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LG製のハイエンド端末「isai Beat LGV34」テストレポート。高いスペック,そしてサウンドに惹かれるなら価値あり
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印刷2016/11/09 00:00

テストレポート

LG製のハイエンド端末「isai Beat LGV34」テストレポート。高いスペック,そしてサウンドに惹かれるなら価値あり

isai Beat LGV34
画像集 No.002のサムネイル画像 / LG製のハイエンド端末「isai Beat LGV34」テストレポート。高いスペック,そしてサウンドに惹かれるなら価値あり
 既報のとおり,2016年11月7日,KDDIは,2016年冬モデルとなるAndroidスマートフォンおよびタブレット計3製品を発表した。同日,KDDIが東京都内で行った新製品体験会では,新発表の3製品に加えて,2016年10月に発表済みの「Xperia XZ SOV34」と「isai Beat LGV34」の2製品も出展。計5製品の冬モデルをじっくりと触って確認できるようになっていた。

 11月7日発表の3製品は,スペック的にはエントリー市場向けであり,4Gamer読者がゲーム用途に使うには向かない製品である。また,Xperia XZ SOV34は,ほぼ同じ仕様のNTTドコモ版をテスト済みであり(関連記事),性能面で大きな違いはないはずだ。
 そこで今回は,11月下旬に発売予定のLG Electronics製ハイエンドスマートフォンであるisai Beat LGV34(以下,isai Beat)を重点的にチェックしてみた。本製品もまた,NTTドコモ版が「V20 PRO L-01J」として2017年2月発売予定となっている。ただ,NTTドコモの新製品発表会では,タッチ入力に問題があって十分な評価が行えなかったこともあり(関連記事),今回,製品版に近い試用機で,改めて検証してみようというわけだ。そのため,外観や機能の説明は,NTTドコモ版と一部重複する点があることをお断りしておく。

isai Beatのカラーバリエーションは,チタンとゴールドの2色を用意
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側面が持ちやすいカーブを描いた金属製のボディ


 isai Beatは,5.2インチサイズで解像度1440×2560ドットのIPS液晶パネルを採用するスマートフォンだ。最近では,ハイエンドスマートフォンの多くが5.5インチ以上のディスプレイパネルを採用していることを思うと,やや小さめの端末と言えなくもない。

 ボディは定番の金属製筐体である。とくに説明はなかったのだが,必要十分な強度と放熱性能を確保したうえで,重量も軽くできる部材となるとアルミニウム合金製であろう。
 ボディ形状は,背面側の四辺はいわゆるラウンドフォルムであるが,曲面は複雑なカーブを描いたものとなっており,とても持ちやすい。四隅もカーブとなっているので,とくに横持ち時のゲームプレイでは,自然に手に収まる感覚を覚えるのではないだろうか。

前面(左):インカメラの右横にある部分は,後述するセカンドスクリーンだ。なお,写真の端末は前面に保護フィルムを貼った状態である
背面(右):LEDライトとレーザーAFセンサーを備えたデュアルカメラを装備。その下にあるのは,指紋認証センサーを内蔵した[電源/スリープ]ボタンだ
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上側面(左):左から赤外線ポートとサブマイク孔がある。ただ,赤外線ポートの用途は不明だ
下側面(右):左からスピーカー兼マイク孔,USB Type-Cポート,サブマイク孔,ヘッドフォン端子が並ぶ。本機は録音機能もアピールポイントであり,計3つのマイクを持つ
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左側面:音量調整ボタンがあるだけ
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右側面:防水カバーに覆われた内側にSIMカードおよびmicroSDXCカードスロットがある
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ヘッドフォンとUSBケーブルを接続した状態(左)。充電時はUSBケーブルが邪魔になるものの,充電していない状態であれば,ヘッドフォンをつないだ状態で横画面にしても,持ちにくいことはなかった。背面の下側に小さな孔があったが,これはマイクではなく気圧弁とのこと(右)
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デュアルレンズのカメラと常時点灯のセカンドスクリーン機能が特徴


