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平成ゲーム史まとめ。30年間を年表とコラムで振り返る
本日2019年4月30日で平成が終わる。普段の生活では西暦を使う人が増えてきているとはいえ,日本人にとっては一つの節目を迎えたといえるだろう。
平成は,長さでいえば昭和の半分に満たず,国土が戦火にさらされることもなかった。だからといって常に平穏だったわけでもなく,とりわけ昭和の後半に確立したゲーム産業にとっては,大きな変化が起きた30年間だったといえる。
平成元年には任天堂から携帯型ゲーム機「ゲームボーイ」が発売され,それに対抗するようにセガからは「ゲームギア」が発売された。また,1990年代中期から後期にかけてはソニー・コンピュータエンタテインメント(当時)から「PlayStation」が,セガからは「セガサターン」,松下電器産業からは「3DO REAL」が発売されるなど,俗にいうゲーム機戦争が激化。その後セガのゲームハード事業からの撤退,Microsoftの参入による「Xbox」の誕生など,形を変えて今も続いており,Microsft,ソニー・インタラクティブエンタテインメント,それぞれから次世代機の声も聞こえてきている。そしてゲームのグラフィックスも進化し,平成初期は2Dのドット絵が主流だったが,今はその多くが3Dで描かれるようになった。
また,スマートフォンの普及やネット環境の整備もゲーム業界に大きな変化をもたらした。いまや,インターネットへの接続を前提としたゲームは特別ではなくなっている。
平成30年間では,バブル経済の崩壊,数々の震災,リーマンショックによる世界的不況など,経済的に影響の大きい出来事もあったが,ゲームは不況知らずとも言われ,その市場規模は基本的に拡大してきた。令和となる2019年5月以降の日本は,少子高齢化がますます進むなど,明るくない予測も多い。だがそんな時代だからこそ,エンターテイメントがより求められ,とりわけこの30年で手頃な娯楽になったゲームの存在意義は大きい。
この特集では,令和以降の時代にゲーム史を引き継ぐ意味合いもこめ,平成元年1月(1989年)から31年(2019年)4月までを,ゲームに関連した項目に軸足を置きながら振り返っていく。もちろん,平成になったときにすでに社会人だった人,学生だった人,生まれてもいなかった人など,年齢によって思い出す出来事がまちまちということもあり,ここに記せなかった名作も多い。「自分だったら,この年には別のタイトルを選ぶ」などと思いながら読んでいき,独自のゲーム史を次の世代に伝えてほしい。
※各コラムは思い出を語るという性質上,いわゆるネタバレにあたる記述がございます
目次
平成元年(1989年)
■「FM TOWNS」:丸いマウス以外はけっこういいマシンだった
■「ゲームボーイ」:初代本体がもたらしてくれたもの
■「ポピュラス」:最後のスターゲームデザイナーが残した名作
平成2年(1990年)
■「ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣」:ゲイムもCMも脳裏にこびりつくクセのある作品
■「スーパーファミコン」:2つで十分? いや(オプションを)4つくれ
平成3年(1991年)
■「NEOGEO」:凄いゲームを連れて帰れるゲーム機の,栄光と衰退
■「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」:平成の時代を超音速で駆け抜けた青いハリネズミ
平成4年(1992年)
■「スーパーマリオカート」:あの素晴らしい「マリオカートパーティー」をもう一度
■「真・女神転生」:悪魔合体もいいけれど,銃で撃ちまくるのが好きだったんスよ!!
平成5年(1993年)
■「スターフォックス」:宇宙と時を超えた感動
■「バーチャファイター」:3Dの衝撃と“密航”と
平成6年(1994年)
■「セガサターン」:中学生の自分にゲームの「未来」を見せてくれたゲーム機
■「PlayStation」:家庭用ゲーム機における4つの変化
平成7年(1995年)
■「クロノ・トリガー」:スーパーファミコンの到達点。時を越えるRPGは,時を越えて愛される名作となる
■「タクティクスオウガ」:民族紛争の泥沼と,そこで翻弄される人生にゲームが踏み込んだ
平成8年(1996年)
■「ポケットモンスター」:時代に沿った進化を遂げ,平成世代のトレーナー達を魅了
■「バイオハザード」:スパルタ気味だが,プレイヤースキルの上達を実感できたタイトル
■「NINTENDO64」:人生を捻じ曲げたゲーム機
平成9年(1997年)
■「ファイナルファンタジー7」:ポリゴン新時代に降臨した超大作。新たな“FF”が見せてくれた、数々のビジュアルショック
■「ウルティマオンライン」:夢の世界でウルティマ好きと暮らす「ウルティマごっこ」の世界
■「ビートマニア」:リズムに合わせてボタンを押すだけなのに超楽しかった!
