵科が多いと効果上昇”といった形式になります。副将効果なども含めてです。
あとは,編制画面の9マスの武将配置が陣形ごとの並びに変化します。過去作で言うところの「三國志IX」のような感じです。
4Gamer:
極論の話,特定の武将で攻撃的な装備・研究・陣形などを選択した部隊と,同じ武将で防御的な選択をした部隊とを比較したとき,「同じ武将同士でもまったく性質が異なる」くらいの差になるんでしょうか。
伊藤氏:
そこまではいかないです。装備の影響力は大きいので,勝敗を分ける変化もあるにはありますが,それ以上に「この武将ならこういう部隊だ」がひと目で分かるようにしておきたいので。そこから逸脱しすぎると楽しむどころか,相手に対処できなくなってしまいます。
この基準を守るためにも“武将は変化よりも追加”の方針です。
4Gamer:
つまるところ,味付け程度なんですね。それに,そういう差が意図せず生まれてしまったときは運営のお仕事のしどころだと。
伊藤氏:
そうなりますね。
4Gamer:
3月10日のアップデートだけでもガラッと変化がありますが,これ以降の中長期的なロードマップも固めているのでしょうか。
伊藤氏:
1年先とは言えませんが,当面の構想はあります。
ですがいかんせん,運営サービスなので。時期や状況に応じての導入も肝心となると,「決まっているけど決まっていない」でしょうか。
4Gamer:
勢力争覇やUR武将くらい「おおっ」と思うものもあったり?
伊藤氏:
それで言うならやはり,最初にお話しした洛陽占拠や勢力争覇の先にある,各サーバーの頂点同士による決戦の場の提供ですね。
同時に「それを眺めて楽しめる場」を作り,戦っている方々以外も観戦して楽しめるような仕組みを用意したいです。
1500万円はプレイヤーにだけ還元
4Gamer:
同時期に,ハーフアニバーサリー企画もやるとのことで。
伊藤氏:
サービス半周年ということ,アップデートの同日から「記念ログインボーナス」「育成応援ボーナス」「記念交換イベント」「福袋販売」などを開催します。目玉はUR武将のときにお話しした,超求賢令を引ける無料チケットのプレゼントです。URの獲得に役立ててください。
4Gamer:
3月12日からはTVCMも放送するんですよね。
伊藤氏:
ちょうどマスタリング作業中なのすが,今回は前回とは違ったテイストのクリエイティブになっています。
またCMの最後に,1500万円分の還元企画を告知します。
4Gamer:
それです。本件の調整中に話をうかがいましたが,なんでも「1500万円還元キャンペーン」? なるものを考えているとか。
伊藤氏:
予定では“ゲーム内のプレイヤーが利用できる機能で,1500万円分のギフトカードなどを還元する”といった内容になります。
4Gamer:
というと,Twitterのリツイート応募での抽選でもなく?
伊藤氏:
はい,あくまでゲーム内のみです。イメージとしては,VIPランク1〜13のランクごとに1回ずつ抽選にチャレンジしてもらい,その場で賞品の当たりはずれを確認してもらいます。
大当たりは「最大10万円分のギフトカード!」みたいな形で。
4Gamer:
ゲーム内アイテムでもないんですね。
伊藤氏:
ゲーム内アイテムだと,それでプレイの差が生まれたり,プレイヤーが本当に欲しいものか分からなかったりと課題があります。それならいっそのこと“リアルのお金相当”のほうが分かりやすいですよね? 覇道にお金を使っていただいたぶん,こちらもお金で返すという企画なので。
それに,無料でも長く遊んでくれている方に相応のお返しをしたかったので,2月からはお金を使わずともVIPポイントをためやすくなっています。人によっては数回程度なら無料でもご参加いただけるはずです。
4Gamer:
一般的にギフトカード類のプレゼント企画というのは,新規者を呼び込むための施策として,SNSなどの開発コストをかけないオープンな場で行われるのが主流ですが,すごいですね。お返しの宛先がちゃんとプレイヤーに向いている。そのためのゲーム内機能まで作ってしまって。
伊藤氏:
ゲームを遊んでくださる方々に,きちんとお礼の気持ちを返すには,このほうがいいだろうと考えてのことです。「株主さんに配当する」といった考えに近いのかもしれません。もちろん,これは会社の精神といったものではなく,私たち覇道チームの判断となります。
4Gamer:
噂に名高い,御社の襟川恵子さんの辣腕みたいです。
伊藤氏:
発想は近いかもしれません(笑)。
4Gamer:
その一方で新規獲得向けのTVCMも用意してますし(笑)。しかし今回の新要素も含め,ゲームが複雑化していることをどう捉えていますか。
伊藤氏:
基本的に,新規プレイヤーにはチュートリアルをはじめ,ゲーム内コンテンツを徐々に開放していき,段階に応じて慣れてもらうレベルデザインを採用しているので,複雑化しているという意識はありません。
新規プレイヤーには目の前のやれることをやってもらい,楽しみながら自然と強くなっていただく。それ以上は押しつけないように保てているので,要素は増えても,やることが分からないことはないはずです。
4Gamer:
「やること増えすぎて分からない」という上級者に関しては?
伊藤氏:
既存プレイヤーに関しては,新要素の数に戸惑う方もいらっしゃるかもしれませんが,そこはゲームに慣れていただいていますしね。その「慣れているだろう」をこちらが加味して導入している節もありますが,ついていけないような複雑な要素にはしていない自信があります。
勢力争覇もルールを覚える手間はあれど,既存プレイヤーで「どう遊ぶのか分からない」と思う方はそんなにいないでしょうし。研究分野についても,これまでの序論を進めている方ならスムーズに理解できるはずです。“そういうもの”と捉えられるようにと開発してきました。
4Gamer:
根底のレベルデザインを信じて重ねているわけですね。
伊藤氏:
たしかに,裏を見ればうまくいかなかったことはあります。我々が構築したレベルデザインとは別に,プレイヤーの皆さんがどう遊び,どう捉えて,どこに欲求を持ち,どこにカタルシスを感じるのか。それらは常日頃から意見とにらめっこしていないと答えが見つかりません。
でも,注意すべきは「こちらから答えだけを提供すること」です。それをすると,多くの人は面白さを感じられずゲームをやめてしまってもおかしくありません。だから,ひとつひとつの要素に余韻を残せるよう調整し,「この先もまだまだあります!」って意気込みを伝えたいのです。
4Gamer:
勢力争覇なんて,どう進み,どう終わるのか。まったく予想できませんが,最終的に軍団の数だけ,結果に対する余韻が生まれるでしょうしね。やはり,現状のサーバーのままやるってところが面白いです。
伊藤氏:
ずっと争い合っていた軍団同士が同じ勢力で共闘するとか,それだけで面白いですしね。まあ,それがどうしても難しかったら「同じものを目指して協力しよう」とだけ伝えて,三国志らしい権謀術数を張り巡らせて,互いがうまく付き合える政治を楽しんでいただければと思います。
4Gamer:
味方同士の足の引っ張り合いも,戦乱の世の華だと。
それでは最後に,今後の意気込みを一言お願いします。
伊藤氏:
これからもプレイヤーの皆さんに満足いただけるような運営を心がけ,日々がんばっていきます。まずは今回の新要素や半周年を楽しんでもらえるとうれしいですので,覇道をまだ遊んでいないという方々も,ぜひこの機会にプレイしてみてください。
私たちは「三國志 覇道」を遊んでくださる方々を全力で満足させるために,これからもがんばっていきます。
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