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革新的ゲームブック「サソリ沼の迷路」はいかにして生まれたか。米スティーブ・ジャクソン氏がその思い出を語る
これまでのシリーズと同じく完全受注生産の限定品で,価格は8580円(税込)。受注受付の締め切りは2025年1月6日となっている。
「ファイティング・ファンタジー・コレクション 〜火吹山の魔法使いの伝説〜」をAmazon.co.jpで購入する
2021年に復刊がスタートした「ファイティング・ファンタジー・コレクション」シリーズの第5弾にあたる今作には,第1弾に収録された「火吹山の魔法使い」「火吹山の魔法使いふたたび」の悪役・ザゴールのその後を描いた表題作「火吹山の魔法使いの伝説」(原題:Legend of Zagor)ほか計5編が収録される。
シリーズ初のSF作品「さまよえる宇宙船」(原題:Starship Traveller)や,2000年代以降に執筆された「狼男の雄叫び」(原題:Howl of the Werewolf),「嵐のクリスタル」(原題:Crystal of Storms)など,ファン垂涎のタイトルが揃っている。
中でも注目したいのは,日本では1990年代に邦訳され人気を博したテーブルトークRPG「ガープス」で知られるゲームデザイナー,スティーブ・ジャクソン(米)氏※が手がけた「サソリ沼の迷路」(原題:Scorpion Swamp)だ。
※シリーズ創始者のスティーブ・ジャクソン(英)氏とは,同姓同名の別人にあたる。
「ファイティング・ファンタジー」の8作目にあたる「サソリ沼の迷路」は,シリーズの創始者であるスティーブ・ジャクソン(英)氏とイアン・リビングストン氏以外のクリエイターが初めて執筆を担当した作品であり,両氏の作品とははっきり異なる特徴を持っていた。
冒頭から善・悪・中立という属性によって異なるルートが設けられており,一度のプレイでは全貌を把握できないことや,マップを行きつ戻りつプレイを進める非線形のゲーム進行――今風に言うならオープンワールド風のゲームデザインで,野外の冒険でありながらマッピングに意味を持たせるなど,新しいアイデアが詰め込まれていたのだ。
ただ前に進んで行くのみで,後戻りなどできないのが一般的だったゲームブックの中において,同作がいかに革新的であったか。当時を知らない読者でも,想像しやすいのではないだろうか。
そこで今回4Gamerでは,この「サソリ沼の迷路」の日本での復刊に寄せて,著者であるスティーブ・ジャクソン(米)氏に当時の思い出を聞いてみた。
同作を手がけるに至った経緯や,スティーブ・ジャクソン(英)氏とイアン・リビングストン氏との関わり,また1990年代に訪れた日本の印象などを語った貴重な証言になっているので,思い入れのある人はぜひご一読いただきたい。
この世界のことの多くと同じように、それは運命の悪戯だった。
私はロンドンでゲームコンベンションに参加していた。ゲームズ・ワークショップの友人を訪ねる旅の一環だった。そこで私はスティーブとイアンに会って、「ファイティング・ファンタジー」シリーズの新作の成功を祝福した。私は「火吹山の魔法使い」が出てからずっとシリーズを遊んできたんだ。どれほど遊んだかは、今では思い出せないほどだけれど、熱狂的なファンだった!