平成10年(1998年)
■「Half-Life」:複雑なストーリーテリングをFPSに組み込んだ野心作
■「ドリームキャスト」:新たな時代の到来。PSOでは初オンラインゲームにド緊張
平成11年(1999年)
■「EverQuest」:MMORPGが最も熱かった時代
■「シェンムー」:あるゲームライターの回顧録。「シェンムー」と過ごした1年間
平成12年(2000年)
■「PlayStaion 2」:ホームエンターテイメントの中心となった初めてのコンシューマ機
■「Diablo II」:アクションRPGの黒船。深夜販売も実施された洋ゲー
平成13年(2001年)
■「ゲームキューブ」:オシャレなゲーム機に集まった個性派ゲームたち
■「ICO」:幻想的な孤島で繰り広げられる,不思議でどこか懐かしくも感じる少年と少女の冒険
平成14年(2002年)
■「ファイナルファンタジーXI」:MMORPGをコンシューマ機に持ち込んだ偉大なる先駆者
■「Xbox」:黒くてデカくて凄いハードは,たった一本のソフトのために我が家にやってきた
平成15年(2003年)
■「DEAD OR ALIVE Xtreme Beach Volleyball」:家庭用ゲーム機の限界を攻めたセクシータイフーン! ゲーム史に残る,空前絶後のバカンスゲーム
■「スプリンターセル」:しなやかな中年男が闇に潜んで敵を羽交い締めにするゲームがもたらしたもの
平成16年(2004年)
■「ザ・シムズ2」:他人の人生は面白いと教えてくれたゲーム
■「ニンテンドーDS」:思い出を呼び起こす,銀色の宝箱
平成17年(2005年)
■「モンスターハンターポータブル」:落ちこぼれがPSPで立派なハンターに
■「龍が如く」:東京に住んで良かったと思わせるゲイム
■「Xbox 360」:Xという名の技術の暴走を生む土台
平成18年(2006年)
■「The Elder Scrolls IV: Oblivion」:200年前に戻って再訪したシロディールで,デイゴンやシェオゴラスと握手!
■「Wii」:まさに“ファミリーコンピュータ”になれたゲーム機
平成19年(2007年)
■技術的発展がもたらした,プロとアマチュアの境界線消失
■「レイトン教授と不思議な町」:昭和の「頭の体操」ブームを平成に持ち込んだタイトル
平成20年(2008年)
■「龍が如く 見参!」:桐生一馬が一皮むけた作品
■「Fallout 3」:「新鮮な肉」になるのはお前だ! 身も心もウェイストランド流に染まっていく楽しさ
平成21年(2009年)
■「Demon's Souls」:中年ゲーマーが味わった成功体験
■「Minecraft」:これが本物の“自由”だ。ブロックのみで構築された世界でのサバイバルライフ
■「ラブプラス」:ニンテンドーDSを“新型の携帯電話”とする魔法
平成22年(2010年)
■「Kinect」&「PlayStation Move」:二つのモーション入力システムの登場と今
■「ニーア レプリカント / ゲシュタルト」:平成ゲーム史上,最も残酷な選択を迫られたナラティブRPG
平成23年(2011年)
■「ニンテンドー3DS」:初代機から後継バージョンへの乗り換えつれづれ話
■「PlayStation Vita」:Vitaが私にくれたもの
平成24年(2012年)
■「パズル&ドラゴンズ」:スマホタイトルのあり方を変えたヒット作
■「ドラゴンクエスト X」:“ドラクエ”が目指したオンラインRPGのあるべき姿
■「Wii U」:風邪に苦しみつつ惑星ミラの荒野を駆け,犬との別れがたい思い出を作る
平成25年(2013年)
■「艦隊これくしょん -艦これ-」:ブラウザゲームの可能性を切り開き,ゲームシステムの新定番を作り上げた傑作
■「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」:作り直された異例のMMORPG。苦労した分感慨もひとしお
平成26年(2014年)
■「PlayStation 4」&「Xbox One」:双子のような二つのゲーム機を巡る物語
■「グランド・セフト・オートV」:「最高にクレイジーな主人公」はいかにして「愛すべきトレバーおじさん」になったか
平成27年(2015年)
■「スプラトゥーン」:ポップなアートの背後に超本格的な「戦争」のデザインが光る傑作
■「Fate/Grand Order」:その英雄譚は確かに100万人に届いた
平成28年(2016年)
■「Pokémon GO」:平成のアイドルホース&ソフト論
■「PlayStation VR」:訪れる新時代。ゲーム界に起こる“第三の変化”
平成29年(2017年)
■「Nintendo Switch」:Switchという謎解きと入手困難と
■「ファイヤープロレスリング」:平成を駆け抜けた偉大なる2Dプロレスゲーム
■「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」:1つのジャンルを生み出した大ヒットタイトルの光と影
平成30年(2018年)
■「Nintendo Labo」:子ども達に”新しい遊び“を与えてくれた
■「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」:いきなりすべてをほおばらず,ゆっくりと噛みしめたいシリーズ最新作
平成31年(2019年)
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