 背面は,特徴的なデュアルレンズがとても目立つ。有効画素数約1600万画素の撮像素子を備えた通常レンズと,有効画素数約500万画素の撮像素子を備える広角レンズの2つを装備しており,広角レンズ側は約135度と,思いっきりワイドに撮影できる。デジタルカメラを持たず,スマートフォンだけで写真を撮る人であれば,このカメラもチェックすべきポイントになるだろう。

2つのレンズは左側が通常で,右側が広角レンズだ(左)。右写真はレンズによる見え方の違いを示したデモで,左側が通常レンズ,右側が広角レンズでの見え方だ
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通知領域の上側にあるのがセカンドスクリーン。写真は消音やライト,Bluetoothのオン/オフ用ボタンを表示した状態
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 デュアルレンズのカメラと並ぶ外観上の特徴は,メインの液晶パネル上側にある「セカンドスクリーン」だ。1040×160ドットの解像度を有する小型の有機ELパネルで,そこにプッシュ通知を表示したり,さまざまな機能のボタンを配置したりできる。アプリをドラッグ&ドロップすると,起動用のショートカットを作成することもできるなど,ささやかだが便利な機能だ。

 セカンドスクリーンは,基本的に常時点灯になっているので,スリープ状態でもそこに通知を表示できる。また,任意の文字列を表示させておくことも可能だ。いわば「小窓」的な機能であり,ゲームプレイ中に通知が来ても邪魔されないようにするといった使い方もできそうだ。

セカンドスクリーンには,インストール完了の通知(左)やダウンロードのプログレスバー(右)も表示できる
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サウンド設定は,OSの設定にある「Hi-Fi Quad DAC」の項目に集約されており,接続したオーディオデバイスに応じて,最適な設定が自動で行われる。Hi-Fi Quad DACをオフにすることも可能だ。ちなみに音量は,75段階で細かく調整できる
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 体験会場で,KDDIが強く訴求していたのは,isai Beatのサウンド機能である。本体はモノラルスピーカーなのだが,ESS Technology製のD/Aコンバータ(以下,DAC)チップ「ES9218」を採用したことにより,既存の単体DACよりも,50%のノイズ低減を実現しているという。特定のアプリだけでなく,すべてのサウンド出力がこのES9218を通過するので,ヘッドフォンを使えば,ゲームでも高音質のサウンドを楽しめる。
 また,サウンド機能のチューニングは,オーディオ機器メーカーであるBang & Olufsen(以下,B&O)のエンジニアが担当しているとのこと。本体背面にはその証として,B&Oのカジュアルユーザー向けブランド「B&O PLAY」のロゴがプリントされている。実際に聴いてみると,音質には明確な違いを体感できるので,店頭でデモ機に触れる機会があったら,現在使用しているスマートフォンとの比較や,高音質化機能のオン/オフで体験してみてほしい。


ゲームプレイ時のバッテリー駆動時間を延ばせる機能を用意


 最近の海外メーカー製スマートフォンでは,ゲーム向けに独自の機能を盛り込んだ製品が増えつつあることに気付いている人もいるだろう。KDDIは大きく謳っていないものの,isai Beatにも,ゲームを快適にプレイするために役立ちそうな電源管理機能がある。

 isai Beatの電源管理機能「バッテリーとパワーセーブ」には,「ゲームバッテリーセーブ」なるスイッチがある。これをオンにすると,端末にインストールしたゲームアプリが自動で登録されて,ゲームの動作に合わせた消費電力の管理が行われるという。会場の説明員によると,「ゲームをプレイしながらでも,なるべくバッテリー駆動時間を延ばしたい」という声が多く寄せられたことで導入した機能であるそうだ。
 基本的な動作はシンプルで,ゲームに合わせて解像度とフレームレートを強制的に落とすという仕組みである。全自動で設定させることも可能だが,ゲームごとに調整することも可能だ。