その時、二人はゲームブックを書くのがどれだけ楽しいかを話したが、執筆には時間がかかるのだと言っていた。それに、「ファイティング・ファンタジー」の本を任せられる作家もなかなか見つからないのだと。
その時、私は「それじゃあ、私がやってみるよ!」といったことを伝えた。
スティーブとイアンは快く承諾してくれた。それから2、3日は彼らのオフィスに引きこもって古いタイプライターを使って「サソリ沼の迷路」の最初の三分の一を書いた。このとき、フローチャートも使わなかったな。作品のアイデアがどこから来たのかは、よく覚えていないのだけど、ルート分岐のようなものを作りたかった。だから、「善」と「悪」「中立」の人物を登場させて、主人公がどちらの側につくかによって、異なった道筋を辿るようにしたんだ。
ストーリーは思いつくままにタイピングしていたね。スティーブとイアンに見せたら気に入ってくれて、それを最後まで書くように言われたよ。だから、家に戻って仕上げた。幸いにも好評だったから、それからまた書いて欲しいと依頼されて、2作品(訳注:「深海の悪魔」と「ロボット・コマンドゥ」)を書くことになったんだ。すごくワクワクする体験だったね。
ゲームデザインの世界に、2人のスティーブ・ジャクソンがいるのは、なんだか面白い偶然だ。そう。ファンも混乱したし、こちらもたまに混乱することもあった。スティーブが「カー・ウォーズ」※にサインを求められて、私がスティーブのファイティング・ファンタジーのゲームブックにサインを求められることもあった。その場は何とかきりぬけたけどね! 未来のゲーム歴史家はきっと、私たちのことを紛らわしいと嫌うはず。そして、学者たちは、実は私たちが同じ人物だったのではないか、なんて説を言い出すだろう。
※カー・ウォーズ……武装した車両による戦闘がスポーツ化した未来を描いたバトルシム。Stelve Jackson Gamesから1980年に発売され,人気を博した。日本語版もホビージャパンから発売されたが,現在は絶版。本国では第6版の展開が行われている。
2005年に日本を訪れた時のことも語っておこう。すばらしい体験だったからね。私のデザインしたRPG「ガープス」の日本語版の発売を記念しての訪日だった。私は角川書店のゲストとして、ジャパン・ゲームコンベンションに参加した。アメリカと日本のゲーム文化の違いについて話すことは、とても楽しい体験だった。グループSNEの安田 均さんにもとてもお世話になったし、直接会うことができて良かった(今でも安田さんがゲームの第一線で精力的に活動していることがとても嬉しい)。
ああ。そして東京では人生で最高の寿司を食べたよ!
そのイベントを記念して、「オーガ」※で「Exercise K(作戦K)」というシナリオを作って遊んだ(ちなみに、「K」は角川書店の「K」だ)。これは12人プレイのゲームで、アメリカから持ち込んだミニチュアを使った。今でもそのミニチュアはわたしのオフィスにある。それと、私とロー・アダムス氏と日本で通訳をしてくれた女性が写った写真が飾っている。あの時のプレイヤーの熱意が今でもすばらしい思い出として残っている。
※オーガ……核動力の超重戦車が跋扈する未来の戦争を描いたシミュレーションゲーム。1977年にリリースされたスティーブ・ジャクソン(米)氏の最初期の作品の一つで,こちらもホビージャパンから日本語版も発売された(現在は絶版)。
スティーブとイアンは彼らの会社が大きくなり、どんどん成功を収めていく間も常にゲームの世界を支え続けてくれた。二人とも、私たちの愛するホビーの分野で、数多くのことを成し遂げてくれた。彼らが受けた栄誉はすべて、彼らに相応しいものだ。
2人は今回も私を信じて、アメリカで「ファイティング・ファンタジー」シリーズを出版する権利を託してくれた。私たちの計画では、2025年の最初に「火吹山の魔法使い」を含む5冊の出版を皮切りに、今後5年間続ける予定だ。私たちの事業としては大きなものとなるだろう。
しかも、シリーズのカバーイラストと挿絵は、サー・イアンお墨付きのものを採用する。ライン・エディターのスティーブン・マーシュは(本当にこの話にはスティーブがたくさん出てくる!)、シリーズの大ファン。ゲームブックといえば、編集面でも細やかな注意が欠かせないが、かなり力を入れて取り組んでいる。アメリカの全世代のゲーマーに新しいゲームブックの波を届けたい!
