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「ブリスティア完成披露会」ではなく「反省修正会」? 7月13日の大型発表を前に「グラナド・エスパダ」運営プロデューサー中尾圭吾氏に真意を聞いた
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印刷2013/07/06 00:00

インタビュー

「ブリスティア完成披露会」ではなく「反省修正会」? 7月13日の大型発表を前に「グラナド・エスパダ」運営プロデューサー中尾圭吾氏に真意を聞いた

画像集#011のサムネイル/「ブリスティア完成披露会」ではなく「反省修正会」? 7月13日の大型発表を前に「グラナド・エスパダ」運営プロデューサー中尾圭吾氏に真意を聞いた
 既報のとおり,ハンビットユビキタスエンターテインメントは,同社がサービスを提供するオンラインRPG「グラナド・エスパダ」(以下,GE)の「7周年記念オフラインパーティー」を,2013年7月13日に東京都内のニコファーレにて開催する。同イベントは,GEがサービスインから7周年を迎えることと,大型アップデート「ブリスティア」シリーズが,2013年7月後半に完結することを記念したものとなっており,オフラインパーティーの一環として,「ブリスティア完成披露会」も開催される。
 今回,4Gamerでは,イベントの開催を前に,GEの日本運営プロデューサーを務める中尾圭吾氏に,7周年を迎える同タイトルの現状と,今後の予定などを聞いてみた。


ブリスティア完成披露会の裏目的は反省・修正会


「グラナド・エスパダ」運営プロデューサー 中尾圭吾氏
画像集#003のサムネイル/「ブリスティア完成披露会」ではなく「反省修正会」? 7月13日の大型発表を前に「グラナド・エスパダ」運営プロデューサー中尾圭吾氏に真意を聞いた
 まず中尾氏は,2012年後半にスタートしたブリスティアシリーズに関して,「とりあえず,今分かっていることは,去年の秋ぐらいから現在に至るまで,プレイヤーを楽しませる内容には至らなかったということです」と,いきなり率直に結果を述べた。
 昨年のオフラインパーティーで発表された一連のアップデートは,近年,順調に伸びてきていたGEをさらに飛躍させるため,開発体制を大幅に強化してこれまで以上に強力なコンテンツを提供するべく臨んだものだった。「100%勝つだろう」と思われた盤石の態勢が,まさかの空振りとなり,プレイヤーから十分な評価を得ることができないまま現在に至ってしまったという。

 「開発チームは,新しい技術を導入するなど,熱心に新コンテンツに取り組んでいたのですが,思うように成果が上がりませんでした。これは日本だけではなく,海外でも同様の結果になりましたので,現状を重く捉え,プレイヤーの方が求めるコンテンツ開発に向かっていくために,韓国と日本では開発チームとプレイヤーとの間で座談会を開くことになりました」(中尾氏)

発達した文明国家ブリスティアの登場は大いに注目されたが,ゲームとしては空振りに終わった
画像集#005のサムネイル/「ブリスティア完成披露会」ではなく「反省修正会」? 7月13日の大型発表を前に「グラナド・エスパダ」運営プロデューサー中尾圭吾氏に真意を聞いた

 すでに韓国で行われた座談会で開発チームが提示した改善案はPvPに関する施策が主体だったが,韓国のプレイヤーへのアンケート結果を見てみると,PvP以外の部分の要望が非常に多かったとのこと。

 そうは言っても,ブリスティアのコンセプトやグラフィックス,キャラクターの立て方,シナリオの内容に関して,部分的には良い評価もあったと中尾氏は語る。
 しかし,「ブリスティア」シリーズに入り,以前より多くのマップやミッションを実装しているにもかかわらず,プレイヤーからは「足りない」との声が挙がっていたという。これは,クリア報酬に大きな価値が見出せないことや,難度も低くてゲームが進んでいる感じがしないことに不評が集中しているようだ。結果的に,繰り返し挑戦しようというプレイヤーのモチベーションを挫いているとのことだ。

キャラクターの造形やシナリオのデキは決して悪くなかったのだが……
画像集#006のサムネイル/「ブリスティア完成披露会」ではなく「反省修正会」? 7月13日の大型発表を前に「グラナド・エスパダ」運営プロデューサー中尾圭吾氏に真意を聞いた

 「韓国の座談会と同様に,日本の座談会でも『今のままでは内容が足りない』という結果になると考え,アップデート内容の発表や座談会の前に,今後いかにして改善していくかという協議を開発と行いました。
 その結果,具体的にどう改善するのかについては,ブリスティア完成披露会にて,ある程度まとめて発表します。……まあ,今回のブリスティア完成披露会の放送は,表向き,ブリスティア完結を祝うという形にしていますが,実質はブリスティアシリーズのラストくらいはプレイヤーの方に楽しんでもらえるものにするという決意表明と,今後に向けた修正の方向性を発表するという側面が強いかもしれません」
(中尾氏)