「バッテリーとパワーセーブ」の項目には「バッテリーセーブ」と「ゲームバッテリーセーブ」がある(左)。バッテリーセーブはシステム全体に適用される設定で,ゲームバッテリーセーブがゲームに特化した設定だ。ゲームバッテリーセーブには,さらに「最適化(基本)」「最適化(フル)」「ゲームの最適化」という3つの設定がある。最適化(フル)は,とくに制御を加えないもので,ゲームの最適化は,ゲームごとに任意の設定ができるものとなる。最適化(基本)は自動制御となるが,具体的にどう振る舞うのかは説明がなかった
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 個別の設定ができるゲームの最適化を選ぶと,システムが検出したゲームがリストアップされる。リストに表示されたゲームをタップすると,解像度とフレームレートの2項目が表示され,「高」「ノーマル」「低」という3段階の設定レベルを選択できるようになっていた。ただ,各段階の具体的な設定内容は,どこにも書かれていない。

ゲームの最適化を選ぶと,システムが検出したゲームがリストアップされるのだが,なぜか艦これは表示されなかった(左)。リストに出たゲーム名をタップすると,解像度とフレームレートのレベルを3段階で調整できる設定になった(右)。ちなみに,写真は設定を変更していない初期状態で,どちらの設定も「高」だった
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 試用機に「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」(以下,デレステ)とAndroid版「艦隊これくしょん -艦これ-」(以下,艦これ)をインストールしてみたところ,デレステはゲームとして認識されたものの,艦これは出てこなかった。おそらくは,Google Playのカテゴリを見て,アプリがゲームかどうかを判定している可能性が高い。艦これはGoogle Playでは配信されていないので,ゲームと判定できなかったのだろう。

 デレステの設定を試してみたのだが,解像度の設定がゲーム側に反映される様子はなかったので,アプリの作り次第なのだろうか。フレームレートについては,デレステ側を60fpsした状態で確認してみたところ,「高」は60fpsで,「ノーマル」は30fps,「低」は15fpsで上限が決めうちとなるようだ。以下に解像度とフレームレートのどちらも「低」に設定した状態のデレステで,MVを再生した様子の動画を掲載しておこう。デレステ側は60fpsの設定なので,明らかにフレームレートが低下していることが分かると思う。


 アプリごとに設定できるので,通常は「高」のままにしておき,タイミングのシビアな操作や高い処理性能を必要としないゲームでは,低めに設定するといった使い分けを行えば,バッテリー駆動時間の延長に有用ではないだろうか。

バイブレーションの強さを設定する画面
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 そのほかに細かい部分であるが,バイブレーションもゲーム向けのセッティングができそうだ。isai Beatでは,Androidの設定画面で,バイブレーションの強さを「着信」「通知」「タップ時のバイブ」に分けて設定することができる。そこで,たとえば通知を受信するアプリをゲームだけに限定したうえで「通知」の振動を強くしておくと,ゲームの通知を受信したときに強く振動して分かりやすくなる,といった使い方が可能になるわけだ。


ベンチマークテストで実力を検証


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 isai Beatのスペックを確認してみよう。
 プロセッサは,Qualcomm製のハイエンド市場向けSoC(System-on-a-Chip)である「Snapdragon 820」(MSM8996)を採用。メインメモリ容量は4GBで,内蔵ストレージ容量は32GB。最大容量256GBのmicroSDXCカードにも対応している。内蔵バッテリー容量は3000mAhと,スペック的には2016年冬のハイエンド端末らしい構成である。
 グローバル版にはない防水防塵機能を備えているなど,国内市場のニーズに合わせた仕様変更が行われているのもポイントだ。

 ちなみに本稿執筆時点では,国内で発売予定のスマートフォンとしては,今のところ唯一,標準搭載OSにAndroid 7.0(Nougat)を採用している製品でもある。

 それでは,筆者によるテストでは定番のベンチマークテストを行って,isai Beatの性能を検証してみよう。
 冒頭でも触れたとおり,isai Beatは2016年11月下旬発売予定であるため,会場でテストした端末もほぼ最終バージョンとなっている。2017年2月発売予定のNTTドコモ版のV20 PROで問題のあったテストも,今回は実行できるだろう。さらに,発表会では許可が通りにくい開発者向けオプションを使用してのチェックも,部分的にだが許可が下りたので,普段よりも細かく検証することができた。