最後に、日本語版の「サソリ沼の迷路」の製作に関わったすべての方たちと、遊んでくれた読者にお礼を伝えたい! どうか楽しんでプレイして、友人にも勧めてみよう。そして、いつの日か、自分のゲームブックを書いてみてほしい。
まずは、1つ目のパラグラフを書く。それから、次のパラグラフへ。それをどんどん続けて、きみだけの物語を伝えよう!
なお「ファイティング・ファンタジー・コレクション 〜火吹山の魔法使いの伝説〜」のリリースに合わせて,シリーズの前作にあたる「ファイティング・ファンタジー・コレクション 40周年記念〜スティーブ・ジャクソン編〜 『サラモニスの秘密』」の再版も決定している。現在,受注受付が行われており,価格は同じく8580円(税込)で,受注の締め切りは2025年1月6日とのことだ。
不朽の名作として知られ,フロム・ソフトウェアの宮崎英高氏にも多大な影響を与えた「ソーサリー」4部作を収録したパッケージなので,まだプレイしたことない読者は,この機会に手を出してみてはいかがだろうか。
「火吹山の魔法使い」と「ELDEN RING」――伝説的ゲームブックの生みの親と宮崎英高氏が語る,ダークファンタジーの創り方【聞き手:安田 均】
ファンタジーゲームの金字塔「ファイティング・ファンタジー」の40周年を記念した座談会をお届けする。シリーズの生みの親スティーブ・ジャクソン氏とイアン・リビングストン氏に,それらの作品が自身の“原体験”と語るフロム・ソフトウェアの宮崎英高氏がいちファンとして参加するこの対談。ファンタジーゲームの旗手達による夢の競演をここに。
「ファイティング・ファンタジー・コレクション 40周年記念〜スティーブ・ジャクソン編〜 『サラモニスの秘密』」をAmazon.co.jpで購入する
完全受注生産
ファイティング・ファンタジー・コレクション
〜火吹山の魔法使いの伝説〜
「火吹山」続編から新作までファンタジーゲームブックの名作を網羅!
1984年――まだコンシューマゲーム機に「ロールプレイングゲーム」という概念が持ち込まれていなかった時代、1冊の本が世界を席巻した。「一人で遊べるRPG」として作られた「ゲームブック」は多くの若者を魅了し、その始祖たる「ファイティング・ファンタジー」は最高位のブランドとして数々の名作を世に残してきた。
この40年の歴史を誇るシリーズから、新旧の名作をお贈りする。
ファイティング・ファンタジーとは?
イギリスのクリエイターである「スティーブ・ジャクソン」と「イアン・リビングストン」の両名による書籍シリーズで、本を読み進めながらさまざまな選択を重ね、先の見えない結末へと至る物語。このシリーズは世界中で大反響を巻き起こし、本国であるイギリスはもちろんのこと、各国で人々の記憶に刻まれる作品となった。
歴史に残る名著5冊+貴重な解説書、さらには各作品専用のアドベンチャーシートを豪華化粧箱に収録したコレクター必携のボックスセット!
【セット内容】
ゲームブック5冊
『火吹山の魔法使いの伝説』(初邦訳)
『サソリ沼の迷路』
『さまよえる宇宙船』
『狼男の雄叫び』(初邦訳)
『嵐のクリスタル』(初邦訳)
解説書
雑誌『ウォーロック』監修を務めた安田均氏による書き下ろし解説。
アドベンチャーシート
豪華化粧箱
未邦訳だった「火吹山の魔法使い」の続編を筆頭に、巨匠2人の傑作を収録! 2000年代以降の新作も交えて名作を厳選!
今回のコレクションに収録される作品は5編。シリーズの創始者であり、現在はゲーム界の巨匠として世界に知られる「スティーブ・ジャクソン」と「イアン・リビングストン」の作品を収録。さらに善・悪・中立のルート分岐を導入した初期の名作「サソリ沼の迷路」、2000年代にシリーズ復活の先駆けとなった「狼男の雄叫び」、2020年に嵐の海に浮かぶ空中群島を舞台として展開した「嵐のクリスタル」など、ファン待望の新作も!