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 なぜ開発チームとプレイヤーの間にズレが生じてしまったのかについては,「長く開発を続ける中で,全体像が見えにくくなったことと,この数年間は成功が続きすぎたこと,時代が進むにつれ求められる水準が上がっていることの3点」の問題があると中尾氏は推測する。
 とくに,これまで6年以上にわたって開発を続けてきた結果,GEのデータは膨大な量になっており,技術面やコンセプトも含めたゲーム全体を把握できている人は,開発チーム,運営チームでもごく少数になってきているという。

ブリスティアに入って,新キャストの投入が加速されたのだが,その多くは両手で2つの武器を使うキャラクターだった
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 「ありがちな話ですが,ゲームのシナリオ部分に捉われすぎた結果,『プレイヤーさんの日々のプレイ体感』の想定が甘くなってしまったんですね。そのため,結果として自分達の作りたいものを作ってしまうことになっていたと思うんです。例えば,『2本の武器を使うカッコいいキャラクター』とか,『新しい武器を利用するキャラクター』とかを,シナリオ的に強い位置付けになるキャラクターにしてしまったとします。しかし,プレイヤーからすると,武器を2本分強化することや新武器の入手には多大な時間が掛かり,手間も大きいので嫌われる傾向にあります。
 また,グランディスなどはシナリオの展開上で強いキャラなので,編入後もある程度は強いキャラになるほうが楽しいのは間違いなさそうですが,程度の問題があり,オールマイティに強すぎました。これもプレイヤーからすると,これまで手塩にかけて育ててきたほかのキャラや武器が無価値になってしまう可能性が生じますから,抵抗を感じるのももっともな話でしょう。こういったプレイヤーの心理や体感の想定が全体的に甘くなってたんですね」
(中尾氏)

 こうした問題の改善は,2013年7月のアップデートから順次行われるとのことで,中尾氏は,「ブリスティアもこれで完結ですから,最後くらいはきちんと遊んでいただける形にせねば」と話す。ブリスティアの最終章では,ちゃんとバランス改善の行われたコンテンツが披露されることになりそうだ。また,プレイでのストレスを軽減していくことや,プレイヤーのプレイ時間に応じて,きちんとした対価が得られるように,今後のコンテンツ企画開発でも継続して改善するとのことである。

 「一番重要なことは,初心に戻り,過去にできていたことを改めてやり直すことと,ただ過去に戻るだけではダメなので,進化している部分はしっかり残すことの2点です。アクティブなプレイヤーの方は今でも十分に多いですので,プレイアビリティの改善に集中することが大事でしょうね。とくに,ブリスティアのラストでしっかりと新しい方向性を示すことが重要だと考えています」(中尾氏)


運営体制も「面白さ」と「誠実さ」の二つの視点に分け,大きく変革


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 また,HUEの運営体制も,2013年7月から大きく変わるという。具体的には,内部を「誠実な対応を追求する」チームと,「エンターテイメントの提供」を重視したチームに分けることとなる。これは,2012年まで採用してきた運営手法では,多様化するプレイヤーのニーズに応えきれないためと,中尾氏は説明する。

 「本来なら,誠実さと面白さの双方を提供できる人材を育成すべきなのですが,現実には難しいです。私自身も面白いことだけに特化して考え始めると歯止めがきかなくなり,社会人としての真面目でなければならないシーンでも思考回路が切り替わらないことがあります。まぁ,個人的な性質もあるかもしれませんが……なので,自分の有り様も考えた結果,各スタッフの適性に合わせてどちらか一方を極めてもらおうと,内部を『運営チーム』と『開拓推進本部』に分けました。イメージは,前者がホテルマン,後者がピエロといった感じでしょうか」(中尾氏)

 運営チームでは,「リアルタイム個別サポート」と称して,不具合でクエストが進行しない,誤って貴重なアイテムをNPCに売ってしまったなど,今,その場で具体的に困っているプレイヤーの対応をリアルタイムで解決する取り組みを行っているとのことだ。

 「個別サポートに関しては,スタッフにある程度の裁量を任せています。慣れたスタッフの裁量判断に任せることで,迅速な対応が可能になりますし,スタッフ各自のスキルも上がっていくんじゃないかと思い,このような体制で始めました」(中尾氏)