 まずはグラフィックス系ベンチマークアプリの「3DMark」から見ていこう。
 3DMark Ice Storm Unlimitedプリセットのスコアは「29138」。Snapdragon 820搭載端末では妥当なスコアといえよう。
 Monitoring dataのグラフを見ると,Graphics testでCPUクロックが低下しているのが分かる。こうした挙動は見られなかったV20 PROに比べると,性能に影響が出ない範囲でバッテリー駆動時間を確保するようにチューニングが施されているようだ。

isai Beatにおける3DMark Ice Storm Unlimitedの細目(左)と「Monitoring data」グラフ(右)
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 CPUコアやGPUコアの動作状態を確認できるアプリ「CPU-Z」では,4基のCPUコアを2基ずつのクラスタで管理するbig.LITTLE構成になっているのが確認できた。ここは,ほかのSnapdragon 820搭載機と変わらない。
 CPU動作クロックは307MHz〜2.15GHzで,挙動に特筆すべき動きは見られなかった。GPUクロックは最大624MHz。ホーム画面での操作程度では,214MHzに貼り付いたままである。画面の切り換え状況によっては,133MHzまで下がることを確認しているが,内蔵GPUコアは214MHzが標準的な動作クロックなのだろう。

CPU-Zで動作クロックをチェックしている様子。CPUコアの動作クロックは307MHz〜2.15GHz(左),GPUコアは低負荷時に214MHzで動作していた(右)
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 続いては,メインメモリおよびストレージの性能を見る「A1 SD Bench」でのテストだが,RAMのスコアが低めなのが気になった。筆者が今までにテストしたSnapdragon 820搭載端末の多くが,13GB/s台のスコアを記録しており,V20 PROに至っては15458.12MB/sという高いスコアを残している。それに対してisai beatは9685.96MB/sと,V20 PROの62%程度という低い結果となったのだ。念のために,計測を3度実行したが,スコアの差はいずれも誤差範囲。この結果からすると,isai BeatとV20 PROは採用するメインメモリの仕様が異なる可能性がある
 試用機と製品版では異なる可能性はあるし,そもそも体感できるほどの性能差ではないのだが,気になるところだ。

A1 SD Benchの計測結果(左)。RAMのスコアが低いのは気になるが,ストレージアクセス性能を測る「Internal memory」の結果は優秀だ。連打応答性を調べるぺしぺしIkinaは,93〜96になるよう連打して「87」(右)。75タップめまでストレートに進んだが,76タップめで長い飽和を確認。これだけの連打に耐えられれば,まずゲームでも問題ない
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 isai Beatで実施した開発者向けオプションを使用するチェックは,入力の同時押し判定を確認するためのものテストである。たとえば,2016年夏モデルの「Xperia X Performance」では,2点の同時押しをしていると,指と指の距離に関わらず,ランダムに「ドラッグ操作をした」と判定されるという問題があったりする。2016年5月にデレステのテストをしたときは,この現象に遭遇しなかったので見落としていたのだが,今回は厳密にテストをしてみた次第だ。
 ちなみに,発表会の場で,発売前の試用機を使って開発者向けオプションによるテストをしようとしても,大抵は許可されない。今回は「タップを表示」「ポインターの位置」のみのテストならという条件付きで,珍しく許可が下りたのであった。
 テスト結果に問題なく,2点の同時押しをドラッグと誤判定するようなことは一切なし。isai Beatでは,同時押しを誤認識することはなさそうである。

開発者向けオプションで「タップを表示」「ポインターの位置」をオンにした状態。タッチした位置に点を描画することで,入力操作を視覚化するものだ(左)。右写真はテスト中の様子で,ホーム画面やメモアプリで,しばらくの間,2点同時タッチを実行してみたが,ドラッグ判定は生じなかった(生じた場合は,指と指の間に直線が表示される)
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 ゲームの動作検証は,艦これとデレステの2タイトルで行った。「Pokémon GO」の挙動も気になるところではあるが,会場内ではGPSを正常に受信できないため見送っている。

