プレイレポート
[プレイレポ]「Winning Post 10 2024」は競走馬の個性と迫力のレースシーンがさらに進化。今の競馬シーンを再現する要素が充実している
前作「Winning Post 10」はリリースのタイミングがシリーズ30周年と重なることもあり,システム面やビジュアル面に挑戦が目立つ作品だった。中でも大きなインパクトを残したのは,やはり「ウマーソナリティ」(略称ウマソナ)によって個性豊かに描かれた競走馬たち,そしてドラマチックカメラモードによって実際の競馬中継では表現できない迫力を獲得したレースシーンだろう。
そんな前作の詳細は,昨年掲載の拙稿を読んでもらえれば幸いだ。
[プレイレポ]シリーズ30周年作品「Winning Post 10」は,馬の個性を表現する新システムと,迫力のレースに注目
コーエーテクモゲームスは本日,競馬シミュレーション「Winning Post 10」を発売した。初代Winning Postがリリースされた1993年から30周年の節目に登場した本作は,馬をより身近に感じられる新要素を追加。リアルに,かつドラマチックになり,史実データも増えたシリーズ最新作を紹介しよう。
「Winning Post 10」初心者が楽しく馬主ライフを送るために。基本的なプレイのコツを知って自分だけの名馬を育てよう
2023年3月30日にリリースされた競馬シミュレーションシリーズの最新作「Winning Post 10」。シリーズ30周年の新たなナンバリングタイトルということで,新規プレイヤーも多いのではないかと思うが,初心者がつまづきやすいゲームでもある。シリーズならではのお約束を知っておくことで,攻略がぐっと楽になるので,プレイのコツを紹介しよう。
今回紹介する「WP10 2024」は前作の内容を進化させたうえで,競馬界の最新トレンドを反映したタイトルだ。お馴染みの史実馬データの追加・更新をはじめ,もはや「WP10.5」と呼んでいいほどの新要素や改良点が盛り込まれている。
本稿では,筆者がとくに注目してほしい「WP10 2024」の特徴を挙げている。なお,紹介する内容はプレリリース版(PC版)に基づくものであり,製品版とは異なる可能性がある点はご理解いただきたい。
「Winning Post 10 2024」公式サイト
史実の競馬ブームを再現できるアイドルウマップ
競走馬の個性の強化という点では,アイドルウマップに注目だ。これは,4つの集団「馬産地」「トレセン」「競馬ファン」「世間」の人気を閲覧できる新機能で,さらに人気が高まるとランキングにも表示される。
ここで面白いのが,それぞれの集団は固有の評価基準を持っており,しかもそれらが必ずしも競走成績と直結していない点だ。例えば,トレセンや馬産地の人々は能力や血統を重視するのに対し,競馬ファンや世間はレース展開の派手さや外見などを高く評価する傾向がある。
現実の競馬でも,連敗しながらも大勢のファンに愛されるスターホースは少なくない。このため,本作のアイドルホースの判定において,多様な評価基準があることは大いに納得できる。
とはいえ,基本的にはレースで好成績を続ければ各集団の評価もおのずと高くなるので,Winning Postシリーズの定番プレイスタイルである「強い馬づくり」を進めていけばいい。
こうして一定の人気を集めれば,晴れてアイドルホースの称号が手に入る。アイドルホースは3冠達成がかかったレースや,海外のGIレースにおいて発生するマイナス効果の「重圧」が軽減されるだけでなく,さらに人気を集めて競馬ブームを起こすことも可能だ。
競馬ブームが起こると,アイドルホース以外の馬もメリットを享受できる点も興味深い。これはまさに,ハイセイコーやオグリキャップといったアイドルホースが,競馬界全体を大きく動かしてきた史実の再現と言えるだろう。
画一性が減り,楽しみ方が増したレースシーン
ウマソナと並んで,前作の大きな醍醐味だった迫力あるレースシーンも「WP10 2024」では強化されている。中でもドラマチックカメラモードにはさまざまなカメラアングルを追加しており,ダート競走やナイター競走,観客スタンドなどのビジュアル強化と合わせて,競馬場全体の熱気を実感できる。
さらに実況セリフもかなり見直されているため,レースごとに異なる映像や音声を楽しめるだろう。
また,昨年春よりJRAが騎手視点で見たGIレース動画を順次公開していることを受けてか,本作でもジョッキーカメラによる観戦機能を実装してきた。筆者は「ジョッキーカメラモードで観戦できるようになるのは数年先かな……」と思っていたので,これはうれしいサプライズだった。
従来のドラマチックカメラモードでも一時的にジョッキー視点になることはあったが,最初から最後まで騎手の気分が味わえるのは格別の感動がある。
とくに,差し・追込戦法を選んだときにジョッキーカメラモードを選択すると,レース終盤にどんどん他馬を抜いていく爽快感や,ゴール板を過ぎるまで順位が分からない緊張感が味わえる。これは,ぜひ試してみてほしい。
レースシーンほどの派手さはないが,それに負けず劣らず重要な改善点がレースの録画・再生機能の追加だ。
所有馬が頑張ったレースは何度でも観たい! そんなプレイヤーは筆者だけではないはず。これまでのシリーズ作品では,過去の走りをもう一度観たいときには,そのレースが開催される週のセーブデータを残しておいてロードし,再度レースに向かう……という手順を踏む必要があった。
その点,本作では保存したレースを簡単に呼び出せるため,利便性が段違いに向上している。レースを保存するスロットも十分用意されているので,所有馬のGI勝利だけを集めたり,1頭に絞って全レースの記録を残したりと,自分なりのプレイリストを作ってみるのも面白そうだ。
長時間プレイの快適性も大きく向上
「WP10 2024」には前述の2大要素のほかにも,さまざまな改善点が見られる。
本作では,1歳幼駒の史実調教や,殿堂馬が引退時に行う引退式などを通じて,所有馬とより深く関われる。また,復活した「決戦図」などを通じて同じ路線のライバル関係を確認できるようになった。
こうした要素のおかげで,現実の競馬史にも負けないほどの魅力的な物語を,ゲーム内時間の何十年もかけてじっくりと紡いでいけるはずだ。
同時に,長時間プレイを快適にする改善も多い。放牧休養中の出走ローテーション変更機能,オートセーブ機能,あるいはレースシーンのスキップ機能などは,プレイヤーのちょっとしたストレスを取り除いてくれる,うれしい変更点だ。
最後に,PCゲーマーに朗報を伝えたい。本作はついに,ゲームパッドに対応したのだ。皆さん,おめでとうございます。
あえて難を言えば,ゲームパッドからオンスクリーンキーボードを呼び出せないため、初期設定の馬主名や牧場名を入力するときなどでは,引き続きキーボードが必要になることだろうか。だが,ゲームパッドの使用によって,長時間プレイする際の肩への負担が大幅に軽減されることを,筆者は今回の試遊でまざまざと実感した。本当にありがたい改善である。
ちなみに,Steam Deckでも本作を起動できるかを試したところ,起動そのものは可能だった。ただし,こちらもオンスクリーンキーボードに対応していないため,2歳馬の名前を自分で決めたいプレイヤーはその都度,PC上で操作する必要がある。
とはいえ,最近のコーエーテクモゲームス作品には「信長の野望・新生」のように,後日のアップデートでSteam Deckの完全対応を果たす事例がある。勝手ながら,「WP10 2024」においてもそうしたフォローがあることを期待したい。
「Winning Post 10 2024」公式サイト
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