火吹山の魔法使いの伝説
ファイティング・ファンタジー・コレクション第1弾に収録された「火吹山の魔法使い」と「火吹山の魔法使いふたたび」に続く、シリーズ最新作が待望の初邦訳! 新たな世界アマリリアを舞台に、火吹山の魔法使い「ザゴール」の新たな伝説が幕を開ける。プレイヤーは戦士、蛮族、ドワーフ、そして魔術師という4人の冒険者の中から1人を選び、ザゴールが拠点とするアージェント城に挑む。
サソリ沼の迷路
謎の老女から真鍮の指輪を託されたあなたは、危険に満ちたサソリ沼へと足を踏み入れる……。みずから冒険の目的を見出し、善・悪・中立というそれぞれ異なるルートを選択していける自由度の高い作風が特徴。著者であるスティーブ・ジャクソン(米)はアメリカのゲームデザイナー。シリーズ創始者であり「ソーサリー」などの著作で知られるイギリスのスティーブ・ジャクソン(英)とは同姓同名の別人。
さまよえる宇宙船
ブラックホール「セルツィアン・ヴォイド」に飲み込まれ、別宇宙に転移してしまったあなたは、無事に故郷の星へ帰還できるか!? シリーズで初めて宇宙空間を舞台としたサイエンス・フィクションの傑作。著者であるスティーブ・ジャクソン(英)は、ファンタジーのみならず「ホラー」「スーパーヒーロー」など、さまざまなジャンルで傑作を輩出しているが、本作もそれらに劣らぬ完成度を誇る不朽の名作。
狼男の雄叫び
人狼化してしまうライカンスロピィの呪いにかかったあなたは、その呪いを解く術を求めて旅立つ……。狼男の本性を表現するべく、「獣化」を表す独自の数値を採用。この数値が高まるとみずからの意思とは無関係に狼男の血が暴走してしまう。はたしてあなたは理性を保ち、人狼の呪いを解くことができるのか? 2007年にイギリスでファイティング・ファンタジーが再始動した際に書き起こされた記念碑的作品。
嵐のクリスタル
アランシアの南、嵐の海の洋上に浮かぶ空中群島「パンガリア」を舞台に、群島全体を襲った大災害の謎に迫る。空中群島をめぐる自由度の高いルート構築が特徴で、海と空を巡るダイナミックな冒険が展開する。従来のファイティング・ファンタジーとは一線を画した雰囲気も本作の魅力。2020年に書き下ろされた新作で、著者リアンナ・プラチェットは「トゥームレイダー」などのシナリオも手がけた実力派。
ファイティング・ファンタジーの魅力 その1
豊富かつ大胆な選択と、意外性に富んだ展開
暗い迷宮に張り巡らされた罠、敵か味方かもわからぬ奇妙な人々、得体の知れない未知の食物――旅の中で冒険者を待ち受ける数々の危難。それらにどう対処していくのかが運命を分かつことになる。本シリーズでは、そうした運命の分かれ道が「選択肢」という形で提示される。中には読み手が思いつかないような機知に富んだものもあり、予想だにしない劇的な展開をもたらすことも。
ファイティング・ファンタジーの魅力 その2
1人で遊ぶRPGとしての絶妙なバランス
本シリーズの源流にあるコンセプトは「1人で遊べるRPG」であり、それゆえに旅の途中で遭遇する敵は、それぞれ固有の「数値」や「能力」を持つ。プレイヤーの分身たる冒険者も能力数値を有しており、敵との戦闘はもとより、過酷な環境や罠などによって次第に体力を消耗していく。本シリーズはこうした「ゲーム」としての数値設定が絶妙であり、変化してゆく数値に一喜一憂する楽しみも魅力の1つと言える。
ファイティング・ファンタジーの魅力 その3
緻密な描写で独特の雰囲気を醸し出す文芸性
文字を主体として冒険を描く本書では、あらゆる情報が文章を通じて表現される。本格的なファンタジーとして描かれるその世界観は、後年のコンピュータゲームのようなパステルカラーに彩られてはおらず、重厚かつ濃密で、ときに猥雑ですらある。そうした独自の世界観を描き出す表現力があるがゆえに、本作は不朽の名作として輝き続けている。
さらに発売日前に完売となってしまった「ファイティング・ファンタジー・コレクション 40周年記念〜スティーブ・ジャクソン編〜『サラモニスの秘密』」再生産決定!