 上記の個別サポートの内容は,現状,テストとして行われており,今後はさらに進んだ対応を行っていく予定とのことだ。

GMによるサポートの様子
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 一方,開拓推進本部は,生放送や実際のゲームプレイを通じてプレイヤーと触れ合い,ゲーム内のニーズを把握してイベントやコンテンツの調整・企画に反映するという役割を担うという。すでにこちらの体制についても試験的に運用が行われているが,まだ成果を出すには至っていないとのこと。コンテンツや面白いイベントの提供には開発の協力が必要になる部分も多く,効果がすぐには分からないので時間が掛かっている状況と話す。
 ブリスティア完成披露会では,コンテンツの改善内容やゲームをより面白くするための課金体制に変更することなどを発表するという。そこがある意味,開拓推進本部の第一歩となるようだ。

 「開発だけではなく,運営側もプレイヤーの想定が甘かったわけですから,運営スタッフの視野を拡大するため,コンテンツの生放送を運営スタッフがやるようになりました。GEにはたくさんのコンテンツがありますので,コンテンツの遊び方を紹介することも前提にしています。これによって,徐々にですが,運営スタッフのプライベートなゲームプレイや数値の分析だけでは分からなかった部分が見えてきています。ブリスティア完成披露会で発表する内容でどうなるか……,という感じです」(中尾氏)


新規向けサーバーを期間限定で設置。今回はコンシューマRPG並みの速度感を提供


 加えて,新規プレイヤーおよび休眠プレイヤー向けの専用サーバーも期間限定で用意されるという。これはブリスティア完成と新ローカライズ投入を記念した施策のようで「テレビゲーム並みのスピードで遊び,1か月でどこまでいけるか」をコンセプトに掲げている。
 合わせて,2012年にスタートした新規向けインゲームサポートだけでは「楽しみ」が不足していたとの認識で,新しい施策を用意しているとのことだ。

 新ローカライズは,プレイヤー出身の運営スタッフと,シナリオ作成で評価の高い外部のローカライズ業者が協力して作業を進めているとのことで,どのようになったかについては,ブリスティア完成披露会で公開する形になるようだ。

クエスト時などのテキストが大きく改善されることになるという(※画像は現状のものです)
画像集#009のサムネイル/「ブリスティア完成披露会」ではなく「反省修正会」? 7月13日の大型発表を前に「グラナド・エスパダ」運営プロデューサー中尾圭吾氏に真意を聞いた

 「今回は,刷新されたローカライズ内容を見てほしいというのもありますが,ブリスティアの部分まで,さほどハードプレイヤーじゃなくても楽しめる内容になっていますので,新規の方や大昔にやめた休眠プレイヤーの方に,まとめてGEのストーリーを楽しんでいただける機会を設けようと新サーバーを用意することにしました。『1か月でどこまで行けるかゲーム』ですね(笑)。
 このサーバーは,今のところ1か月で閉鎖する予定ですが,ゲームの進行方法を覚えている休眠プレイヤーの方なら,ブリスティアの最後まで遊びきれるかもしれません。この新規サーバーの詳細は,ブリスティア完成披露会にて公開しますので楽しみにしていてください。
 新規サーバーの閉鎖後も継続して遊びたいプレイヤーの方には,別のワールドに移住できるサービスも行います。もしGEを気に入っていただけるようでしたら,ぜひ継続してプレイしてください」
(中尾氏)

 一方,サービス開始当時とはゲームの仕様がかなり変わり,現在はフィールドのリソースを奪い合わないインスタンスミッションがプレイの中心となってきたことから,既存サーバーの統合も検討していると中尾氏。ただし,統合については,6月末に実施した公式アンケートの結果に沿って内容を決める予定とのことだ。その報告も含めて,7月13日のオフラインパーティーでは,GEの今後の展開に関する新情報が公開されるという。中尾氏いわく,ブリスティア完成披露会では,ブリスティアの次に来る新しい展開に言及する可能性もあるとのことである。

ニコファーレで開催されるブリスティア完成披露会ですべてが明かされる
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 それでは,GEプレイヤーに向けて,中尾氏に語ってもらったコメントを掲載して本稿の締めとしよう。

 「GEは,スタート当初から現在まで,相変わらず波乱万丈です。そんな状況でも熱心なプレイヤーの方に支えられ,7周年を迎えることになりました。ここ最近のような,プレイヤーの皆様にとって厳しい状況を迎えた際にも変わらず応援してくださる方には,本当にいくら感謝しても感謝しきれません。その応援のお蔭で心が折れずに続けられています(笑)。
 ブリスティア完成披露会は,遊んでくださっている方にとって記念すべき日にしたいです。今回は感謝の気持ちを込め,特別な贈りものも用意しています。また,7月からのアップデートについても,あらためて楽しみにしていただければと思っております。ありがとうございました」
(中尾氏)

「グラナド・エスパダ」公式サイト

ニコニコ生放送「7周年記念オフラインパーティー」

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    グラナド・エスパダ

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