 まずは艦これから見ていこう。
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 艦これの挙動は,端末ごとに差があることが分かっており,SoCのスペックが高くても,実際に動作させてみると遅いといったことがある(関連記事)。isai beatの場合,まずまずの動作といった印象で,遠征処理や攻略プレイ自体に問題はないレベルだった。
 ただ,艦これ運営が発表している推奨端末での動作に比べると,isai Beatでの動作はもっさりとしており,快適さに欠けるのが正直なところ。動画で撮影しておいたので,確認してみてほしい。花びらや紙吹雪の動きや,画面遷移のスムーズさで挙動が分かると思う。
 艦これの快適さに重点を置く場合,isai Beatは対象外になりそうだ。


 次はデレステでテストをしてみよう。
 チュートリアル時の判定は,当然ながら「3D標準」。そのまま3回連続でプレイしてみたが,映像のもたつきは見られず,そのうえ高音質と快適なのだが,ときおり入力の取得漏れに遭遇したのが気になった。

チュートリアル時の判定は3D標準(左)。映像の描写も良好だ(右)
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 取得洩れが発生するのは,縦画面時での画面上部に集中している。そのため,iPhone用赤外線カメラ「FLIR ONE」で筐体の発熱状況を確認してみたところ,液晶パネルからの放熱が激しいことが分かった。つまり,高温部に近いタッチパネルのセンサーが,熱の影響で鈍くなっているのではないだろうか。
 あくまでも鈍い程度なので,軽くタッチするのではなく,しっかりとタッチすることで回避できたので,それほど重大な問題というわけではない……難易度「Master」では致命的かもしれないが。
 isai Beatでゲームプレイ中に「タッチの反応が鈍いな」と感じたら,しっかりとタッチするようにしてみてほしい。

チュートリアル途中の温度をFLIR ONEで計測した状態で,左写真が前面,右写真が背面となる。この時点で,前面の一部はすでに43.7度まで温度が上昇していた。なお,背面は手違いにより,左側に置くべき上側面を右側に置いたまま撮影してしまったため,画像を180度回転させ,ほかの画像と向きを揃えて掲載している
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動画で掲載したMVを再生したあとに,もう1度MVを実行した直後の状態。左写真が前面,右写真が背面だが,背面よりも前面のほうが,高温の部分が広い
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サウンド重視派なら検討する価値のあるisai Beat


 それではまとめに入ろう。
 isai Beatは高いスペックによる高性能に加えて,サウンド面でのこだわりが光る製品である。細かい部分で気になったところはあるが,全体的な仕上がりは良好だ。ゲームのサウンドも楽しみたいと考えている人は,愛用のヘッドフォン持参で店頭の端末をチェックしてみるのがいいだろう。

 発熱によると思われるタッチパネルの鈍化を確認しているため,とくに横画面でプレイするリズムゲーム用途には,あまり向いていない。ただ,縦画面プレイ前提のタイトルであれば,熱の影響を受けにくそうでもあるので,よくプレイするゲームタイトル次第で,isai Beatを選択肢に含めるかどうかが決まってくるのではないだろうか。

●isai Beat LGV34の主なスペック
  • メーカー:LG Electronics
  • OS:Android 7.0(Nougat)
  • ディスプレイパネル:5.2インチ液晶,解像度1440×2560ドット
  • プロセッサ:Snapdragon 820(MSM8996,CPUコア:Kryo×4,GPU:Adreno 530,最大CPU動作クロック 2.2GHz)
  • メインメモリ容量:4GB
  • ストレージ:内蔵(容量32GB)+microSDXC
  • アウトカメラ:有効画素数約1600万画素
  • インカメラ:有効画素数約500万画素
  • バッテリー容量:3000mAh
  • 待受時間:約410時間
  • 連続通話:約1400分
  • LTE通信周波数帯:800MHz,2GHz
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11ac
  • Bluetooth対応:4.2
  • USB:USB 2.0 Type-C
  • 本体サイズ:72(W)×149(D)×8.0(H)mm
  • 本体重量:約146g
  • 本体カラー:チタン,ゴールド
  • 主な対応サービス&機能:au VoLTE,おサイフケータイ,防水(IPX5,7),防塵(IP6X),指紋認証,ワンセグ,フルセグ,ハイレゾ音源再生

KDDIのisai Beat LGV34 製品情報ページ


  • 関連タイトル:

    Android端末本体

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