今年2月に発売し、発売日前には完売となっていた「スティーブ・ジャクソン編」を再生産します。このボックス・セットには「ソーサリー」四部作のほか、スティーブ・ジャクソン氏の最新作「サラモニスの秘密」を同梱。これらの名作をより多くの方々に手に取ってもらえるよう、今回再生産することとなりました。ネットなどでの取引価格が暴騰しておりますが、ぜひこの機会にお求めください。
製造コストが高い製品ですので、今回も受注生産方式となります。締切日までにご予約ください。受注数に応じた数を生産いたします。
スティーブ・ジャクソン氏の最高傑作「ソーサリー」四部作と最新作「サラモニスの秘密」を詰め込んだ永久保存版
2024年2月にリリースされた「ファイティング・ファンタジー・コレクション40周年記念〜スティーブ・ジャクソン編〜「サラモニスの秘密」」は、ゲームブックの歴史上、最高傑作との呼び声も高い「ソーサリー」四部作、そしてスティーブ・ジャクソン氏が36年ぶりに筆を執った最新作「サラモニスの秘密」を収録したボックス・セット。
「ソーサリー」は四部作からなる壮大なスケールの作品で、広大なカーカバードの地をめぐる冒険の旅が描かれる。それぞれ単独の作品として遊ぶことも可能だが、前の巻で得た情報や物品が続刊で役立つなど、キャンペーン構造の作品ならではの仕掛けが多数盛り込まれていて、長大な旅の規模感がプレイ体験を通じて実感できる。
また、「ソーサリー」最大の特徴となるのが「呪文」だ。「ソーサリー」というタイトルのとおり、本作ではソーサリー(妖術)の活用が鍵を握る。呪文はプレイヤー自身が自分の頭に「記憶」しておく必要があり、使い方を間違えると有効に機能しない。呪文書はプレイ中に参照してはならず、この「呪文の記憶」というところにアナログゲームである本作ならではの体験的な仕掛けがあるのだ。
スティーブ・ジャクソン36年ぶりの新作『サラモニスの秘密』
「ソーサリー」四部作などでファンからの熱い支持を受けるスティーブ・ジャクソン。そのジャクソン氏が、シリーズ40周年を記念して、じつに36年ぶりに筆を執った待望の最新作。
舞台となるのはアランシア北部にその名声を響き渡らせる古き都サラモニス。本作の特徴は特筆すべき自由度の高さにあり、多岐にわたる冒険が描かれる。
原書の魅力を忠実に再現した4つのこだわり
今回の「ソーサリー」復刻では、原書の持つ魅力を再現するべく随所にこだわった。その中でも過去の邦訳版では再現されなかった仕様を4つ挙げよう。
こだわり その1:カバーアートを完全再現
1巻のマンティコアから始まる有名な「ソーサリー」のカバーアートだが、じつはあのイラストには「裏面」が存在する。原書のカバーアートは横長のイラストで、本の裏表紙(表4側)にはシャムタンティ丘陵の風景が描かれているのだ。この仕様は3巻まで共通していて、今回の復刻では、この美麗なイラストが忠実に再現されている。なお、原書は英語なので横書きの左開き。対して日本の書籍は縦書きの右開きである。そのため、日本語版ではイラストを反転した仕様とし、さらには原書に忠実な「左開き版デザイン」のカバーも同梱した。自由にかけかえて元のイラストが持つ特有の雰囲気を堪能できる。
日本語版 シャムタンティ丘陵 オリジナル版を再現したかけかえカバー 2巻「罠の都カーレ」オリジナル版 3巻「七匹の大蛇」オリジナル版
こだわり その2:独立した「呪文書」を再現
ZAPやHOTなどアルファベット3文字で構成される「ソーサリー」の呪文の数々。これらの呪文をプレイヤーみずからの頭に叩き込み、必要な局面で正しく活用していくのが本作の最大の魅力となる。これらの呪文を収録した呪文書である「スペルブック」だが、従来の邦訳版では「巻末」に収録されるのが常だった。今回は本家イギリスのボックス版の仕様を再現して「スペルブック」を独立した書籍として同梱した。危険な冒険の旅に乗り出す前に、この呪文書を手にしてじっくりとソーサリー(妖術)を習得する、という体験ができる構成となっている。
門外不出の書とされる「スペルブック」。カーカバードの危険な存在が呪文書を手にしてしまうことがないよう、本作の旅に「スペルブック」を持っていくことはできない。そのため、プレイヤーは旅立つ前に呪文を頭の中に叩き込み、出発後は呪文書を参照してはならないのだ。
こだわり その3:最終戦が異なる最新版を採用
今回の邦訳では、スティーブ・ジャクソン氏みずからの提案を受けて、最終戦の展開が異なる新バージョンが採用されている。このバージョンは、マンパンにおける最終戦闘が、より複雑で緊張感あふれるものにアレンジされている。生みの親であるスティーブ・ジャクソン氏も、このアレンジを高く評価しており、今回の邦訳ではこのバージョンを推奨してきたのだ。
このように今回の「ソーサリー」翻訳では、スティーブ・ジャクソン氏本人からの貴重な意見もとりいれつつ、理想となる決定版をお届けする。
こだわり その4:各巻の書名を忠実に再現
翻訳書の題名は「商品価値」も考慮して決定されることが多い。それゆえ元の書籍とは異なる題名が付けられることも少なくない。それに対して、今回の「ソーサリー」の翻訳では原書の書名を忠実に再現。これは各巻の書名がそのまま「商品名」とならないボックスセットだからこそ実現できた仕様だ。第1巻「The Shamutanti Hills」は「シャムタンティ丘陵」とするなど、スティーブ・ジャクソン氏がつけた原題の雰囲気を、本来あるべき姿で再現した。
完全受注生産
ファイティング・ファンタジー・コレクション 〜火吹山の魔法使いの伝説〜
発売日■ 2025年2月19日予定
予定価格■ 7,800円(税込:8,580円)
発行■ SBクリエイティブ株式会社
ISBN■978-4-8156-3038-6
【収録作品】
『火吹山の魔法使いの伝説』
『サソリ沼の迷路』
『さまよえる宇宙船』
『狼男の雄叫び』
『嵐のクリスタル』
安田均氏による書き下ろし解説書
アドベンチャーシート(5枚)
豪華化粧箱
受注締切り■2025年1月6日
ファイティング・ファンタジー・コレクション 40周年記念〜スティーブ・ジャクソン編〜 「サラモニスの秘密」
発売日■ 2025年2月19日予定
予定価格■ 7,800円(税込:8,580円)
発行■ SBクリエイティブ株式会社
ISBN■978-4-8156-1963-3
【収録作品】
『シャムタンティ丘陵』
『罠の都カーレ』
『七匹の大蛇』
『王の冠』
『サラモニスの秘密』
別冊呪文書「ソーサリー スペルブック」
アドベンチャーシート(5枚)
豪華化粧箱
受注締切り■2025年1月6日
☆本製品は「完全受注生産」となります。確実にお求めになるには、締切日までに全国の書店・ネット書店にてご予約ください。
発行■SBクリエイティブ株式会社
「ファイティング・ファンタジー・コレクション 〜火吹山の魔法使いの伝説〜」をAmazon.co.jpで購入する
「ファイティング・ファンタジー・コレクション 40周年記念〜スティーブ・ジャクソン編〜 『サラモニスの秘密』」をAmazon.co.jpで購入する
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